わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

区議会全員協議会で児童館や図書館について質問しました

 2016年11月22日杉並区議会全員協議会にて「施設再編整備計画第一次実施プラン改定」など4計画の改定について報告と質疑が行われました。報告内容は区ホームページに掲載されています。http://www.city.suginami.tokyo.jp/news/h2812/1029519.html
 持ち時間15分(往復)で質疑を行いました。以下はその要旨です。
【最初の質問】
 施設再編について。区民からの意見を拝見すると、総括的に見直しを求める意見が多いのが特徴。みなさん大変論理的で、「スクラップアンドビルドは時代に逆行しているのではないか」「止めるべき事業は止める」「老朽化の判断はどうなのか」というようなことが指摘されている。財政の軽減と区は説明するが、そうじゃなくて逆に公共事業が肥大化しているのではないかという印象を区民のみなさんは受けているのではないかと思うし、私もそういう印象を受けるので見解を伺う。
 次に、コスト面について、財政効果ということだけじゃなく、実際、この事業にどのくらいのお金がかかり、どのくらいの効果があるのか、出入りについての試算を今後提示すべきと考えるがいかがか。
 3点目に、説明会でも意見があったが、計画の策定段階から区民の参画と公開を行うべきという指摘があった。今回は終わってしまったわけなので、第二次プランの策定にあたってはそのように行うよう求めるがいかがか。
(杉一小の建て替え計画変更について)
 次に個別に質問する。杉一の建て替えについて説明があった(河北病院の移転に伴い病院跡地に杉一小を移転の方向で検討)。地域のご意見をうかがっているということだが、年度末までに結論ということで、この段階で一方的に区がこう決めましたということではなく、今後とも、地域の少数の方のご意見だけでなく、全区的な事業であるので、区民の意見をしっかりと聞いていくべきと考えるが、その方策を尋ねる。
(児童館について)
 児童館廃止反対について90件くらいご意見がきているが、放課後等居場所事業についての表記が変更されている。「施設再編整備計画」のp6、p67で、変えた理由はどういうことか。
(多種多様な居場所)
 次に「多種多様な居場所」という答弁があったが、どこが多種多様になるのか。小学生の居場所は学校に限定されていくのではないかとも感じるが説明を求める。
(子ども子育てプラザ)
 児童館の3点目、プラザ事業、放課後等居場所事業ともモデル事業がないので、実際どうなっていくのかを地域の人たちがイメージできない。賛成も反対も言えない。モデル事業をしっかりとやって、検討の余地を与えていただきたい。それまでは性急に進めるのはいかがなものかと思う。
(下井草児童館の廃止)
 下井草児童館の再編について。反対意見がたくさん出ている。向井公園がなくなって、隣の下井草児童館もなくなってしまう。すでに子どもたちは遊ぶところがなく、路上で危ない目にあったりしている現実がある。そういう点で児童館をなくすのはやめていただきたい。200名の学童とう話がさっきから出ているが、現在の2か所の学童でまかなっていくという考え方を継続し、過大な人数の学童は望ましくないと思う。
(図書館のスリム化)
 次に図書館についてうかがう。スリム化について反対の声が多数あった。増え続ける資料を減らしていくという方向ではなく、一定の除籍は必要としても、書庫をきちんと確保していくということで、資料の確保をしていただきたい。それから、地域資料が今後たくさん出てくるのではないかと思うので、地域資料館の建設などを検討してはいかがか。タイトル数の維持については、本はたくさん出版されるので、タイトル数が実際上は減るんじゃないかという話もある。その点を確認する。
(ふれいあいの家)
 最後に行革について。ふれあいの家について方針が出されているが、今後とも区の責任で基幹的なサービスとして維持していくことを要望する。
【答弁】
(福原施設再編担当課長)施設再編にあたっては老朽化という部分もあるが、単に何年たったからということではなく施設の状況等をみきわめながらやっていくという視点から、来年度、白書をもう一度つくることを考えている。当面は施設再編整備計画を進めていくにあたって、必要なサービスを提供しながら進めていくということがあるので、一定期間については(費用が)増えてしまうということもあるかと思うが、スクラップアンドビルド等の視点についても堅持していきたい。
 財政効果の部分で、予算を伴う部分、施設を建設するにあたっては、設計費、工事費など規模がわからないと長いスパンでの予算額が出せないという状況もあるが、必要な金額については、実行計画の策定のなかで反映させながら進めている。
 区民等の参画の方法について。30年度の策定にあたっては、区民等の皆様からのご意見をどう反映させていくのかも課題であるとの認識はあるので、どういうやり方がいいのかということについては、研究していかなければいけない。
 杉一小の複合化の計画見直しについては、今後年度末にむけて検討を進めていくが、検討結果の状況については学校関係者や地域の方、区民センターもかかわる部分なので、区民の方々への説明が必要との認識はもっている。
(藤山児童青少年課長)児童館再編について。p6、p67の修正の理由。「放課後等の居場所の機能」とあらためた。児童館の中で本来放課後等の居場所の機能があり、事業として行うものではないので、学校の中でやる部分を「放課後等居場所事業」、児童館に本来ある機能を「放課後等の居場所の機能」ということで整理させていただいた。
 「多種多様な居場所」とは、(他議員の)質問の中で「多種多様なものが失われる」というがそうではないという趣旨で答えたもの。子どもたちの居場所というものを児童館だけですべて受けるということではなく、図書館なりいろんな行政の施設で受けていくという趣旨で、これまでも多種多様と申し上げてきた通り。
 子ども子育てプラザ、放課後等居場所事業がイメージできないということだが、これから実施していく中で課題についての検討、検証していく考え。それをふまえて必要な修正、改正をしていきたい。
 下井草児童館の廃止について。学童需要が逼迫している。今後逼迫していく。すでに桃五学童クラブは待機児童が出ている。平成33年度には2つ合わせても30名程度の待機児童が出てくると考えている。さらに、保育需要などを考えてみるとさらに増えるということが、かなり明確になってきているので、200名程度の規模が必要だろうと計画させていただいている。
(岡本中央図書館次長)区立施設再編整備計画では区立施設の複合化、多機能化を進めるうえで、共同利用とか共用スペースの縮減により、施設の有効利用をする。改築時の規模のスリム化、施設運営の効率化をはかり、必要なサービスを提供していくものとしている。地域図書館の改築にあたっても、タイトル数を維持しつつも、適正化を進め、必要なスペースを確保しながら、図書館のサービス機能の充実に努めていく。地域資料館の話もあったが、地域資料については、郷土博物館と連携しつつ、ひきつづき充実に努めていく。
(畦元高齢者施策課長)要望として受け止める。今後の在り方は事業者と検討していく。
【再質問と答弁】
(松尾)児童館の多種多様な居場所の件。児童館だけで受け入れろといっているわけではなく、児童館というものがなくなったら、今までよりも多様性がなくなるということを言っているので、そこをお願いします。
 図書館で、タイトル数の問題を答弁いただいたが、タイトル数を維持する、変えないとすれば、新しいタイトルがどんどん出てくる中で、その分の古いタイトルを除籍していくことになるんじゃないですかという趣旨。その点は大丈夫なのか確認する。
(藤山児童青少年課長)多種多様でなくなるのではということだが、児童館をそのまますべてゼロにするという再編ではなく、機能をしっかり移していくなかで、多様性が失われることはないと考える。
(区長「学校が多様化するんだよ」松尾「それはおかしいでしょ。学校は学校でしかないんだから。学校がたくさんいろんなふうに増えるわけじゃないんだから」)
(岡本中央図書館次長)蔵書規模の適正化は、区内に複本がたくさんあるので、利用頻度が少ないもの、汚損本、破損本、旧版などがかなりあるので、そちらをまず取り組みを進めたいと考えている。
(松尾)児童館の件。学校というところに児童館の機能を移すといってるじゃないですか。そうすると「児童館」というものがあったのに、今後学童も、放課後居場所も学校行ってね、ということになって、一日中学校になっちゃうでしょ、多様性が失われるんじゃないですか、と言ってるんです。
 それから、タイトル数の話。新刊本がどんどん出るでしょう、タイトル数は普通増えるんじゃないですか。維持していくということは、古いタイトルが除籍されていくということになりませんか。それを心配しているということなんですが。
(藤山児童青少年課長)学校の中で学校教育の事業をやるということではないので、学校という施設、ハコを借りて児童館の機能をしっかりやっていくということですから、児童館と比べて何かが失われていくことがないようにやっていきたい。
(岡本中央図書館次長)タイトル数の維持を基本とし、適正化を進めながら、必要なスペースは確保して図書館のサービス、機能の充実に努めていく。
(藤山児童青少年課長)誤解がないように補足する。児童館の機能の学童クラブ、放課後等の居場所の機能を学校の中でしっかり維持していくということを申し上げた。