わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

「みどり豊かな福祉と文化のまち杉並」2018年区長選挙にあたって〜

 6月24日杉並区長選挙が行われます。現職の田中良区長は3期目を目指していますが、私たちは、この区政はもう終わらせなくてはならないと考えます。
 田中区政の特に2期目の4年間は区長の増長が目立ち、住民との紛争が区内各地で発生しました。荻窪(あんさんぶる荻窪の財産交換と2つの余分な公共工事)、下井草・久我山(公園つぶして保育園建設)、高円寺(学校統廃合で巨大校舎建設)など枚挙にいとまがありません。突然、一方的に非常識な方針を打ち出し、住民の意見を一切省みず、計画は絶対に変更しない区長、区役所の態度。私たち杉並区民の住民自治は圧殺されているといって過言ではありません。
 なぜか。それは、田中氏が区長の権力をかさに、建設業など少数の事業者や地域の有力者と利権で結びつき、駅前の再開発をもくろみ、まだ何十年も使える公共施設を壊し木々を根こそぎ伐採し、不要不急の公共工事をつぎつぎに行い、そのためには住民の声や民主主義の手続きは妨害物としか考えていないからです。残念ながら区議会の大半もこれに追従し区長の従属物に堕しています。
 保育料や施設使用料、国民健康保険料など値上げ続きで区民には負担を強いておきながら、公共工事にはふんだんに財政を費やし、区長・区議会議員ら特別職の給与は何度も引き上げてきました。区財政の公正さがゆがめられています。雇用の非正規化と低所得化で、働く区民の生活は厳しく、商店など中小企業は廃業が相次ぎ産業は衰退しています。
 私たち杉並区民は、このような区政を放置することができません。
 私たちのまち杉並には、原水禁運動発祥の地の誇りと住民自治の伝統があります。時代は移り社会状況も変わりましたが、私たち杉並区民には、自分たち自身の手で、この区政のあり方を転換し、杉並の住民自治を再生させていく自治の力があります。
 区政を変えようと立ち上がった区長候補の皆さん、そして区民の皆さん。
 心からの連帯の挨拶とともに、住民自治を取り戻し、区政の転換を実現しようと呼びかけます。ともに頑張りましょう。
2018年6月17日
杉並わくわく会議「私たちがめざす新しい杉並区政」プロジェクト
<以下、私たちがめざす新しい杉並区政>
みどり豊かな福祉と文化のまち杉並
〜住民自治にもとづく杉並らしいまちづくりのために〜
1.駅前再開発ではなく、みどり豊かな杉並に
〇田中区長のめざす駅前にビルの林立するまちではなく、住宅地杉並の静穏な環境と景観を守り充実させていくことを求めます。
 ・荻窪駅周辺の整備は、南北交通の不便解消と景観の改善、商店街の活性化を重視すること。
 ・阿佐ヶ谷駅北口のけやきの森を守ること。区内に残された生態系を大切にすること。
 ・公園を増やし、特に中央線の北側地域に公共のみどりを増やすこと。
〇むだな公共工事の口実とされている現在の施設再編整備計画を抜本的に見直し、区民が使いやすい施設の整備を求めます。
 ・児童館の廃止を撤回し、むしろ数をふやすなど充実させること。ゆうゆう館を存続させること。
 ・図書館の「スリム化」「コンパクト化」をやめ、建て替えの際にはむしろ拡張すること。
 ・科学館に相当する施設を再建すること。
 ・旧杉並中継所を区民の集う文化施設として活用すること。
 ・学校統廃合を行わず、地域の学校施設を区民の活動に活用すること。
 ・区民集会施設等の利用料の引き下げ、無料化を行うこと。
 ・区民が無料で自由に使える場所(フリースペース)を増やし、区民が集い学ぶ活動を支援すること。
 ・これらを実現できる適切な財政計画を有する施設再編整備計画に改めること。
〇地域で住み続けられるための福祉制度と施設の充実を求めます。
 ・介護保険のサービスが必要な人に必要なだけ提供すること。また、家族と同居の場合や要介護でなくても使える区独自の高齢者サービスを大幅に拡充すること。
 ・国に対して介護保険や障害者支援制度の改善・拡充を求めること。各種保険料や自己負担において低所得者の負担軽減を進めること。
 ・障害者の生活支援、特に移動支援を使いやすいものにすること。作業所や地域活動センターの安定した運営のための補助金を拡充すること。グループホームをふやすこと。
 ・生活保護世帯への区独自支援、とくに子どもへの支援を拡充すること。
 ・福祉の現場で働く人たちの待遇を改善し、福祉の質を引き上げるため、区独自の補助を行うこと。
 ・国民健康保険料、介護保険料、保育料など区民、特に低所得者層の負担を軽減すること。
2.子どもの育ちに必要な遊びと学びを保障する杉並に
〇子どもには安心して遊べる場所が必要です。児童館や公園を減らすのではなく増やしていくことを求めます。
 ・家でも学校でもない居場所としての児童館を、削減・廃止せずさらに充実させていくこと。
 ・安心して遊べる、自然とふれあえる安全な公園などの居場所を増やすこと。
 ・中高生、若者が無料でいつでも活動できる場所を増やすこと。第二、第三の「ゆう杉並」の建設、及びかつての青年館のような施設をつくること。
 ・学童保育の不足と詰め込みを解消すること。児童館の学童クラブは存続したまま、児童館外にも学童クラブを増設すること。学童保育の解消につながる「全児童対応」事業は行わないこと。
〇保育園の数を増やすと同時に、質を高めていくよう求めます。
 ・認可保育園は数を増やすだけでなく、参入する事業者の質を厳しく審査すること。
 ・保育の質を高めるため、人員配置と面積、施設の基準に区独自の上乗せを行うこと。民間保育士の研修を大幅に拡充すること。
 ・東京都と連携して認可外保育施設の監査を充実していくこと。
〇学校教育に余裕をもたせ、また、学校以外でも子どもの学ぶ環境を拡充するよう求めます。
 ・教員の業務を見直し、多忙化の解消を図ること。東京都とも協議し、教員配置の改善や非常勤教員の身分保障を行うこと。
 ・学校統廃合、区立小中一貫校創設は行わないこと。
 ・学校支援本部、学校運営協議会のあり方を整理・縮小すること。社会教育団体としてのPTA支援を再構築すること。
・区内大学や高校との連携、また、図書館や新たな社会教育拠点(科学館や博物館、文学館、美術館など)の充実により、子どもも大人も専門家から深く学べる仕組みをつくること。教職員の研修や補助にも役立てること。
3.商店街や中小企業が発展し、くらしやすい杉並に
〇大型店やチェーン店ばかりの街でなく、杉並らしい個性ある商店街中心の活気あるまちづくりを求めます。
 ・商店会の加盟率向上、経営支援、商店会の事務や手続きへのサポートを行うこと。
 ・消費喚起のためのプレミアム商品券を復活すること。
 ・杉並らしい生活関連の製造業や建設業を支援すること。
 ・杉並の歴史、文化資産を尊重し、活用することで地域の活性化を図ること。
〇区民の生活の安定と雇用確保、労働環境の改善を求めます。
 ・産業の発展で働く場の確保、福祉関連産業の待遇改善で生活保障につなげること。
 ・官製ワーキングプアをなくすため区の事業の民営化を見直し、直接雇用を増やすこと。
 ・区の委託先で働く人の雇用環境を把握し、事業者に改善を促すこと。
 ・公契約条例を制定すること。
 ・若い人たちが杉並に住みつづけられるよう公営住宅の増設や家賃補助を行うこと。銭湯を維持する政策を拡充すること。
4.住民自治にもとづき発展する杉並に
〇区長と特定の事業者や地域の有力者が癒着する金権政治を一掃し、公正な行政を回復するよう求めます。
 ・区長ら特別職に関する倫理条例を制定すること。
 ・公文書管理条例を制定し、文書の記録と保存、情報公開を徹底すること。公文書館を設立すること。
〇住民自治にもとづく行政のしくみをつくり、住民一人一人の人権と意見が尊重されるよう求めます。
 ・形骸化している各種審議会、協議会のあり方を改め、その委員選考にあたっては選考基準を明らかにするなど透明性を高めること。
 ・社会教育活動を拡充し、住民の創意や問題意識を区政が受け止めともに政策づくりをすること。
 ・男女共同参画の担当者を専任とし、男女平等センターにおくこと。区が主体となって行う研修や相談事業を拡充すること。区役所内部で女性の登用を推進すること。
 ・性的マイノリティが不利益を被ることのないよう、制度を整えること。
 ・「原水禁運動発祥の地」としての杉並区は平和政策でもっと積極的に発信を行うこと。
 ・多文化共生の政策を積極的に進めること。特に外国籍の子どもたちへの教育支援を拡充すること。
以  上

障害者施設の重大事故/上井草保育園の現状(保健福祉委員会での質問)

 2018年6月5日杉並区議会保健福祉委員会における質疑要旨です。
◆障害者施設の重大事故
(松尾)昨年10月に区内の障害者施設で大変重篤な事故が起こり、当時担当課長に説明を聞いたが、今日に至るまでその事故に関して公表されていない。
 聴取した内容によると、入所者がかなり重篤な負傷をした状態で部屋で発見され、その後3か月ほど入院していた。本人が誤って傷を負ったのかと聞いたところ本人が自ら負ったものではなく、その後、虐待を疑われて警察も調査したが、結局受傷に至った経緯はわからなかったという。
 かなり重篤な負傷であったこと、また限りなく虐待が疑われる事件であったということから、ある程度の事実を公表し、責任の所在、対応方針を明確にしていただきたいと要望する。
(河合障害者施策課長)大変残念な事案。保護者の意向、原因が特定されていないところから公表はしていない。
(松尾)重篤な事故であり、本人や家族の意向は勘案すべきではあるが、区や事業者が事件の概要、責任の所在、処分、今後の対応策を一定の時期に明らかにすべきだったのではないか。
 当初は警察の捜査などからやむを得なかったが、発生から7か月以上たつ状況の中で、いまだに公になっていないのはいかがなものか。
(河合障害者施策課長)法にもとづき東京都に報告している。毎年都のほうで公表している。
(松尾)重篤かつ虐待が限りなく疑われるケースであり、重大な問題。再発防止は当然として、他の施設、法人を含め起こりうることなので、経験を共有していくという意味で、きちんと総括し、責任を明らかにして、一定レベルの公表をしていくべき。
 驚くような事故であり、そのことについて我々保健福祉委員さえ知らないというのはどういうことなのか。そこは信頼していただいて、ある程度の情報を伝えていただかないと、区民の方との対応もある。
◆上井草保育園民営化について
(松尾)民営化後、常勤の職員についてはむしろ増えているが、パートがずいぶん減ってしまったと聞いた。朝夕の保育が手薄になっている。これまでは朝夕の時間帯も子どもが園庭で遊んでいたのに、いまは遊ばせてもらっていないと聞いた。非常勤の人数と、保育の状況が変わっていることについて、把握しているか。
(武井保育課長)新しい園になっての人員配置は把握している。特にこの園が配置が薄くなっているとは聞いていない。
(松尾)常勤者は増えているが、パートの人がずいぶん減ったと聞いている。もうひとつ、公立のときは用務専任の人がいたが、現在は保育士が用務の仕事までしていて、ますます多忙化しているとの指摘があるが。
(武井保育課長)私のほうでは問題ないと聞いているが、あらためて、確認したい。
(松尾)ぜひしっかりとやっていただきたい。民営化にあたっては区役所も事業者も「区立のときと全く保育はかわりません」と説明し、それで保護者はしぶしぶというか、協力されていると思う。ところが、完全民営化された状態の中では様々な変化が起きてきているのが現実。これまで区立で行っていたのと同等の保育ができるのか、区立とかわらずしっかりした保育をやってもらうよう、決意をうかがって終わる。
(徳嵩子ども家庭担当部長)これからもいろいろな改善を行い、充実したひきつぎを行って、安心安全な保育を実現できるよう、支援していきたい。

河北病院の移転で阿佐ヶ谷のけやきの森は(一般質問しました)

 2018年6月1日杉並区議会第2回定例会で一般質問しました。
1.朝鮮半島情勢と日本の進路について(区長の政治姿勢について)
 朝鮮半島に歴史的な動きが始まりました。大きな世界の動きに日本の進路も大きな岐路に立たされていると思います。平和への歩みを大いに歓迎したいと思い(他に誰も質問しないし)、質問しました。
2.施設再編整備計画について
●「土建屋政治」の根拠
 もうすぐ杉並区長選挙ですが、「政治資金パーティー」「ゴルフコンペ」など、区長と区の工事や民間委託の事業者との癒着が問題となっています。昔の政治家みたいな「土建屋政治」になってしまった杉並区。文教地区、文化の杉並はどこへ…。
 やりたい放題の公共工事、その根拠となっている施設再編整備計画がそもそもずさんという話しをしました。
●河北病院の移転
 2016年秋に突然「河北病院がけやき屋敷に移転・改築」と知らされましたが、実は杉並区はもっと前から知っていた??
●けやき屋敷
 30年前自然環境調査が行われていたことをつきとめました。杉並区はけやき屋敷を「まもるべき杉並のみどり」と選定していたのに、いま伐採しようとしている。阿佐ヶ谷の宝、けやきの森を守る手段はある!!
●児童館
 杉並区は児童館を全部廃止する計画を進めていますが、その代替といっている学校内での「放課後等居場所事業」について、最初から関係者が指摘していたとお〜りの問題が起きていることを指摘しました。「建物としての児童館はなくなっても事業は変わりませーん」などと区民を欺している議員はいいかげんにしてほしいと思います。
●下井草児童館
 次の再編・廃止のターゲットとなっています。学童クラブの移転で来年から260平米に150名がひしめくことが判明。また「学校という広いフィールド」で行うと言っていた「放課後等居場所事業」は学校の外に拠点を求めるとのこと。なんかもう、児童館さえなくなれば何でもいいんだな、杉並区…(ちょっと自棄)。
(以下は質問原稿です。実際の発言とは異なるところがあります)
1.朝鮮半島情勢と日本の進路について(区長の政治姿勢) 一般質問をいたします。最初に、朝鮮半島情勢と日本の進路について、区長の政治姿勢をうかがいます。
 4月27日、韓国と朝鮮民主主義人民共和国の南北首脳会談が開催されました。世界が中継画面にくぎづけになりました。まさに今、歴史の転換点が訪れようとしています。
 昨年の朝鮮による核実験、ミサイル発射をめぐり、アメリカ・トランプ大統領との激しい応酬に一触即発の危機を感じていたのは、私だけではないと思います。しかし、今年に入り劇的な変化が生まれました。平昌オリンピック・パラリンピックを契機として、南北朝鮮の交流が始まり、首脳会談に至る流れがつくられました。
 金正恩委員長と文在寅大統領が4月27日に署名した「板門店宣言」には、
朝鮮戦争終結へむけて、今年中に終戦を宣言し、休戦協定の平和協定への転換を推進していくこと、及び、
・南北の交流・往来の活性化
朝鮮半島の非核化
が具体的に書き込まれました。
 米朝首脳会談がどうなるかなど、不確定な要素がまだまだ多いところではありますが、南北会談で動き始めた歴史の大きな流れが逆戻りすることはもうないでしょう。
 民族の分断と戦争状態の克服に向かって踏みだしたこの日を迎えるまでの、両国の人々の長い長い苦難と努力を思い、心からの敬意を表するものです。
 そこでまず区長にうかがいますが、こうした朝鮮半島、東アジアの動きについて、どのような感想、見解をお持ちか、お示しください。(Q1−1)
<日本こそ当事者として>
 さて、こうした朝鮮半島の動きは、わが国にとって決して他人事ではなく、むしろ当事者として積極的に関わっていくべき外交課題でもあります。
 なぜならば、日本こそは、1910年の韓国併合以来、45年の敗戦まで朝鮮を植民地として支配してきた国であり、分断を招いた責任があります。そして、50年から始まる朝鮮戦争において、日本は米軍に協力し、朝鮮・韓国の人々の犠牲のうえに朝鮮戦争「特需」による繁栄を勝ち取った国でもあるからです。
 しかし、残念ながら、わが国安倍政権は終始「金正恩は信用できない」「最大限の圧力をかけつづける」など一貫して朝鮮の動きを否定的にとらえてきた結果、世界から「蚊帳の外」とみられる有様で、この朝鮮半島の動きに全く対応できていません。私たち国民はこのような外交を続ける政治を転換していかなければならないと考えます。
<このままアジアの孤児となるのか>
 朝鮮戦争終結と非核化の進展により、在韓米軍の縮小・撤退も視野に入ります。さらに日本政府と国民の対応次第では、在日米軍の縮小・撤退もありえますが、この機を逃せば、むしろ逆に、在日米軍の強化、韓国に代わる日本の要塞化さえありうるのではないでしょうか。
 すでに安倍政権は、2015年、安保法制の成立により、米軍と共同して全世界で軍事行動を展開することを可能としています。このままアジアの孤児となってアメリカの戦争を肩代わりしていく道を歩むのか、それとも進路を転換してアジアの隣国と協力して平和なアジア地域を形成していくのか、いま日本こそが重大な岐路に立たされているのです。
 そこで、区長に伺います。新しい国際情勢の中で日本外交の課題はなにか、またとりわけ日米安保についてどう考えるか。所見をお示しください。(Q1−2)
2.施設再編整備計画について
(1)計画の見直しについて
 さて、世界はこのように激動していますが、我々の杉並区に目を戻しましょう。施設再編整備計画について質問します。
<田中区長の「土建屋政治」>
 区長選挙が近づき、8年間の田中区政が審判を受けるわけですが、先の第1回定例会では他の議員の質疑により、田中区長の政治資金パーティーの呼びかけ人や、区長の後援会が主催するゴルフコンペのメンバーの多くが、区役所の工事や委託事業を受託している企業、団体の関係者であることが白日の下にさらされました。ひとことで言えば区民のための区政ではなく、公共工事優先の、いうなれば「土建屋政治」になってしまっているわけで、その根拠となっているのが施設再編整備計画です。
<浪費の根拠「施設再編整備計画」>
 そもそも施設再編整備計画とは、できるだけ財政負担を軽減していくことが目的のはずです。それは区民のために必要な施設をしっかりと更新していくためでもある。ここまでは立場を超えて合意できる部分だと思います。ところが、杉並区の計画は財政負担の軽減どころか、まだまだ使える施設を解体、改築する口実、浪費の根拠となってしまっています。
 究極の無駄といえばあんさんぶる荻窪の財産交換です。これからまだ50年以上使える施設を廃止。しかも駅前の一等地を国に譲り、交換のために全く新しい施設を33億円かけて建設、学童クラブの移設のために桃二小改築を決定、これにも30億円が費やされます。高円寺小中一貫校の過大な70億円もそうですが、使わなくてすむはずの予算がどんどん浪費されています。
 さらに、40年ほどで解体した桃二小の校舎、プールは12年で解体。永福南小学校跡地のビーチコート建設では築30年の校舎を解体など、まだ新しい施設を惜しげもなく壊していく解体工事の連続は、誰に貢献しているのだろうと考えさせられます。少なくとも区財政には貢献どころかマイナスです。
<他区の施設計画のポリシー>
 今年度は第二次プランが策定され、さらに第二期計画へと連なっていく時期です。これを視野に、計画の見直しについて述べます。まず、第一期計画・第一次プランはどういう原則によって統御されているのかを考えてみます。
 他区の、たとえば世田谷区の「公共施設等総合管理計画」を見ると、3つの原則として「建物をできるだけ長く使い、簡素にする」「総量を抑制しつつ、公共的空間を拡充する」「民間の知恵と力を最大限活かす」とあります。
 また、練馬区では「持続可能性の確保」「安全で利便性の高い施設」などの5つの目標を定めた上で、4つの方針を定め、たとえば「施設の目標使用年数は80年」などと具体的です。
<杉並区の基本原則の混乱>
 これに対して、杉並区の計画は「基本原則」として9項目が掲げられていますが、そこには、施設そのものにかかわること(複合化・多機能化、バリアフリーなど)と政策分野にかかわる判断(ゆうゆう館、児童館の再編など)が混在しており、施設全体を貫くポリシーは何なのか全くわかりません。
 「財政負担の軽減」をかかげながら、抑制的なルールがなく、原則があいまいなことにより、まだ新しい施設の廃止・解体や、不必要に巨大な施設の建設などが許されてしまう、すなわち、区長が公共工事をやりたいと思えば浪費がどこまでも許される構造になっているのではないでしょうか。施設再編整備計画は、総体としてのあるいは個別の施設の改修・改築について費用の抑制などの「原則」をきちんと定め、他方、個別の分野の事業方針については各所管の判断と計画に従うというすみわけを再構築すべきと考えます。
 そこで、第二次プラン策定にあたり、基本原則を改定して、施設再編整備計画はあくまで普遍的な施設更新の原則とするよう求めるがいかがか。所見を求めます。(Q2−1−1)
 また、面積や金額の数値目標もわかりやすく定めるべきではないでしょうか。見解を求めます。(Q2−1−2)
<施設の「カルテ」をつくる>
 浪費を防止するためのもうひとつの方法は、個別施設一つ一つの老朽化の状況をきちんとつかみ、「カルテ」をつくること。実際にどの程度の改修・改築費用がかかるかを具体的に積算していくことです。それらがない状態でこれまで「こんなにお金がかかって大変だ」とのべてきた施設再編整備計画はいわばサバを読んでいるわけで、区民に対する根拠のない脅しになっています。
 カルテづくりの第一歩として、政府が義務付けている個別施設の長寿命化計画の作成、活用が考えられます。区として、個別施設の長寿命化計画について、どのようなスケジュールで策定されるのか、見通しをお示しください。また、第二次プランにはそれらの計画をどのていど反映することができる見込みかをお示しください。(Q2−1−2)
(2)阿佐ヶ谷駅北東地区まちづくりについて
 次に、阿佐ヶ谷駅北東地区まちづくりについてうかがいます。
 河北病院が突然移転・改築を表明したところから、杉一小の改築計画がいきなり棚上げとなりました。一民間病院の建設計画のために区の計画が全面的に変更になるという、前代未聞のできごとでした。
<もっと前から知っていた?河北病院の移転>
 区は一昨年2016年9月に河北病院の建て替え申し出を公表しましたが、実はさらに1年前の2015年の7月には区はこの計画をすでに把握していたのではないかと思われるような事実が浮かんできました。
 杉一小改築の仮設校庭として大規模駐車場を賃貸借した経緯を所管にお尋ねしたところ、地権者とのやりとりの中に、2015年7月まで当該駐車場を河北病院が一部賃貸借しており、この契約が更新されなければ区に貸せる、という話が出てきます。そして、実際、河北が契約を更新しない旨通知してきたため、区が代わって賃借人になったという経緯です。
 河北病院に隣接する当該駐車場について、当時、地域では「河北病院が建て替えするための土地」との話が広まっていました。ところが、けやき屋敷への移転が見えてきたため、河北病院は駐車場の賃貸借が不要となったと考えられます。この事実を区は把握していたわけですから、もっと早い段階で移転計画をつかむこともでき、そうすれば、完全にムダ金となった仮設校庭の賃料1億3千万円をはじめとする2億円の経費は不要でしたし、何よりも、杉一小改築懇談会の皆さんが、河北病院の計画も加味して改築について議論をすることができたはずでした。当時の区と河北病院、地権者とのやりとりは、非常に不透明と指摘します。
容積率を緩和しないと河北病院の移転はできない>
 そして、河北病院の建て替えに、なぜか区が協力することになるわけですが、それは、河北病院にとっては、容積率の緩和がなければ希望する大規模な施設が建てられないからだということは前に指摘しました。
 容積率用途地域の変更などを含む手続きや許認可は、おおむね来年度前半をめどとするということですが、区画整理事業、地区計画などはどのようなスケジュールで進められていくのか、また、それらについて、どのようなタイミングで区民の意見を聴取するのか、説明を求めます。(Q2−2−1)
<けやきの森の消滅?>
 河北病院の移転・改築で最も懸念されるのは、阿佐ヶ谷の原風景ともいえるけやきの森の消滅です。
 もともと民間所有の森であるため、私たち阿佐ヶ谷の住民は、自分たちは手が出せないが、これからもなんとか残ってくれればいいがと祈るような思いで森をながめ、森の恩恵を受けてきました。
 隣接する杉一小は区内小学校の「ヤゴ救出作戦」で、最もヤゴが豊かだそうです。駅前なのに意外ですが、隣のけやき屋敷の豊かな生態系が守られているおかげです。
 今のところの区の説明によれば、現存の森は、南西部分の一部をカギ型に残し、それ以外はすべて伐採されてしまうということです。木は新たに植えるというものの、緑の総量は減り、これまでの豊かな森と生物の多様性は失われてしまいます。また、区の貴重木に指定されている樹木もあり、これらの運命も心配です。
<けやき屋敷は「杉並らしいみどりの保全地区」に指定>
 ちなみに、けやき屋敷は2012年に区の「みどりの顕彰表彰屋敷林」として選定され、さらに2014年策定の杉並区緑地保全計画では、区内10か所を厳選した「杉並らしいみどりの保全地区」にも入っています。守るべきみどりとして杉並区自身が選定したものであり、この森を消滅させるような計画を推進するならば、先に定めた区の方針自体と矛盾することになります。そうではなく、区は全力を挙げて保全に努めなければなりません。
<みどりを守る制度がある!>
 3月に北東地区まちづくりの意見交換会が行われ、その際、講師の方から、みどりを守るためのさまざまな制度についてのレクチャーがありました。たとえば、けやきの森の一部や、新たに植える沿道のみどりを地区施設として指定すれば安易な撤去はできなくなるとのこと、また、区画ごとに高い緑化率を定めて義務づけることもできるそうです。
 すなわち、公的制度を利用した開発行為である以上、民間の土地、民間の主体とはいえ勝手なことはできないということです。
 そこで、質問です。みどりを守るための地区計画制度にはどのようなものがあるか概要をお示しください。また、それらは本件に適用可能か、どのような手続きで行われるかについてもご説明ください。(Q2−2−2)
 また、地区計画等緑化率条例制度というものがあることも知りました。三鷹市などでは実際に条例が制定されているそうです。この制度についてもご説明および実施例についてご紹介をお願いします。(Q2−2−3)
<けやき屋敷の調査があった!>
 けやき屋敷のみどりを守るといっても、現状を知らないことにはどのように保全すればよいかわかりません。けやき屋敷の植生や生物相の調査が必要と考えるが、いかがか。ご所見をうかがいます。(Q2−2−4)
 それも通り一遍の調査であってはならないと思います。そこで、関連して、杉並区自然環境調査についておうかがいします。杉並区自然環境調査は、1985年から開始され、すでに第六次までの調査がまとめられています。全国的にも最も長期にわたる詳細な調査であり、杉並の誇るべき事業です。そこで、同調査の概略および意義について、ご説明をお願いします。(Q2−2−5)
<区内でも有数の自然性>
 調査では、社寺や屋敷林などの民有地も含む50か所余りについて綿密な調査が行われています。善福寺公園和田堀公園神田川玉川上水東京女子大など、杉並の代表的な樹林地、緑地が選ばれ、けやき屋敷に対しても、1985〜86年の第一次調査、90〜91年の第二次調査の2回、調査が行われています。その結果、けやき屋敷は、植物の種(しゅ)の数、多様度、また自然林要素率において大変高いスコアを示し、逆に帰化植物の率を示す帰化率は非常に低く、区内でも有数の「自然性が高く、安定した植物相」を示しているという結果が出ています。30年前の調査とはいえ、あらためてけやき屋敷の貴重さを知ることができます。
 今回の計画にあたり、少なくともこの調査と同等の調査をあらためて行うべきです。阿佐ヶ谷だけでなく、杉並区全体として、この森を決して失ってはならないということを、区役所、区議会、区民の皆様に強く訴えるものです。
(3)児童館と子どもの居場所について
 最後に、児童館についてうかがいます。第二次プラン策定にあたっては、ぜひ児童館廃止の方針の全面的な見直しを求めたいと思います。
 私はかねてから、児童館を拡充することはあっても、全廃の方針は全く間違っているということを訴えてまいりました。そして、実際に児童館が廃止され新しい事業に再編された現実から、やはり児童館廃止は間違っていると強く確信します。
<小学生の利用が減ってきた>
和泉児童館が廃止され子ども子育てプラザになりました。小学生の受け入れは続けられているものの、乳幼児専用施設となったため、小学生は、全館を自由に使えた児童館時代と違い、時間帯も使える部屋も限られています。また、小学生むけのプログラムは「放課後等居場所事業と子どものとりあいになる」という理由から一切行わないため、徐々に小学生の利用が減ってきているとのことです。
<6年生の授業が終わるまで待機>
 一方、学校で行う放課後等居場所事業は、児童館の代替にはなっていません。中高生や他校の小学生が参加できないことはもちろんですが、6年生の授業が終わるまでは遊べず、低学年の子は授業が終わっても教室で待機していなければなりません。
<特別教室では遊べない>
 また、区は説明会などで、繰り返し「学校には児童館よりずっと広い体育館、図書館、音楽室、図工室がある。学校という広いフィールドを活用する」という説明をしてきましたが、いくら広くても現実には特別教室は全く使えていませんし、体育館も学校との調整で使ってよいと決められた日以外は使えません。
 児童館は施設のすべてが子どもの遊びのための施設ですから、子どもは工作でも音楽でも読書でも、好きな遊びを選び、好きな場所で遊ぶことができます。学校ではそうはいかないということを私はずっと指摘してきましたが、いよいよそのことが事実をもって明らかになったと思います。
<下井草児童館が廃止される>
 さて、私の近所の下井草児童館が次の再編の対象となっていますので例として取り上げます。一昨年、向井公園が、「待機児童緊急事態宣言」で区長のパフォーマンスのためにつぶされてしまい、恒久的な代替公園は作られないままです。そして今度は、残された居場所である下井草児童館までも廃止されようとしています。
 そこでまず、下井草児童館廃止・再編について、学童クラブ、放課後等居場所事業、子ども子育てプラザのそれぞれ実施スケジュールをお示しください。(Q2−3−1)
<児童館の代替事業、行き当たりばったり>
 また、児童館にかわり桃五小内で行うとされる放課後等居場所事業の実施場所、特に拠点となるスペースはどこを想定しているのでしょうか。敷地内のふれあいの家が立ち退くようなお話もうかがいますが、そうなのでしょうか。お示しください。(Q2−3−3)
 先日、下井草児童館の再編についての説明資料を拝見しました。学童クラブの移転先である旧下井草自転車集積所の配置図がこのようになっています(図を提示する)。南から順番に既設の桃五学童クラブ、防球ネット、新しい学童クラブ、そして一番北側は「別敷地」とされていて、使途は未定です。自転車集積所をとりこわして下井草学童クラブの移転先にするとは聞いていたものの、このような配置とは思いもよりませんでした。
 意味もなく2つに分かれた学童クラブで防球ネットをはさむ形。しかも、学童クラブの子どもたちは自由に防球ネットでボール遊びをすることは禁止されているとききます。つぎはぎの、いかにも、行き当たりばったりの計画です。
<学童クラブ配置の変更を>
 せめてこの学童クラブの配置を動かすことはできないでしょうか。すなわち、「別敷地」と書いてある北側にずらして、空いた部分を公園のようにすれば、両側の学童が庭のように使い、かつネットで遊ぶ子も共有できます。すでに、着工しているところではありますが、あまりにもぶざまな計画なので、せめて建設位置だけでも変更するべきと考えますが、見解をうかがいます。(Q2−3−2)
<残地は子どものためのスペースに> 
配置の変更が無理だとしても、「別敷地」については、オープンスペース(または屋内スペース)として確保し、地域の子どもの居場所にしてほしいという保護者の方々からの声もうかがっています。ぜひ実現してほしいと考えますが、見解を伺います。(Q2−3−4)
<下井草に新しい公園を>
 下井草地域は大きな公園がなく、向井公園がなくなったことは大きな痛手でした。しかもこの学区の桃五小は校庭全面に芝生が貼られ、年間の半分以上が養生期間で校庭をまともに使えない、子どもの運動不足が心配と保護者の方々から頻繁に苦情を伺います。先生方からは、体育の授業すら校庭の隅っこしか使えないとの声をお聞きします。子どもが思いきり体を動かせる、向井公園に代わる新しい公園を整備していくことが切実に求められています。
 新たな土地の購入、賃貸借、あるいは公有地の転用など、ぜひ実現にむけ計画していただきたいと考えますが、いかがか。見解を伺います。(Q2−3−5)
<区の調査から子どもたちの声>
 結びにあたり、「平成29年度杉並区青少年実態調査」を紹介したいと思います。
 この調査を拝見すると、区政に対する子どもの意見として、運動する場所、遊べる場所をふやしてほしい、自然を増やしてほしい、原っぱや野原を作ってほしい、また、室内で遊べるところや静かに勉強できるところがほしい、ゆう杉並のような場所をもっとつくってほしい、などの意見が本当に多数書かれています。
 杉並の子どもは遊ぶ場所も、勉強する場所も、友だちと集まる場所もまだまだ足りないのです。それなのに、公園がつぶされ、児童館が廃止されているのはとんでもないことです。
<児童館、科学館がなくなり傷つく>
 同じ調査に「児童館をつぶさないでほしい」「保育園をつくるために公園をつぶさないでほしい」「科学館・プラネタリウムの復活」という意見もあり、この間の区政の動きによって子どもたちが傷つき、抗議していることもわかります。
 子どもの遊びや自由な活動の場を保障するのは私たち大人の、とりわけ行政の責任です。
 区長選挙が近づいてきますが、このかんの区政を省みるとともに、子どもの未来にしっかり投資する区政への転換をめざしたいと思います。

向井公園がなくなった。今度は児童館も…?(わくわくレポート号外)

下井草児童館が乳幼児専用施設に変わる
 杉並区は下井草児童館を廃止し、乳幼児専用施設(子ども子育てプラザ★注)に転換する計画を進めています。
 一昨年には、となりの向井公園(じゃり公)が突然廃止され、長年にわたって下井草の子どもが慣れ親しんだ遊び場が奪われたばかりです。
 「桃五小の校庭は芝生の養生優先で、体育の授業も十分にできない」
 「サッカーをするため、子どもたちが中野区の公園まで行っている」
など、子どもたちが運動しにくくなっているとのお声を、最近うかがうようになりました。
 このままだと、今度は児童館も小学生が遊べない場所になってしまいます。
 下井草地域の子どもたちが、安全にのびのびと遊べる場所を確保するためどうしたらよいか。どうぞ皆様のお知恵、ご意見をお寄せください。
★「子ども子育てプラザ」とは
 乳幼児親子の支援を行う杉並区独自の施設です。児童館(18歳までの子どもが誰でも利用できる)とは違い、小学生以上の子どもは対象としていません。
 第1号の「プラザ和泉」(元・和泉児童館)は、赤ちゃん対象のかわいらしい施設に生まれ変わりました。小学生も来ていいことになっていますが、使える時間・スペースは制限され、児童館のようにどこでも遊べるわけではありません。小学生の利用はだんだん減っているそうです。
★下井草学童クラブはどうなるの?
 (右図参照:杉並区作成)
 桃五小の隣にあった自転車集積所の跡地に、桃五学童クラブが増設され、下井草学童と統合されます(現在の定員60名→増設後は150名→200名に)。
(1)増設棟:2階建と書いてありますが、2階部分は職員の更衣室と倉庫など。子どもが使えるのは1階だけです。
(2)防球ネット:学童クラブの子は自由に使えません。
(3)別敷地:用途は未定とのこと。子どもたちが遊べるよう公園や学童クラブの庭にすればいいのではないでしょうか。

わくわくレポートNo.186 杉並区長の「お友だち政治」「公私混同」

【安倍政権そっくり〜杉並区長の「お友だち政治」「公私混同」】
 2018年第1回区議会定例会で、何よりも注目されたのは、田中良区長の「お友だち政治」と「公私混同」でした。
 杉並区の公共事業を受注する建設会社、造園会社、保育園運営会社等々を招いたゴルフコンペを区長が長年にわたって行い「親交を深め」ていることが、本会議で暴露されました(国家公務員や大臣なら違法行為ですが、杉並区には残念ながら倫理規定がありません)。
 また区長は昨年、他区の都議選候補者の決起集会に公用車で乗りつけていたことも明らかになりました。
 この区長を8年間全面的に支持してきた自民党公明党、さらに立憲民主党社民党生活者ネットなどの区議会「相乗り与党」会派・議員の責任は重大です。
 田中区長は民主党出身のため、野党政治家と思っている人もいますが、自民党石原伸晃代議士の出陣式に駆けつけたり、「まともな政党は自民党だけ」と公言する仲。また、3年前大問題となった「安保法制」を「安全保障の根幹をなす政策との与党の判断でつくられた」と評価しています。国政の野党に属する区議がこの区長を同時に支持しているのは矛盾です。
 20年ぶりの保育料値上げや、国保料・介護保険料の大幅引き上げで区民には負担を強いる一方、区長・区議報酬は引き上げ、「お友だち」と利権を分け合っている区政です。
 6月24日には区長選挙が行われます。利権と開発の区政をストップできるのは私たち住民の自治の力だけです。
 みなさん、ご一緒にがんばりましょう!
【杉並版国有財産問題〜あんさんぶる荻窪と税務署の交換】
「あんさんぶる荻窪」と荻窪税務署の財産交換は3月16日、区議会本会議で可決されました(松尾ゆりは反対しました)。
 この問題は「森友問題にそっくり」とネットメディアで紹介されました。(森友問題と酷似! 麻生財務相が絡む荻窪税務署建て替え問題で文書改ざんや不当な不動産鑑定が
<そっくりポイント>
★公文書隠蔽・廃棄

 森友問題では公文書改竄、自衛隊は日報隠蔽が問題になっていますが、区でも公文書隠しが…。
 田中区長が荻窪税務署について国宛てに出した公式の要望書は区議の請求にも「不存在」と回答されましたが、後日、存在が明らかになりました。なんと、「区政への意見・要望」ファイルに分類されており、しかも3年で廃棄されていたのです。「ミスでした。これからは気をつけます」と説明されましたが、単純ミスのはずがありません。
★ここにも麻生さん
 2013年11月麻生財務大臣と田中区長の会談で、あんさんぶるの交換が決まったと突然新聞報道されました。麻生さんとの会見を取り持ったのは地元の自民党代議士?
★お友だち政治
 あんさんぶるの交換を口実として2つの大規模施設(ウェルファーム、桃二小)を新築した杉並区。総額70億円の工事を請け負ったのは、区長のゴルフコンペにも参加する「お友だち」の建設会社。
★不動産鑑定
 5年前の不動産鑑定では税務署よりも10億円も高かったあんさんぶる荻窪の土地建物が、今回の評価では、いっきに4000万円差まで圧縮。国が払う差金4000万円(総額の1%以下)の結論ありきです。
 あんさんぶるはばっさり2割引き。口実を作っての大幅値引きは森友学園にそっくりです。
<あんさんぶる荻窪めぐる裁判>
 2016年7人の町会長が押印して区に提出された要望書の文面は実は区職員が作ったものでした。「財産交換には一定の理解を示す」と、あたかもあんさんぶるの財産交換を認めたかのように利用されたと町会長さんが区長を訴えました。
 3月19日に区職員2名が出廷して証人尋問が行われ「財産交換に反対の人がいるのはわかっていたのに、区に都合のいい要望書をつくったのではないか」などが追及されました。次回は7月5日に裁判が行われます。
<春休みなのに遊べない!>
 あんさんぶるの荻窪北児童館は、年度末を待たずに3月17日に閉鎖されました。春休みの子どもたちは遊びに行くところがありません。なぜ2週間も早く? あんさんぶるの他の施設はそれぞれ週末2日で引っ越しを済ませており、児童館だけが2週間かかるわけはありません。
 児童館廃止に住民が反対しているので有無をいわせずさっさと閉館してしまったのです。同じく廃止となる成田西児童館は説明会が2回も開かれたのに、あんさんぶるでは結局一度も説明会が開かれませんでした。
 3月31日土曜日、閉館したあんさんぶるに行くと知らずに訪れる人が次々に。6年生の男の子は「閉館は知らなかった。学校からも聞いていない」と残念そうでした。
阿佐ヶ谷駅北東地区再開発】
★阿佐ヶ谷けやき屋敷の森は全面伐採!
 杉並区は河北病院の移転・新築のために、
・河北病院→けやき屋敷に新築、移転
・杉一小→河北病院が引っ越した跡地に移転
・杉一小敷地→河北病院土地と交換
と計画を定めました。
 計画には「森に囲まれた病院」などと書かれていますが、現在の森が残るのは南西のL字部分のみで、残りの木はすべて伐採されます。点線部分に新たな木を植え直し、他はすべて建物が建ちます。
★河北病院敷地に陥没!
 河北病院の北側、旧桃園川に面した部分が大きく陥没しています。議会で質問すると、区はこのことを把握していませんでした。災害マップでも浸水地とされているこの地盤の悪い土地と駅前一等地の杉一小を交換(上記参照)し、学校の移転先とするのは危険ですし、しかも区にとって損な取引です。(関連記事:杉一小移転先の河北病院に大穴
 田中区長、あんさんぶるに続いて、またも区民の財産を大安売りするのでしょうか。
【杉並区が「平和憲法」削除〜区長は答弁回避】
 昨年11月、区主催のイベント(男女共同参画都市宣言20周年)のプログラムをめぐり「平和憲法」の文字を削除するという「検閲」事件が起きました。
 削除を余儀なくされた当事者の方は「プログラムの印刷前日になっていきなり担当者から電話で『平和憲法のくだりは政治的。書き直してほしい』と言われました」と述べています(「杉並の問題をみんなで考える会」ブログより)。
 この事件について、松尾ゆりは、本会議一般質問及び予算特別委員会で「憲法の禁じた『検閲』であり重大な人権侵害」と追及しました。区(区民生活部長)は「男女共同参画についてわかりやすくするため修正した」との答弁に終始、「政治的だから削除」については触れず。区長は答弁でこの問題には一切触れませんでした。

公文書隠蔽…財務省と杉並区の財産交換で

 財務省と杉並区の財産交換において、発端となった杉並区・田中区長の要望書が隠蔽・廃棄され、結果として「あんさんぶる荻窪」を安値で国に渡すことになった件は、公用文書毀棄罪で刑事訴追されてもおかしくない事件でしたが、区役所は「まちがったファイルにうっかり保存してしまった」のだから「責任問題とか非違行為とかは考えていない」とひたすら逃げの答弁。
 2016年2月24日区議会総務財政委員会での私の質疑を再掲しておきます。(杉並区議会議事録より引用)
◆松尾ゆり 議員  (中略)さて、最初に述べました22年の文書の件に戻りますけれども、この件について、先ほどから、公文書の管理としていかがだったのかというような御質問があり、不適切な部分もあったのではないか、今後は気をつけますという御答弁がありました。しかし私は、そんな話で済むことではない。このあんさんぶるの交換という大変な計画を始めた発端が、そこにあったわけですよ。しかし、そのことが当時の区議会議員の請求によっても出てこない、そして区議会のやりとりの中でも、不存在であるという答弁をされているわけです。このことは大変重大な問題であって、これはこのスキーム全体を揺るがすような、隠蔽と言って言葉がきつければ、情報提供が不十分であったと言わざるを得ません。
 また先ほど、その文書の分類ファイルの入れ方がちょっとまずかったのではないか、年限がどうだったんだろうかというお話がございました。これからは気をつけますとおっしゃるのはいいんですけれども、では、その責任は誰がどのようにおとりになるのか。つまり3年過ぎて廃棄をされて、もう区民に供されない。国のほうは5年保存で今年度末まではあるということですが、区民には区の文書としては供しないということでございまして、そこのファイルに入れたという責任はどなたがどのようにおとりになるのか、お聞きします。
◎企画課長 まず、隠蔽していないということは断言させていただきたいと思います。先ほどの情報公開請求に基づきまして請求内容を精査した上で、それは公開情報ではないという判断のもとで、それ以外のものはちゃんと公開したところでございます。
 責任という話でございますが、実際に我々としてはその当時、文書管理、フォルダー自体の間違いはあったということはございましたが、国、都への予算要望等につきましても、同じように3年保存という取り扱いをしていたところでございます。そういった中での管理ということで我々は考えておりました。
 実際のそういった文書保存、廃棄等の責任ということになりますと、文書等管理規程に基づくと、課長権限で行うという形でございますので、課長が一応権限を握っているというふうに考えております。
◆松尾ゆり 議員  そうしますと、当時の課長さんの責任ということで、どのように責任はおとりになるんですかね。
◎副区長 担当のほうから何度も申し上げていますけれども、今になって振り返ってみれば多少配慮がなかったということは認めておりますけれども、当時は当時の規定に基づいて処理をしたということで、別に責任問題とか誰が非行為をしたとかというふうには受けとめてございません。
◆松尾ゆり 議員  これは重大な問題だと思うんです。だって、一番最初の一番大事な文書が区民の目に触れないという結果になったわけですよ。今はもう廃棄したということですから、区民は見られないわけですよね。それで当時の区議会議員がこの文書を開示請求したところ、先ほどおっしゃった開示の対象に当たらないということで不存在というふうになったということでしたけれども、それでは、そのときあんさんぶるに関する全ての文書みたいな形でお出しになっていると思うんですけれども、そのときどう言って請求すればよかったんですか。だってその文書の存在を知らないんですよ。今だから何年何号とわかって請求ができるけれども、そもそも知らない文書を請求するのに、そうしか請求のしようがないじゃないですか。そしたら、今までいろいろな情報公開請求を私もやりましたけれども、こういった形でのアバウトな請求というのはやっても出てこないということになりませんか。
◎企画課長 アバウトというお話がありましたが、まずこちらといたしましては、請求者本人からの請求内容につきまして確認いたしました。済みません、今手元にないんですけれども、あんさんぶる荻窪荻窪税務署用地の財産交換のやりとりに係るものといった内容であったと思いますが、そういった内容につきまして、情報公開担当と、その内容について該当するかどうか確認した上でやっているものでございます。
◆松尾ゆり 議員  大規模用地に係ることということなので、なぜ出てこなかったのか、これは私は全く理解できません。今はもう廃棄してしまったということですけれども、当時は存在していた文書ですから、これが出せなかったというのは、意図的にそこには当たらないという判断を狭く解釈したとしか思えません。

教育長の任命同意に反対しました

 2018年3月15日杉並区議会本会議において、教育長の任命同意に反対しました。以下原稿です(実際の発言と異なる場合もあります)。
<反対意見>
 議案第39号教育委員会教育長の任命の同意について、について意見を述べます。
 井出隆安氏は、2006年に教育長に就任されて以来、12年にわたって勤めてこられました。その間、多くの業績もあったかとは思いますが、杉並区の教育をめぐっては、見過ごせない大きな問題が、それも主に区行政、教育委員会の側から引き起こされてきました。
 一例をあげれば、区民、地域の意向を無視した強引な学校統廃合、小中一貫校の推進です。神明中の廃校問題では地域ぐるみ区政の大問題となり、計画が撤回されました。和田中民間人校長による夜間塾いわゆる「夜スペ」の開講と同校PTA廃止、地域本部の不明朗会計の問題では、教育委員会は問題点の糾明どころか、10年間にわたり同校で民間人校長を存続させ、利権を擁護しました。教科書問題では、井出氏就任以降も2009年採択において、いわゆる「つくる会」歴史教科書が採択され、その際には井出氏自ら賛成意見を表明しています。最近でも、学校をめぐっては、高円寺小中一貫校問題、また、杉一小改築をめぐる朝令暮改、あんさんぶる荻窪財産交換にまきこまれた桃二小の前倒し改築などの問題が起きています。
 さらに、社会教育分野に対する認識が薄く、政策の後退が目立ちます。教育ビジョン等をみてもそれは明らかです。
 原水禁運動発祥の地という輝かしい杉並区の歴史は、杉並区立公民館での主婦たちの学びが原点でした。住民自らが学ぶことにより、自ら社会問題解決の道を見いだしていく、社会教育活動は自治の基板となるものですが、とりわけ昨今の杉並区は社会教育部門の縮小が目立ちます。日本一の科学教育施設として、国際的にも高い評価を受けていた科学館の突然の廃止はいうまでもなく、公立図書館では指定管理化が推進され、また、今年度から中央図書館長が生涯学習担当部長兼任となり、実際上の格下げとなったことは由々しいことです。スポーツ関連部門が区民生活部に移されたことも、事業の位置づけを全く変えてしまうもので問題です。
 これらの問題は、ひとり教育長の責任というわけではなく、むしろ区長および区長部局の意向を強く反映した結果でもあると思います。しかし、そのことこそが問題です。教育長は本来、政治の不当な支配に屈することなく、教育の独立を守る責務があります。井出氏はその任を十分に果たしておらず、区長および区長部局にとって都合の良い教育長になってしまっているのではないでしょうか。
 年齢の問題も言わなくてはなりません。井出氏は71歳とのことで、教育委員のおひとりであればまだしも、教育行政全体の実務を先頭に立って牽引していくべき教育長としては高齢といわざるをえません。後進に道を譲るべきときではないでしょうか。
 以上、井出氏の教育長任命同意に対し反対の意見とします。