わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

わくわくレポート新年号(No.185)

 新年を迎え、皆様にはいかがお過ごしでしょうか。
 昨年は7月に都議会議員選挙、10月には衆議院の解散、総選挙が行われました。都議選では小池百合子知事の「都民ファースト」が圧勝しましたが、総選挙直前につくられた同じ小池さんの「希望の党」は改選議席を割り込む敗北に終わり、3匹目のどじょうはいませんでした。
 森友・加計問題隠しが目的とも言われた今回の急な解散ですが、政府がこれほど露骨な不正を行っていても選挙で負けない理由は有力な対抗勢力がないことにつきます。
 世界情勢は緊迫しています。トランプ米大統領朝鮮民主主義人民共和国北朝鮮)に対して「完全破壊」と脅し、安倍首相も「対話するときではない」と戦争を煽っています。
 選挙の公示直後に米軍ヘリが墜落炎上、その後も保育園・小学校に相次いでヘリ部品が落下しました。こうした事故の原因究明すらできない日本は独立国とは言えません。
 対米自立、自主外交を実現できる政治勢力を幅広く形成していく必要があります。
 杉並区を振り返ると、年末の区議会では保育料の値上げと区長や区議会議員等の給与引き上げが同時に提案されました。区民には負担増を押しつける一方、自分たちの給料は引き上げるなどとんでもないことです。私は両案に反対しましたが賛成多数で可決されてしまいました。
 主権在民、住民自治がこれほどないがしろにされていいわけがありません。
 今年も「変えよう!杉並区政」を合言葉に、皆様とご一緒に区政を追及して参ります。
<無理が通れば道理がひっこむ 〜問答無用の区政になり果てた〜>
平成28年度決算に対する反対意見より)
 平成28年度の杉並区政を振り返ると、子どもたちが多く利用し愛着を持っている公園をつぶして保育園をつくるという暴挙が地域に深い傷と不信感を残しました。
 公園ばかりでなく、区内各地でことごとく住民の意思をないがしろにして計画が進められ、田中区長の独断的な区政運営がきわまった年でありました。
 高円寺小中一貫校建設に80億円の予算が投入されます。施設一体型小中一貫校ではなく、まだ新しい杉四小の校舎も活用して分離型小中一貫校にすれば、高円寺中の建て替えのみ、半額以下ですんだはずです。あえて巨大で使いにくい校舎と狭い校庭の一体型にしたのはなぜか。教育よりも建設利権が優先されています。
 あんさんぶる荻窪の財産交換に至っては、全く必要性のない交換をするために新しい複合施設建設と桃二小の改築前倒しであわせて70億円もの予算が投入されます。30億円かけたあんさんぶるの建設費も無駄になります。保育園や児童館にかけるお金は少しでも削っていこうとする一方で、これら大規模工事の巨額予算がドンブリではどうしようもありません。
 杉一小の改築計画変更にともない不要となった駐車場賃借料は総額1億3千万円と高額で、期間も不自然に長い契約です(下記参照)。
 上井草保育園の民営化では「標準偏差」を用いる特異な選定方法で、2位の事業者が1位になりました。選定の公正さに疑問があります。
 持続可能な行財政とか財政規律といいますが、コツコツ節約しても利権でふっとんでしまいます。これらの理由をのべて決算認定に反対しました。
<決算委員会の質疑から>
★【地域区民センターで残業代不払い】
 ある地域区民センターで運営委託事業者が常勤者に対して残業代を払っていない問題が発生しました。この質問をした時点では未払い分の賃金がすでに支払われて解決されていましたが、事業者との契約では、不正行為があれば契約解除の条件ともなり得ます。
 杉並区では委託・指定管理事業者に対して社労士による「労働環境モニタリング」で労働法令違反がないかチェックを行っています。問題の事業者に対しては昨年実施したものの、今年度法令違反が発生していたことを区は把握できていませんでした。モニタリングの回数、頻度を増やす必要があります。
★【杉一小改築計画、駐車場に不当な支払い】
 河北病院の移転改築経過に伴い(という動きもヘンな話なのですが)杉一小改築計画が抜本的に変更されました。しかし、すでに変更前の案に従って2億円が執行されており、うち1億3千万円が代替運動場の賃貸料でした(月880万円、平成28年4月〜29年6月)。当初計画で仮設校舎の運用は30年4月からの予定でしたが、使用予定の2年も前から借りており、しかも使用実績はゼロ。完全にムダな出費となりました。
 区は駐車場管理会社に転貸し月340〜360万円の賃貸料を得ていましたが、区が借りる前から同地は駐車場であり地主さんは同額程度の賃貸料を得ていたと思われ、区が借りた際には1か月当たり500万円以上も上積みされています。
 そもそも学校建て替え時に代替運動場を借りた例はなく、現在工事中の桃二小も他の学校の校庭などを借りています。杉一小の場合だけわざわざ代替運動場を確保するのは不自然です。
 地主さんはハンコ1つで1億3千万円を受け取り濡れ手アワ。不当な利益供与と見られても仕方がありません。
★【小中学校の特別教室エアコンをつけて】
 小中学校の特別教室のエアコンのうち理科室はすべて設置済みですが、家庭科室、図工室は約半数が残っています。28・29年度で行う計画だったのですが、途中で計画が変更されました。今年度は小学校2校、中学校1校の3校だけです。
 教育委員会からは「教育の機会均等のため29年度で小学校の家庭科室、図工室、中学校の家庭科室につけたかったが、実行計画改定の中で計画外となった。小中学校PTA協議会や保護者から強いご要望をいただいており、来年度にむけては十分検討していきたい」との答弁でした。
 整備するために必要な金額は1億3千万円。前項の駐車場賃貸料と変わらない金額です。優先順位が間違っています。
★【議事録と称するのも恥ずかしい代物】
 上井草保育園民営化の事業者選定についての議事録を情報公開請求したところ1枚ピラで、議題しか書いてないようなものでした(代替運動場に1億3千万円は不当な利益供与)。
 他区、例えば港区ではちゃんと議論の経過がわかる議事録が公式ホームページ上でも公開されています。しかし、杉並区は他の分野でも議事録がまともに残っていないことが多々あります。
 公文書管理法では第4条(※)に行政文書の作成が定められており、国の機関は意思決定の過程がきちんとあとづけられるようにしなくてはならないというルールがあります。杉並区でも公文書管理条例を定める必要があると指摘しました。区の答弁は「すでに条例を施行している自治体もある。歴史的文書の保存、公文書管理館をどうするかなどさまざまな課題があり、必要性も含めて検討している」とのことでした。
※ 第4条 行政機関の職員は、第1条の目的の達成に資するため、当該行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程並びに当該行政機関の事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができるよう(中略)文書を作成しなければならない。