わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

桃二小建て替えについて(文教委員会の質疑から)

 2月23日の文教委員会で、桃二小建て替えと高円寺小中一貫校についての報告があり、質疑しました。どうしても午前中に終わらせたいというどこかの会派の事情があったらしく、質問時間を十分とれませんでした。高円寺一貫校のことはほとんど質問できず残念です。
(以下は質疑応答の要旨)
【改築を急ぐのは税金の無駄づかいでは】
(松尾)桃二小は老朽改築というが、一番古い校舎は50年だが、学校の沿革を見ると、昭和54年に第五次鉄筋校舎完成とあって、これが一番新しい校舎で36年。まだまだ新しい。地元の方がおっしゃっているのは、古い方の校舎だけ建て替えれば工事も簡単だし、早くて安くてすむんじゃないかという話、そういう検討はしたのか。
(喜多川学校整備担当課長)そういう検討はしていない。改築をする際には一番古い棟で計算をして改築計画をたてる。(注・一部だけ建て替えると)残った建物は時期がずれて、また建て替えないといけない。そうすると非常に非効率。これまで我々が学校の改築に何十年取り組んできた。そのなかで考えた結果。
【校舎はあと10〜15年使えば?】
(松尾)いま文科省は60〜65年使っていこうという考え方がある。50年が一番古いという校舎が全面建て替えということになるのは、むだ遣いではないとおっしゃるが、私はむだ遣いのような気がする。古い校舎にあわせてやるんだというが、それなら、一番古い校舎が50年であって、あと10〜15年使って、いま36年の校舎も概ね50年たつことになる。今の計画は、学校の老朽改築とおっしゃっているが、やはり外の事情(注・あんさんぶる荻窪の財産交換)によって強いられたということ。地元の方は、今建て替えなくてもいいんじゃないか、今後もう少し待ってゆっくり、もう少しみんなの意見を意見を聞いていい案が練れるんじゃないかということをおっしゃっている。10年なり15年なり使える校舎を建て替えるということでは、もったいないという声もある。
(大竹学校整備担当部長)委員も懇談会を傍聴なさっていて、最後、拍手で終わったということをよく考えていただきたい。二つ理由がある。高度成長期から校舎を建て替えている。古いほうから順番に建て替えているが、桃二小についても細長い校舎がL型につながっていたり、非常に使いづらい。老朽化の問題。建築というのは建築年度とか施工年度で差があり、一律に新しいからいいという単純なものではない。老朽化の進行とか総合的な見地から改築を早めるということもある。
(松尾)考え方として、新しい部分は残せばいいんじゃないかという考え方がある。もうひとつ、古い部分といいながら、50年なので、もうしばらく待って、他の学校を先にやって、そのあと建て替えればいいんじゃないかという意見もあるということを先ほどいった。
 いま部長がおっしゃった、老朽化の度合いが年数よりも進んでいるから建て替える必要があるんだという説明をこの間聞いたことはない。
 それと、プールも壊すわけですね。
(喜多川)全面改築なので、プール、体育館も改築する。
【プールも新しい?】※2016年4月23日追記:プールの工事は平成16年に「新築」工事として行われていますので、以下の答弁に誤りがありました。詳しくは→http://d.hatena.ne.jp/waku2/20160315#p1
(松尾)プールは比較的新しいかと思うが、いつつくられたか。
(喜多川)プールは平成16年に改修工事を行っている。
(松尾)まだ12年、率直に言ってもったいない。
(大竹)いま課長が言ったのは、プールの塗装とか仕上げを改修したもの。昭和40年代に建てたもの。配置計画を見てほしいが、いまのところにプールを残置して全面改築すれば校舎ができない。仮設校舎もできない。総合的にみると、既存のプールも改築すると考える。
(松尾)改築してますよね?16年に。
(喜多川)改修工事はしていますが、本体は昭和の時代に建築したもの。
(松尾)1億いくらかけて改修ですか?
(喜多川)プールですから、水をちゃんと保たなければいけないとか、安全性、コンクリート、鉄骨などさまざまな視点で行う。そのくらいの金額はかかるもの。
【一昨年トイレの改修したばかり】
(松尾)それから地元の方からよく出る話で、トイレの改修。
(喜多川)平成26年度、工事費は5000万円。
(大竹)先ほどの耐震補強と同じ考え。お便所がにおって暗い、使わないという小学生も多くなっているなかで、リニューアルして、使いやすい便所、きれいな便所、明るい便所にすることは順次行っている。その中で、改修を行ったから、全面改築を止めるというのは、尺度が違うし、考え方が違う。
(松尾)そういうことを言ってるんじゃない。2年前にトイレの改築をやったから、当面建て替えがない、じゃあ桃二に入ろうと来た人が現実にいる。考え方として、順次設備の更新をしていかなければいけないことはわかる。しかし、トイレの改修をやって2年で改築の話ということは、おそらく、突然出てきた計画だ。逆に、この時期に建て替えるとわかっていれば、桃二小はトイレ改修は我慢しても、もっとほかにトイレの改修を待っている学校があるんだから、そちらに回してあげればよかったんじゃないかと、説明会でも意見が出ていた。建て替えるとわかっていれば、わざわざ桃二小のトイレを改修しなかっただろうね、という話。そういう点でも、計画性がないと映っている。
【あんさんぶるの財産交換で桃二小にしわよせ】
 総体として、建てかえの時期がこの時期ふさわしいのかという話をしてきたが、もう少し待って、ゆっくりと、最もいい形、また工事期間もかかるかもしれないが、できた学校が一番使いやすい学校というのを考えていくべきところだと思う。ところが、今回桃二小の建て替えということになってしまった端緒というのは、あんさんぶるの財産交換のために、児童館が廃止される、その児童館から学童クラブ、小規模な遊び場などは、桃二小に移転をしなければならない。この話も、最初、施設再編の説明会では桃二小に学童クラブを移せるのかと聞かれ、空き教室が7つあって大丈夫です、と答えていた。ところが、それが無理だということがあとからわかって、この改築の話になっている。そういった対応も非常に場当たり的。
 あんさんぶるの財産交換に端を発して建て替えが急に持ち上がったことに対して、地元町会、保護者の皆さんは、きわめて困惑している。その状態は今も変わらない。
【地元町会から反対意見】
 先ほど部長のほうから懇談会の話が出たが、私もこの懇談会は度々、かなり傍聴しているが、決してみんなが全面的に賛同して終わったというわけではない。「拍手で終わった」というが、そりゃ、終わるときは拍手しますよ。でも、皆さんいろいろ不安をかかえながら、町会の方も「反対である」という意見をのべながら出席してきたという事実がある。
 議事録を確認すると、五丁目町会のとしてはこの建て替えには、あんさんぶる荻窪の財産交換に伴う建て替えには反対である、というふうにおっしゃっている。順番で何年か先に回ってくるのであれば、それは同意する。だけれども、今回のあんさんぶるに伴って急に持ち上がった建て替えには、町会として役員会として反対だとおっしゃっている。
(大竹)子どものために全面改築でひとはだ脱ごうという考え方に変わってきている。五丁目の方々も、建て替え案に対して修正案を出している。桃二小の改築にも賛同されていると理解している。
(松尾)そこはちょっと違う。だんだん理解してくださったというが、ある意味、あきらめた部分もあるかと思うし、最後まで反対だということは町会長もおっしゃっている。懇談会の席ではどうかわからないが、個人的に、また公的な場でもおっしゃっている。これは町会長個人の問題ではなく、町会として、この時期の桃二の建てかえはどうなんだろうと。
 もうお一方の町会長も、あんさんぶるの交換自体に反対、建て替え案自体にも問題がある、また、この時期の建て替えには反対であると意見を表明しておられる。これは変わらない。
 桃二の改築のきっかけとなったのはあんさんぶるの児童館の機能移転である。あんさんぶるから学校へ、学童クラブ、放課後居場所事業、それから、もう一つは小規模な遊び場をつくる、この3点があんさんぶるから移転するということでよいか。
(喜多川)子どもの児童福祉に関してはそのとおり。さらに、地域に開放する会議室を設ける。
(大竹)先ほどの話だが、町会の皆さんが建て替えに賛同していないとは認識していない。懇談会の中でも意見をいう場はいくらでもあった。議事の中でも確認しながら進めてきた。改築については賛同を得ている。
【建て替え懇談会の中で反対意見は言えたのか?】
(松尾)それならもう一度いうが、議事の中で、反対意見を言おうと、事前に文書を配布してほしいということで、事務局、つまり教育委員会に届けた例が、私が知っている限り2度あった。しかし、議事を私も傍聴していたが、その中で、このご意見については、ここでは発表しないでください、と止めていた。それと、もう一つは、さっき申し上げた五丁目の町会長のご意見。これは町会で話し合って、私たちはこう思いますと、さっき言った反対しますという意見をのべておられる。これは、教育委員会側の規制もあったが、座長のご判断で発言している。その際に反対であるということをはっきりおっしゃっていて、このことについては、撤回されるとかはされていない。
 ただ、話が進んでいく中で、じゃあ、この席を蹴って出てこないとか、そういうことはなさらないわけです。話が教育委員会サイドで進められていく中で、それだったら、できるだけ桃二の子どもたちのために、自分たちの意見が通らないとしても、よりよいものを作っていきたいという思いで発言されてきた。そのことをもって、賛同をとっているとかいうふうに理解しているとすれば、多分、ご本人としては心外ではないか。
(大竹)事実を正確に整理したいが、その方が資料を出したいといったときに欠席だった。ほかの方に文書を託してきたものは出すのは控えた。今回の改築を白紙に戻せとか合意してないとかは発言は出ていない。
(松尾)白紙とか、合意がないとか、言ってないですよね。反対とおっしゃったと、これは議事録に書いてある。部長が言ったことは不正確。ご意見を書かれて、この建て替えそのものに反対といったケースもあるし、それから、建築案に対して、この案ではなく別の案がいいと、それがその時欠席だったというケース。両方あったと思います。どちらも事前に配布して委員の方に供したいといったが、実際には配布されていない。発言もご遠慮くださいとなっている。
 この話を続けても水掛け論になるので、事実確認してください。
【児童館機能は移転で確保されるのか?】
 あんさんぶるから児童館機能が移転するという話だが、当初、桃二かいわいの方達は児童館が丸ごと移ってくると思っていたが、どうも、だんだんそうじゃないということが途中からわかってきた。それで、これは私も懇談会でお聞きした意見だが、再々、この建物の中に、あんさんぶるにある、あの広い児童館をできるだけ機能を移してほしいという意見が、何度も出ている。特にあの広々とした遊戯室、あそこは、荻窪の子どもたちの大変大事な遊び場だから、あんさんぶるがもしなくなってしまったとしても、改築される桃二小の中には広々とした遊び場をつくってほしい、また、いまは児童館で、朝から夕方まで毎日、子どもたちは土曜日でも日曜日でも行くことができるが、このことについても、これから建つ桃二小の中に、子どもたちが毎日自由に遊びにいける場所を作ってほしい、あわせて、指導員の方も、児童館だと区の職員が専門家でいらっしゃって、子どもたちのケアをきちんとやっている。その件についても、桃二小にできる放課後の居場所は、専門的な指導員をきちんと配置してほしい。これは、懇談会最終回のときに委員から出ていたご意見。
 あんさんぶるがなくなってしまうことで児童館が桃二の中に丸ごと移るわけじゃない、ということを認識しておきたいということと、もうひとつ、そういったもとで、仮にこの校舎を建てていくとすれば、児童館にかわる機能をどの程度確保できるのか、そこのところが大変地域の方も注目されているところだと思う。いま言った、毎日使えるとか、指導員がきちんと配置されているとか、その点についての見解をお聞きする。
(塩畑副参事(子どもの居場所づくり担当))荻窪北児童館の中の小学生の居場所、学童クラブについては、新しくできる桃二小の中で十分な広さを確保して、子どもたちが放課後にゆっくり遊べるようになると考える。運営については、これから相談するが、子どもたちのことをちゃんとわかる人間が携わることになると考える。
(松尾)本会議でも質問したが、いまモデル事業でやっている中で、毎日の運営というのはとても無理な状態だと聞いている。今後の運営がどうなるかということは、非常に深刻な話だと思う。あくまでもボランティアにゆだねてやっていこうとすればやはり月1回くらいがせいぜいだと思う。そうでなく、さっきのご要望にあった、毎日子供達が遊べる、職員がついている、となれば、区の職員をつけるか、あるいは民間委託できちんとした運営を区でやっていくことが必要になると思う。
荻窪高校を体育で借りられるのか?】
 それから、改築中の問題だが、荻高を使えると言う話が出ていたが、荻高の先生に聞いたところ3部制の学校で時間数が非常に多い。しかも高校なので、体育の授業は男女別。時間割だけでいくと体育の空いている時間は週に2コマしかないと言われた。そうすると、先ほどテニスコート、グラウンドが使えるという話があったが、雨のときどうなるのか。また、桃二小から荻高へ移動して体育をやるわけなので、その際の連絡、きょうは雨なのでできませんとか、そういう連絡体制はどうするのか。
(白石済美教育センター所長)たしかに荻高は三部制で時間割の空きが非常に少ない。具体的な打ち合わせをして、ここなら空けられそうだというところを具体的に示してもらっている。当然ながら全ての時間を使えるわけではないが、むこうのお昼の時間など活用して最大限使わせてもらうように調整している。それとテニスコートを活用。
(塩畑)放課後等居場所事業の毎日実施にむけての課題。現在モデル実施しているところは、月1回、また杉一小のように夏休みだけやった学校、それぞれ。いろいろなところでモデルをやって検証し、どのように運営していくかは、実際に運営していくためにしっかり堅め、子どもたちが毎日楽しく遊べるような体制は確保していきたいと考えている。
(松尾)あのあんさんぶるの児童館がなくなるということで、非常に地域の方は心配している。それにかわるものをつくるというふれこみで始まった話なので、そこはきちんとやっていただきたい。
【北側校庭、南側校舎】
 桃二の話をもっとやりたいが、時間がないというので、最後に1点だけ、北側校庭という話だが、先日も雪があって、プールの陰のところが10日とか2週間とかずっと使えなかったことがあったそうだ。今後北側校庭ということで、そういう問題が出てくる。保護者は大変心配している。
特別支援学級が北向き】
 もう1点、特別支援学級が北側にまわったということで保護者から大変お怒りの声をうかがっている。普通学級が南側にあるのに特別支援学級が北側に回されるのかと、保護者の方が非常に傷ついてお話しをされていた。その点については。
(大竹)意図があって北側に回したのではなく、普通教室の数が南側にすぽっとおさまるという配置の関係で北側に特別支援学級をおいたもの。普通学級と特別支援のふれあうような配置にもなっているので特に心配していない。図面上では真北が真上なので、特別支援の教室は東にずれている。そこは勘違いしないでほしい。朝から午前中程度はきちんと光が入ってくる。真北ではないということで理解してほしい。
(松尾)その点も、特別支援学級の保護者が模型までつくって実験し、北側の部屋は東側を向いているといいながら、陰になる時間が非常に長いと心配されている。部長がいみじくもおっしゃったが、普通教室をこっちに入れたら特別支援はこっちになったんだという考え方だとすると、やはり私たちは二の次なのね、というふうな気持ちにさせてしまうこと自体が問題。