わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

杉一小移転と阿佐ヶ谷のまちづくりは誰のため?(議案に対する意見)

 6月16日第二回定例会最終日本会議で、補正予算などについて意見を述べました。
 補正予算で計上されている河北病院移転に伴うまちづくり計画については、河北病院と地主さんの利益のために行われるものであり公平公正な行政といえず反対しました。(採決は賛成多数で可決)
(以下は発言原稿です。実際の発言とは異なる部分があります。)
 議案第49号一般会計補正予算(第2号)について意見を述べます。本議案では、杉一小改築計画の変更に伴う減額、および、河北病院移転に伴う新しい区画整理事業、地区計画のための委託費用等が計上されていますが、これらには賛成できません。
 第一に、区の新しい計画は、河北病院と地主さんの利益のために行われる用途地域の変更、容積率の引き上げが本質であることです。
 けやき屋敷の現在の容積率では河北病院が希望する大きな病院を建てることはできません。そのためこの計画では用途地域の変更、容積率の引き上げが予定されています。それは公共の利益ではなく、河北病院の経営上の利益であり、地主さんにとっても地代の上昇含め利益となります。一方、用途地域の変更は住環境の悪化を招きます。一般の住民にとって開発で得るものはありません。区は公共の利益という理由をひねり出すために、北側道路の拡張を早めるといいますが、計画地区内の拡張が行われるのみで、河北病院より先の拡張の見込みは全くありません。
 また、杉一小が移転により広くなる、住宅地なので学校の環境がよくなるという理由を挙げていますが、杉一小にとって移転が好ましいのかどうかは、当事者の皆さんからも疑問が投げ掛けられています。杉一小を現地で複合施設として建て替えるA案を2年間かけて議論してきた挙げ句、手のひらを返された地域の方々は怒っています。
 第二に、本計画で活用される予定の敷地整序型土地区画整理事業についてです。この事業の理念からして、河北病院と地主さんと区の3者のそれぞれまとまった敷地で行われる権利交換はあてはまらず、この事業に活用するのは無理があります。
 第三に、仮に区画整理事業を行うにしても、杉一小敷地と河北病院敷地の権利交換について「照応の原則」をクリアできないことをすでに指摘しました。
 河北病院の土地はハザードマップ上の浸水地であり汚染地です。対して、杉一小の土地は駅前の一等地です。あんさんぶる荻窪荻窪税務署等の財産交換でも、区は「広い土地が手に入る」と強弁してきましたが、土地の価値は広さだけではありません。それは区もわかっているはずですが、あえてそれを無視して区民の財産を毀損することは許されません。また、裏返せば特定の個人に利益を供与することでもあり、公共性、公平性の点でも行政として逸脱した行為です。
 第四に、これらの論点が地元阿佐ヶ谷の住民にも全く知らされないまま、区が一方的に計画を推進してはならないということです。説明会でも多くの異論と疑問が投げ掛けられていました。
 河北病院が建てかえを急ぐというのであれば、現在の用途地域容積率の中でやっていただけばよろしいのではないでしょうか。阿佐ヶ谷のまちづくりは病院の建てかえに左右されるのではなく、住民と区とでしっかりと議論していくべきと考えます。その時間を区民に与えないのは不当です。
 以上をもって補正予算案に反対します。
 次に、議案第43号から46号までの、桃井第二小学校改築工事にかかわる契約案件について、あんさんぶる荻窪の財産交換に反対する立場からこれら4議案に反対とします。桃二小改築については先の臨時会において反対意見として詳しく述べましたので繰り返しませんが、杉一小も桃二小も「子どもたちのために建て替えを」と口先で言いながら、他の施設や他のプレーヤーの都合で学校が振り回され、結果、教育のためのベストな建てかえが出来ず教育環境が犠牲になり、子どもがないがしろにされていることは本当に遺憾です。以上、反対意見とします。