わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

あくまで森の伐採ヘと進む阿佐ヶ谷開発(2020年9月14日一般質問しました)

 2020年9月14日杉並区議会第三回定例会において一般質問しました。動画はこちらに掲載されています。

 発言の概略は、

1.阿佐ヶ谷駅北東地区の再開発

 あまりにも情報隠しがひどいので、裁判に訴えることにしました。

 質問内容としては、今回突然、しかも補正予算で提案された「工事用通路」について。なんと杉並第一小学校の敷地に工事専用通路を通す。給食室はどうなるのか!?と思ったら、7年間しか使わないプレハブの代替給食室をわざわざ建てる。疑問だらけです。

 それよりなにより、絶滅危惧種「ツミ」がいることまでわかったのに、あくまでも森の伐採を進めるという。

 これはもう、どこに公共性があるのか。民間のために税金と区の所有地を使って行う利潤追求事業ではないのでしょうか。

2.図書館について

 杉並区の図書館事業全般を司る中央図書館長・次長の人事がひどすぎる。現在の中央館長は次長とさらに別のポストの3役を兼務しています。そんな中央図書館長は他区には一切いません。(中央館長がいない、という区はあるのですが)

 前任の図書館長・次長は1か月で異動、要するに人事のつじつま合わせを図書館でやっている。軽視もはなはだしいです。

3.児童館、学童クラブについて

 杉九学童クラブでは学校始まって2日目に骨折事故が起こりました。職員体制は常勤8名、非常勤28名の体制。人数が多くていいんじゃない?と思ってしまいますが、非常勤の人たちは毎日日替わりです。子どもたちとの信頼関係は築けるのか。子どもの個性を把握できるのか。上記のような事故が起こるのも体制と関係あるのでは。
(以下原稿です。実際の発言とは異なる部分があります。) 

1.阿佐ヶ谷駅北東地区再開発について

  一般質問をいたします。冒頭に、阿佐ヶ谷の土地区画整理事業に関して、杉並区に対し情報公開を求める訴えを起こしたことについて申し上げます。

【情報公開を求め裁判をします】

 この事業は、みどりや土壌汚染、軟弱地盤など様々な問題を指摘されているところですが、区議会として最も問題にしなければならないのは、貴重な駅前の一等地である杉一小の土地の大半が民間に権利移転され、再開発に供されることの是非です。

 区有地は区民の共有財産でありその処分に関して、区長は区民と区議会に対する説明責任を負っています。あんさんぶる荻窪荻窪税務署の交換も筋の悪い財産処分でしたが、少なくとも財産鑑定を行って値段がついた上で、区議会の議決を経て実施されました。あんさんぶるよりも規模が大きく、ずっと高価な、杉一の土地を、土地区画整理事業というブラックボックスを用いて、議会が関与できないような方法で民間に提供すること自体が不当です。

 区はこの間、「個人情報」「法人事業情報」などの理由をつけて仮換地の数値を公表しようとしません。しかし、この事業の参加者は区画整理事業という公的制度による優遇、及び区有地の利用という二重の大きなメリットを得ます。利益を得ながら、説明責任については「個人情報」では通りません。

 裁判に訴えることは私の本意ではありません。以前お示しした港区のように、杉並区も議会に対して説明責任を果たしてくれれば私がこんな余計な労力を使わなくてすむのにうらめしいです。区長はいたずらに裁判を長引かせずに誠実に対応し、早急に情報を公開することを期待します。

【自然保護の対応策、都との協議は】 

 さて質問に入ります。まず、自然保護の問題です。自然環境調査の進行状況、および、「東京における自然の保護と回復に関する条例」による東京都との協議の見通しをうかがいます。(Q1-1)

 昨年、第4回定例会で指摘したように、同条例においては3000平米以上の開発事業について、東京都の許可が必要ですが、区画整理事業は適用除外で都との協議をもって代えるとしています。協議だから位置づけが軽いわけではなく、許可と同等の内容を求められるばかりでなく、区画整理法において行政庁による、いっそう厳密な監督が前提であることを、再度指摘しておきます。

【タカ類のツミの保護】

 ところで、東京都指定絶滅危惧種1A類のツミについては、条例に関する「開発の手引き」により、営巣中心域について伐採は原則として行わないとされており、営巣中心域を観測できなかった場合には営巣地から半径350mの範囲を設定するとされています。けやき屋敷は営巣地から350mの範囲に入ることは間違いなく、原則を適用すれば伐採は一切行えません。しかし、先の第二回定例会で示したように、河北病院の建築計画では、地区計画緑地以外の既存樹木のほとんど全部を伐採する計画であり、そのまま進められれば、ツミはこの地域で生息できなくなります。

【けやき屋敷は伐採するのか】 

 そこでうかがいますが、けやき屋敷の樹木は伐採するのか。仮に伐採するとしたら、その代替措置は何か。また、工事は10年も続くし、病院はヘリパッドも計画していますが、騒音防止はどのように考えているか。さらに、けやき屋敷の場所に建設される高さ40mの病院は、保存される樹木の2倍の高さですが、ビルの緑化や目隠しについてはどのように計画しているかうかがいます。(Q1-2)

 自然保護について東京都と協議がまとまると、いよいよ、事業着手となります。着手の最初は今年度予算措置された文化財の調査、さらには土壌汚染調査ですが、そのスケジュールをうかがいます。(Q1-3)

【杉一小の敷地に工事用通路】 

 次に、今議会に提案された補正予算に計上されている杉一小北側の工事についてうかがいます。工事現場への重機や資材の搬入、残土の搬出などのため、区と施行者は杉一小敷地内に工事用通路を設置することにしたとうかがいました。これは衝撃です。工事が続く間、何年もずっと杉一の敷地を工事車両が毎日行き来するのです。

 うかがったところによると、杉一小児童の登下校の動線と工事車両の動線がどうしても重ならざるをえないということです。大変危険です。もちろん、車だけでなく、工事の騒音・振動などが学校の教育活動にも多大な影響があることはいうまでもありません。工事最優先で子どもたちの安全と教育環境は二の次とするこのような工事を強行するのでなく、いったん立ち止まって全面的に見直す必要があります。

【児童の安全がおびやかされる】

 そこでうかがいます。杉一小敷地内の工事用通路の概要をお示しください。杉一小の北側部分は擁壁ですが解体するのでしょうか。またスケジュールをお示しください。特に問題となるのは給食室の解体ですが、どのくらい期間かかる計画でしょうか。(Q1-4)

【通路の工事費用は区画整理と別に区が出費?】

また、この通路の工事費用ですが、杉並区と河北病院の2者で按分するのだそうです。しかし、この通路は区画整理事業のために必要欠くべからざるものです。当然区画整理事業の事業費として、保留地売却益でまかなうなど、事業参加者全体で負担すべきものですが、なぜあえて別の費用として区が負担するのでしょうか。説明を求めます。(Q1-5)

【エリアマネジメントとは】

 次に「阿佐ヶ谷駅北東地区まちづくりの取組手法等検討支援業務」の委託公募についてうかがいます。エリアマネジメントも視野にということですが、内容についてわかりやすい説明を求めます。また、公募要項には業務内容として関係団体からのヒアリングが含まれています。町会、商店会、まちづくり団体などを対象に4回程度、とされていますが、本来のエリアマネジメントの趣旨からすれば、緑地の管理等は、既存団体に限らず、広く地域住民に門戸を開き、活動への意見と協力を求めていくべきと考えますが、いかがかうかがいます。(Q1-6)

【いまだに不明の杉一小跡地利用】

 さて、冒頭述べたように、何よりも気になるのは杉一小の跡地です。区がこの計画を決定して3年もたつのに、いまだに土地利用計画が示されません。杉並区が保有する最も地価の高い土地を提供するのに、その利用目的が全く明らかにされていないのは不自然です。最低でも、ビルの高さ、ボリュームや、公共施設、商業施設、住宅などの用途を示さないまま事業に着手することは許されません。

容積率緩和は重大な利権】

 港区田町駅東口の再開発では、阿佐ヶ谷同様、駅前一等地の区有地を権利移転する区画整理の後、さらに市街地再開発という手法で、容積率が500%から950%にいっきに引き上げられ、オフィス、店舗、ホテルなどが建設されました。ちなみに千代田区長が刑事告発された事件も、もとはといえば区長権限による容積率緩和の利権問題です。

 今後、千代田区や港区のように、市街地再開発計画をかぶせて、容積率が大幅に緩和され、杉一の場所に超高層マンションが建つような、過激な再開発計画になるのではないか心配です。

【阿佐ヶ谷にタワマンは似合わない】

 低層の良好な住宅地をめざす阿佐ヶ谷のまちにタワマンは似合いません。

 いったい、杉一小の跡地利用計画はいつ定まるのか。また、市街地再開発事業等のさらなる建築規制緩和が導入されるおそれはないのか、この項の最後に伺います。(Q1-7)

2.図書館について

 次に、図書館についてうかがいます。

 9月5日杉並区立中央図書館がリニューアルオープンしました。前日の内覧会に私もうかがいました。きれいで明るい図書館になり、工事に携わった職員さん、事業者さんには本当にご苦労様でしたと申し上げます。

【中央図書館リニューアルで何をめざす?】 

 中央館改修にあたって寄せられた区内団体、個人の皆さんからの意見を取り入れ、特に、閲覧席が193席から394席とほぼ倍増され、使いやすい図書館になったと思います。

 そこでまずうかがいますが、中央館リニューアルに際して、特に改善に努めたことは何でしょうか。また、工事竣工はスタートにすぎません。新装なった中央館を中心に、教育委員会はどのような図書館行政を達成しようと考えているか、うかがいます。(Q2-1)

【「図書館サービス基本方針」の実現へ】 

 中央図書館は杉並区全体の図書館行政を推進していくという大きな役割を担っており、中央館改修の基本計画には「杉並区立図書館サービス基本方針」の具現化をめざす、とかかげられていました。サービス基本方針は2012年度に策定され「図書館は進化する」の表題のもと、10年計画で目指すべき図書館の姿とそのための方向性を定めたものです。

 そこでうかがいますが、計画の10年目を見据えて、サービス基本方針の中間総括はどのように行われているでしょうか。(Q2-2)

【外部の専門家による図書館評価を】 

 また、策定から7年が経過したいま、基本方針実現へむけての達成度を評価するためには、図書館学の専門家、大学図書館長など外部の専門家を招いてアドバイスを得て現状評価を行い、達成へむけてのロードマップを立案すべきと考えます。これまで図書館協議会の委員を務められた大学の先生や図書館長とのつながりも豊富なので、十分可能ではないかと思いますがいかがか、うかがいます。(Q2-3)

 【図書資料あっての図書館】

 私は今回あらためてサービス基本方針を読みなおしましたが、杉並区立図書館の果たすべき使命、いまの杉並区の図書館に必要とされていることが、大変バランスよく網羅されていることに感心しました。

 ところで、図書館法は第二条に「図書館とは、図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーシヨン等に資することを目的とする施設」と規定しています。サービス基本方針は「学びの場」「知の共同体」「楽しい交流空間」の3つの視点から構成されていますが、法の定義に従うなら、何をおいても「学びの場」が第一に置かれなければなりません。

 そこで、まず「学びの場」について質問します。図書館は文字通りあらゆる資料にどんな人でもアクセスできる機能をもたなくてはなりません。そしてどの図書館も展示や掲示物、面出しやサインで書架配置を駆使して、訪れた人に発見をもたらす本との出会いを演出しています。開館したばかりの中央図書館は、その点、まだ素っ気なく、ものたりないですが、今後に期待したいと思います。

【電子資料、デジタル化、ICタグの検討は】

 ここで質問したいのは、サービス基本方針に書かれている電子化についてです。電子資料の収集、紙資料のデジタル化とネットを通じた提供、ICタグや貸出機による資料の管理などについて、今後どのように計画されているでしょうか。また、視聴覚資料について、他の自治体では積極的に収集し提供している図書館も多く見られますが、杉並区の収集方針はいかがかうかがいます。(Q2-4)

【地域資料の収集は待ったなし】

 次に「知の共同体」です。まず地域資料についてです。今回改修で、地域資料室が1階に移転して利用しやすくなりましたが、以前とかわらず杉並の地域資料がきわめて乏しいと感じます。

 私は2015年第三回定例会において、図書館について質問した際、地域資料についてとりあげ、高齢化が進む中、区民が保有している貴重な地域資料の積極的な収集が急がれることを指摘しましたが、現状はどうなっているでしょうか。また、杉並区には公文書管理条例、および公文書館がないため、行政文書の収集も中央図書館の重要な使命であり強化すべきです。

図書館協議会の議事録が廃棄されていた!】 

 実は先日、この質問をするため、過去の図書館協議会の議事録を閲覧しようとしたところ、ホームページには2011年度以前のものが掲載されておらず、図書館に問い合わせると、なんと文書保存年限基準に従いすでに廃棄されており、電子データでも残っていないとのことでした。

【公文書収集、保存は図書館の使命】

 これには驚きました。

 現在進行中のサービス基本方針の策定経緯や当時の議論を知りたくても、記録がすでに廃棄されてしまっています。資料収集の専門機関である図書館ともあろうものが、自身の記録すら保存できていないということに暗たんたる思いです。公文書の保存、公開が注目される今日、区においては、区の施策の検証のためにも、すでにいくつもの自治体で制定されている公文書管理条例および公文書館の設置が急がれますが、当面の措置として歴史的文書を図書館が保存できるようなしくみだけでも考えていかなくてはなりません。

 「知の共同体」に計画されている地域資料の収集について、利用者団体との協働について、それぞれ、中央図書館としての中間評価はいかがか、うかがいます。(Q2-5)

【図書館モニター、ボランティアについて】 

 第三に「楽しい交流空間」では、図書館モニターを募って意見を反映する、ボランティアの協力による多様なサービスなどにより「区民が楽しみ、主体的に参画する図書館」をつくっていくとされていますが、実現されているでしょうか。評価をうかがいます。(Q2-6)

【図書館の専門家育成・活用が重要】 

 サービス基本方針の最後に「取り組み推進のための基盤整備」があります。特に、専門家の育成・活用は重要です。なかでも、中央館長・次長の管理職は杉並区立図書館全体の事業を推進する役割を担っており、いわば杉並の「文化の中心人物」ともいえる、きわめて重要なポジションです。

【中央図書館長・次長が1か月で交代】

 ところが、近年、館長・次長ともに頻繁に交代しています。直近では現館長が8月1日に着任したばかり、前任者の在任はなんと1か月でした。そこでおうかがいしますが、最近10年間に館長・次長を務めた方の人数、および各人の在任期間をのべてください。(Q2-7)

 現館長はなんと次長を兼務、さらに生涯学習担当部長も兼務という大変多忙な境遇です。有能な方なので職務の遂行に支障はないと考えたのかもしれませんが、そうはいっても、もともと別々の方が専任で行っていた職務ばかりをいっしょにしたわけですから、3人分の仕事をしろとは言えません。

【図書館を軽視した人事】

 もともと杉並区は部長級の館長、課長級の次長が専任でおり、それでも図書館経営は容易でなかったと記憶しています。しかも、今年は新型コロナウイルス対応という特殊な状況はあったにせよ、図書館長・次長が1か月ワンポイントで異動してしまうという人事は、その職責の重さを鑑みればあまりにもいい加減です。図書館の軽視も甚だしいと思います。

【地域の生活を支える図書館】 

 図書館は医療や福祉よりも緊急度が低いとお考えなのかもしれませんが、それは間違っています。

 東日本大震災のあと、南相馬市の市役所職員とお話しする機会がありました。当時新設されたばかりの南相馬市立図書館も震災被害にあいましたが、数か月で再開し、地域の方々の生活の支え、心の支えとなったとお聞きしました。いざというときのためにも、日頃から図書館を充実させていく必要があるのです。これは一例にすぎません。

【図書館次長の配置を求める】 

 新館長には期待しますが、あわせて、元通りに次長を配置して兼務を解除し、少なくとも3年程度は続投していただき図書館の体制をしっかりと落ち着かせていただくことを希望します。

【区独自の司書採用を】 

 さらに、専門職の育成方針はどうなっているでしょうか。図書館の運営には、資料とシステムに精通した司書の存在が欠かせないことはいうまでもありません。指定管理や委託が進み、意欲と能力のある司書の方々が、民間企業の低賃金で働き、官製ワーキングプアの代表とまでいわれる図書館の現場は変えなくてはなりません。同時に、区職員の育成も必要です。自治体によっては、司書を専門職採用しているところもあります。杉並区が独自に司書職採用を行うことはできないでしょうか。見解をうかがいます。(Q2-8)

【新宿区の「エキスパート職員」制度】 

 実は、以前新宿区の図書館を見学したおりにうかがったことでしたが、新宿区には「エキスパート職員」という制度があるそうです。特定の部門に精通した職員を異動させずにその業務に従事させるものです。現在は司書のほか、選挙管理委員会、情報システム、介護保険などにエキスパート職員がおり、なかでも司書が半数近くを占めるとのことでした。専門職採用ができないとしても、新宿区のこの手法は、司書に限らず区の事業効率化、サービスの向上に資するものとして検討に値すると思いますので、この項の最後に紹介させていただきました。

3.児童館、学童クラブについて

 最後の項目として、児童館・学童クラブについてうかがいます。

 私の近所の東原児童館がこの春で廃止され、新たに杉九学童クラブと放課後等居場所事業が杉並第九小学校内に設置されました。ただでさえ、場所がかわり、民間委託で先生たちが全部いれかわる、という状況に加え、コロナ対応のために事業の休止、縮小を余儀なくされ、子どもも親も翻弄されました。

【企業委託の学童クラブ2日目に事故】  

 そんな中、緊急事態宣言が解かれて学校が再開した6月、学校が始まって2日目に、学童クラブの子どもが校庭の遊具から転落、骨折する事故が起きたとお聞きしました。見守りは適切だったのでしょうか。また、当日は受診することなく帰宅させ、転落について保護者には連絡がなく、翌日保護者が受診させて骨折が判明したとのことでした。こうした対応は適正なものとは思えません。保護者とはすでに話し合いをもたれたとのことで良かったと思いますが、あらためて区の.児童館・学童クラブについて見解をうかがいます。(Q3-1)

 民間委託だから事故が起きたとはいいませんが、はじめて株式会社を導入した杉九のケースです。子どもたちの安全、保護者との信頼関係が心配です。

【毎日職員が入れ替わる学童】 

 また、杉九学童クラブ・放課後等居場所事業では、民間委託の職員36名中28名が短時間パートとのことです。人数が多いからいいかと思うと、毎日の職員数が多いわけではなく、週に1、2回の人を含めて入れ替わり立ち替わりとなっているようです。

 他校を見学させていただいた際、放課後等居場所事業の職員さんが、子どもの顔と名前は憶えていないと言っていました。職員さん自身が週1回か2回しか来ないからです。杉九も同じです。

 おそらく、低賃金の短時間勤務の仕事に週5日入ってくれる人は少なく、結果、毎日人が入れ替わるような状況になっているのだと思います。応募する方が少ないとすると、適切な人材を選抜できているのかも心配です。

 特に学童クラブの子どもたちにとっては、安心して毎日の生活をゆだねられる、信頼できる大人との関係がなかなか形成できないのではないかと思います。児童館とかわらない保育ができているとはとうていいえません。これこそが保育の質の低下です。区の責任において改善するよう求めます。また、区はこの体制でよいと思っているのか、見解をうかがいます。(Q3-2)

【大宮児童館廃止、代替施設を】 

 次に大宮児童館についてうかがいます。8月29日、大宮児童館廃止に伴う「意見交換会」が開催され、私も参加させていただきました。大宮児童館は大宮保育園の2階部分に設置されている小さな児童館ですが、保育園の園児や周辺5校の小学校の子どもを中心に利用され、地元大宮二丁目自治会の方々もボランティアとして子どもたちの活動を支えてきた、地域コミュニティの中核をなす活発な施設です。

 意見交換会当日は、区側の説明のあと自治会から、新たにできる保育園の中に、地域の子どもたちが集える施設を区としてもうけてほしいとの要望が出されました。この要望書は区長に提出され、また私たち議員にも送付されています。区からは、新たにできる保育園は民営化される予定のため、事業者の考え方によるとの回答でしたが、ぜひ設置を実現するよう要望します。いかがでしょうか。また、スペースだけあっても子どもは遊べません。信頼できる大人が運営に携わり、遊びを提供することが重要です。二丁目にはそうしたボランティアの力も十分おありのようですが、しかし、ボランティアだけで運営することはできません。児童青少年センターや子ども子育てプラザの職員のバックアップ、サポートが必要と考えますが、いかがか、うかがいます。(Q3-3)

【永福図書館の乳幼児室は児童館とは違う】

 当日の説明で、大宮児童館の乳幼児室の代替として、新築される永福図書館の乳幼児室が紹介されていました。しかし、この部屋は図書館の内部にある、いわゆる「お話の部屋」であって、児童館の乳幼児室のように「ゆうキッズ」事業を行ったり、子どもが大きな声を出して走り回ることはできないのではないかと思いますが、いかがか、うかがいます。(Q3-4)

 児童館同等の活動が全くできないのに、代替施設のように説明するのは区民の誤解をまねくのでやめていただきたいと思います。

【児童館廃止の検証が必要】 

 今回は2つの児童館および児童館後継事業についてうかがいましたが、施設再編計画が策定されて以来すでに6年になります。児童館事業と児童館の再編について、図書館の項でも申し上げましたが、そろそろ振り返って中間評価を行うため、検討組織を設けるべきと考えますが、いかがか。

【児童福祉、児童心理の専門家に意見を】

 その際、特に、児童福祉や児童心理の専門家を招き、評価基準を設定すること、公開の場で多くの区民の意見を聞いて検討することが必要と考えますがいかがか。

【児童館後継事業のデータをきちんととる】

この間、区は、利用人数が何倍になった、ということばかりを強調してきましたが、人数だけでなく、子どもたちに遊びを通じてどれだけ満足を与えられたか、豊かな人間形成、健康と情操の成長をもたらすことができているか、多面的に評価する必要があります。そのためには、人数だけではないデータの蓄積が必要です。現状では資料を請求しても民間の学童クラブの活動内容、活動場所は記録がないということで、明らかにされません。学童クラブ・放課後等居場所事業における日々の記録の充実を求めますがいかがか、うかがいます。(Q3-5)

【子どもの意見を聞いて】 

 また、児童館や学童クラブのユーザーは子どもです。子どもの権利条約には子どもの意見表明権が宣言されており、子どもたちは自分たちにかかわる問題に発言する権利とその力をもっています。

 今後の児童館再編の評価検討にあたっては、子どもの意見をしっかりと取り入れること、そのための場を設定することを求めますがいかがか、最後にうかがって質問をおわります。(Q3-6)