わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

杉一小移転先の河北病院に大穴(予算特別委員会の質問から)

 2018年3月の予算特別委員会での残りの質問(7日、9日、12日)をまとめて報告します。なお区議会HPから録画配信を見ることができます。
★「平和憲法」削除問題
 2月16日に一般質問した際の答弁で憲法問題への言及が全くなかったので、もう一度やりましたが、やはり区長、区役所は憲法には一切触れずでした。
 まず、当事者が書かれた「ふぇみん」への投稿を事前に渡して該当部分を読み上げてください、と言ったら「読みません」。はぁ? こんなこと言われたら質問できない。委員長(自民党・大和田議員)に「読むように指示してくれ」と言ったのに「質問を続けろ」とかいうので、3往復くらい押し問答しました。「どこがまずくて修正したのか」といっても決して「平和憲法」を削らせたことには触れない。しまいに「男女共同参画とひとことも書いてなかったので」といいますが「書き直したあとの文章にも男女共同参画は入ってないですよね」とトドメ。
 この質疑を傍聴しておられた当事者へのインタビューが「杉並の問題をみんなで考える会」のブログに掲載されています。
「区側の答弁はとんでもないこと。私はプログラムの印刷前日になっていきなり担当者から電話で、『平和憲法のくだりは政治的。書き直してほしい』と言われたました。こんなやりとりがあったのに、区はその事実をひたすら隠し、まるでなかったように見せかけようとしています」
★田中区長の憲法
 関連して区長の憲法観を聞きました。2016年2月すなわち、安保法制が成立したあとの本会議で区長は以下のように答弁しています。
「この法制度は、平和を保持し、国民の生命、財産を守る安全保障の根幹をなす政策であるという与党の判断でつくられたものと受けとめております。」
 どう見ても安保法制支持としか受け取れないので、賛成でいいんですね?と聞いたけど区長は答弁せず。「反論しないということはそういうことと受け止めます」「憲法9条擁護と安保法制支持は両立しない」と指摘しました。
★あんさんぶる荻窪の財産交換
・今回の議決の位置づけがあいまい。
 区は今回「一昨年、財産交換についてはすでに議決しており、今回のは金額変更だけだ」と説明していますが、先に佐々木議員が「前回は交換金額が全く書かれていなかったのであの議決だけでは交換は成立しない(つまり、はじめから2段階議決が前提されている)のではないか」と指摘したものです。区の答弁があいまいだったので再度質したものです。「成立しませんよね」と指摘しましたが「しかし区としての意思決定を行ったもの」と引き続きあいまいな答弁でした。
・児童館の説明会行わず
 他の議員の質問で「成田西児童館の再編についての説明会に参加しました」というのがあり、びっくりしたので質問しました。成田西児童館は「施設再編計画」が確定される前の2013年に児童館で説明会を行い、さらに今回再編の直前にも2度目の説明会が開かれたのです。説明会に際しては杉二小の全校生徒に案内が配布されたそうです。
 ところが、あんさんぶるの荻窪北児童館については、もう今週廃止になるのに、いまだに一度も開かれていません。この点をただすと区は「施設再編計画で説明した」「学校の保護者会で説明した」「そのさい全校生徒に配布した」などと言い訳に終始しました。
荻窪の町会を招待せず
 2月末にあんさんぶるの移転先である「ウェルファーム杉並」の落成式が開かれ、私も出席しました。しかし、荻窪南口の町会長さんに会ったときに「案内なんか来ないよ」とお聞きしたので驚きました。「どこの町会を呼んだんですか」と聞いたら、「天沼地区、上荻地区、清沓地区(清水地域)」との回答で南口の荻窪町会はやはり呼んでいないのでした。あんさんぶるの廃止に反対の人がいると思って、怖くて呼べないらしいです。
★上井草保育園民営化
・法人事務所?
 新園の見取り図をもらったのですが、事務所が2つもあって大きく、会議室も大きく、しかも園長室に副園長室2つもあるという建物です。こんな保育園見たことない。例の「標準偏差」で選ばれたいわくつきの法人で、法人事務所を持ってくるためにこのような仕様になっています。その分の面積は園庭やプールに使えばいいのに。法人優先、子ども後回し。
 副園長室は、法人の理事が使用するということでした。法人部分は53平米と答弁していましたが、もっとありそう。しかも共用部分は算入してないと思います。
・民間へのひきつぎ
 「区立と全く変わらない保育の質」を区役所も事業者も述べていたが、さっそく違いが出てきています。アレルギー対応は区立でやっている「一部除去」ができなくなり「全部除去」のみとなるとの連絡が該当する子の保護者だけに届いたそうです。やはり民営化は保育の質を引き下げることになります。
★河北病院の穴と区画整理事業
・河北病院の穴
 河北病院の北側、旧桃園川にあたる道路に面した部分が大きく陥没しています。

↑花壇部分が陥没し穴は奥へと広がっています。

↑配管(多分排水管)が露出しています。

↑隣接部分では地盤沈下のためフェンスがゆがんで柱から外れたりしています。
 知っていますか?と聞いたら区は把握していませんでした。この地盤の悪い土地と駅前一等地の杉一小を交換し、学校の移転先とするのは危険、かつ損では。
区画整理事業
 手続きを聞きました。来年度の後半くらいまでに法的手続きを終わらせ、「仮換地」=「将来的にこの土地を所有することになる」という権利をきめて工事をするそうです。工事(この場合は、河北、杉一の移転及び道路の拡幅)が完了してはじめて正式の権利交換(移転登記)を行うとのこと。では、区議会はいつ議決するのか? あんさんぶるみたいに「今回のは仮だよね」と思っていたら「あのとき決めたでしょ」と言われるようなバカなことを繰り返すわけにはいきません。
★科学教育と図書館
 最後は少し楽しい話をしたいと思って。
・今年もすぎなみサイエンスフェスタが開かれました。今年は、楽しかった、だけで終わらせずなにかを持ち帰ってほしいと「ブックリスト」をつくりました。来年はぜひ公立図書館が本の展示をやってほしいと要望。今年も一部展示はやっていたそうですが。
荒川区中央図書館「ゆいの森」では科学体験キットの貸し出しをしています。杉並の図書館でも導入しては。と提案しました。