わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

杉並区は産業政策に関心がうすいのでは?(2017年3月8日杉並区議会予算特別委員会2ブロックの質疑)

 予算の第二ブロックはプロポーザル選定委員会と産業政策について質問しました。杉並区は住宅地なので、行政は産業に対する関心が非常に低いです。でも、生活の基盤は産業ですから。
・産業振興計画は「まちづくり計画」みたい。(区長の思い入れでしょうか)
・製造業支援のために区役所で製品の展示や物販をやっては?(杉並区役所では交流都市の物産は売っているのですが、区内の物産がありません)
・年間5000万円家賃を払っているのに狭い荻窪インテグラルタワーの産業振興センターは引っ越して産業会館と一体化を。
(以下質疑応答の要旨)
【プロポーザル選定委員会について】
(松尾)先ほど他の委員の質疑に対し、委託先等に労働環境の意識の高い事業者を選定するとの答弁があった。確認する。
(武井行政管理担当課長)できるだけそういう事業者を選定していくことが必要。
(松尾)保健福祉員会で指摘したが、選定された企業が経営理念に電通の「鬼十則」を掲げていた。確認したか?
(有坂保健福祉部長)職員のほうで確認して報告受けている。
(松尾)この企業で区の事業は大丈夫なのか。
 また、先日の保健福祉委員会において、多数の選定結果が報告されたが、選定委員の氏名が公表されないのはなぜか。
(習田管理課長)かつて選定にもれた事業者が(クレームが)あったので公表していない。終了後であれば情報公開請求があれば開示する。
(松尾)契約にかかわることなので公表し、だれが選定したかはっきりわかることが必要。以前は姓名の報告があった。自ら公表するのが当たり前。
【産業政策の意義】
(松尾)産業振興計画、産業政策について質問する。平成30年度が計画の見直し年度にあたるとのことだが、まず、産業政策の意義についてはどのようにとらえておられるか。
(伊藤産業振興センター次長)最終的な目標は区民生活の向上、地域社会の発展。そこへむけて区にある産業の多面的な機能、魅力を高め将来に伝えていくための振興策。
【杉並の産業予算は23区最下位】
(松尾)次に予算についてうかがう。来年度予算では産業経済費としていくら算定されているか。
(伊藤産業振興センター次長)13億6200万円余。
(松尾)商工費の23区比較をうかがう。特別区の統計では杉並区は他区と比べどんな状況か。
(伊藤産業振興センター次長)平成27年度当初予算、普通会計ベースで歳出総額の0.6%。世田谷、中野と並んで最下位。
(松尾)世田谷、中野も0.6%だが、計算すると杉並区が一番少ない。住宅地という特性はありながらも、少なすぎる。杉並区は産業政策に関心が薄い。逆に商工費の高い区はどのくらいか。
(伊藤産業振興センター次長)一番高いのが台東区で4.1%。
【減り続ける商店】
(松尾)次に区内産業の特徴や課題について所管の認識をうかがう。商業についてはいかがか。
(伊藤産業振興センター次長)経済センサスやまちでの実感として、商店は減りつつある。一方で調べてみると、小売店の中で菓子・パンを販売する店は逆に増えている。
【製造業、建設業も減る傾向】
(松尾)製造業、建設業について同じく特徴と課題をうかがう。
(伊藤産業振興センター次長)製造業に関しては減る傾向にある。平成24年と26年のセンサスでは若干増えているが、従業員数は減っている。建設業は数が減っているが、従業員数は若干増えている。明確な分析はしていないが、ひとり親方が従業員化しているのかと思う。
(松尾)産業振興計画は現在の計画が平成25年に策定されているが、現時点での成果や課題についてうかがう。
(伊藤産業振興センター次長)計画じたいは一番大きい成果としてはこれにもとづいて産業振興条例を制定。産業団体などの異業種交流会、年4回。産業融資制度の抜本的な見直し。産業団体加入促進も兼ねた利子補給制度。商店街に関しては、街路灯のLED化の推進。チャレンジプログラムなどやる気のある商店街の支援。
【まちづくり計画みたいな目標】
(松尾)いまの計画は正直いって産業振興計画としてはどうなのかと思うところが多い。5つの目標が掲げられているが、「目標1 多様な産業と住宅都市がともに発展するまち」など、すべて「〜〜するまち」で、まちづくり計画のような感じ。内容的にも、主語がまちづくりになっている。まちづくりと産業振興は不可分とはいえ、産業振興計画は産業が主語でなければ。これは要望する。
【工業の章がみあたらない】
(松尾)また、内容を見ると商業、農業、観光の章はあるが、工業の章がみあたらない。杉並区では第二次産業のウェイトが小さいのは事実だが、製造業、建設業それぞれ何社くらいあると把握しているか。
(伊藤産業振興センター次長)センサスから、平成26年で建設業1222社、製造業549社。
(松尾)一時期に比べるとずいぶん減ったが、なくなっていいということではない。第二次産業は杉並区にとって大事。産業振興計画には1章を割くべきと考えるがいかがか。
(伊藤産業振興センター次長)平成30年を目途に計画改定をはかる中で産業振興審議会でも議論してもらう。産業協会という第二次産業の代表も入っている。
【商店会の事務費補助を】
(松尾)産業実態調査について。前回の調査で「商店街活性化に必要な取り組み」という問いに対し、商店、消費者ともに共通して上位に挙げた答えは。
(伊藤産業振興センター次長)空き店舗の解消、不足している業種を補う、イベント等の開催。
(松尾)すでに5年前の調査で一定のこのような答えが出ている。しかし、これらが具体的に計画に盛り込まれていない。解決は簡単ではないが、目標として掲げるのが計画だと思うので、今回はよろしくお願いする。
 また、商店会連合会でお聞きした話だが、個々の商店会の事務が大変。補助金ひとつもらうにも多くの書類を整えなければならない。事務員を雇うとなると負担が大きいとのこと。今後の商店街振興対策として、商店会の事務費の補助を検討していただきたいがいかがか。
(伊藤産業振興センター次長)そうした声は届いているが、事務局をもっている商店街がすべてではなく、要望としてうかがう。
(松尾)人を雇うのではなくても、事務の支援を考えていただければと思う。
【区役所ロビーで物産の展示や物販を】
 比較的簡単にできる製造業支援として、他区へいくと、区役所ロビーなどで、地域の特産品や工芸品などの展示が行われている。杉並区役所では他地域のものは売っているが、肝心の区内産業の紹介がない。今後、展示や物販などを検討してみてはいかがか。
(伊藤産業振興センター次長)産業振興センター開設当初は展示など行っていた。今後の計画改定や産業団体の意見を聞きながらできるところがあれば検討していきたい。
【産業商工会館と振興センターの一体化を】
(松尾)最後に、産業商工会館の移転が話題になってるが、現在、産業振興センターと産業商工会館が分離されている。センターの家賃が年間5000万円かかっていることもあるし、できれば今後は一体化して整備していくことは可能か。
(伊藤産業振興センター次長)杉一小の移転に関してB案であれば15年先なので、意見としてうかがう。