わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

決算特別委員会動画リンク(2026年10月)

 決算特別委員会の動画リンクは下記の通りです。(それぞれ15分程度の動画です)。

 どれか1つと言われたら、14日の133号線と阿佐ヶ谷でしょうか。岸本区政になっても、とにかく都市計画は住民無視が甚だしく、都市計画道路133号線の「デザイン会議」は応募40人を「くじ引き」で24人に絞り、傍聴もNGなど全く閉じられた「対話」になっています。阿佐ヶ谷の病院跡地への小学校移転は混乱が深まるばかりです。

10/6阿佐ヶ谷駅北東地区、弁償金、土地貸付収入について
10/8ジェンダー平等、杉並区史について

ジェンダー平等は昨年の「ジェンダー平等審議会」答申から1年、区民に見えにくいと
ころでも進んでいることをわかりやすく答弁してもらいました。
10/13アスベスト対策、介護マーク、児童館と子どもの居場所について

アスベスト採択は実際の相談事例から、環境対策では区の権限が小さいなあと思ったことから、「介護マーク」は当事者の方から「ぜひ広めて、知ってほしい」とのお声をいただき質問しました。
10/14都市計画道路133号線、阿佐ヶ谷駅北東地区について
10/16意見開陳(決算認定に反対)
(意見の原稿はこちら↓です)

waku2.hatenablog.jp

4年前の区長選挙公約はどのように扱われたか(2026年10月16日決算に対する意見開陳)

 2026年10月16日決算特別委員会において、昨年度決算についての意見を述べました。岸本聡子区長1期目最終年度の決算に対し、4年前の公約はどのように扱われたのか、「対話の区政」の実態はどうなのかを検証した今回の質疑でした。これらをふまえて決算の認定には反対しました。

 「対話」を看板にする岸本区政ですが、その実態は都合のわるい住民の排除、都合のわるい議員の質問に答えない区長。4年を経て、きわめて官僚的な区政が形成されているように思われます。4年前「フィアレスシティ」(恐れぬ都市)をかかげた岸本候補に期待を寄せましたが、実現することはありませんでした。

(以下は原稿です。実際の発言とは異なる部分があります)

 決算について意見を述べます。

 2025年度は、岸本区政1期目の集大成となるべき年でした。

 振り返れば、2022年区長選において岸本候補が勝利したのは、田中前区政に対する杉並区民の憤り、区政を変えたいという熱意が結集した結果でした。とりわけ、阿佐ヶ谷北東、都市計画道路、児童館の廃止は区政の争点の3大テーマだったといえます。

 これらに対して、岸本区長は4年間何をしてきたのかが、政治家の公約として問われなければなりません。

阿佐ヶ谷駅北東地区について

 阿佐ヶ谷駅北東地区に関しては、「振り返る会」などの開催後の2024年1月突然、しかもビデオメッセージという一方通行で、区長は、田中前区政の既定方針をそのまま継承すると発表しました。

 その後、エリアマネジメント、まちづくりセッション、杉一小改築検討懇談会など行ってきましたが、昨年突如として「河北病院から、解体工事において、杭や地下室等の地下構造物を撤去せず残置するとの申し入れがあった」ことが公表され、驚きました。

 これを受けて昨年度は何度も病院との話し合いが続けられてきましたが、年度末に至って、区長は、地下構造物が完全撤去されない状態で土地を引き取る、という方針を発表しました。

河北病院に振り回された1年間

 昨年度1年間は、河北病院にふりまわされた挙げ句、問題を解決するどころか、むしろ区の立場を後退させ、病院側の主張を事実上認めた1年間でした。

 本来であれば、地下構造物残置の意向が示された時点で、3者協議をやりなおし、区画整理の計画を根本から見直すべきでした。その決断を区長はできませんでした。

 その後、病院からは解体工事をさらに1年延伸したいとの意向が示され、苦難は続きます。区長が自分の責任で決断しないため、職員にも無駄な労力を強いています。

残置物の問題1:安全について

 残置物について。大きく2つの問題があります。土壌の安全性と土地の交換価値の問題です。

 安全について。代表質問に対する区長答弁では、残置物の撤去については「地域の意見をきいて決める」と住民に責任転嫁する発言があり、衝撃を受けました。

 最も重大な局面で、区長が自らの責任で撤去するとの決断をすることなく、こともあろうに、住民にその責任を押しつける行為、これが「対話の区政」の本質なのでしょうか。

小学校の安全を区民に責任転嫁

 小学校の安全という観点からは、残置物を除却しないという選択肢はありません。これは区議会のほとんどの方の合意といっていいのではないでしょうか。

 しかし、私の質問に対し区長は「課長が答弁したとおり」としか答えず、自らの責任に対する自覚を示すことはありませんでした。

 他の特別職においては、突然の指名にも誠実に答弁する姿が本委員会質疑でも見られましたが、区長は都合の悪い質問には答えないのか。そして、最近多様しているこの無責任な、何も言っていない答弁を、この任期中4年間押し通すつもりなのでしょうか。

 「対話の区政」の中でも何よりも重要なはずの議会との対話を軽視する区長の態度には、きわめて問題があります。逃げずに論戦に臨む責任感ある姿勢が求められます。

残置物の問題2:土地交換価値について

 土地交換について。質疑の中で指摘しましたが、交換価値を見直せば、A街区に約50%の区の権利が残り、今後の計画も全く違ってきます。なのになぜ見直さないのか、公共財産の毀損です。仮換地は何度でもいくらでも変更可能です。そしてこの決断は区長にしかできないことです。

 いまのところ、来年1月にはA、C街区の使用収益がそれぞれ開始される予定ですが、見直しをしないままの使用収益開始は行ってはならないと指摘します。 

都市計画道路について

 次に都市計画道路についてです。

 4年前、岸本候補に期待して応援した人たち、特に227号線、132号線、133号線の地権者、近隣住民は、優先整備路線から外してほしいと切望しましたが、新たな第五次事業化計画では、すべて優先整備路線に引き続き指定され、岸本区長は「優先整備としない判断はなかった」と述べました。

 区独自の効果検証が行われ、昨年度オープンハウスで説明されましたが、パネルだけではよくわからず、着座の説明を求める声が上がりました。しかし実現されることはありませんでした。

 この対応をはたして「対話」と呼べるのでしょうか。

田中前区長も「凍結状態」と認めたが

 227号線については、田中前区長でさえも「現状は凍結状態」と認めざるを得ませんでした。しかし、岸本区長は「まちの将来像を検討する取り組みを進める」との表現で、前区長よりも積極的です。

 227号線は30年にもわたる地域の反対の声が根強く、JR高架下の開発も進み、高円寺のまちには危機感があふれます。第五次優先整備計画策定にあたっては、ネット署名が行われて数日のうちに1万筆以上が集まりました。この9月にも道路と再開発に反対して集会とデモが行われました。こうした地域の切実な声に対して、岸本区政の対応は誠実なものとはいえません。

133号線デザイン会議、排除の論理

 133号線に関連して、主にデザイン会議について質問しました。

 問題の第一は、排除の論理がはたらいて、デザイン会議が閉じられていることです。これまでの参加者に連絡すらなく、いきなり区報にデザイン会議の告知を掲載したことは、これまでの議論の上に積み上げるのではなく、区側の考えにそって、勝手に進めるという意思表示です。

 しかも少人数の会場で抽選。区民には傍聴もできないような会場。そこしかとれなかったというが、前もって予約すれば広い会場がとれないはずはありえません。

道路の是非を議論できないルールとは

 第二に道路の是非を議論させないことです。

 これは南阿佐ヶ谷だけでなく、デザイン会議は道路の是非を話してはいけないルールです。まちの最も重要な課題である道路について、意見を言えないのでは、どうやってまちの将来を考えるのでしょうか。

 「賛否を超えて」という答弁がありましたが、反対意見を排除して賛否を棚上げしたまま、それと別のところで議論をすることは「超える」ことではありません。問題から逃げているだけです。

反対意見を徹底して聞く意味

 質疑のなかで、あらためて世田谷区のデザイン会議について述べました。

 反対意見を徹底して聞く、それによって、よりよい計画になるというのが、世田谷の元祖デザイン会議の姿勢です。もちろん、職員さんにとって、反対意見を聞くことは、苦しいことかもしれません。しかし、そこを経由しなければ、事業への本当の理解、対立の和解はありえません。

 反対意見を聞かず棚上げする杉並のデザイン会議は、デザイン会議を名乗る資格がありません。

結論ありきでなく自由な議論の場に

 今や岸本区政の代名詞となった「対話」ですが、それは本当に「対話」と言えるのか、をここまで述べてきました。2024年の9月、区長が田中前区長の阿佐ヶ谷北東計画を継承すると宣言した年の秋、私は、住民自治と対話について一般質問しました。そこで指摘したのは3点。

 第一に住民と行政が対等な立場で話し合う。結論ありきではなく、オープンエンドの話し合いであるべきこと。

 第二に、道路や再開発のような利害対立がある問題についてワークショップは適切な方法ではないこと。ワークショップを免罪符にしてはならないこと。

 第三に、自由に参加し、自由に意見が言えること。

 これらをまっとうできない区の対話の取り組みは対話の名に値するとはいえません。

児童館と他の居場所のちがい

 次に、児童館については、前区政の全館廃止方針を転換し、現存の25館の存続と新たな7館の開設が宣言されたことは評価します。

 しかし、区長の前回選挙公約では「児童館をもとの数に戻す」でした。この点について区長は当時「もとの数に戻すことはかなわなかった」と完了形で述べ「児童館という名前でなくても、地域に多様な子どもの居場所を拡充する」と述べました。

 これも繰り返し述べてきたことですが、本委員会の質疑において、再度、私は「児童館と他の居場所の違い」を確認しました。

「児童館は唯一こどもが自ら選んでいくことができる児童福祉施設であることから、こどもが有する権利を保障する施設」であり、福祉職の職員の存在が必須です。図書館や区民施設、公園など他の居場所とは根本的に違う、児童館の基本特性はそこにあります。

児童館廃止地域の格差拡大

 昨年は居場所づくり基本方針にそって、多くの作業がなされ、事業の具体化が進められました。それぞれ重要な施策である一方、児童館のない17学区との格差がますます広がることを懸念します。

 そこで私から提案したひとつは、児童館廃止地域への児童館職員の派遣。週1回や月1回でもいいから、地域の公共施設等で児童館プログラムや遊びの場を児童館職員が開催することです。

 また、運動遊びができる広い公園やボールネット公園がなく、しかも児童館がなくなってしまった地域の状況を知るため、子どもたちにアンケートをとることです。

遠い将来ではなく現実的な方策を

 こうした具体的な方策を一歩一歩進めることで、遠い将来の児童館再建ではなく、児童館にかわる現実的な事業を実現していってほしいと考えます。

 もうひとつはあらたな7館の整備にあたって、受け身ではなく、いつまでと期限を切って、目標にかじりついて必死に実現してほしいことです。適切な条件が出てきたら、などと待ちの姿勢では、いつまでたっても実現できません。子どもの成長は待ってくれません。

区長公約とは選挙の方便か

 以上、4年前の区長選の重要公約が果たされず、あるいはなかったもののように扱われ、それに対する説明責任も果たされなかった4年目の昨年度でした。

 岸本区長にとって、選挙公約は政治生命をかけて実現するものではなく、選挙のための方便にすぎなかったのでしょうか。

 できないことを必ずしも責めているわけではありません。できないならなぜできないのかを区民に対して真摯に説明すべきで、それをしていないことを問題にしています。

 阿佐ヶ谷も都市計画道路も、質問や反論ができないビデオメッセージの形で岸本区長が結論を一方的に発表したことは、「対話」を標ぼうする政治家として恥ずかしいことではなかったでしょうか。

令和7年度決算認定に反対する

 以上、当該年度区政の個々の施策を見れば評価すべき点がなかったわけではありませんが、縷々述べてきた、阿佐ヶ谷北東における区長の責任回避、都市計画道路計画における住民不在、児童館問題を一般的な居場所にすり替える不誠実さ等は、区政運営の根幹に関わる重大な問題であり看過できません。

 令和7年度一般会計決算および3特別会計の決算認定には反対します。

ジェンダー主流化が着実に進む

 なお、質疑においては、ジェンダー平等についてもうかがいました。昨年のジェンダー平等に関する審議会の答申から1年、どう進んでいるのか、区民の目には必ずしも見えにくいところではありますが、ジェンダー主流化をまず区役所に定着させていく努力が着実に進んでおり、また、男女平等推進センターの改善も進んでいることが確認できました。所管の努力に敬意を表します。

杉並区史の編纂へむけて地域資料収集を

 杉並区史についても質問しました。区史はいきなり編纂できるものではなく、日常的な地域資料の収集、保存、そして調査研究を粘り強く続けていった先にあるものだと思います。

 これまで、地域資料の収集について何度も取り上げてきました。杉並区はこの方面にもっと人材と資金をさくべきであることを改めて指摘します。 また、郷土博物館の収蔵庫の確保、さらに、地域資料収集のための機関の設立は欠かせないものと再度強調しておきます。

 結びにあたり、今回も多くの資料を調整していただき、質疑においては誠実にご答弁くださった職員の皆様に心より感謝申し上げます。

 ありがとうございました。

河北病院跡地の地下構造物を区長は撤去しない?(2026年9月16日一般質問)

 2026年9月16日、杉並区議会第三回定例会で一般質問を行いました。

(区議会動画配信はこちら)

 今議会は9月9日に開会、岸本区長二期目の最初の区議会なので、区長の所信表明(「区長就任にあたって」)とそれに対する各交渉会派(4人以上の会派)の代表質問が行われました。私はひとり会派なので代表質問はありませんが、一番気がかりな「対話の区政」の形骸化とその危険性について一言述べました。区長聞いてくれていたでしょうか?

 質問事項は3項目です。

1.阿佐ヶ谷駅北東地区については、報道でも大きく取り上げられた「旧河北病院跡地の地下構造撤去問題」が主題です。まさかと思ったのは、岸本区長が「病院が一部撤去しない状態で受け取り、その後の扱いは地域と話し合ってきめる」などとして、敷地の浄化に責任をとらない可能性を表明したことです。ありえません。原稿なしのアドリブの再質問でさらに追及しました。

 皆さんは岸本区長についてどう見ていらっしゃるかわかりませんが、これが「岸本区長の方針」だということを知ってほしいです。

2.外環道については、杉並区に隣接する青梅街道の直下で起きたシールドマシン「グリルド」の破損事故について。3.科学の拠点について、は高円寺の「イマジナス」が来春撤退するにあたっての、教育委員会の方針について質問したものです。

(以下質問原稿です。実際の発言とは異なる部分があります)

 一般質問をいたします。岸本区長二期目の所信表明と代表質問のやりとりをふまえ、質問する課題とも大いに関連する「対話」についてまず一言申し上げます。

【「対話の区政」について】

 区長は選挙戦において、また所信表明においても「対話の区政」を強調し、岸本区政の代名詞ともなっています。しかし、今回の所信表明では「対話」と「決断」「実行」が対で表現され、4年前と比べ、姿勢が変わってきていると感じました。

 4年前の所信表明では「対話を大切にしたまちづくり」でしたが、今回は「大切に」は消えました。また、4年前は「対話と理解」「対話と共有」「対話と協力」が対になっていましたが、今回は「対話と実行の循環」とされ、決めるのはあくまで区長、区役所であるという姿勢が前面に出てきました。

【二期目は「対話と実行の循環」ですか】

 私は2024年第三回定例会一般質問において、「対話」をとりあげ、反対意見があってもワークショップ形式の中に埋没してしまい議論がない問題、行政が意見を聞いたという「免罪符」にされてしまう危険性を指摘しました。これは、意見を聞かないことよりも、もっと悪質で、極論すれば、民主主義の形骸化にもつながりかねません。

 2期目の岸本区政の「対話」に以上の危惧を述べた上で、以下、通告に基づき質問いたします。区政の重大課題でありながら、区長が所信表明でふれなかった問題3つをとりあげるものです。

1.阿佐ヶ谷駅北東地区について

 最初に阿佐ヶ谷駅北東地区について質問します。

【岸本区長の「従来計画通り」判断が招いた】

 この計画も、「対話」と称するプロセスの中で、多くの区民が、軟弱地盤、土壌汚染、浸水地の問題を指摘してきましたが、岸本区長は一切耳を貸さず、前田中区政の方針どおり進める決断しました。その決断が今日を招いたことをまず指摘します。

【区が地下構造を放置する可能性】

 今議会初日の区長答弁では耳を疑うような発言がありました。まず、地下構造物等が一部存置された状態で当該土地の引き渡しを受ける、と述べたうえで「存置された地下構造物等の取扱いにつきましては、地域住民や学校関係者の皆様の意見を伺いながら、今後、対応方針を定めてまいります」というものです。

 つまり区長は、河北医療財団(以下財団といいます)が地下構造物を撤去しない場合に、区も撤去せずに学校建築を行う可能性があると述べたわけです。これは重大問題です。

 そのあとに、もうひとつ。驚くべき事実が告げられました。「財団からは解体工事において当初想定していなかった地下構造物などが確認されたとの報告があった」というのです。以下、これらの発言を念頭において聞いてください。

【地下構造物残置を大きく報道】

 さて、6月の区長選挙直前、報道では、旧河北病院跡地の地下構造物問題が争点として大きく扱われました。(東京新聞6月11日付記事はこちら)

www.tokyo-np.co.jp

 区民団体からは6月12日「旧河北総合病院跡地についての要望書」が区長あてに提出されました。その趣旨は「病院側による完全な浄化が遂行されるまで区は土地を受け取らないこと」を求めるものです。その理由は、土地の引き取り以前に仮換地の見直しをしなくてはならないということです。

【浄化されない土地評価は大幅に減価】

 旧病院敷地は、この土地区画整理事業の仮換地で開発法による不動産鑑定において、マンション建築による最大限の収益価値という想定で高評価されていました。しかし、地下構造物が残置され、鉄筋コンクリートのマンションが建てられないとすれば、評価は大幅に下落します。具体的にはこの下落分だけで23億円との区内会計士の方の試算もいただいています。区民要望書も「C街区の評価を減価し、換地後のA街区の区持ち分を増大させること」「さもなくば、病院側による完全な浄化が遂行されるまで土地を受け取らないこと」を求めています。評価額の見直しをせずに土地を引き取ると、区長は区に対し大きな損害を与えることになります。

 質問です。まず、財団との交渉の進捗状況を確認します。財団と確認書をかわすといいますが、そこで区は最低限何を確認する意向なのでしょうか。また、財団が地下構造物の撤去を認めた部分は、図面上で確認ができたのでしょうか。(Q1-1)

【「土地の引き渡し」の意味は】

 3月24日付文書で区長は「土地の引き渡しを受ける」と表明しました。ここでいう「土地の引き渡し」とは何でしょうか。土地区画整理事業における「土地の使用収益の開始」と同義でしょうか。説明を求めます。(Q1-2)

 使用収益とは耳慣れない言葉ですので、ここであらためて説明を求めます。なお、財団の5月の文書には「使用収益開始時期が定められてこなかった」との記述がありますが、これは誤りです。施行者会がどのように使用収益開始時期を定めてきたか説明を求めます。(Q1-3)

【「スケジュール遵守義務違反」区の見解は】

 他方、施行協定には「スケジュール遵守義務」が定められており、現在の協定では今年中に解体を終えなければ、財団側のスケジュール遵守義務違反になるはずです。ペナルティはあるのでしょうか。

 ちなみに2024年1月の「区の見解」では弁護士の見解として「協定違反の効果についての規定はないが、他の当事者に、債務不履行に基づく損害賠償請求権が発生する可能性がある」とされています。

 そうならないためには、スケジュール変更の必要がありますが、変更するのか、うかがいます。(Q1-4)

【病院は補償に合意したのか】

 いずれにしても、来年になっても工事は続く見込みです。仮に杉並区の使用収益が来年1月から開始された場合には、区は区画整理事業におけるC街区(学校予定地)の賃借料を財団から徴収することになります。賃借料はどのように計算するのでしょうか。

 そして同時に、A街区すなわち現在の杉一小敷地では逆に民間の使用収益が開始され、区は学校用地の賃借料を払うことになります。区は病院の工事遅滞により発生したこの賃借料を財団に補償させる意向ですが、財団側はこれらの支払いに合意したのでしょうか。(Q1-5)

【有用物でなければ地下構造残置は違法】

 さて、財団は杭および地下室の躯体部分等を存置する理由として、軟弱地盤なので撤去すれば周囲に影響が出るとしています。これに対して、区は専門事業者に調査委託の上、杭を抜去しても適切な方法で埋め戻すことで地盤の安定が得られるとの見解を得て、すでに財団に対して反論しています。

 対して、財団側は、存置した地下構造物がたしかに地盤の安定に寄与することを数値により具体的に構造上説明しなければ、有用物であるとの主張はできないと思うのですが、そのような資料は示されたのでしょうか。また、それに対し、区はどう評価しているでしょうか。うかがいます。(Q1-6)

 有用物との証明ができなければ、廃棄物の不法投棄、すなわち違法行為となります。

【アスベスト除去の完了確認は】

 また、仮に有用物として存置する場合でも、日本建設業連合会のガイドラインでは、アスベスト等の有害物質が含まれてはならない旨定められています。解体工事のアスベスト除去は、病院の資料によれば6月中に作業が完了しているはずですが、区はアスベストの除去完了を確認したかうかがいます。特に、財団が存置を主張している地下構造部分について、いかがかうかがいます。(Q1-7)

【土壌汚染、危険物の確認できず】

 私たち区議会、区民はこれまで、区から「土地はすべて河北病院が汚染調査し、汚染があれば除去するから安全」と聞かされてきました。多くの議員の皆さんは、その区の説明を信じて杉一小移転計画を認めてきたと思います。

 ところが、財団は地下構造物の全面撤去を拒否しており、しかも単に地下構造物が残っているというだけではなく、地下室の床が残されれば、床より下の部分については、汚染や危険物の存否すら確認できません。かつての区の説明に反します。それどころか、区長答弁によれば、想定外の地下構造物が確認されました。所管に確認したところ、過去の工事のときに撤去すべきものがそのまま残置されていたそうです。これはもちろん抜くとしても、問題はそれにとどまりません。70年代の旧病院建設工事の残置物が出たということは、建物ガラや注射器や割れガラスなどの危険物が埋まっている可能性も現実的になってきたということです。もはや何が埋まっていても不思議ではありません。

【「土壌汚染は確認されなかった」はミスリード】

 ちなみに、財団の土壌汚染調査の結果が公表されましたが、財団は「土壌汚染は確認されなかった」という簡単な報告をホームページにあげています。また選挙前に公開された区長の「岸本さとこファクト一覧」というサイトも「土壌汚染は確認されなかったと報告をうけた」と記載しています。しかし、財団の汚染調査は限られた物質について地表面から50Cm程度の表層だけ調査した限定的なものであることは前に指摘しました。汚染が全くなかったかのようにミスリードする財団、区長の表現は訂正が必要です。

【「対話」に責任転嫁する岸本区長】

 冒頭紹介した9日の区長答弁では「存置された地下構造物等の取扱いにつきましては、地域住民や学校関係者の皆様の意見を伺いながら、今後、対応方針を定めてまいります」とありました。地下部分を放置したまま学校建設工事に着手する可能性も考えているということでしょうか。しかも区長は「地域の意見を聞きながら」などと言っています。学校の安全を保証するという学校設置者としての区長の最大の責任を放棄し、地域に責任転嫁するのでしょうか。対話がこのように利用されることは論外です。

 区は時間がかかっても、残置物を完全に撤去し、土壌汚染を調査、除去したうえで、その後の土地活用にのぞむべきです。見解をうかがいます。(Q1-8)

【霊安室、解剖室、レントゲン室の構造を残置】

 財団から区に提示された資料によると、旧病院の地下施設のうち、残置される部分には、霊安室や解剖室、レントゲン室が含まれることが明らかになっています。残すのは構造躯体のみとはいえ、このような履歴の土地が、杉一小の校庭として使われると知った方は、感情的にも嫌悪感をもつのはあたりまえで、多くの方から反発するご意見をうかがっています。

【地権者の欅興産の責任は】

 さて、この土地の大半は現在欅興産の所有です。同社こそ、区に対しては清浄地を引き渡す責任があり、財団に対しては、土地の浄化を求める責任があるのではないでしょうか。それにしては、地権者でありかつ共同施行者である同社の声が全く聞こえてこないのはどうしたことでしょう。今回の財団側の「撤去しない」という主張に対して、欅興産の意見はいったいどうなのでしょうか。うかがいます。(Q1-9)

【「杉一小跡地活用調査」】

 ますます泥沼にはまっていくばかりの土地交換ですが、そんな中でもお役所は周到で、昨年度、「杉一小跡地活用調査委託」が行われました。年度末には報告書が納品されており、私も情報公開請求で入手しました。この調査委託結果について、説明を求めます。(Q1-10-1)

 この報告書は区の依頼により、4パターンの案で、ボリュームや配置、具体的な使途を提案したものです。

 敷地全体を活用して一体のビルを建てた場合、公共施設の案として、産業商工会館の移設、関連して産業振興センターの移転、および、コンベンション、バンケット機能。さらにホール機能、アニメミュージアムの移転、阿佐ヶ谷図書館の移転などが示されていました。あるいは別の案では、区役所本庁舎の一部機能の恒久移転の案もありました。

【小学校を危険な低湿地に追いやって】

 何をつくるにしても、小学校を危険な低湿地に追いやって、そのあとに大人が利用する施設をつくった、との誹りは免れません。これまで提案してきたように、病院跡地は仮校舎とし、小学校は現地に戻すべきです。

 委託調査は、あさがやまちづくりセッションのワークショップ、また地域団体へのヒアリングも参考としたものです。私はまちづくりセッションを傍聴もしましたが、委託調査ではそこで出た多様な意見の中から、ホール機能や図書館など、都合のいい意見をつまみぐいしただけのように見えます。これも「対話」の形骸化です。

【欅興産との協議は】

 ところで問題は、敷地全体を一体として活用する開発には、民間の地権者、とりわけ、約7割の権利をもつことになる欅興産の意思によって計画が左右されることです。区はこの調査委託結果をふまえて、今後の同社との協議、検討をどのように進めていく考えかうかがいます。(Q1-10-2)

 また、今後の土地活用にむけた検討や、事業期間についてはおおむねどのようなスケジュールを想定しているのか、考えを伺います。(Q1-10-3)

2.外環道について

 第二に、外環道についてうかがいます。この課題は長いこと区政の重大課題でありますが、特に大泉側本線南行きシールドマシン・グリルドの損傷事故が発生し、区民の安全が脅かされています。これこそフィアレスシティをかかげる区長が国・事業者に対し、先頭に立って解決を求めるべき課題です。

【シールドマシンのカッター部品に大規模損傷】

 今年1月20日グリルドに異音が生じ、青梅街道直下で掘進が停止されました。その後の詳細点検でカッター部分とモーターを支える大ギアという基幹部品に23か所の損傷が発見され、ベアリング約1000個のうち7割の損傷が明らかになりました。

 この事故を受けて杉並区議会は第二回定例会において、安全確保を求める意見書を決議し、その中ですみやかに地元説明会を行うよう要望、8月26日には国・事業者によるオープンハウスが桃四小で開催され、意見交換会も行われました。開催にあたっては、杉並区が交渉し、事前予約なしで着座の意見交換会が行われたことについて、その努力に感謝します。

【国・事業者の説明は不十分】

 しかし、意見交換会での国・事業者による説明は、あいまいでとてもわかりにくいものでした。

 2022年の大泉立て坑発進直後、地中壁に衝突して部品の一部が欠けたことが今回事故の原因との説明でしたが、本当にそれだけが原因なのか、また、マシンが破損してから4年間掘進できていたのに、今回突如全面的に破損した機序についての力学的、技術的、数値的な説明がいっさいなく、納得できるものではありませんでした。あらためて、詳細をわかりやすく住民に説明する説明会を求めます。

【重大事故に対し、岸本区長が申し入れるべき】

 この損傷事故はきわめて重大で、ひとつ間違えば、今後、杉並区内の住宅地の真下でシールドマシンが動かなくなり、最悪、地上に住んでいる方を転居させて地上から開削することにもなりかねません。区長は区民の安全を守る立場にたち、自ら国・事業者に申し入れるべき事案と考えるがいかがかうかがいます。(Q2-1)

【4年前の事故が本当に破損の原因か】

 特に、2022年事故の際、なぜ破損が発見されなかったのか不明です。当時のマシン点検手法やその結果についての詳細、および今次事故との関連性を国・事業者は誠実に説明すべきと考えますがいかがか。また、他の原因が存在する可能性はないのか、区は説明を求めるべきと考えるがいかがか。(Q2-2)

 国・事業者の説明では、ベアリングの交換が計画されているそうですが、損傷したものだけの交換か、またはすべてのベアリングを交換するのでしょうか。掘削再開までどの程度の期間がかかるとされているのでしょうか。

【大ギアの検査を要求すべき】

 また、大ギアの交換はせず、傷の入った部分の研磨のみとされていますが、全体にこれだけ多くの損傷が起きたのに、本当に大ギアは健全なのでしょうか。大ギア内部には損傷や亀裂はないのか。金属疲労等を、非破壊的に検査するX線や超音波などの検査方法があると聞きますが、これらは実施されないのか。区として、区民の安全のため、こうした検査を要求すべきと考えるが、いかがか見解を求めます。(Q2-3)

【地元町会長との意見交換会とは】

 この項の最後に、意見交換会で地元の方からご意見のあった地元への情報提供についてうかがいます。

 この住民の方の発言によると、町会長の会合で情報提供が行われているとのこと。しかし、町会長さんが得た情報が必ずしも住民に伝えられるとは限らないため、町会長だけでなく、住民に情報を伝えてほしいとのご趣旨と理解しました。

 そこで地元町会の方々との意見交換会についてうかがいます。回数、それぞれの開催時期、参加メンバーの構成、およびどのような内容について報告しているか等の説明を求めます。(Q2-4)

 現在青梅街道でとまっているマシンは掘進再開すれば杉並区に進入してきます。これだけ派手に壊れたマシンが自分の家の地下を掘進してくる恐怖を想像してください。区長の責任において、国・事業者に対して毅然とした対応で、住民を守っていただきたいと求めておきます。

3.科学の拠点について

 3点めの課題として、科学の拠点について質問します。イマジナスの事業者が撤退意思を表明して以来、そのあとがどうなるのか心配して見守っています。

 9月2日には定例の教育委員会へ現状報告があったので、これを受けて質問します。

【イマジナス事業失敗の原因は】

 報告では、イマジナスの事業総括が述べられていますが、その収益構造以前に、区としての事業に対する姿勢に問題があったのではないかと考えます。

 そもそも区立科学館が廃止されたあと長い時間がたち、「サウンディング型調査」を経て、独立採算の事業者として株式会社コングレが選定されました。区は基本的に土地建物の大家さんとしてのみの関与であり、公的な経営支援がない状態で運営されてきました。

【科学の拠点に対する区の姿勢が問題】

 教育委員会としての総括は今回示されましたが、区や教育委員会が主体的に科学の拠点を再建しようとする意志がなく、民間まかせの事業であったことが根本的な問題でした。結果として民間企業が多額の損失を被ったことに対し、教育委員会だけでなく、区長部局の企画サイド、施設マネジメントの観点からも深く反省する必要があるのではないでしょうか。

 区としての科学の拠点に対する姿勢、イマジナスの選定条件や独立採算とした運営手法に問題はなかったのか。あらためて企画サイドからの検証が必要と考えますがいかがかうかがいます。(Q3-1)

【あらたな科学の拠点、直営か委託か】

 報告を読む限りでは、今後、あらたに科学の拠点を設ける方向での検討がなされていると理解しましたが、その認識でよいか。また、その場合、今度は区立とするのか、直営、委託の別はいかがかうかがいます。(Q3-2)

【施設は今後何に使うのか】

 次に現イマジナスの施設の今後についてうかがいます。イマジナス撤退後は、何に活用されるのか。また、科学の拠点のスペースはどの程度もうけることが可能かうかがいます。(Q3-3)

【区は科学の拠点の理念、目的、目標を明確に】

 今後、新たな拠点を設置するために、なによりまず区、教育委員会が理念や目的、目標を定めることが重要と考えます。そのため、科学教育団体やサイエンスコミュニケーションの専門家、区内小中学校の理科教員の方々などによる懇談会を設置して、拠点の意義や目的、また必要な機能などについて、意見を求めるべきと考えますがいかがか。特に学校の理科教育との連携は重要と考えるがいかがか、見解をうかがいます。(Q3-4)

【資料室や工作室、そして専門家の常駐を】

 科学の拠点の機能としては、まず、科学に関心をもってもらうため、そして、さらに理解を深めるための資料や人材が必要と考えます。私が知る限りで、科学教育団体等に関わる方々からの要望として、書籍や現物を閲覧できる資料室、企画展や実験教室などを開催できるスペース、工作用具や材料を備えた工作室等の設置、および、利用者のサポートや、より深い学びに導くことのできる専門家の常駐などを求める声をうかがっています。これらについての認識はいかがかうかがいます。(Q3-5)

【科学教育事業への志を。杉並の文化を大切に】

 科学館の廃止、イマジナスの撤退と、区の科学教育事業は迷走してきました。残念ながら科学館をすぐに復活することはできないでしょうが、現在の杉並区の身の丈にあったやりかたで、もういちど科学への興味や理解をうながす志をもってほしいと思います。

 かつて日本一と賞賛された杉並区立科学館がありました。科学館から育った人たちは、杉並のみならず各地でさまざまな分野の科学を支えています。区長の所信表明では杉並の文化に言及されましたが、アニメに限らず、こうした杉並の文化の伝統をもっと尊重してほしいものです。

 以上で質問を終わります。

河北総合病院解体未了で跡地を受け取るな(2026年5月29日一般質問)

 2026年5月29日、杉並区議会第二回定例会で一般質問を行いました。質問項目は、

1.河北総合病院跡地の土壌汚染と残留物対応について

 河北病院が新施設に引っ越し旧施設の解体が始まりました。ところが病院側は、なんと「地下構造を残して解体を終了する」と主張しており、同地に小学校建築を予定している杉並区との間で約1年折衝が続いています。病院と区は土地の安全性に責任を果たすべきことを質問しました。

2.科学の拠点について

 科学の拠点「IMAGINUS」(イマジナス)の運営事業者から不採算のため撤退する旨申し出がありました。10年ほど前に区立科学館を廃止した結果、最終的にこのような事態に至ったことを反省し、区は改めて科学の拠点再建に責任をとるべきです。

3.区長発出の要望書について

 「善福寺川上流地下調節池」の着工をめぐり、区長が前日に発信したXの内容が波紋を呼びました。公共事業としてのありかたに疑問がある同工事について住民の不安や不信感によりそい、区はもっと早くから対応すべきでした。今回の泥縄的対応には反省が求められます。

(以下は質問原稿です。実際の発言とは違う部分もあります)

1.河北総合病院跡地の土壌汚染と残留物対応について
 一般質問を行います。第一に河北総合病院跡地の土壌汚染と残留物対応について質問します。

【河北病院が地下構造を残すと主張】
 昨年5月、病院が旧施設の地下部分の構造の大半を存置するという意向を示して以来、これを認めないとする区との交渉はすでに1年に及びました。2月27日の区議会総務財政委員会では区が「旧病院の解体工事等に関する区の考えと今後の対応について」を示し、委員からは多くの厳しい意見が出されました。その後の予算特別委員会において、私も質問をしたところです。
 さらに4月には区長から河北病院理事長あての「旧河北総合病院の解体工事に関する区の考えと今後の対応について」という3月24日付文書が公表され「地下構造の残置は許容しないが、用地の引き渡しを受ける」という姿勢が公式に示されました。

【「病院が対策するから問題ない」ではなかったのか】

 そもそも土壌汚染対策法の特定施設である病院跡地の土壌汚染対策について、区は一貫して「土壌汚染対策は病院側がすべて責任もって行うから問題ない」と主張してきました。その前提が崩れているのは、第一義的には、今ごろになって一方的な主張を後出ししてきた病院側の責任であることはいうまでもありませんが、施行者会の責任でもあり、区もまた、汚染のリスクを真剣にとらえず、安易にこの事業を推進してきた重大な責任があります。あげく、土地の安全性が証明されない状態で受け取ろうとしているのはとんでもないことです。もちろん事業を認め続けてきた区議会もその責任は免れません。

 まず病院との交渉の現状について伺います。地下構造撤去の範囲に関する交渉は続いているという認識でよいか。論点はどこか。いつごろまでに合意できそうか。(Q1-1)
 また、旧病院施設はまだ上物が残っているように外部からは見受けられますが、解体工事は現在どこまで進んでいるのでしょうか。今後、見切り発車で校舎建設予定部分だけの先行掘削もありうるのか、説明を求めます。(Q1-2)

【病院が土壌汚染は「基準値未満」と発表】

 次に、土壌汚染調査についてうかがいます。
 改めて土壌汚染対策法および都環境確保条例において、どのような手続きが必要か説明を求めます。また、手続きは現在、どこまで進行しているのか、うかがいます。(Q1-3)

 昨年8月末の近隣説明会において、病院は、6~7月に土壌調査を行った結果の「速報」として、基準値未満であり問題ないと、突然公表しました。全く寝耳に水でした。
 その後、東京都への報告が完了したとのことですが、区は報告書を入手したでしょうか。また、区として昨年の病院の「速報」との照合は行ったか。調査結果について区としての評価はいかがか、見解を求めます。(Q1―4)

【調査は病院でなく「施行者会」が実施】

 私は東京都への情報公開請求により土壌汚染調査報告書を入手しましたが、この報告書は、土対法第4条の2項に規定する「3000平米以上の土地の形質の変更を行う者」によるもので、責任者は病院ではなく、施行者会会長・安藤公一氏となっていました(ちなみに、区は施行者会会長名を個人情報として黒塗りしてきましたが、東京都は公開しました)。

【施行者の一員である区は知っていたのか】
 協定によれば土壌汚染対策は病院側がその費用を全面的に負担することになっていますが、この調査費用は病院が支払ったのか、確認します。
 また、これまで区は、土壌調査について承知していないので、東京都への報告が完了した段階で確認して評価すると説明してきましたが、病院による調査ではなく施行者会による調査ということなので、区は実は実施を知っていたのでしょうか。そうではなく、施行者会会長が施行者の一員である区に知らせず調査を実施していたとしたら重大な配信行為です。区が調査の実施について知ったのはいつだったか。答弁を求めます。(Q1-5)

 ちなみに、病院は昨年8月の近隣説明会では「東京都が承認したらホームページに公表する」と言っていましたが、いまのところ公表されていないと認識しています。区民が最も心配している土壌調査の結果を公表しないことはきわめて不誠実です。

【吉田元副区長(現病院顧問)の議会答弁では違った】

 土対法及び都条例で調査対象として指定される物質は20種あまりと、きわめて限定されています。また、報告責任者のいわば自己申告で調査範囲を限定できてしまうという法のバグもあります。
 現在河北病院の顧問である吉田順之元副区長はかつて区議会で約70か所程度調査を行うものと説明しましたが、その吉田氏のアドバイスを得て行われたはずの土壌調査の結果を見ると、40か所余りのポイントしか調査されていません。調査深度も深さ50cmの表土まででおわっています。この調査だけで土地の安全が担保されたとはとうていいえないと考えますが、区の見解はいかがか。
 区としては、法定の調査に加え、医療廃棄物や危険物について、病院に対し更に調査を求めるか、あるいは区としての独自の調査を行うべきと考えるがいかがか。見解を求めます。(Q1-6)

【地下室の床を残し、床下は調査なし】

 病院側が示した地下部分の解体計画では「箱残し」といって地下室の壁の一部と床を残すとされています。地下室の床より下は今回の土壌調査では大半が調査せず放置されています。
 現在残っている70年代の建物は環境規制のない時代のもので、それ以前の建物を解体したガラや病院の器具等、何が埋まっているかわかりません。また、松杭は当時そのまま存置されていたようですが、病院は当時の設計図面が存在しないため、どこに松杭があるかわからない、地面を掘ったときに出てきたら抜きます、という無責任な態度だそうで、まず間違いなく取り残すと考えられます。

【設計図がないなら全部掘って調査を】
 区は設計図がない以上、打つ手なしとなっているようですが、これは立場が逆で、ない証明ができない以上、病院が敷地全体を掘って松杭の所在を調べるしかないと思いますが、区はなぜそう主張できないのか不思議でなりません。

 区は、言葉のうえでは、「地下構造の残置は許容しない」といいながら、他方では、杉一小の移転改築の事業推進のためとして、校舎等建築予定部分だけの撤去とする病院側の主張を事実上認めています。なおかつ、地下部分の完全撤去について、区が行うわけでもないとすれば、学校建築は見切り発車。汚染や危険物が出てこなければラッキー。数十年後の建替えのときには区長はじめ責任ある立場の人は誰もいないので、あとは野となれ、ということでしょうか。

【病院の逃げ得は許されない】

 病院は学校改築を人質にとっている構図です。しかし、実は建築が少々遅れたとしても学校はあまり困らない。当初の複合施設案A案から現在の移転案B案に変更したときに、3億円かけて耐震補強やネット環境の整備を行ったからです。従って、区の計画が遅れることをいまさら恐れるのは間違いで、区は病院が責任を全うするまで徹底して追及すべきです。逃げ得は許されません。
 また、病院敷地の主な地権者である欅興産は、汚染地、浸水地でどうしようもない土地を、さっさと区に引き取ってほしいと急いでいるかもしれませんが、土地の浄化には当然、地権者も病院同様に責任があります。

【いったん交渉を棚上げ「受け取らない」勇気を】

 1年にわたり交渉を続けてきて、なしくずしに病院側の主張を認めるくらいなら、いったん交渉を打ち切り棚上げする勇気が必要です。そのうえで、施行者3者による妥協案をさぐればよいのではないか。また、今後の訴訟も視野に入れるというのが本気であれば、なおさら、土地を受け取ったという実績を残すことは絶対にやってはいけないことではないでしょうか。

 地下構造物の徹底した除去が保障されるまで、区はいったん旧病院用地を「受け取らない」という姿勢を明確に示すべきと考えますがいかがか。見解を求めます。(Q1-7)

【地下構造残置なら仮換地見直しが必要】

 浄化される条件だった土地に地下構造物が残置されるとすれば、それは約束が違うので、この区画整理からの撤退を考えるべきですが、撤退しないとすれば、最低でも仮換地は鑑定し直さなくてはなりません。
 区は、撤去費用分の賠償という金銭解決を考えているようですが、何度も言っているように、これは間違いです。このような処理はそのまま公共財産の毀損となります。

【不動産鑑定の前提が崩れた】
 この土地区画整理の仮換地の算定は、日本不動産研究所による鑑定を根拠としており、私は当時、情報公開により鑑定書を入手しました。民地の鑑定額は黒塗りですが、鑑定方法やその理由については記載があります。それによると、比準法とあわせて開発法即ち、マンション建設・分譲による利益をベースに鑑定されているため、地下構造の残置という条件で算定しなおせば当然その利益率は減少し、土地の評価が下がり、すなわち交換価値が下がるので、権利交換後のA街区における区の持ち分は逆に大きく拡大するはずですから、見直しを行わないとすれば公共財産を毀損する不作為ということです。

【土地区画整理事業の度々の変更は当たり前】

 当該区画整理事業におけるC街区の土地評価の前提が崩れています。「地下構造物の撤去費用分を受け取る」ではなく、仮換地をやりなおすべきと考えるがいかがか。見解を求めます。(Q1-8)

 区画整理事業の仮換地において度々の変更はあたりまえのことであり、なぜこんなことすら言い出せずに区が民間の2者に唯々諾々と従わなければならないのでしょうか。先方に役所の先輩である元副区長がいるからでしょうか。
 区長、区役所は公共の責任を自覚して、理不尽な要求に対しては毅然として対応していただきたいと求めます。

2.科学の拠点について
 第二に、科学の拠点について質問します。
 今年2月の文教委員会でイマジナスの運営事業者株式会社コングレから、事業の不採算を理由に撤退の意向が表明されたことは、これも予算特別委員会でとりあげたところですが、あらためて科学の拠点に対する区の考えをうかがいます。

【民間丸投げが根本的誤り】
 今回のイマジナスの失敗は、区の責任で事業を行うのでなく、完全に民間に丸投げしてしまったところに根本的な間違いがあります。

 ここで、イマジナス以前の経過を確認します。
 2014年、施設再編整備計画により杉並区立科学館が廃止されると決まり、2016年3月をもって廃止されました。学校教育と社会教育を結合し、かつプラネタリウムはじめ諸施設の充実した杉並区立科学館。日本一とも謳われた科学館を廃止することに対しては区の内外からつよい反対の声が上がりました。
 科学教育や地学、天文学等の学会の錚々たる先生方からも廃止を思いとどまるよう意見が届けられたにもかかわらず、当時の杉並区と教育委員会は廃止を決めました。それは全く愚かな決定であったし、加担した区議会にも大きな責任があります。
 その後、旧杉四小跡地のサウンディング調査が行われ、民間の独立採算の事業として行うことが決まり、イマジナスが開設されたという経緯でした。

【「分散しても同等の機能」とした詭弁】

 施設再編整備計画に、複合化・多機能化、民間活力の導入とともに、近隣区市との連携がうたわれたことを根拠に、西東京市に六都科学館があるから杉並に科学館は必要ないかのような言説までありました。
 そして、一般向けの科学は社会教育センターに、学校教育については済美教育センターからの出前授業で学校に出向いて行うので来館型の拠点は必要ないといわれました。

 当時のことをご存じの方は思い出してほしいのですが、科学館だけでなく児童館なども同様でしたが、施設再編整備計画では総じて、施設を廃止して場所をばらばらにしても、機能は継承され同等の事業が存続する、あまつさえ、そのほうが事業が充実するかのような詭弁さえもまかりとおった時代でした。あのような言説が杉並区ではまだ亡霊のように漂っているようですが、これが過去のものになることを切に願います。

 科学館廃止にあたっては「次世代型科学教育」への転換が掲げられました。その理念とはなんだったか。また、イマジナスはそこにどう関わったか説明を求めます。(Q2-1)

【学校への出前授業は減少】

 次に、学校教育における出前授業は今、どうなっているか確認します。

 科学館では、区立全小中学校の児童生徒が科学館を訪れて実験とプラネタリウムの授業を体験することが保障されていました。科学館廃止時には、それと同等の事業を出前事業として全校で必ず代替して実施すると説明されており、実際、当時は全校でスケジュールが組まれたことを私も確認しましたが、現在は全校実施ではなく学校からの希望があれば実施する方式に変わっているとも聞きます。
 手元の当時の資料をほりおこして確認してみましたが、学級数が約1割増えているのに、実施回数は逆に減っています。
 そこで伺いますが、科学館廃止直後および昨年度の理科出前授業の回数、学年ごとの内容について説明を求めます。学級数が増えているのに、回数が減っている理由はなにか。説明を求めます。(Q2-2)

【流水実験や解剖、移動式プラネタリウムはどうなったか】

 また、科学館に大きな装置が備えられていた流水実験や解剖実験の今後を心配する声が大きかったのですが、区は小規模な流水実験装置や学校での解剖の実施で対応できるとしてこれらの意見を退けてきました。では、科学館で行っていた流水実験、解剖について、現在の学校教育ではどのように行っているか、説明を求めます。(Q2-3)

 プラネタリウムは移動式プラネタリウムに変更されましたが、バルーン状の移動プラは本来のプラネタリウムに比べ球面が小さく、星座等の表示が歪み、子どもに誤った認識を与えるので、お楽しみイベントとしてはいいが、理科学習には必ずしもふさわしくないとの指摘もあります。

【理科教育が縮小している】
 また、科学館には理科教育の教材研究や素材をサポートする機能もありましたが、その分厚い体制もなくなりました。ある先生は、杉並の理科教育が縮小しつつあるという認識、とおっしゃっています。

 総じて科学館が廃止されて以来10年、区における理科教育、科学教育の水準は低下しており、拠点がなくても同程度以上の水準を確保できるとしてきた説明は誤りであったと指摘します。

【区民の努力で続いたサイエンスフェスタ】

 次に、科学館が廃止されると同時に始まり今年、第11回を迎えたサイエンスフェスタについてうかがいます。当初はセシオンで、現在はイマジナスで開催されているサイエンスフェスタは、区内の科学教育団体及び企業も参加する実行委員会の主催で開催され、区民が科学に出会う貴重な機会となっています。そればかりではなく社会教育センターの協力のもと運営されてきた実行委員会は年間を通して活動し、以前は個別に活動していた諸団体の共同と連帯をつむぎ出すことに大きな功績があったと考えます。
 第一回のフェスタから参加している団体も多いですが、毎年さらに新たな団体、企業に意欲的に参加をよびかけ、輪が広がり、ネットワークがつくりだされています。それらの団体の多くが、フェスタだけでなく、各区民センター等で行われる子どもたちの科学体験イベントにも貢献しています。
 そこでうかがいますが、サイエンスフェスタについて、その成果等について教育委員会はどのように評価しているでしょうか。見解を求めます。(Q2-4)

【イベントで終わらせず更なる学びにつなげる】

 サイエンスフェスタの毎回の反省として言われることは、イベントはきっかけにすぎず、ここから発展的、継続的な学びにつなげるにはどうすべきかということです。
 興味を持った人がさらに質問し学びを深めることができるように、専門家が常駐した拠点が必要、これは区内の教員の方の意見です。

 今回の事態を受けての科学教育団体の皆さんの意見を聞くと――その中には区立学校の先生やOB、また、区内出身で子どものころ科学館(旧科学センター)を学習で利用した人たちもいますが――区自身がもういちど主体的に、区の責任で科学教育を行ってほしいというのが大方の意見です。
 事業者が撤退しても、区として科学の拠点は必要であり、残すべきと、私も考えますがいかがか。見解を求めます。(Q2-5)

【科学と多様な活動の協働で新たな展開を】 
 地域では今後の施設の活用方法として科学の拠点以外を希望する声もあると聞いていますが、科学と他の機能との共同利用も可能ですし、むしろ科学と他の多様な分野との相乗効果を発揮し、特色ある新たな展開もできるのではないでしょうか。
 5月13日の教育委員会では、今後の方針は未定としつつも、次期総合計画改定にのせる方向が示されました。しかし、いきなり性急に次の事業を決めてしまうのではなく、総合計画では、まず「検討」期間を設けるべきです。

【杉並区の科学事業をあらためて検討】

 先の予算特別委員会では生涯学習担当部長より重要な答弁がありました。「この機会に杉並区の社会教育における科学教育、学校教育における理科教育について改めて整理する必要がある」「多少時間をかけてもしっかりと検討していきたい」というものです。この見解に変わりはないか、確認します。(Q2-6)

 残念ながら、いったん破壊して10年以上が経過した科学館を区直営に復帰することはきわめて困難ではありますが、少なくとも専門家や団体と理念を共有し、まずは、区としての主体性を主軸にきちんと据えた上で、必要な民間の知恵と力を借りるという関係を構築すべきです。

【専門家、区民と継続的検討を】

 教育委員会担当者と科学教育団体との間では、すでに意見交換が行われましたが、これで終わらせるのではなく、今後も継続的に協力を求め、かつ公式に協働して進めていくべきです。今後の科学教育のありかたについては、専門家、団体、区民をまじえて審議会ないし懇談会等の公の会議体を設置して検討すべきと考えるがいかがか。見解を求めて次の項目に移ります。(Q2-7)

3.区長発出の要望書について
 第三に、善福寺川上流地下調節池について岸本区長が発出した要望書について質問します。

 この事業には、自然破壊、公園の縮小・閉鎖、住宅の立ち退き等の問題に加え、外環道工事で陥没事故を起こしたシールド工法のリスク、現段階でも17年間と予定される工事期間の長さ、1550億円といわれる巨額の事業について懸念があり、私自身も反対ですが、今日は事業の内容ではなく、区としての手続きの話です。

【岸本区長異例の発信】

 5月10日、たまたま区長個人のXアカウントを目にして驚きました。工事着工予定日の前日、かつ日曜日という異例の発信でした。あわてて区議会ラインワークスを確認したが日曜日なのでもちろん通知はありません。しかし翌日以降も情報はなく、他方、抗議行動に参加した人たちからは、区長の発信に対し「区長が着工を止めてくれた」と受け止める投稿が見られましたが、これには首を傾げました。
 その後も、要望書や都の回答はどこにも公開されません。通常であれば、区で意思決定し、東京都との間で合意した上で、双方公表するはずですが、今回はそのような手続きから全く逸脱していました。何が起こったのか理解できず、今回の質問を予定したところです。
 その後、所管や区民の情報、さらに他の議員の一般質問で、事情がやや明らかになったと思うので、重複もありますが、以下、確認します。

【都への要望書は受領されたのか】

 5月10日区長のXアカウントに記載された要望書について確認します。当該要望書は組織で意思決定したものか。意思決定の日付、タイトルおよび宛先について説明を求めます。また、収受印のついたものはあるか。(Q3-1)
 5月15日、小池都知事は記者会見で杉並区長要望書について聞かれ「要望書そのものを受け取っていない」と答えていますが、これは事実か。説明を求めます。(Q3-2)

【住民との相互不信を招いた東京都】

 今回、着工当日のスタンディングという行動に至った住民の皆さんの疑問や不安、不信感は全く正当なことですが、トラブルにも発展しかねなかった、この相互不信の状況を招いたのは東京都です。

 その一例が4月17日、18日のオープンハウスです。私も1日目に参加しましたが、多くの方から運営の問題点についてご指摘がありました。イスが全く用意されておらず、ご高齢の方も多かったのに座れるところがない、障害者用トイレの場所をスタッフが知らず案内してもらえなかった、自転車置き場が用意されていない、などです。この扱いに、住民は歓迎されていないと感じています。

【住民を妨害者扱い】
 過去のオープンハウスでは、都が参加者を動画撮影しており、私も含め参加者が抗議したこともあります。また別の回では都が住民を排除するために会場に警察を呼んだこともあります。このときは区職員が間に入ってくださり警察には帰っていただいたと聞きました。さらに今回の工事現場では都職員によるいわゆる「転び公妨」未遂も問題になっています。
 東京都は一貫して地域住民を工事を邪魔する存在として扱っており、ステークホルダーとして尊重する姿勢が見られません。そのことが区民の不安と不信感を増幅させてきました。

【区の泥縄的対応は逆効果では】
 であればこそ、区はこんなぎりぎりのタイミングでなく、もっと早い段階で、たとえば4月のオープンハウスのすぐあとから、もっと早く都との交渉に動くべきでした。

 都政新報の記事には「『今更どうして』と都庁幹部は憤りを隠さない」とあります。多少の誇張があったとしても、今回、泥縄的に東京都へ申し出た結果、かえって逆効果になっていることはないでしょうか。

【区は住民に寄り添い都と交渉を】

 区長の発信でも要望項目とされる、着座式の説明会、家屋調査、樹木保全等についての東京都との交渉は、私も必要なことだと思います。またさらに、都の用地買収についての丁寧な対応も含め、東京都とともに区として住民の思いによりそって、誠実に行っていただきたいと思います。見解を求めます。(Q3―3)
 こうしてみると、区長のネット発信から様々な波紋が広がった面があるように思います。区長にはぜひ経緯の説明、また今後の決意を示していただくよう求め、質問を終わります。

杉一小の人工芝見直しについての意見(2026年3月19日杉並区議会本会議)

 2026年3月19日杉並区議会本会議において、杉一小の人工芝導入見直しを求める陳情について意見を述べました。

(以下は原稿です)

 8陳情第5号「杉並第一小学校の校庭への人工芝敷設計画の再考を求める陳情」について意見を述べます。杉一小への人工芝計画については、私も何度も反対の意思を表明してきました。陳情の趣旨には異議なく、趣旨採択に賛成します。そのうえでさらに、意見を申し上げます。

 陳情者の方々は、ご存じだったかどうかわかりませんが、杉一小の新たな校庭に、これまで区内で1例しかない人工芝があえて取り入れられることには理由があります。それは学校の移転です。

 現在の杉一小は商業地域にあり、周囲は商店、大型商業施設、また、お寺や神社、そして都市計画緑地に囲まれています。長年立地してきたこともあり、学校の騒音や土ぼこりについての苦情は出ていないと思われます。

 他方、移転先の河北病院跡地は、まわりを住宅にぐるりと囲まれています。そういうところに、新たに、これから学校が移転するとなれば、住民の方々から様々な苦情が出てくることは容易に予想されます。その予防策の1つとして、土の校庭ではなく、人工芝が計画されているということです。

 しかし、このようにしてクレームを減らそうという姿勢は姑息だし、安直ではないでしょうか。土ぼこりがたたない人工芝にしたからクレームが減るだろうと安堵する、それは、ビルを建てる人の発想ではあっても、地域住民とともに学校をつくりあげる公共の姿勢ではないと思います。

 学校を移転するということは、単純に古い建物をこわして新しい建物を建てるということではありません。学校が移転すれば、これから何十年、ことによれば百年もの間、近隣の方々には、誰よりも親密に学校と付き合っていただかなくてはならないはずです。

「対話の区政」を標榜する杉並区は、住民対策として人工芝を敷こうと考える前に、なぜ、周囲の住宅の一軒一軒に、「ここに学校を移そうと思いますがいかがですか」あるいは「学校を移転することでご心配はありませんか」と意見を聞いてまわらないのでしょうか。

 陳情者の方々、また、議員各位には、人工芝の問題は人工芝だけにとどまらないということをご理解いただきたい。そのうえで、人工芝をやめさせるためにも、学校の移転について、この土地区画整理事業そのものについて、見直しを進めることにご協力いただければと思います。以上です。

阿佐ヶ谷土地区画整理とイマジナス。2つの事業の挫折(2026年3月18日予算意見開陳)

 2026年3月18日杉並区議会予算特別委員会において、来年度予算に対する反対意見を述べました。

 1.河北病院跡地に杉一小を移転する計画が暗礁に

 病院跡地に小学校を建てるなんて全国でも例がありません。杉並区は反対意見に対して「病院がすべてキレイにするから大丈夫です」と強弁してきましたが、その病院側が「地下埋設物は一部しか撤去しない」と主張して譲りません。計画は全面的に見直すべきです。

 2.科学の拠点「イマジナス」も挫折(*「イマジナス」(IMAGINUS)は旧杉四小を活用した科学体験施設。事業主体は株式会社コングレ)

 開設からわずか2年半で5億円の赤字の見通しとのこと。民間の経営とはいえ杉並区の計画に問題がありました。新たな科学の拠点は、区の責任でしっかりと設置、運営すべきです。

 3.都市計画道路と善福寺川上流地下調節池

 岸本区長は2月の本会議で「132号線(西荻窪)、227号線(高円寺)を今回も優先整備としない判断はなかった」「善福寺川上流地下調節池は、欠かせない事業」と答弁しました。地権者、近隣住民の期待を裏切る発言だと思います。

(以下は発言原稿です。実際の発言と異なる部分もあります)

【来年度予算に反対】

 来年度予算案について反対の立場から意見を述べます。

 今議会に、民間との協働にかかる2つの衝撃的なニュースが報告されました。第一はもちろん、阿佐ヶ谷駅北東地区土地区画整理事業についてです。杉一小移転予定地の旧河北病院敷地の浄化について、交渉が暗礁に乗り上げていることがわかりました。第二は、イマジナスの運営事業者が赤字を理由に撤退を申し出たことです。

【河北病院が杭・地下室の全撤去を拒否】

 まず、区と河北病院との交渉について述べます。昨年から問題となってきた旧病院施設の地下部分解体工事について、区は総務財政委員会において、一部残置を容認はしないとしつつ、

「学校建設の支障となる地下構造物等が確実に除去された状態でC街区の土地の引き渡しを受ける」

「地下構造物等が残置されると土地の価格が下落することから、下落分等の区の損害に対して金銭での補償をすることを医療財団に求める」

との見解を示しました。しかし、これには大きな問題がいくつも予想されます。

【土壌の安全性を保障しない杉並区】

 第一になんといっても土壌の安全性です。区はずっと「病院がキレイにするから大丈夫」と説明してきました。しかし今回私が「誰が抜くにしても最終的には区の責任ですべての残置物を除去すると約束してほしい」とただしたところ、確答は得られませんでした。むしろ、消極的というか、スケジュールを理由に、区としては、やらない考えに聞こえました。

 病院跡地への移転は、保護者、学校関係者の中に根強い反対の声があり、特に学校運営協議会(CS)は、ほぼ全員が反対する中、区長、担当者が安全だからと押し切ってきたのではなかったでしょうか。これでは話が違います。背信行為です。

【土壌汚染調査は未了】

 土壌汚染調査について、かつて区議会答弁で吉田元副区長は「解体しないと土壌調査できない」と言ってきましたが、現在吉田さんが顧問を務める病院側は、地上部の残った状態で調査し、速報として「すべて基準値以下で安全」と主張しています。これも話が違います。

 土壌調査について、環境省認定機関が調査したとの説明でしたが、それは当たり前のことです。発注し、お金を払っているのは病院です。認定機関だから中立ということではありません。

 また、東京都に提出した報告書はまだ審査中であることを、私も東京都に確認しています。

【残置物で地価下落。交換比率見直しを】

 第二に金銭解決とした場合の問題です。区は「地価下落分の補償を病院に請求する。その金額は残置物の除去費用と同額である」と説明していますが、これは間違いです。

 本件は土地区画整理事業なので、売買ではありません。土地評価を点数であらわしたうえで権利交換する換地であり、現在は仮換地ですが、これを見直さないと区に不利な交換となり、そのまま公共財産の毀損になります。したがって、事情の変化、この場合は地下構造物の残置という事情が生じるとすれば、換地評価の変更によって対応すべきです。

 ちなみに権利交換、土地登記は事業の最後に行われるので、まだ土地交換をしたわけではないことはよくよく留意する必要があります。仮換地というくらいで、あくまでも仮なので、いくらでも見直せます。現に本件でもすでに仮換地の見直しは行ってきています。

【杉並区の土地を安売り】

 そうでなくても、何度も指摘してきたように、本件の仮換地は杉並区にとって非常に不利な条件になっています。以前の委員会で私は、杉並区自身の実際の取引事例から、杉一小敷地であるA街区が、病院跡地であるC街区の3倍の価格で取引されていることを確認しました。しかし現在の仮換地ではA街区はC街区の1.5倍程度、つまり半額程度にダンピングされているのが実情です。本来ここから見直さなければならないことも指摘します。

【土地区画整理が成り立たない】

 さらにいえば、評価の見直し以前に、そもそも換地が成り立たない状態であることも指摘しました。

 土地区画整理法においては、面積、土質、水利、環境等の6項目において換地前と換地後の土地が同等の水準でなければならないという照応の原則が定められています。C街区の土中に残置物が埋まった状態での使用収益開始は、この照応の原則に反するものであり、土地区画整理事業じたいが法的に成り立たないことをあらためて指摘します。

 土地区画整理事業を仮に維持するとしても、最低でも仮換地の見直しが必要であり、区が残置物を除去した場合の費用については、別途実費を病院に請求すべきです。これは地価下落とは別の話です。

【訴訟しても勝てる保証なし】

 第三に訴訟についてです。区は病院に費用を請求しても支払われない場合は訴訟も辞さないとしていますが、勝てる保証はありません。総務財政委員会で指摘があったように、和解となり、全額を受け取れない可能性も高いと思われます。このような泥沼に踏み込む前に、事業自体を見直すことをお勧めします。

【区長の決断しだい】

 幸い本件は、都市計画決定しておらず、個人共同施行によるものなので、当事者同士が折り合えれば、いかようにも変更でき、また、事業を中止することも可能です。さらにいえば、事業認可権者も杉並区長です。

 区長の決断しだいで、撤退することもできます。抜本的に見直す最後の機会でであることを指摘します。

【「イマジナス」運営事業者の撤退】

 さてもうひとつはイマジナスの運営事業者の撤退です。2年半で5億円の損失が見込まれるということで、スキームにムリがあったとしか思えません。その責任が誰にあるのかは、今後の検討を待ちたいと思います。

 今になって、公費を入れない運営は無理だったという意見も出ましたが、それは、この事業が始まる前からわかっていたことではないでしょうか。

【「次世代型」科学の拠点とは何だったのか】

 区は「最先端の科学」を提供するためには以前の科学館のやり方ではだめで、「出前型、ネットワーク型」の「次世代型科学の拠点」にするんだと喧伝していましたが、「次世代型科学の拠点」は実現したのでしょうか。出前型、ネットワーク型という構想と、従来の来館型のイマジナスは矛盾していたように思います。

 かつての区立科学館は学校教育と結びつき、基礎的な科学の普及を旨として、なおかつ、全国的に高い評価を受けていました。今後、科学の拠点は、その理念、コンセプトから再検討の必要があります。

 その際、サイエンスフェスタにつどう科学教育団体、杉教研理科部はもちろん、かつて協力して下さった国立天文台や科学教育学会の専門家の先生方に、もういちどアプローチして、今度こそ、杉並区が行うべき科学の拠点事業を真剣に考えてほしいと思います。「これからの社会教育としての科学、学校教育としての理科教育については、時間をかけて検討していく」旨の答弁がありました。しっかりとお願いします。

【認めてきた区議会の責任は重い】

 いま述べた2つの事業の挫折には、10年余りの施設再編の問題点が噴出しているように思います。私は一貫して反対してきましたが、事業を認めてきた区議会の責任は重いと考えます。

 さらにもうひとつ、児童館の再編がありました。

【児童館廃止で学童クラブ整備が限界に】

 委員会質疑では、学童の待機児童問題、学童クラブの整備が大きな関心事となりました。児童館16館を廃止してしまったことにより、学童クラブを増設する余地がなくなったことを、深く反省する必要があります。

 学童クラブ需要の読み誤りだけではありません。学校内に空き教室がたくさんあり、転用できることを前提とした計画は安直すぎました。施設再編計画策定当時から、すでに空き教室はありませんでした。学校内に学童、放課後居場所を受け入れた学校は、特別教室等を犠牲にして受け入れたところが多かったのです。

【預ける大人の都合優先では】

 今後、放課後等居場所事業が全校に配置され、学童クラブに入れない子どもの受け皿になるとのことです。しかし、放課後等居場所事業は、児童館の一般来館の代替として設置されたものです。当時の施設再編の説明会で「学校というひろ~いフィールドを活用して、児童館ではできないような活動ができる」と担当者が説明していたことは金輪際忘れません。

 現実には、その広さが逆に仇となり、安全確保のため行動制限がつよくかけられて、子どもたち、特に高学年の子たちにとっては魅力のない事業になっています。子どもを預ける大人の都合だけが優先されています。

【地域格差は広がる。何かの罰なのか】

 しかも、児童館が廃止された地域は、児童館だけでなく、地域の小学校への放課後等居場所事業設置とともに、校庭開放、放課後の遊び、放課後こども教室まで、すべてが廃止され、子どもの居場所がいっきに縮小しました。これは何かの罰だったのでしょうか。そのような学校のひとつである桃井第三小学校の保護者の方々から「児童館の早期復活を求める陳情」が提出され、多くの委員が質疑で言及されていました。

 地域格差は広がる一方です。一日も早い7つの児童館の復活を、区長、区役所は死に物狂いで探っていただきたいですが、来年度の計画はいぜん白紙で、全く意欲が感じられません。

 児童館を担う専門職の職員配置状況も心配です。育休、病休者等の代替が当てられないなど、実質的に欠員が生じ、現場が大変だということも指摘しました。人材確保の面でも早急な対応が求められています。

【平和マップの表紙にヌード】

 次に平和マップについて。質疑の中で指摘しましたが、女性のヌードをいまだに平和の象徴としている杉並区の姿勢に大変ショックを受けました。ジェンダー主流化が問われているのは、まさにこういうところではないでしょうか。せっかくのマップが台無しです。平和マップのトップにかかげられている本庁舎前の上半身ヌードの「ジーンズ」像は、これまでも議会で何度も取り上げられ、「撤去すべき」との意見さえ出ているものです。 しかも平和事業を所管する区民生活部管理課は男女共同参画も統括しているはずです。誰もまずいと思わなかったのでしょうか。

 回収を求めたいくらいですが、写真のさしかえ、少なくとも、増刷の際には必ず差し替えるよう求めます。

【大規模工事、区長の答弁は】

 大規模土木事業に関する区長の、代表質問への答弁には驚きました。質疑ではあらためて区長の見解を確認しました。

 都市計画道路補助132号線、227号線について「優先整備路線としない判断はなかった」旨の発言、及び、善福寺川上流地下調節池については「欠かせない事業として早期実現を都に要望」との答弁。

 両事業とも、立ち退きや周辺環境の悪化に直面して、岸本区長なら見直し、止めてくれるのではないかと切実に願っている住民、地権者は多く、その思いとは裏腹な発言ではないでしょうか。

【プラ回収は環境にやさしくない】

 このほか、来年度から全区実施となるプラスチック製品リサイクル回収については質疑する時間がありませんでしたが、昨年の予算特別委員会で述べたとおり、プラスチックはリサイクルに適さない素材であり、その回収、リサイクルの事業じたいが、決して環境にやさしい事業ではなく賛成できません。

【「答弁を差し控える」】

 さて、本委員会および本会議でも気になった答弁のありかたについて一言述べます。「答弁を差し控える」という発言です。最近、高市政権によって国会でも乱発されているセリフです。そんなものをマネしてどうするんでしょうか。「区議会は区政について議論する場であって国政は別」というのですが、おかしな物言いです。

 実は私も昨年、一般質問において、日中関係や集団的自衛権は国の選管事項であり、自治体の首長としては差し控えるという区長答弁を経験しました。じゃあ、核廃絶なんか議論できないことになります。

 折しも、アメリカ、イスラエルによるイラン攻撃が行われているさなか、戦争は日本にとって決して他人事ではありません。岸本区長の見解を聞きたいというのは区民、議会として当たり前のことではありませんか。都合の悪いことは答弁を避けるようでは、議会の議論は成り立ちません。

【労働環境モニタリングという大切な手法】

 さて、少しは区のいいところもほめなくてはいけません。労働環境モニタリングについて詳しい資料をいただき質疑しました。国が労働規制の緩和を検討するなか、区が公務員だけでなく、民間委託先の労働者を守ることは大切です。社労士のモニタリングにより、地道に改善がなされていることに感謝します。また、さらなる改善も提案しましたので、検討いただければと思います。

 委託導入の指針も策定されました。安易な民間委託による低賃金や劣悪な労働環境を防ぐためにも、指針の活用を望みます。

 以上をもちまして、予算等に関する意見とします。令和8年度一般会計予算及び3特別会計予算案、議案22、35、36、37号には反対、そのほかの議案には賛成とします。

 終わりにあたりまして、今回の予算審議においても、多くの資料を整えていただき、また、様々な事業についてご教示くださった職員の皆様方に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

高市首相「台湾有事」発言等について質問しました(2025年第四回定例会一般質問)

 2025年11月26日、杉並区議会第四回定例会において一般質問しました。

 質問項目は 1. 区長の政治姿勢について(高市首相「台湾有事」発言についての見解) 2.阿佐ヶ谷のまちづくりについて 3.都市計画道路についてです。

 1.では、区長から「総理の発言が緊張をたかめ、日中間の対話、信頼、民間交流に影響を及ぼしかねないこと、区民生活にも影響を及ぼしかねないことを危惧している」というまっとうな答弁がありましたが、いっぽう、「集団的自衛権」および「今後の日中関係」については「国のことなので」と答弁を避けたのは残念でした。岸本区長だからこそ、はっきりと見解を述べてほしかったです。

(以下、質問原稿です。実際の発言とは異なるところがあります)

1. 区長の政治姿勢について

 一般質問をします。第一に区長の政治姿勢について、本日はいわゆる「台湾有事」をめぐる高市首相の発言に関して区長の見解を伺います。

【高市首相発言がひきおこした問題】

 先の国会において、高市首相が、台湾への武力攻撃が発生したら、わが国の存立危機事態にあたる、と述べたことが、当然ながら大問題となりました。

 存立危機事態とは「わが国と密接な関係にある他国への武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」と、10年前の2015年、安保法制に定められました。

 いうまでもなく、日本国憲法第9条には「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と戦争放棄が定められています。国民的な大反対運動にもかかわらず強行されたのが安保法制でした。当時、杉並区議会でも超党派の議員が共同して安保法制に反対する活動を行いました。その安保法制すら踏み越えたこのたびの首相の発言が、日中関係をいっきに険悪化させました。

【1972年共同声明を踏まえ発言撤回を】

 1972年日中共同声明において、日本は「台湾が中国の一部である」とする「中国の立場を十分理解、尊重し、ポツダム宣言第8項にもとづく立場を堅持する」と確認し、日中国交正常化がなされました。「1つの中国」の原則です。これをふまえればこの度の首相の発言は、中国への内政干渉であり、同時に日本の武力行使の可能性を拡大する、そして日本を戦争に導く大変危険なものであることはいうまでもありません。首相はこの発言を撤回すべきです。

 そこで伺いますが、区長は、今回の高市首相の発言をどのように受け止めているでしょうか。

 第一に、首相発言に対する区長の評価、感想を伺います。第二に、集団的自衛権に対する見解、第三に、今後の日中関係はどうあるべきか。以上3点について区長の答弁を求めます。(Q1―1)

【田中角栄元首相の覚悟】

 日中国交回復をなしとげた田中角栄元首相は、中国へ向かう日、生きて帰れないかもしれないと覚悟していたと娘の田中真紀子さんが回想しています。元首相は中国に対する侵略戦争により、どれだけの恨みを買っているかを知っていたからです。中国側もまた自国民の強い反感を知りながら賠償請求を放棄し、日本との友好を選択しました。こうした先人の努力があってこそ、わが国は隣国と平和的に共存してきたのです。そして今日、日本の経済は中国なくして成り立ちません。

 深くかかわりあう隣国をことさらに敵にまわすことは、亡国の道であり全く愚かなことだと指摘して次の質問にうつります。

2.阿佐ヶ谷のまちづくり

(1)あさがやまちづくりセッション

 次に阿佐ヶ谷のまちづくりについて質問します。

【150周年を迎えた杉一小を病院跡地へ移転】

 あさがやまちづくりセッション第8回が開催されました。テーマは「杉一小移転後の跡地活用のアイデアを考えよう」です。そもそも、150年の歴史を紡いできた現在地から、杉一小が病院跡地へ移転すること自体が誤りであることは一貫して指摘してきました。しかも、土壌の安全性が病院との関係であやしくなっています。火種をたくさん抱えつつ、ワークショップは開催されました。

【「駅前に森をつくりたい」の意見多数】

 傍聴していて意外と思えるほど多かった意見は「森を取り戻したい」というものでした。けやき屋敷の森の消滅が、住民の中に、大きな喪失感を残したことを改めて認識させられました。

 ある方は「私は少数派かと思っていたけれど、多くの方がみどりを求めていると知りうれしかった」という趣旨の発言をされ、別の方は「森をつくり、森の中に文化施設、集会施設が点在しているイメージ」を提案されていました。

【けやきプール廃止の喪失感】

 また「けやきプールがなくなったので、かわりのプールをつくってほしい」との意見も複数みられたことは印象的でした。行政が住民の意見を聞かず一方的に計画を進め、阿佐ヶ谷のまちが変わってしまったことに対し、これからでも埋め合わせる必要があります。

 いっぽう、阿佐ヶ谷には初めて来たという人もいましたが、全体として、これまでのまちづくりセッションと比べ、大変熱心に意見交換されている姿に感銘を受けました。

 区は、第8回あさがやまちづくりセッションにおける参加者の主な意見、関心のありよう等について、どのように受け止めたでしょうか。また、今後、これらの意見はどのように活用されるのかについても伺います。(Q2-1)

【けやき屋敷にかわる緑は】

 みどりについての議論の中で、区の担当者が「北東地区の計画では沿道緑化などで、緑被率は現在よりも高くなる予定」と説明されているシーンがありました。しかし、こうした場合、扱いやすい栽培種の中低木や芝生、さらには建物の屋上・壁面緑化などで数字を確保することになりがちです。

 伐採されたけやき屋敷は400年続いた森ともいわれ、鎌倉古道が通っていることを考えると、もしかしたら1000年以上の土壌がそこにはあったのではないかという指摘もあります。その区域に再生するみどりは、在来の生物相に配慮したものでなくてはなりません。

 先の決算特別委員会では区のすぐれた事業である自然環境調査をとりあげました。区は阿佐ヶ谷駅北東地区において周辺を含む生物多様性を尊重し、特に植栽においては既存樹木・土壌をできるだけ保全すること、および新植の際は在来種を優先すべきと考えるがいかがか。見解を求めます。(Q2-2)

【阿佐ヶ谷駅前開発は説明不足】

 会のあと参加者のおひとりから「なぜ杉一小が移転するのか経緯を知りたい。土地交換比率の意味も説明してほしい」と私にご連絡があり、数人の会合でお話しさせていただきました。区議会ではさんざん議論してきたつもりでしたが、阿佐ヶ谷地域の人にさえ、経緯は驚くほど知られていないし、A街区の活用、を話し合う前提となる、区からの説明が不足していると感じました。

 土地利用を議論するのに、地区計画や容積率、高さ制限などの建築制限の説明も不十分、民間地権者との共同建築になる場合の手法の説明もなく、また、模型が展示してありましたが、これを活用して建物の高さイメージを説明するなど、もっといろいろできたはずだと思います。

【単発ではなく継続的な話し合いの場を】

 また別の参加者の方も私に個人的に意見を伝えてくださり、話し合いを北東地区に限定せず、北口バスロータリーや駅西側の商店街など北口全体の整備を考えるべきではないかというご意見、また、現地見学をしたいという意欲的なご意見もいただきました。この方たちの熱意を、ぜひまちづくりに活かすべきです。そのためには、今回の参加者に今後もご意見を聞いてはいかがか。また、今後、あらためて阿佐ヶ谷駅周辺のまちづくりを考えるため、これまでのまちづくりセッションのように単発で、メンバーが毎回入れ替わるやり方ではなく、まちづくりを話し合う継続的な場、それこそデザイン会議のような場をつくってはいかがでしょうか。区の見解を伺います。(Q2-3)

(2)河北病院跡地問題

 次に河北病院跡地問題など、区画整理について質問します。

 5月から続いている河北病院との交渉はいまだに解決していないとのことです。このままだと杉一小移転はますます遅れます。区は3月までに結論を出したいとの意向ですが、病院は新施設も完成し、今後の事業が遅れても不利益がありません。合意しないまま引き延ばされ、さらに無為に時間が過ぎていくとすれば迷惑な話です。

【何よりも心配な土壌汚染】

 何よりも心配なのは土壌汚染です。河北病院は改築・増築を繰り返してきた履歴もあり、環境規制のゆるかった時代に解体された建物のガラが必ず残っていると思われます。杉一小改築検討懇談会でも委員の方から「昔、建替え工事のときに見ていたが、ごみでもなんでも放り込んで埋めていた」との指摘がありました。

 施行者会の届け出書添付資料を見ると、明記されている建物の解体は1956年から1975年であるようですが、区は河北病院旧施設の建築工事の履歴について概略どのように把握しているか、説明を求めます。(Q2-4)

【「病院が法令以上の汚染対策をする」はずが】

 これまで区は土壌汚染調査、除去にかんして、例えば「これまでの質問に対する区の見解」(以下、FAQといいます)において

「協定及び関係法令にもとづき汚染土壌を単に封じこめるのではなく、病院の責任と経費負担により、汚染土の掘削による除去及び埋め戻し、整地を実施します。この方法は、法令上の義務を果たす以上の対応となり、杉並第一小学校をC街区に建設する時には、土壌の汚染は除去されており、安全に小学校を利用できることになります」

とまで見栄を切っていたのですが、今般病院は「そんな合意はしていない」と言っています。FAQの記述はなんだったのでしょう。

 民間と共同の土地区画整理という手法を選ぶ前に、区はこのような事態が生じるリスクを冷静に検討しておくべきでした。

【不十分な汚染調査】

 土壌汚染については、病院からの詳細な報告書がまだ公開されておらず、病院が行った8月の近隣説明会の速報資料によるほかありません。

 まず、アスベストです。資料では、アスベストが使われているとのことですが、地下部分の取り扱いが決まっていないため、地下室等のアスベスト情報は明らかになっていません。アスベストの調査、及び、その除去作業と費用負担について、区と病院は現在それぞれどのように認識しているのでしょうか。(Q2-5)

【森友学園の土壌調査と比べ】

 地中残置物といえば、先日、大阪航空局所有の豊中市の土地の土壌汚染調査の結果が発表されたと報道されました。森友学園問題で注目された土地です。敷地面積は杉一小移転予定地より3割ほど広い8770平米で、ホームページ上の報告書を見ると、10mメッシュごとに、しかも区画の中心と4隅の計5点を基本にボーリングを行い、79地点を調査、うち66地点に埋設物が確認されたとのことです。一方、河北病院の調査は、基本30mメッシュで、調査ポイント数は大阪航空局の土地の3分の1の20数カ所です。

 また掘削深度では、大阪航空局は「地山が確認されるまで」として、最高4mの深さまで掘っていますが、河北病院の資料では、重金属類の調査は表土のみとのことなので深さ50cm程度です。もちろん地山には至っていません。

【過去の建物の残留物は】

 つまり、大阪航空局の調査と比べ、河北病院の調査はかなり表層的な調査であると考えます。

 また、前にも述べたように、現在病院の顧問である吉田順之氏は杉並区副区長時代の2019年には、私の質問に対する答弁で、10mメッシュでまず1m掘る、そこで汚染が出てくればさらに掘ると説明されていますが、この説明とも齟齬があります。病院側の調査は全く不十分と考えるが、区の見解はいかがか伺います。

 また、病院創業以来の建物解体ガラ、及び、レントゲン施設に関連する放射能、さらに、注射針やガラス破片等、土壌汚染対策法上義務づけのない危険物の調査及び除去についても、区は先のFAQのとおりの実行を病院に対し求めるべきと考えるがいかがか、見解を求めます。(Q2-6)

【河北病院側が出水、地盤沈下の事実を表明】 

 病院の申し出により生じた大きな問題のもう一つは土地評価です。仮換地の土地評価を見直すべきと指摘すると、区は、病院が地中残置物を除去しその費用を負担すれば帳尻があうので見直す必要がないと主張しますが、この事業は土地区画整理の仮換地で土地の将来価値を指数ではかっており、現在価値での売買とは事情が違います。

 地中残置物の地価に対するマイナス評価は当然のこと、さらに、河北病院側は「当該地においては地下水が出やすいことは新病院の建設でも地下水が出た点からも明らか」「現病院の敷地内では一部沈下現象が見られる」などと指摘しています。地盤の軟弱さ、地盤沈下、出水可能性等は仮換地に考慮されていない「新たな事実」の暴露であり、これにもとづいて、仮換地の土地評価については再計算することが必要と考えるがいかがか、見解を求めます。(Q2-7)

【土地交換比率の見直しが必要】

 もともと3倍の価値のある土地を、約1.5倍の評価で仮換地が設計されていることに対し、私はこれまでも何度も「区民共有の財産を毀損する行為」であると指摘してきました。また、区内会計士さんの試算でも区は少なく見積もっても35億円の損をしているとの数字が出されたこともありますが、区は検討しようともしませんでした。

 しかし、今回、河北病院の主張により明らかになった軟弱地盤について、これまで加味されていない要素が明らかになりました。A街区とC街区の地価はさらに4倍程度の格差があっても不思議ではないと思われます。

 なお、浸水については画地評価計算に入っているというのが区の説明ですが、1:0.98とたった2%の差しかなく、これも含めて見直しは必須と考えます。

【3者協定は見直し可能】

 さて、仮換地も含めた区画整理事業は3者の協定にもとづいています。区は、一昨年の「振り返る会」において、「協定変更すれば、重大な違法行為に当たる」「損害賠償請求」「金銭補償などの大きな負担」といったとおどろおどろしい文言を切り取って、さんざん脅し文句を並べました。ところが、現実にはスケジュール変更や土地の買収などにより事業計画も協定も変更されてきました。

 そこで、あらためて、施行協定は施行者3者間の合意および他の地権者の同意により変更できることを確認します。その場合、例えば、換地計画、土地の活用方法、環境確保の責任および費用負担等についても一般論としては変更可能であることを確認します。見解を求めます。(Q2-9)

3.都市計画道路

 次に都市計画道路について伺います。

 先日の都市計画審議会において、第四次優先整備路線について、区として132号線、215号線、227号線の3路線の中から都へ回答する旨、口頭で示されました。そこでまず、これらを選定した根拠を伺います。(Q3-1)

【優先整備路線選定の条件が非公開】

 区は、東京都が中間まとめで公表した6項目の選定項目のほか、独自に25の指標による検証評価を行ったうえで、上位20の区間を候補路線として選定しましたが、そのことを区民むけのオープンハウスで公表しなかったことは、先の第三回定例会の一般質問でも明らかにしたところです。都合の悪い情報を隠すのは問題です。

 優先整備路線選定においては、さらに東京都から詳細な項目が示され、これをふまえて区の意思決定がなされたとのことですが、その詳細な項目については都のルールにより公開されていません。そして、第四次計画に準じれば、今回の第五次計画においてもこの詳細な項目は非開示となる可能性が高いとのことで驚きました。都の情報がブラックボックスになっており、結局、都民には選定された理由がわからない仕組みになっています。

【都も区も説明責任を果たさない】

 都は説明責任を果たしていません。区として都に対して基準の公表を求めるべきと考えるがいかがか。(Q3-2)

 都の情報が公開されなければ、区もまた説明責任を果たせない点では同罪です。区長は「フィアレスシティ」という大変魅力的なワードをかかげて当選されました。東京都を恐れないフィアレスな対応が求められていると思います。

【区独自の効果検証の問題点】

 また、区民からは、効果検証項目は整備のメリットばかりで、デメリットはどう評価するのか、マイナス点をつけられるようにすべきとのご意見がいくつも出ていました。そればかりでなく、検証項目自体や配点にも不自然なものがいくつも見られ、点数が上乗せされています。いわば一種の粉飾です。

【緑地を横切る道路が評価されるのか】

 いま、それをすべて指摘する時間はありませんが、たとえば、昨年度の都市計画道路に関する庁内専門部会でも、指標22「市街地の形成」については「まちづくり計画等に位置づけられていることによる加点は、計画されている都計道が先にあるから、まちづくり計画のっているのであって、それをもって加点されるのは違う」との意見がありました。つまり因果が逆転している。適正な指標とは思えません。

 また、指標9「緑豊かな都市空間の創設」については、「河川沿いに広がる住宅地に都計道が横断するとなぜ加点されるのか」などの意見が出ていましたが、評価は変わっていません。

【善福寺川緑地と重なる都市計画道路】 

 緑に関しては、指標24で「他都市計画との重複があり調整が必要」な路線として、善福寺川緑地との交差がある133号線、215号線に該当のマイナスポイントがついています。このような、緑地を分断する計画じたいそもそも間違っていると思いますが、少なくとも計画重複の調整においては、緑地公園が削除されることのないよう、都市計画道路の変更で対応すべきと考えますが区の見解はいかがか。(Q3-3)

【「読書の森公園」をなくす215号線】

 なお、今回の都計審で新たな優先整備候補として名前の上がった215号線については第三回定例会でも指摘したように、区立中央図書館隣接の読書の森公園も道路の一部となり、かつ、現道のない住宅地に計画されているところから環境に与える影響が甚大です。しかも、この道路の北側につながる中野区の区間は第四次計画の15の選定項目に1つもマルがつかずに廃止の検討対象となった路線です。道路ネットワークにおいても整備の必要性は極めて低いものと指摘します。

(2)区長公約とデザイン会議

 次に、デザイン会議について述べます。

 3年前の区長選挙の大きな争点の1つは都市計画道路でした。立ち退きの対象になっている商店などの強い思いを受けて岸本区長が当選、さとことブレストなどの取り組みに大きな期待が寄せられました。まとめのシンポジウムで、区長がデザイン会議の告知をしたことも、さらに期待を高めました。

【道路の賛否はいえない?】

 しかし、デザイン会議が始まってみると「道路の賛否を議論する場ではない」と度々区から指摘されるようになりました。地権者や関係する区民からは疑問の声が上がっています。

 昨年6月の(仮称)デザイン会議はじまりの会で、区長はビデオメッセージを寄せ「この会議の大きな目的は、自分たちの地域のことは、自分たちが関わり、将来にわたって責任をもって自分たちで決めていくという『住民自治の実現』です」と述べました。自分たちで決める、と、道路の賛否は議論しない、はどう考えても矛盾していると思います。

【世田谷区の「デザイン会議」は路線変更も】

 区がモデルとした世田谷区のデザイン会議では、議論の末、都市計画道路の路線変更を行った例もありました。

 杉並区のデザイン会議も、都市計画変更あるいは廃止も含め、道路についての議論を排除すべきではないと考えるが、いかがか。(Q3-4)

 まさに生活の根幹にかかわる都市計画道路についてこそ、限定されたかっこつきの「自治」ではなく、文字通り主権者が自分たちで決める自治が求められているのではないでしょうか。

【道路の賛否は住民の選択】

 最後に個別路線について述べます。まず高円寺の227号線についてです。この路線はもう30年以上も議論になってきた歴史があります。

 1996年、都市計画マスタープランが初めてつくられる際のシンポジウムでのエッセイストの方の発言は忘れることができません。227号線について、防災の問題があるとしても、それでも今のまちがよいとするかどうかは、地域の人たちの選択だという趣旨のご発言でした。これこそが住民自治ではないでしょうか。

【高円寺の道路反対に多数の署名】

 先週、227号線整備に反対する署名約5000筆が区長に提出されました。ネット署名が開始されてわずか2晩にしてこれだけの数が集まり、現在はすでに1万筆を超えています。227号線は優先整備路線からはずすべきと考えますが、いかがか。見解を求めます。

【「再開発の危機」はデマではない】

 なお、署名に「再開発の危機」という言葉が使われていることから、一部に「杉並区が再開発を推進しているかのようなデマを用いて煽っている」という否定的見解が出回っているそうですが、都市計画道路が再開発に直結することは、たとえば板橋大山ハッピーロード商店街を貫く都市計画道路にすでにタワマン建設が始まっている例を見ればわかるとおりで、署名を提起した方々の危機感は全く正当なものです。

【133号線は賛否を語れる会議体を】

 次に133号線ですが、地権者らからは9月、区長に対し計画凍結等の要望が提出されました。都施行の道路であり、これは区長が東京都に見直しを求めるべきと考えますがいかがか。見解を求めます。(Q3-5)

 133号線の話し合いには私も同席しましたが、地権者の皆さんの切実な訴えに対し、住民が妨害して会議が開けないかのような区側の認識とは隔たりを感じました。

 事業化された132号線、221号線の抱える課題と、まだ事業化されていない133号線の課題は全く違います。デザイン会議では道路についての賛否を語れないというのなら、少なくとも133号線に関してはデザイン会議ではなく、道路について話し合う別の会議体にすることがふさわしいのではないか、そのことを最後に提案して質問を終わります。