わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

杉並区は児童館を全部廃止します/阿佐ヶ谷再開発は豊洲と同じ(一般質問しました)

 2018年9月13日杉並区議会第三回定例会で一般質問しました。
◎児童館について
 このかん開かれた「施設再編整備計画第二次プラン」の説明会では多くの質問が児童館に集中しました。すべての児童館を廃止するという区の方針を初めて知ってショックを受けた人も多かったようです。
 6月の区長選挙に際して田中区長は「杉並区長 田中良〜児童館の枠を越えた取り組み〜」という動画を発信しています。それを見て驚きました。
 「児童館が全廃されるというデタラメを喧伝する人がいる」はもちろんウソっぱちですが、「中高生の利用を児童館から切り離さないと乳幼児の利用拡大ができない」「そのためには法律の縛りのある児童館という名称を外さなくてはいけない」(大意※)と聞いたことのない理屈が突然出現。しかも同じ動画で「中高生の利用はゼロか1〜2人」とも言っているのですから、え?じゃあ、利用を阻害はしてないのでは?です。ウソをついてるから発言が混乱するのです。
 部長さんたちの答弁は最近はやりの「ご飯論法」で「児童館の機能を移転するということを申し上げたもの」と答えになっていません。「乳幼児施設である子ども子育てプラザでも小中学生の利用はできる」と答えたのは区長の発言と矛盾しています。
※発言は「児童館という名称は法律に依拠していまして、その法律には、児童館とは高校生まで対象にしなければならないという定義がある」というもの。この発言は不正確で、児童福祉法自体の対象は18歳未満とされているものの、児童館の条項に特段の年齢の定義はない。「児童館ガイドライン」で児童館の対象を18歳未満とされている。
◎杉九・東原地域の再編について
 私のご近所の東原児童館が廃止される方針が突如発表されました。そればかりか、同じ地域の「杉九ゆうゆうハウス」(生涯学習振興室)、「ゆうゆう阿佐ヶ谷北館」と3つの施設がいっきに廃止される計画。この地域にウラミでもあるのか。
 しかも、学童クラブと放課後居場所事業をやるといっている杉九小は教室がいまパンパンの状態です。空き教室はありません。無理矢理ほかの事業をもってくれば学習環境の悪化につながります。
 杉九地域は、地域の方々が、子どものためにボランティアを地道に続けてきた地域。その拠点である児童館をなくすことはできません。
2.阿佐ヶ谷駅北東地区まちづくりについて
◎河北病院の建て替えから始まった
 「阿佐ヶ谷駅北東地区を考える会」というナゾの団体。区役所は「民間の団体」といいながら、えらく優遇していて、この団体の言うことを受け入れてきています。その正体に迫りました。
豊洲新市場と同じ区画整理事業のあやしさ
 東京ガス土地区画整理事業の仕組みを利用して、(1)豊洲の汚染地と東京都所有の普通地を交換(2)汚染地を普通地として高く評価(3)汚染対策が不十分だったが東京都が請求を放棄、と何重にも利益を得ました。河北病院と杉一小の土地交換も同じ構図です。土地区画整理事業を使うと区民が知らないうちに一括で事業を進めることができてしまうのです。 
◎「意見交換会」について
 知らない間に6回もやっている意見交換会。計画予定地(杉一、けやき屋敷、河北病院と新進会商店街)の権利者と一皮(面している家)だけに配布しているため参加者が少ない。しかも、区とコンサルが一方的に説明をしているので参加者は「???」の状態。それなのに「反対意見がなければこれで」みたいな進め方です。大切な駅前、もっと議論が必要です。
◎情報公開
 放っておくと区が事業費を負担して河北病院と地主さんが儲かる構図になります。土地評価などもうわかっているはずなので、公開させなければなりません。
(以下は発言原稿です。実際の発言とは違うところがあります)
1.施設再編整備計画について
(1)児童館について
<「学校に行きたくなければ児童館へおいで」>
 一般質問をいたします。まず児童館について質問します。
 9月、新学期が始まるとき、子どもの自殺が最も多い時期といわれます。「学校に行きたくなければ図書館においで」「児童館においで」と公共施設もよびかけます。
 2015年、川崎や寝屋川で中学生が犠牲になる痛ましい事件が起きたとき、杉並区議会でも多くの議員から「子どもの居場所が必要」との発言がありました。そのとき私は議員の皆さんに対して、以下のように述べました。
「杉並では、42の児童館に中高生が自由に行くことができます。特に「ゆう杉並」と7つの地域児童館に組織されている中高生委員会では、中学生が高校生といっしょになって活発に活動しています。そして、この場を通じて、児童館の職員さんや地域のおとなとつながることで、杉並の中高生は守られてきました。杉並はいわばこの問題の先進地域なのです。(中略)問題は居場所がないことではなくて、目の前にあるのに、それを区がなくそうとしていることなのです。子どもの居場所を心配する皆さんは、児童館をなくさないように、という声をどうぞ上げてください。」
 ところが残念ながら、その後3つの児童館が廃止され、さらに今回、第二次プランで、杉並区は3年間でいっきに9館を廃止しようとしています。これは子どもをめぐる社会の要請に全く逆行しているとしか言いようがありません。
<選挙で「児童館廃止はデタラメ」と区長>
 そこでまず、区長の見解を質したいと思います。
6月に施行された区長選挙の際に区長の陣営が配信した動画は区長が児童館について述べたものでした。
 まず冒頭、区長は「児童館全廃というデタラメを喧伝している人がいる」と延べています。そこでうかがいますが、「児童館全廃」はデタラメというのは区の共通認識でしょうか(Q1−1−1)。それはこのかん「最終的には施設としての児童館はすべてなくなる」旨、説明会で回答してきていることとも矛盾します。幸いというかこの動画の閲覧数はさほど多くないのですが、このように、選挙の票めあてで、事実を政治的に歪曲するのは姑息で、廃止は廃止として堂々と主張していただきたいものです。
 次に、児童館の事業内容について。区長はこの動画で「児童館の主な事業は3つ」と述べています。しかしこれは間違いではありませんか。区の公式見解でしょうか。児童館の主な事業とはなにか、区長がわかっていないようでは困るので、今更ですが説明を求めます。(Q1−1−2)
<中高生の児童館利用は乳幼児のじゃま?>
 この動画で区長は、児童館の中高生の利用は極めて少ないが乳幼児の需要は強い、として次のように述べています。
「ニーズの少ない中学生や高校生の居場所というのは児童館から切り離して、他に考えていきたい。だから児童館という名称を消さないと、中学生・高校生を切り離すことができない。」
 驚きました。区が児童館を廃止するのはそういう理由なのでしょうか。(Q1−1−3)
 子ども子育てプラザ条例は18歳までの子どもを対象としており、小中学生の来館も拒まないと区は説明してきたのですが、区長の「切り離す」発言は、この方針とも矛盾しているのではありませんか。見解を求めます。(Q1−1−4)
<国は児童館を充実、活用へ。杉並区は逆行>
 さて国の動きは杉並区の動きとは反対に児童館の充実、活用に向かっています。
 国の社会保障審議会「放課後児童対策に関する専門委員会」は今年7月に発表した「総合的な放課後児童対策に向けて」(中間とりまとめ)で「大きく社会状況が変化している中で福祉、子どもの権利の観点から検討の必要がある」として、子どもの権利条約第31条の休息・余暇及びレクリエーション等についての規定にふれ、
・放課後児童クラブや放課後子ども教室と、児童館・社会教育施設等をはじめとした地域の様々な施設を有機的に連携させる
・児童館については、児童館ガイドラインにそって機能をより一層充実させていく
・高学年の待機児童の対策として児童館、社会教育施設等を活用して地域に多様な居場所を用意する
と児童館の充実と活用を打ち出しています。杉並区の児童館をすべて廃止するという方針はこれに逆行するものではありませんか。見解を求めます。(Q1−1−5)
<改正「児童館ガイドライン」では「子どものための館」>
 また、同じ社保審の「遊びのプログラム等に関する専門委員会」は「児童館ガイドライン」改正の最終案を発表しています。その中では新しく「施設特性」の項目を設け、「子どもが安心してくつろぐことができる」「子どもが困ったときや悩んだときに相談したり助けてもらえたりする職員がいる」などと定義されています。中でも第一に「拠点性」が挙げられ、「児童館は、地域における子どものための拠点(館)である」と定義されています。他の施設では代替できない児童館の特性です。
 そこで、このガイドライン改正の趣旨と概略、および、新設条項である「施設特性」について説明を求めます。杉並区の児童館廃止方針は、館がなくなっても機能を分散移転するからよい、とするものですが、これはこの新ガイドラインに掲げる「拠点性」に反するものと考えるがいかがか。見解を求めます。(Q1−1−6)
(2)杉九・東原地域の再編について
<東原児童館など3施設廃止の衝撃>
 次に、杉九・東原地域の施設再編についてうかがいます。
 第二次プランが発表され、私の地元の杉九小・東原中地域には衝撃が走りました。なぜ私たちの地域が突然ふってわいたようにターゲットにされたのかわかりませんが、それぞれ多くの大人や子どもが利用している東原児童館、ゆうゆう阿佐ヶ谷北館、杉九ゆうゆうハウスという3つの施設をいっぺんに奪われることに対し、地域の方々から懸念や疑問の声がわいています。
<学校には余裕教室がない>
 まず、学童クラブを杉九小に移転するということですが、杉九小には空き教室はなく、来年以降、教室が不足することは確実です。区の案では、もともと校舎の一部を転用した杉九ゆうゆうハウスを廃止し、学童クラブに再転用することになっています。ところが、現在の東原学童は面積にして約190平米、3教室分ありますが、ゆうゆうハウスは転用しても2教室分しかとれずスペースが不足します。現状では学童クラブを移転させるのは無理です。
 それだけでなく、児童館の代替事業として放課後等居場所事業を学校内で行うことになっていますが、さらに教室が削減されることになりますから、もちろんこのスペースもとることはできません。
 区は特別教室の転用で対応するといいますが、いま現在学校教育のために使っている教室を削減することは即、杉九小の教育環境の悪化となります。しかも、東原学童クラブは昨年数ヶ月児童館を閉鎖して定員拡大のため工事をしたばかりです。それなのにまた工事して学校内に移転とは、この無駄遣い、朝令暮改は何なのか。学校側からもご意見として「地域に丁寧に説明してほしい。子どものため、を第一として行ってほしい」とのお話があり、区の担当者も直接聞いておられました。学校教育にとっても学童クラブにとっても無理な計画を強行すべきでないと考えますが、区の見解はいかがか。伺います。(Q1−2−1)
<学童クラブは学校内だけでいいのか>
 また、地域の方々からは、仮に学校内に学童クラブを移すとしてもなお、学校外の学童クラブという選択肢は必要との声が聞かれます。児童館の学童クラブも存続させ選択肢の保障と定員拡大に対応すべきと考えるがいかがか。見解を求めます。(Q1−2−2)
<地域のボランティアは「お払い箱」?>
 次に、杉九小では放課後子ども教室「わくわくクラブ」が運営されてきました。しかし、放課後等居場所事業の導入でこの事業は終了することになります。地域のボランティアの皆さんが区の要請に応えて懸命に維持してこられた活動です。区が別の事業をやることにしたからと、一方的にお払い箱にしてしまうことは許されません。ボランティアの方々と地域の子どもたちはまちで会っても声をかけあう関係があり、こうした地域のネットワークが壊されてしまうことを危惧します。区はいったいどう考えているのか。所見を伺います。(Q1−2−3)
<杉九ゆうゆうハウスまで廃止される>
 学童クラブの移転のために廃止される杉九ゆうゆうハウスについても、地域からは懸念の声が多く上がっています。ゆうゆうハウスをご存じない方も多いかもしれません。杉九ゆうゆうハウスは、地域の方が登録して使える会議室と自習室から構成されています。地域団体とりわけ子どもにかかわるいくつものボランティア団体が、ゆうゆうハウスで会議をもって団体の活動を続けてきました。自習室では図書館以上に静穏な環境のなかで、定期試験や受験勉強に子どもたちががんばっています。地域に根付いた地域活動の拠点です。こんなに安易に廃止していいものでしょうか。そもそもゆうゆうハウス設置の目的は何だったのですか。説明を求めます。
<中央線の南側まで行けと?>
 また、今回の第二次プランでは、阿佐ヶ谷駅南口の産業商工会館へ、さらには荻窪駅南口の中央図書館へ「機能移転」と説明されていますが、区北部の区境に位置する私たちの地域から、わざわざ中央線を越えてそんなところまで子ども達が行くと思いますか。近所にあるから行くのです。「機能移転」など現実的ではありません。この地域を軽視しているとしか思えませんが、いかがか。見解を求めます(Q1−2−4)。「機能移転」などとごまかさず、「廃止するので申し訳ないけどあっちを使ってください」とまず謝るのがスジではありませんか。
<ボールで遊べる唯一の場所>
 東原児童館の使われ方も、区は実態を把握しているのでしょうか。杉九小校区にはボール遊びのできる公園がありません。児童館が唯一のボールで遊べる場所です。また、東原児童館は東原中学校に近いため、学校帰りの中学生がふらっと立ち寄る場所でもあります。
 乳幼児から高齢者までが使える地域コミュニティ施設に再編するといいますが、小学生、中高生は除外されています。しかも我々の北部地域にはいまのところ中高生の居場所は検討にすら上がっておらず居場所がなくなります。これら児童館機能の維持について見解を求めます。(Q1−2−5)
<地域活動に大きなダメージ>
 以上の様々な地域の声に区はひとつひとつ誠実に答える義務があると考えます。この項の冒頭に述べたように、児童館、ゆうゆう館、ゆうゆうハウスという利用者の多い3つの施設がいっきに廃止されれば、地域活動には大きなダメージとなります。計画は全面的に見直すべきと考えるがいかがか。この項の最後に見解を求めます。(Q1−2−6)
2.阿佐ヶ谷駅北東地区まちづくりについて
<「阿佐ヶ谷駅北東地区を考える会」とはなにか>
 次に阿佐ヶ谷駅北東地区まちづくりについて質問します。この話は、ちょうど2年前に公になりましたが、以来「阿佐ヶ谷では『阿佐ヶ谷駅北東地区を考える会』の活動などまちづくりの機運が高まっている」としきりに説明されてきました。いったいこの「考える会」とは何なのかと、本会議でも質問しましたが「民間団体なので」と説明してもらえないわけです。
 そこで調べてみたところ、この団体は2014年1月に設立されたものだとわかりました。河北病院のホームページに「考える会を設立」と記載されています。河北病院がつくった団体かと思うと、代表者は地主の相澤さん、そして連絡先はなぜか港区にある会社に置かれていました。阿佐ヶ谷の、それも北東地区というきわめてローカルな問題を議論する会がなぜか港区です。
<区役所が特別扱いするたった11人の団体>
 しかも、阿佐ヶ谷駅北東地区の計画に関わる区の事業委託公募要項を見ると、驚くことに、一民間団体にすぎないこの団体とのコンタクトが条件となっています。例えば、2015年「まちづくり方針案策定等支援業務委託公募」には「北東地区を考える会との意見交換の想定回数を教えてください」というQ&Aが出ています。河北病院の移転が公表されるよりもずっと前のことです。2016年「まちづくり基礎調査委託業務」では公募要項冒頭の「目的」の項に「阿佐ヶ谷駅北東地区を考える会が検討している」云々書かれています。どうも素朴な住民団体とはちょっと扱いが違うようです。
 そこで情報公開でこの会が区に提出した「阿佐ヶ谷駅北東地区まちづくり構想」という報告書を入手したところ、34ページにもわたる専門的な報告書で、これは2015年4月から2年間、首都圏不燃公社の補助金を受けてコンサルに依頼してまとめたものだそうです。一般人にはなかなか考えつかない手法です。この段階から区がアドバイスをしていたのでしょうか。
 こんなふうに妙な存在感のある団体ですが、さぞかし幅広いまちの人たちで構成されているのかと思えば、メンバーはたった11人。たった11人の民間の人の考えが優先されて、阿佐ヶ谷のまちの運命を決めてしまうのでしょうか。
<河北病院の建て替えのために>
 この報告書を読むと、2015年段階では河北病院が現地で建て替えるためには敷地の拡大が必須、として「その際、病院中央に区道があることから区道の付け替えが必須であった。道路の付け替えは中杉通りに接続する9mの道路整備が課題であるが、そのためには新しい分院の解体が避けられないことが課題だった」とあり、また「大規模建築を建て替えるには、東京都安全条例による前面道路の規制により、道路整備の検討が必要である」ともあり、道路拡張や付け替えの話自体が防災云々言う以前にそもそも河北病院が建て替えをする都合から始まった話であることがわかりました。そしていまそれが、土地区画整理事業による駅前開発へと膨張しています。
<汚染地の交換は豊洲と同じ>
 ところでちょっと話が飛びますが、区画整理事業といえば、東京都の豊洲新市場も実は、区画整理事業です。豊洲は移転が間近となった今も、まだ多くの難問をかかえていますが、都民の税金がいかに浪費されたかも知る必要があります。
 東京ガス区画整理事業の仕組みを利用して、第一に、汚染された土地を東京都所有の土地と交換することにより利益を得、第二に、汚染対策が万全に行われる前提で資産評価を行ったため、過大な資産評価を得ることができ、第三に、汚染対策が不十分だとわかった時点で、都が追加対策を東京ガスに請求することなく放棄してしまったことで、何重にも多くの利益を得ました。しかし、こうした不公正は区画整理事業という複雑な仕組みを隠れ蓑に、都民の目から隠されています。
 田中区長の都政の師匠ともいわれる元都議会議員の方が手掛けた案件であり、同じく民間の汚染地と公共用地の交換である阿佐ヶ谷の区画整理事業と構図がそっくりなのは不穏な兆候です。
<土壌入れ替えには7億円>
 第一に汚染地と普通地の交換は、まさに河北病院用地と杉一小の交換です。第二に土地評価の問題では、やはり、対策が行われる前提で病院用地が不当に高く評価される恐れがあります。第三に、万が一、あとから汚染が発覚した場合、東京都のように区が請求を放棄してしまう可能性も否定できません。そっくりの構図です。
 問題の土壌汚染対策ですが、学校を建てるのだから、当然土壌を全面入れ替えすると思いたいですが、区の委託調査によれば、予定地の土壌を3mの深さで全面入れ替えすると7億円以上の経費がかかるとのことです。果たして河北病院がこの費用を負担して土壌入れ替えを行うかどうかわかりません。盛り土をしただけで終わる可能性があります。
 新しい杉一小用地の安全性は現在の大まかな協定だけでは担保されず、別協定できちんと保障すべきです。汚染が残った場合の病院側の責任、金銭的解決するなどの条項を盛り込んだ具体的な協定を、河北病院と別途結ぶべきと考えますがいかがか。見解を求めます。(Q2−1)
<河北病院土地の過大評価につながり区が損を>
 事業の順序としては、土壌汚染調査の実施より前に仮換地指定が行われます。その場合、河北病院跡地を清浄土壌として評価すれば、豊洲同様の過大評価になり区にとって不利な交換となると考えますがいかがか。見解を求めます。(Q2−2)
 公益財団法人区画整理促進機構の報告書には、こうしたトラブルを未然に防ぐため、また照応の原則から、汚染地は原位置換地すなわち元の権利関係のままが適切という指摘があります。地域の方々からも、病院の跡地に杉一小を移して大丈夫なのかというご意見をたびたびうかがいます。本件区画整理事業においても原位置換地が適切ではないでしょうか。見解を伺います。(Q2−3)
<「保留地」は区が購入することに?>
 事業費用にも問題がありそうです。3者の協定書では、第5条に「土地区画整理事業の施行に係る費用については保留地の設定及び処分により充当する」とあります。
 区画整理事業において権利者が土地を提供して保留地とし、それを売却することにより事業費を生み出す手法は一般的ですが、公共施設の建設や移転が絡むと保留地の大半を自治体が購入することにより、他の権利者が負担なく開発事業を行うケースが各地に多々あります。阿佐ヶ谷の事業においても、保留地をすべて区が購入するということになりはしないでしょうか。そうなれば他の当事者は事業費の負担なく事業を行うことになり、こんなおいしい話はないわけです。
<まちづくり計画意見交換会
 さて先日、阿佐ヶ谷駅北東地区まちづくり計画の意見交換会が行われました。この意見交換会は、今回第6回目ですが、告知される地域は一貫して対象区域内及び一皮ということで、きわめて限定されているため参加者は少ないです。しかも、毎回、区の担当者とコンサルタントが一方的に説明して、参加者はちんぷんかんぷんという風情です。こんな会合をアリバイとして「反対意見はなかった」などと計画を進めるのでしょうか。駅前開発は公共性が高く、一部の地権者だけで決めてはなりません。広く区民に告知を行い、また、議論の場を多く設けるべきです。見解を求めます。(2−4)
阿佐ヶ谷駅前は高さ60mまで許容?>
 会合の中では新進会商店街および中杉通りの拡幅にあたり、容積や斜線制限を緩和し絶対高さ制限を導入するとの説明がありました。新進会は30m、杉一小敷地は60mが提案されていました。60mというとマンションだと20階くらいになるとのことです。阿佐ヶ谷駅はすでに南口に13階と16階のマンションが建ち、まちの風景が一変してしまいました。北口は駅前広場が南口よりずっと狭いのに、そこにもっと高い建物が建つ想定となります。かなりの圧迫感です。
 大幅な緩和は阿佐ヶ谷のまちにふさわしくありません。現状を大きく越えない高さに制限すべきと考えるがいかがか。見解を求めます。(Q2−5)
<河北病院の建築計画公表を>
意見交換会では河北病院の建築計画が毎回質問されます。地域の人たちが一番気にしているのはそこなのです。病院はどちらが入口か、高さは何階建てか。ヘリポートは果たしてできるのか。しかし、まだ検討中だからとのことで回答はありません。
 ところが、病院の配置はほぼ決まっているはずです。昨年の区の計画をまとめる段階で三者による調整会議が行われていました。そこでは河北病院の設計案も出されたことになっています。区民に対しても、すみやかに明らかにするべきと考えますが、いかがか。見解を求めます。(Q2−6)
 また、けやき屋敷のみどりをどう残すかについても説明がありました。その時の話では樹木の専門家に調査してもらったとのことでしたが、いつどのような専門家に依頼したか。またどのような調査を行ったか。評価はどうだったか。説明を求めます。(Q2−7)
 杉並らしいみどりの保全地区の中核をなす森です。区には保全の責任があることを改めて強調しておきます。
<土地評価を区民に公表すべき>
 最後に肝心な換地計画について触れます。換地の根拠となるのは土地の資産評価ですが、実は鑑定はすでに行われています。情報公開しましたが、マスキングされて値段どころか面積すら全くわからない状態です。民間の土地とはいえ、区が当事者として行っている区画整理事業に関する情報は公的なものであり区民に開示すべきです。
 区の土地は、区民の財産であり、その処分の是非を判断するのは区民です。仮換地指定以前に、権利交換にかかわる財産鑑定や区画整理路線価図などの情報を公にし、区民に意見を求めるべきと考えるがいかがか。最後にうかがって質問を終わります。(Q2−8)