わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

杉並区が「平和憲法」削除を要求(一般質問しました)

 2018年2月16日、区議会定例会で一般質問しました。質問を準備するなかでいろいろ調べましたが、田中区長は、まちづくりでも女性政策でも前山田区政の悪い面をしっかり継承しているなあとつくづく思いました。区政を転換できるのは住民の力です。がんばろう。
 質疑の概略は以下です。答弁の要旨はこちら
【1.荻窪のまちづくり】
(1)荻窪駅周辺まちづくり方針
 杉並区のまちづくり計画ではなぜか荻窪だけが特別力を入れるまちになっています。山田区長のときに荻窪の地主さんと区長が結びついてからのことです。田中区長に代わってさらに「立体交差にする」「荻窪再開発」と大きく花火が上がりました。でも、現実には荻窪の問題(地上駅なので南北通行が不便、地下通路が危険)はいっこうに解決されません。実務をきちんと進めてくれる区長に代わってほしいです。
(2)あんさんぶる荻窪
 今議会に「財産交換」の議案が上程されました。可決されればあんさんぶるは税務署になってしまいます。なぜこんなバカげた政策が通ってしまうのか。
 区長が過去に議会で「あんさんぶるのような不動産はこれからもいくらでも売りに出るし、区が買う可能性も大」との答弁をしているので「必ず代替施設を買って」と言ったら、「開発には反対するくせに駅前のビルを買ってもらいたいというのは矛盾している」と逆ギレされました。いや、あなたが買うって言ったんだよ。
【2.女性政策】
 イベントのプログラム原稿に「平和憲法」と書いたら区担当者から「削除してくれ」と言われたという「検閲」事件が起きました。区長の憲法観、人権観を糺しましたが答弁回避。これからもこんなことが続くのか杉並区。「女性政策でも山田さんと同じなのか」と再質問で答弁を迫ったところ「女性の社会進出については積極的にやっている。保育園をたくさんつくってきた」との答弁。保育園はいいけど、それは児童福祉で女性政策ではないと思う…。
【3.高円寺小中一貫校】
 一貫校の開校が1年延期になったのは「工事妨害のせい」と発表した杉並区、いつのまにかHPの告知は消していますが、訂正・謝罪はないまま。一方、「暴行を受けた」と建設会社の社員が被害届を出した件は不起訴処分が下り、事件は完全に否定されました。この件について認識を求めましたが「当事者ではありませんから」と逃げる区担当者。公共事業の請負業者が虚偽の訴えをしたのですが受注者として当然責任があると思いますが。
(以下原稿です。実際の発言とは異なるところがあります。)
<前区政と変わらない田中区政>
 一般質問をいたします。平昌オリンピック真っ最中ですが、開催国の韓国と朝鮮民主主義人民共和国北朝鮮)が対話へ向かって歩み出しています。民族の悲願である統一問題だけでなく、東アジアの緊張緩和に向かう可能性に大いに期待をしたいと思います。我が国も対米従属から脱しアジアの平和に役割を果たせる政治を実現しなくてはならないと痛感します。
 また、わが杉並区においても区政の閉塞感を打ち破る年になればと念じるところです。
 今回の質問にあたり、何点か過去の区政との比較をしましたが、現在の田中区政が前山田区政と大きく変わらないことをあらためて認識しました。行革、民営化を強力に進め人心を荒廃させた前区長に対して、転換を図ってくれるのではないかとの期待を寄せて、私自身も当初田中区長を応援した一人でありましたが、期待に反して、この8年、人員の削減、保育園などの民営化、委託化がいっそう強力に進められ、さらに杉並の貴重な財産、科学館や児童館の廃止が強行されています。その一方で、無駄に大きな建築工事が数多く行われ、建設事業者や地主さんなど少数の人が利益を得る区政となってしまっています。区政の転換を願って以下質問をいたします。
1.荻窪のまちづくりについて
(1)荻窪駅周辺まちづくり方針について
 まず、田中区政の目玉政策であったはずなのに、今はなんとなく置き去りになっている荻窪のまちづくりについてうかがいます。「荻窪まちづくり会議」も最近は開催されず開店休業です。方針が決まったこれからが、地域とともに進める時期だと思うのですが、残念な状態です。
荻窪だけが特別な「杉並の芯」>
 田中区長就任後に策定された基本構想には「戦略的重点的とりくみ」として「荻窪駅周辺まちづくりと多心型まちづくり」があげられていますし、昨年策定された「荻窪駅周辺まちづくり方針」では、荻窪を「都市活性化拠点」「杉並の芯」と位置づけており、荻窪のまちづくりがここまで区政の中心課題として大きくとりあげられたことはかつてありませんでした。そこでまず「都市活性化拠点」「杉並の芯」とは何か、うかがいます。(Q1-1-1)また、関連して、交通の面、および産業の面からみて、荻窪にはどういう特徴があるかご説明ください。(Q1-1-2)
<山田前区長の政策を継承、発展>
 なぜ荻窪が特別な存在として位置づけられたのか。
 「杉並区まちづくり基本方針」でJR4駅のうち荻窪だけが「都市活性化拠点」と規定されたのは、山田前区長のときでした。
 荻窪のようなすでに開発された地域において、さらなる高度利用を喜ぶ人は限られています。むしろ既存の住宅地の環境を守り、発展させることが住民の願いです。しかし、荻窪のまちを再開発することで儲かる一部の地主さんらと前区長が結びついたことによって、荻窪の位置づけはそれ以前とは大きく変わってしまい、荻窪南口では、容積率の緩和問題や補助131号線の相互通行化問題などが、地域の人たちを悩ませました。そして田中区長に代わっても、前区長の政策を転換するどころか、さらに荻窪再開発がクローズアップされたのです。
<立体交差を約束したが手つかずに>
 田中区長は初当選時、荻窪の、特に北口の商店街の方々に対し、南北通行問題の解決として立体交差を約束し、地域に大きな期待を持たせました。しかしその後、高架化は現時点では実現不可能であることが明らかとなりました。また、駅北東地区の区画整理も手つかずのままとなり、期待は裏切られました。
荻窪駅交通戦略で南北通行解決できるか> 
 南北通行に関連して、「方針」の中では荻窪駅周辺交通戦略の策定がうたわれています。戦略に関する連絡協議会の開催経過、参加している事業者はどこか、また、戦略策定時期の見通しをお示しください。(Q1−1−3)また南北通行問題の解決策については、どのようなことが可能なのでしょうか。所見を伺います。(Q1−1−4)
 これまでできもしない公約で地域が振り回されてきましたが、新しい区長には鉄道事業者や関係者と話しあって、地味でも実現可能な問題解決、特に南北通行問題の解決を着実に行う人が、いま求められていると思います。
<住宅地域での民泊規制を>
 次に、荻窪のまちづくりに関連して民泊についてうかがいます。いま、荻窪のまちにも、急速に違法民泊が増えています。法施行を前に、すでに民泊をあてこんだマンションが建設されており、地域の不安は高まっています。荻窪のまちづくりには民泊規制が欠かせません。今定例会でも杉並独自の規制条例が審議されますので、詳しくはそちらに譲りますが、23区の中でも杉並区の規制は緩いのではないかと思います。区長は記者会見で法定外目的税の導入も考えるなどと述べましたが、その前にまずは条例で厳しく規制するべきと考えます。
 先日私は、旅館・ホテル事業者団体の全国本部で民泊についてのご意見を伺ってきました。同団体は、9月に区長・議長に対しても要望を提出していますので、区長もご覧になっていることと思います。この要望書の中で、この団体は「住居専用地域等では住宅宿泊事業者を除外されたい」と述べています。この点について伺ったところ「決して自分たちの利益のために言っているのではなく、地域の住環境が脅かされることを心配しているのです」とおっしゃっていました。
 すでに条例を施行している大田区では住専地域での民泊を全面的に禁止、また、お隣の練馬、世田谷、中野では住専地域での平日の民泊を禁止していますが、杉並区と違って家主居住型、不在型を問わず禁止している点は評価できます。そこで伺います。民泊について、大田区の条例、また今後予定している他区の規制の状況を具体的にお示しください。また、他区と比較して杉並区の規制の評価はいかがか所見を求めます。(Q1−1−5)
(2)あんさんぶる荻窪について
 次にあんさんぶる荻窪についてうかがいます。荻窪駅周辺まちづくり方針には「地域交流の促進」が掲げられています。地域住民が交流のために知恵を集めてつくったあんさんぶるこそ、本来、この目標に大きく資する地域の拠点でのはずでした。しかし、2010年、区長の一片の手紙から始まった財産交換によりその拠点は、今まさに風前の灯となっています。荻窪地域特に南口の人々は財産交換に決して納得していません。静かに見えても、地域には大きな傷が残っています。
<あんさんぶるの裁判、区職員が出廷へ>
 地元の町会長さんが区長を訴えた損害賠償請求訴訟は、いよいよ大詰めを迎え、3月19日午後2時から区職員2名が出廷して東京地裁で証人尋問が行われます。これまでの裁判のなかで明らかになってきた多くの事実から、常識では考えられない建物付き土地同士の財産交換という悪手を、区長のメンツにかけて、なりふりかまわず推進していく区政のすがたが浮かび上がってきました。
<70億円の無駄遣い。果実はどこへ>
 また、財産交換が財政上も全く無駄づかいであることは、これまで何度も指摘してきました。
税務署用地は今回47億円と査定されました。あんさんぶるとほぼ等価とされていますので、それだけなら等価交換です。しかし区は交換のために天沼3丁目にあんさんぶるのかわりの施設を建て、また、緊急性の低い桃二小の建て替えも行い、計70億を費やします。現金なら47億円で買える土地を財産交換にしたために約120億で買うことと同等です。2つの建設工事はどちらも同じ荻窪の建設会社が請け負っています。本来なら建てなくていい2つの大きな建物は誰を潤したのか歴然としています。この交換の本当の目的は何だったのかと考えさせられます。
<不動産価額調査に疑問>
 不動産価額については、予算審議に譲りますが、ここでは1つだけ大変気になることを指摘しておきます。不動産価額の調査報告書を読んだところ、あんさんぶる荻窪の土地・建物の価額はざっくり2割引きになっています。他方、荻窪税務署のほうは更地にマンションを建てたら、という仮定で割引なしに算定されています。前回の鑑定と同じです。しかし、今回税務署の土地は区が賃借して大きな真新しいビルを建てており、現況は2年前と変化しています。更地にマンションという開発の設定は非現実的なものです。これで公平な算定とはいいがたいと思いますが、あんさんぶるの市場修正率8割は妥当なものと考えるのでしょうか。所見を伺います。(Q1−2−1)
<なぜ児童館をはやばやと閉鎖?>
 次に、あんさんぶるの諸施設の移転・廃止についてうかがいます。昨年第三回定例会ではやばやと、児童館の廃止等が可決されてしまいましたが、福祉事務所、消費者センターは3月24日までで移転、児童館は17日までで閉鎖とのこと、また、会議室の貸し出し等は2月いっぱいで終了と告知されました。
 区の計画では財務省との財産交換は5月とされています。ですから仮に3月末まで施設を利用していたとしても1か月の余裕があります。なぜ年度末まで使わせないのか大変疑問です。また、それぞれの施設が使用不可となる時期がバラバラなのも不自然です。
<科学館の無残な最期> 
 それで思い出すのが科学館とけやきプールです。科学館は閉館となる1年前に事業を終了し、手入れもされない無人の施設となりました。日本一の科学館と称えられていた館の無残な最期です。けやきプールは、結果としてではありますが、取り壊し、使用不能となる2シーズンも前に廃止されて、そのまま今も放置されています。どうも区長は区の事業、施設に対し全く敬意を払わず、区民の愛着の心もふみにじり、しかも廃止してから長いことさらしものにするのがお好きなようです。
 あんさんぶるも同様で、各施設の終了がばらばらなのも、利用者が集まって「やっぱりなくしてほしくないよね」などと言ってあんさんぶるを惜しむことを恐れているとしか思えません。
<春休みなのに遊べない>
 特に荻北児童館は3月17日で終わり、春休みの子どもたちは児童館で遊べません。3月31日まで条例上は存在しているのに、閉鎖してしまうとは、なんと意地悪なことだろうと思わずにいられません。
 このことを知った保護者の方が区役所に電話して、春休みの遊び場をなんとかしてほしいと頼んだところ、「たった1週間、家庭でなんとかしてください。旅行にいけばいいでしょう」「公園やよその児童館に行けばいいじゃないですか」などと言われたそうです。なんと心無い言葉でしょう。
<4月まで使えるのに。最後のイベントもない>
 仮にあんさんぶるの交換が可決されるとしても、児童館、会議室は4月末まで区の所有であり、できるかぎり区民の利用に供するべきと考えるがいかがか。また、あんさんぶるにさよなら、ありがとうを言うためのイベントを行うことが必要と考えますがいかがか。所見を求めます。(Q1−2−2)
荻窪南口に児童館、会議室がなくなる>
 この項の最後になりますが、先ほど申し上げたように、荻窪南口の賑わいの拠点となってきたのがあんさんぶるであり、廃止するのであれば、地域の人が使う児童館と会議室の代替施設となるものが必要です。桃二小に遊び場ができるといいますが、駅から離れていますし、児童館の特徴だった大きな体育室や図工室、図書室などの諸施設はなくなってしまいます。また、会議室は学校の会議室であって、一般の方が予約して借りられるものではありません。
<代替施設確保を求める>
 幸い、区長は議会の答弁で「あんさんぶるに似たような、類似の資産というものは、今後将来区は取得することは可能性としては大いにあろうかと思う」と発言してくれています。こうおっしゃった以上、今後駅前の土地建物が売りに出ないか、虎視眈々とチャンスを狙って、まちがいなく整備していただくようお願いします。見解を求めます。(Q1−2−3)
2.女性政策について
 質問項目の2番目として、杉並区の女性政策についてうかがいます。
<男女共同宣言20周年イベント>
 杉並区男女共同参画都市宣言と男女平等センター開設から20周年を迎えました。11月23日には宣言20周年と銘打ったイベントがおこなわれました。しかし、なぜか男女平等センター開設20周年を祝う取り組みはありませんでした。区の施設なのに節目の年を祝わないのはなんとも不思議です。しかも、複合施設の1階にある「ゆう杉並」はしっかりと20周年行事をやっているのにです。
 また、イベントは当初、女性作曲家の知られざる名曲を紹介するレクチャーコンサート単独で企画されていたのが、なぜか第一部に元オリンピック選手らのトークが行われたあとコンサート、という二部形式に変更されました。
 このような不透明ないきさつがありながらも、第二部の監修をなさった音楽研究者の方は、ご自分がお住いの杉並区で開催できるということで力を入れて取り組んでくださいました。当日のアンケートでも参加者からは「女性作曲家を知ることができてとてもよかった」「演奏がすばらしく感動した」などの声が多数寄せられコンサートは成功裏に終わりました。
<「平和憲法」削除を区が要請>
 しかし、残念ながら、イベントの開催に際して重大な問題が発生してしまいました。この問題は絶対に見過ごしてはならないと考え質問いたします。
 イベントのプログラム用にこの監修者が書かれた企画意図のコメント原稿に対し、「平和憲法」の言葉を削るようにと担当者から連絡があったというのです。ご本人は唖然としながらも、入稿が迫っていると聞き、やむなく「平和憲法」を削って文章を直したそうです。しかし、イベント終了後、これは重大なことだと思い、知人や女性団体及びメディアに事実を明らかにされました。
憲法違反の検閲>
 区の名前で出す文章ならともかく、監修者の署名入りのコメントに対する削除要求であり、これは、憲法第21条2項において禁止されている検閲にあたります。言論の自由に対する重大な侵害です。削除を求めた理由はなにか。また、検閲行為についての認識を求めます。これは重大な問題であるので、必ず区長に答弁いただきたいと思います。(Q2−2)
 今回の件とは全く別件ですが、憲法にかかわるイベントで、この間私の知る限りでも2度の同じような検閲事件が起きています。杉並区はいったい言論の自由に対してどのような認識でいるのでしょうか。
<プログラムに演奏者の紹介なし>
 もうひとつは、プログラムに4人のピアニストとこの監修者の方のプロフィールが掲載されなかったことです。特に演奏者に対して大変失礼なことだったと監修者は責任を感じておられます。このことは大きな不手際であると考えますが、いかがか。当事者には謝罪をしたのでしょうか。お答えください。(Q2−3)
<イベントの予算について>
 次に、このイベントの予算について説明を求めます。当初、監修者の方は予算が10万円しかないと聞き、身銭を切ってピアニストを集めて企画を進めておられました。ところが後日確認したところ、イベントの総額は40万円余りであったと聞き、それならば、ピアニストの方々にもっと支払いができたのにと悔やんでおられます。そこで、このイベントの経費についてうかがいます。総額、また第一部、第二部別の経費、および出演者のギャラはいくらか、具体的にお示しください。(Q2−1)
<女性団体育成、支援が削除された>
 こうしたトラブルが起きることの背景には、杉並区があまりにも女性政策を軽視していること、そのため職員体制が不十分なことがあると考えます。
 先日「男女共同参画行動計画」の改定に際してのパブリックコメントが行われました。改定案を読んで「女性団体の育成、支援」の項目が削られていることに気づきました。
 女性の地位の国際比較で日本は114位と世界的にも非常に遅れています。これを解決するためには、女性たち自らが活動することそれ自体が欠かせません。当然、行政は、女性団体の育成、支援に積極的に取り組まなくてはなりません。
<女性団体は「偏った人たち」?>
 ところが以前、男女共同参画を担当していたことのある管理職の方と話していたときに驚くべき発言があったことを思い出しました。その方は女性団体のことを「かたよった人たちの集まり」と表現し、男女平等センターについても消極的でした。現在の担当者は、まさかこのような認識から女性団体の育成、支援を行動計画からはずしたということではないと思いますが、はずした理由は何か。明確に示してください。
 また、女性団体に対し、区長と担当者は「偏った人たち」などとまさか考えておられないと思いますが、いかがか。認識を聞かせてください。(Q2−4)
<前区長と同じ男女平等センターの扱い> 
 この項の最後に男女平等センターについてうかがいます。20周年を祝ってもらえないかわいそうなセンターは、いつも閑散としています。1階の「ゆう杉並」と違って、区職員もおらず、委託の受付さんがいるだけです。この人たちは案内はしてくれますが、事業を企画、運営するわけではありません。
 これが前区長の時代であればまだなるほどと思えます。前区長の思想からすれば男女平等の言葉すら聞きたくないことでしょう。実際、センターから区職員を引き上げたのも前区長の時代でした。しかし、区長が代わって以降も今日までずっとそのままというのはどういうことなのでしょうか。私はずっと不思議に思ってきました。田中区長も前区長と同じ思想なのでしょうか。違うというなら、男女平等センターの活性化を進め、そのために専任の区職員を常駐させるべきと考えますが、いかがか、うかがいます。(Q2−5)
3.高円寺小中一貫校について
 最後の項目として、高円寺小中一貫校の問題について質問します。
<住民に対し「工事妨害」>
 昨年11月高円寺小中一貫校の開校延期の告知が区ホームページに掲載され、その理由を住民の「工事妨害」とされました。また、保護者会でも同様の説明があったとのことです。これに対し、近隣住民の皆さんからは抗議文が出され、また議会でも問題となりました。その後、ホームページからはこの告知をとりさげたようですが、保護者に対しては紙で配ってしまっており、取り返しがつきません。
<暴行事件は不起訴。完全に否定された>
 この問題に関連して何点か指摘しておかなくてはなりません。ひとつは、住民の「妨害行為」とされたものの一つが司直によって明確に否定されたことです。
 工事請負業者の社員が、住民に「押し倒された」として、警察に被害届を出し、捜査が続いていた問題で、東京地検から弁護士に対し「不起訴処分とした」という通知が届き、この暴行事件は完全に否定されました。
 区は「妨害行為のために4か月も工事が遅れた」などと言ってみたものの、住民の行動で工事が行えなかったのはわずか4日であることを昨年の議会で認めています。その4日のうちの行為の1つが完全に否定されたことをどう受け止めるのでしょうか。身に覚えのない罪で、何度も警察や検察に呼ばれたご本人、ご家族は犯罪者扱いされてほんとうにつらい思いをしてきました。許しがたいでっちあげ事件、人権侵害です。不起訴処分という結果が出た今、区としての所見を伺います。(Q3−1)
<「妨害」というが現場を見ていない>
 さて、この「工事妨害」という中傷に対して、住民が区に問い合わせをした結果をお聞きしました。「工事妨害」というが、区職員はその事実を現場で確認したのかとの問いに対して「現場には行っていない」つまり確認していないということがわかりました。
 当時私も何度か現場に足を運びましたが、近隣住民の皆さんが毎回区役所に電話をして「私たちは工事業者ではなく区の担当者と話したい」「現場にきてください」と頼んでいました。住民の方が区役所まで出向いて頼んだこともありました。それでも区役所の担当者はがんとして現場に出向きませんでした。では、どうやって「工事妨害」と判断したのでしょうか。説明してください。(Q3−2)
<協議の記録もない>
 区の告知によると担当者は工事業者と協議して「工事妨害があったので工期を延伸する」ことを決めたことになっていますが、その協議の記録を住民の方が情報公開請求したところ、記録はないということでした。それは事実か、確認します。(Q3−3)区民に対し「工事妨害」などという汚名を着せておきながら、その決定過程を証明できないのは、あまりにも無責任ではないでしょうか。
 昨年11月の区議会では「ボタンのかけちがいがあった」という率直な答弁がありました。また、現在住民との話し合いの再開に向け前向きに準備が進められています。しかし、だからこそ、区側は住民に対する非礼については謙虚に反省をしてほしいと求め、質問を終わります。