わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

阿佐ヶ谷再開発に事業者が着手!杉並にタワマンはいらない(2020年11月19日一般質問しました)

 2020年11月19日杉並区議会第4回定例会で一般質問しました。阿佐ヶ谷再開発計画(区画整理事業)は、10月に東京都と協議(一般でいう許可)が整ったことにより、施行者は事業着手しました。今回の質問は、

○屋敷林のみどりをどうやって保全するか。

○そのためには設計コンペが必要ではないか。

また、

○阿佐ヶ谷だけでなく、杉並区の各駅周辺で今後心配される超高層マンション建設など「市街地再開発事業」について指摘するとともに対策を求めました。

 杉並区は、「病院の設計はまだ決まっていない」といいながら、これ以上の樹木の保全はできないといい、「A街区(杉一小用地等)に何が建つかは白紙」といいながら「計画ずみのことなので、アイディアコンペは行わない」というなど、答弁に矛盾が目立ちます。

 多分「決まってない」とか「白紙」というのがウソなのでしょう。

 なお、今議会初日から、田中良区長は体調不良により1週間欠席、区長とのやりとりができなかったことは残念です。 

(以下質問原稿です。実際の発言とは異なる部分があります)

1.阿佐ヶ谷駅北東地区再開発について

 一般質問をします。第一に阿佐ヶ谷駅北東地区の再開発についてうかがいます。

 10月5日に「東京における自然の保護と回復に関する条例」についての協議が整い、東京都が計画に同意しました。区画整理事業は、すでに昨年杉並区長により施行認可されており、これにより、事業着手が可能となりました。

【区民を無視した事業、いよいよ着手】

 けやき屋敷の伐採、杉一小の軟弱地盤、汚染地への移転、さらに杉一小用地の民間転用等に対し、多くの疑問と危惧の声が上がっているにもかかわらず、それらの声を全く無視して、計画案を微塵も修正することなくその実現に邁進する杉並区の在り方は、住民自治をないがしろにしたものと指摘します。

  東京都の同意後、間髪いれず、予定地では作業が始まり、ボーリング作業などが見られますが、これから文化財および土壌汚染の地歴調査が行われるものときいています。

 そこでまずうかがいますが、文化財調査はいつから始まりどのように進行するか。当該地域では、河北病院分院建設時の2002年、すでに阿佐谷本村遺跡が発掘されていますが、今回の開発対象地区においても文化財が見つかった場合、本格的に発掘を行う「本掘」をするか否かの判断はいつごろとなる見通しでしょうか。仮に本掘する場合にはどの程度の期間を要するでしょうか。説明を求めます。また、阿佐谷本村遺跡の概要についても説明を求めます。(Q1-1、2)

【緑地保全「決着ついた問題」は間違い】

 さて、問題の森の保全についてうかがいます。先の決算特別委員会での吉田副区長の「緑地の保全はすでに決着のついた問題」という発言については同委員会の意見開陳でも触れましたが、この認識は全く間違いだということを再度指摘します。これが区役所共通の認識だと困った事になります。

【東京都の同意は条件つき】

 というのは、東京都は同意にあたって11項目の特記事項を上げ、「希少動植物の保護について、協議時点では事業計画の詳細が確定していない部分がある」ため、今後、さらに東京都と協議することや、モニタリング計画の実施等を求めています。また、協議書に記載した「緑化の将来予定」を実現すること及び残留緑地の管理について、新築建物の事業者に働きかけ、東京都に計画提出、報告することも求められており、都は、これら多数の課題を残した、条件つきの同意という認識です。「決着がついた問題」どころか、これからの工事にあたって、また事後も、区は共同施行者とともに、東京都が求める条件を誠実に履行しなければなりません。

 これからが森の保全の本番であって、事業着手はあくまでそのスタートラインだとの認識にたち、気を引き締めてあたらなければならないのです。

【いのちある樹木を1本でも多く残すために】

 けやき屋敷の大径木127本中62本を残置または移植する計画であることが明らかにされました。しかし、残り半分以上の大径木については伐採されてしまうということです。いったいそれらはなぜ残せないのでしょうか。

 決算特別委員会において、私は「けやき屋敷の所有者は、一本でも多くの木を残す努力されているときく。いのちある樹木なのだから、少しでも多くの木に生き延びてもらうため、区も事業者と協力して精一杯努力をしていただきたい」と要望しました。以下、その観点から考えてみます。

【健全な木も「移植不適」?】

 都に提出した協議書のリストを見ると、移植不適とされた樹木の多くは外観の診断では、移植可能なAまたはB1ランクと診断されています。病害虫や空洞があるものを除外しても40本近くは健全な状態ではないかと思われます。それなのになぜ、残せないのか。

 そこでうかがいますが、移植する樹木はどのような診断項目により決定したのでしょうか。中に、根鉢の確保困難というものがありますが、確保できないのはどういう理由があるのでしょうか。(Q1-3)

【杉一小側の2本のシラカシ

 移植不適とされた木の中でも、木そのものが健全なものは、移植せず現在地に残置すれば伐採しないですむと考えますがいかがか。

 なかでも、杉一小側(緑地1号)のNo.116、117のシラカシですが、評価はAランクとB1ランクであり、現在地に残置すれば問題ありません。問題は、予定道路にかかっていることですが、かかっている部分はわずかです。これらを残置することは可能ではないかと思われますがいかがか。

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【密集したケヤキは設計変更で残置を】

 また、現在のけやき屋敷北東部にNo.19~23の密集したケヤキがありますが、伐採される計画です。敷地外からうっそうとした緑が見え、森のボリュームを感じさせる部分だと思います。これらは樹木相互が接近しすぎていることが移植不適の理由と考えられますが、病害虫や空洞はなく、診断結果はすべてAランクです。移植せず現在地に残せば生き残れる木です。

 病院の建築案の図面を見ると、この部分が車両の入口になっているため除却するようです。病院の設計はまだ定まっていないとのことですから、車両の入口を変更することでこれらの木は4~5本は残せると考えられますが、いかがか、うかがいます。(Q1-4)

 樹木とそのあしもとにある土壌、400年以上続いた生態系を一体で保全する意味からも、現在地での残置を進めるべきです。

【河北病院分院部分を緑地に】 

 更に、現在の分院の部分ですが、病院の建築案では駐車場とする計画のようです。建物を建てないのであれば、この部分は新たに木を植えて新しい森を創出すべきではないでしょうか。なお、東京都は「開発許可の手引き」で新たに木を植える場合は在来種を選択するように求めています。神明宮の森とけやき屋敷の間にある分院部分に在来種を新植してみどりのつながりをつくる、あるいは、駐車場にする場合でも樹木を多く植えて「森の中の駐車場」として設計するよう、検討を求めますがいかがかうかがいます。(Q1-5)

【区が緑地を賃貸借して管理すべき】

 ところで、地区計画緑地は病院の敷地に入るのか、また誰が管理するのかについて、以前質問した際には、決まっていないとのことでした。

 病院敷地とするなら施行協定書に従い河北病院が整備を行い、竣工後の管理も当然病院の責任において行うことになります。一方、緑地に関しては区が管理するほうが適切という考え方もありえます。緑地部分は病院敷地とするのではなく、区が土地所有者の欅興産から賃貸借して保全するほうがより適切な管理が行えるのではないかとも思えます。もちろんその場合、病院には別に25%の緑地を確保していただくことになりますが、このような手法は可能と考えますがいかがかうかがいます。(Q1-6)

【コンペで知恵を集めて「森の中の病院」に】

 建物の設計を優先し、邪魔にならない部分だけ植栽をするというような考え方ではなく、都条例でも求められているように樹木と土壌をできるだけ現在のまま残しつつ病院を建てるには知恵を集める必要があります。

 ツミ保護の点からも、現在の9階建て案では、十分な環境配慮がなされるとは考えられません。高さを抑えるための工夫が必要です。そのために、病院の設計案については区も協力して公開コンペを行うことを提案しますがいかがか。(Q1-7)

 すぐれた建築は、病院にとってもステイタスであり財産となります。

【杉一小用地の利用方法もコンペで】

 さらに、設計案だけでなく、何が建つか白紙とされている杉一小用地も含めたA~C街区全体にわたる利用方法についてもアイディアコンペを行うことが望ましいと考えますがいかがか。所見をうかがいます。(Q1-8)

 現在の杉一小敷地を中心とするA街区は、換地後も杉並区が4分の1の土地を所有するものであり、たとえば杉一小の教室など学校機能の一部をA街区に置く、あるいは、民間所有分を生かして病院機能の一部をA街区に配置することで、けやき屋敷における病院の容積を減らし高さを抑えることもできます。

 こうした柔軟な発想を公募することで、権利者だけの一方的な決定によるまちづくりではなく、区民や専門家の知恵を集め、阿佐ヶ谷のまちのありかたを皆で考える契機ともなります。それこそが住民自治ではないでしょうか。

【「民間の事業」?いえいえ】

 こういうことをいうと、民間の事業であり、外部から口をはさむべきではないとの声が聞こえてきそうです。もちろん、河北病院が現在地で建て替えを行うだけならば、私も、また多くの区民もあれこれ意見をいうことはなかったでしょう。しかし、建築規制の緩和を受け、さらに杉一小をまきこみ、学校の配置の変更、そして駅前の一等地の再開発にまで発展してしまった以上、プライベートセクターの話ですむものではありません。

規制緩和区画整理の恩恵を受ける事業者】

 この間も指摘してきたように、容積率の300%への引き上げ、街並み誘導型地区計画の導入等の規制緩和によりはじめて、河北病院は、必要とする32000平米以上の建物が建てられるようになりました。また、土地所有者にとって懸案だったと思われる、病院跡地の処分については、杉一小用地にすることで解決するなど、この事業は規制緩和区画整理による敷地の入れ替えという公的制度の利用なしには成立しなかったものであることは間違いありません。

【区は億単位の負担の上に人件費支出】

 また、民間の計画といいながら、区の負担は多大なものです。

 事務事業評価の数字だけみても、人件費としては本事業には毎年1.5~1.6人前後の人件費1300~1400万円が投入されており、ばかにならない金額です。実際には1.5人どころではない大勢の方がこの事業のために動いており、管理職だけでも兼任とはいえ4名の方が直接かかわっています。

 この間の様々な手続きを見ていると、区の担当者の労力は大変なものです。都条例の協議も区職員が交渉を行ってきました。

 事業地に立てられた看板には「区画整理事業の事務所にご用の方へ」とありますが、施行者会の事務所ではなく区役所の電話と職員名が書かれています。施行者会の事務所は欅興産の事務所に置くとされているのに、区役所の職員を便宜的に電話番に使われたのではたまりません。是正すべきです。

 その上、協定により、事業費は基本的にいったん杉並区が立て替えたうえで最終的に保留地売却により精算となっています。そのため、区の立替金は2017~2019年の3年間ですでに約1億円にのぼり、さらに今年度は単年度で1億5000万円を出費する予定です。

【実態は公共施行。私たちも口を出す】

 つまり、個人施行の区画整理事業にもかかわらず、まるで公共施行のように、区職員が動き、窓口も区が引き受け、区の資金を用いて事業を行っているわけで、これでも民間の事業なのだから口を出すなというのでしょうか。

 実態的には限りなく公共施行に近いのであって、であるからには、我々区民、区議会は、この区画整理事業に対して、また、土地利用計画について、特に緑地の保全や施設の利用計画について、おおいに口を出す権利があるというものではないでしょうか。

 また、病院にとって、ひいては土地所有者にとっても、多くの知恵を集めて計画を練ることは、先々の資産評価にも好影響を与え、メリットがあると考えられます。区民参加、一般公開によるコンペの必要性と、その価値について前向きに検討するよう求めるものです。

【工事説明は町会長2人だけ?】

 次に、杉一小敷地内の工事用通路について述べます。

 最近、この通路についての説明が、杉一小PTAの実行委員会の席で行われたとうかがいました。しかし、会議に参加している保護者は役員とクラス委員などごく少数で、大多数の保護者には伝わっていません。また、町会に関しては、お二人の町会長にだけ説明が行われたと聞き驚きました。お二人以外の住民にはいまだに一切説明がなく、これで終わりなら、あんまりではないでしょうか。

【世尊院前の交差点が危険に】

 世尊院前の交差点は、阿佐谷北の住民なら誰もが毎日通る場所といっても過言ではありません。小学校の登下校はもちろん、近隣の幼稚園の登園退園、一般の車両、歩行者の通行すべてに影響します。

 そういう場所で、来年早々にも現地の民間建物の解体が始まり、給食室の設置、解体、通路の工事と、それだけでも1年以上続く連続的な工事です。

 そして、通路の使用が始まれば、毎日工事車両が通り、しかも、中杉通りからこの通路への車両進入の危険性はもちろん、通路からつながる公道を一部逆走する部分も生じるため、通行する人は安全の確保に神経をとがらせなくてはなりません。その状態がしかも、計画では2028年まで長い間続く予定です。

【保護者および地域住民への説明会を求める】 

 これらのことを小学校の保護者はもちろん、地域住民にきちんと説明もないまま、見切り発車で工事に入ることは許されません。

 杉一小保護者および地域に対して早急に公開の説明会を行い、通路工事および通路利用の計画とそれに伴う危険について説明するよう求めますがいかがかうかがいます。(Q1-9)

【給食室の借地料は区が負担?】

 また、費用の問題があります。先の補正予算は設計費と工事費の一部ということでしたが、来年度予算に計上予定の工事用通路の予算は何と何を含むのか。杉一小の北側は擁壁となっているが、その部分の施行はどのようにするのか。通路と学校敷地の仕切りはどうなるのか。それらのおおむねの金額はどのように予定しているのかうかがいます。また、プレハブのために民間から土地を借りるわけですが、その借地料は区の負担となるのでしょうか。(Q1-10)

【通路を必要とするのは病院だけ】

 また、現在けやき公園で行われている阿佐谷地域区民センターの工事では青梅街道から馬橋通りを経る搬入路が使われていることを考えると、先々予定されている杉一小の新築工事は、こちらのルートを使えば中杉通りから道路を逆走する必要もなくむしろスムーズです。杉一小敷地内の通路は使わずにすみます。通路を必要とするのは河北病院の工事だけであって、杉一小敷地を使う口実として、杉一小の工事にも使うといっているにすぎないのではないでしょうか。

【通路工事、なぜ区が費用負担?】

 そう考えると、病院と区の負担分が折半というのは受け入れがたいものです。

 そもそも小学校の敷地の中を工事用車両が通行することじたいが考えられないことですし、給食室の解体・移設は学校として全く必要ない無駄な工事であるばかりか、むしろ工事騒音等学校には迷惑ばかりです。地域、保護者に知らせないうちに強引に進めるならば必ず禍根を残すものと指摘します。

2.多心型まちづくりについて

 第二に、多心型まちづくりについてうかがいます。多心型まちづくりとはあまり一般的な言葉ではないように思いますが、区の計画では重要なワードとなっており、阿佐ヶ谷の再開発もその一環で深い関係があります。まず、多心型まちづくりとはなにか、また、区の行政計画の中ではどのように位置づけられているか、説明を求めます。(Q2-1)

 かつて80年代ころから東京都の行政計画の中で多心型都市構造が唱えられ、新宿、渋谷、池袋、そして立川など、いくつかの「心」となるまちを中心としたまちづくりが提唱されました。しかし、今世紀に入るころから、東京都の計画は都内だけでなくひろく東京圏を意識しつつ、地域では各駅周辺など拠点集約型というものに変わったようです。

【各地で問題となっている「市街地再開発事業」】 

 いま都内各地で行われている再開発手法に市街地再開発事業があります。たとえば、以前から紹介している田町の区有地を活用した区画整理事業もその上に市街地再開発をかぶせることで大規模なビル建設に至っていますし、板橋の大山ハッピーロード商店街を分断する補助26号線沿線開発や、葛飾区立石の駅前など枚挙にいとまがありません。どこも、市街地再開発の手法をつかって超高層ビルタワーマンション建設が進められて地域に問題を引き起こしています。例えば千代田区の通称日テレ通りでは、近隣の私学3校から超高層ビルに反対する要望書が提出されたとつい昨日報道されたところです。

JR中央線駅前開発で100mのタワマンが!】 

 先日、荻窪まちづくり会議の会合で、区側から、駅周辺まちづくりの一例として、市街地再開発事業の紹介がありました。国分寺武蔵小金井など、駅周辺開発によりタワマンがたてられているという話をきいて、検索してみると、武蔵小金井では、野村不動産の26階と29階、高さ100mのツインタワー、国分寺では、住友不動産による35階と36階、高さ135mのツインタワーと凄まじいことになっていました。

 まちづくり会議での区のお話では、杉並区がそういった手法に追随するかは別、とのことでちょっとほっとしましたが、ここで市街地再開発についての説明を求めます。市街地再開発事業とはどういうものか。また、第一種市街地再開発事業においては、権利変換が行われますが、どういう仕組みか説明してください。(Q2-2)

【駅周辺タワマン販売でディベロッパーが巨額利益】

 多くの事例で、道路や公園などの公共施設の設置とひきかえに規制を緩和してもらい、かつ、国や自治体からの補助金を得て建てた高層ビルをマンションとして販売することでディベロッパーは巨額の利益を得ています。ビルの中には商業施設等とともに、公共の集会所などの施設が入ることで、さらに資金的にも安定する上に、多くの事案では権利変換の仕組みのなかで、公共施設の負担を割高にして、その分、販売用マンションの仕入れ減価を割安にするといったことが普通に行われています。公共用地が種地となる場合が多く、例えばお隣の中野駅周辺は、駅南北でいくつもの市街地再開発事業が認可されており、100m以上の超高層ビル、マンションが計画されています。

【地権者と公共を食いものにする錬金術

 つまりは、地域の地権者と公共の持ち分を食い物にすることで大手ディベロッパーがタワマン販売で手っ取り早くもうける、まるで錬金術のようなまちづくりです。長期的なまちの発展、都市計画を考えるのではなく、むしろまちを壊す、目先の金目当ての投資を国ぐるみで応援しているということです。

【杉並はディベロッパー垂涎のフロンティア】 

 中央線では、国分寺武蔵小金井、また、三鷹にも再開発の波が押し寄せており、吉祥寺はもとからの繁華街。また東を見れば中野、そのはざまにある杉並区のJR4駅は、まさにディベロッパー垂涎の不動産開発のフロンティアに見えているのではないでしょうか。

 4駅はそれぞれ開発の火種を抱えています。阿佐ヶ谷ではさきほどから述べてきた北東地区開発により、杉一小用地を利用した高層ビル建設が心配されます。また、高円寺では、都市計画道路建設に伴うまちの改変が心配です。荻窪はいうまでもなく、区が「都市再生事業」と特別に位置づけており、いずれは大規模な再開発が行われることでしょう。

西荻窪では地上げの動きも】

 西荻窪は、補助132号線の建設にともなう駅周辺の開発が懸念されます。昨年の春には、市街地再開発のための準備組合をつくる動きがあることが表沙汰になりました。当時暴露された図面には南口の旧来の商店街を撤去して高層ビルを建てる構想が示されていました。その後、この動きは水面下にもぐっているようですが、地上げが進んでいるとの情報もあります。

荻窪西荻窪で、市街地再開発事業を行うか?】 

 再開発一般が悪いわけではありません。必要な再開発もあるでしょう。問題は、まちを壊す、まちにそぐわない、たとえばタワマンが林立するような再開発です。

 区は杉並のまちが不動産ディベロッパーの草刈り場にならないよう、良好な住宅都市を実現するため、まちの課題を解決し、まちの個性がより生かされるための再開発をめざすべきです。

 たとえば荻窪の課題を例にとると、南北交通が不便であるという声が長年にわたってきかれますが、いっこうに解決しません。その一方、南口の良好な住宅地を高層化することなく、安全なまちづくりをしてほしいとの要望も根強くあります。

 そこで、特に、区長の年来の公約である荻窪西荻窪駅周辺まちづくりについて、まちの課題はどういったことがあると認識しているか、また、市街地再開発事業を取り入れる可能性があるか、答弁を求めます。(Q2-3)

【高さ制限などまちづくりルールが必要】

 中央線の東西から再開発の圧力が迫る中、他地区の経験に学び、杉並区の良好な住宅都市としてのありようを守るため、今から、駅前開発における高さ制限、緑地・公園の確保などの新たなルールづくり、たとえばまちづくり条例の強化などを検討するべきではないかと考えますが、いかがか見解をうかがっておわります。(Q2-4)