2回目の質問は、地域区民センターの民間委託とあんさんぶる荻窪の財産交換をまねいたそもそもの文書が3年で処分されていた問題です。(この件については、「荻窪税務署建て替え凍結」要望書の存在隠蔽か/2014年3月7日予算委で企画課長が不可解答弁 – スギナミジャーナルに詳しいです。あ、ちょうど2年前の同じ日の予算特別委員会ですね。全然偶然ですが。)
【地域区民センター】
(松尾)高円寺の地域区民センターについて、かつて委託先事業者の倒産で賃金不払いという不祥事を起こしている。また、現在の事業者も、個人的な問題とはいえ、契約期間中に担当者が重大犯罪を犯したと報道された。今年もまた別の業者に変わるが、この事業者は以前同じ高円寺を受託した実績がある。委託開始にあたってトラブルを起こしているが知っているか。
(堀川地域課長)トラブルについては承知していない。いろいろな観点から簡易型評価方式でしっかり運営ができる事業者と判断した。
(松尾)6年前に、この事業者が初めて受託したとき、職員を半分入れ替えるとか、再委託先業者の突然の入れ替えを提案して、現場に大変混乱を招いた。今回もそのようなことがないかと現場は戦々恐々。事業者まかせにせず、区として責任をもって、職員の雇用継続をふくめスムーズな引継ぎができるよう指導していただきたいが、いかがか。
(堀川地域課長)事業の円滑な継続を中心に考えてまいりたい。事業者とはしっかり話し合っていきたい。
(松尾)委託とはいえ、区の顔である施設を担っている人たち。労働条件も含めしっかりやていただきたい。現在のここのパートの時給はご存じか。
(堀川地域課長)いますぐにはわからないが。もちろん最低賃金は上回っている。
(松尾)907円という最低賃金。同じ区の仕事をしている区のパート、同じ施設の中にいる、そことの格差が大変大きい。もう少しあげてもいいんじゃないかとの声がある。事業者にも話をしているそうだが、事業者だけでなく、区もしっかり対応してほしい。昨年は予約システムの変更もあり、職員には大変な負担になっていた。何も知らない人がぽっと入ってすぐにできる仕事ではない。最低賃金はあんまりだ。賃金の引き上げについての見解をうかがう。
(堀川地域課長)あくまでも雇用関係なので、事業者と雇用されている人の関係だが、区のほうも待っているだけでなく話し合い等はしっかり見ていきたい。
【あんさんぶる荻窪の交換は等価交換ではない】
(松尾)先日の部長の答弁を聞いていると、よくわかっていただけなかったようなので、もう1回いうが、等価交換じゃないという話。
財産どうしは等価で交換される。足りなければ金銭で埋めるとなっているが、その外側に税務署の移転という条件がついてるから、いうなれば、負担つきの等価交換ということ。
税務署が現在あるところを、むりやり全部使いたいというんだから、こちらで移転してもらわなくてはならない。税務署が建て替えて余った土地を使えばいいのに、どうしても全部使いたいということでそういう形になった。
そこまでお金を出しても6300平米がもらえるんだからいいじゃないかという考えもあると思う。しかし、このかんも指摘されているように、学校の跡地のほうがもっと広くて使える。税務署の移転の面倒まで区がどうしてもやらなければならないのかという疑問が残っている。
【あんさんぶる荻窪財産交換の起点となった文書の管理】
(松尾)というわけで、関連して文書管理についてうかがう。平成25年9月30日付であんさんぶるの交換について区長から申し入れた文書の分類はどうなっているか。
(松沢企画課長)「法制・行政手続・重要、緊急文書関係という文書分類。
(松尾)保存年限は?
(松沢企画課長)長期保存。
(松尾)一方、22年12月30日の区長要望書の文書分類は
(松沢企画課長)先だって他の委員に答えたとおり。
(松尾)答えてください。
(松沢企画課長)3年。
(松尾)分類。
(松沢企画課長)意見・要望。
(松尾)25年9月の文書を起案したときの担当課長は、現政策経営部長の白垣さんだが、当時の判断、なぜ長期保存としたのか。
(松沢企画課長)具体的な財産交換の提案、具体的な候補地を記載したうえで提案したものであり、国税局長あて、長期という判断をした。
(松尾)当事者である白垣部長の意見を聞きたい。
(白垣政策経営部長)企画課長の答弁のとおり。
(松尾)22年文書は3年保存になっているが、私も知らなかったが「法制・行政手続き…」という長期保存のカテゴリーがある。
総財の議論では「どっちにしろ3年保存で問題ない」との答弁だった。しかし、私も後から知ったが、25年の文書が長期保存となっている。そういったカテゴリーになぜ22年の際に入れなかったのかは大きな疑問。
(松沢企画課長)当時においては、意見・要望、国、都に対する要望についても3年で取扱いしていた。適正な管理であったかについては反省すべき点があり、今後、適正な文書管理をはかっていきたい。
(松尾)そうすると、今後同様の事案が出てきた際には長期保存にされると理解してよいか。
(松沢企画課長)どういったものか判断できかねるが、今回の財産交換のようなものについては長期保存に該当する。
(松尾)財産交換にかぎらず、国、都に対して財産の購入、売買について提案する、けっこう難しい案件などは長期に保存されるということでよいか。
(松沢企画課長)事案により判断するが、適正な管理に努める。
(松尾)あらためて22年の文書を3年保存にしていた、2つのカテゴリーがあって、どっちにしても3年保存だった、とおっしゃったが、実は長期保存のカテゴリーがあって、どうしてそこに入れなかったのか、いま縷々おっしゃったが、今回の財産交換の提案と同等かもっと重たい提案だと思う。そもそも税務署がやろうとしていた建て替えを止めることを国に提案しているのだから重大な事案であったと思う、本来なら長期保存であるべきだった。
(田中区長)いまふりかえってみればつながっている、ということでそういう見方がされていると思う。これまで、答弁させていただいたが、当時は私は就任直後で、いろんな課題があるなかで、公有地の活用は非常に大事な課題だという認識のもとに、国や東京都や区の持っている公有地の活用については縦割りではなく連携しながら区民の福祉の向上につながる最もよい方法を追求する姿勢をもつべきとの考えのもと、あの用地については広大な用地なので、単に一館建て替え方式で税務署を建て替えさせてしまうのはもったいないことだと。しかも杉並税務署においては都市計画道路の線上にあり、同じ年に建てられた税務署が順次そこで建て替えを行うことが現実にできない。そこはお互いに知恵を出し合う必要があるということで国に、ちょっと待ったという申し入れをした。
その当時、職員の意識として、それが今日このようにつながってくる、財産交換になるというはっきりしたイメージをもっていない。単にもったいないから、ちょっと待ってくれということを申し上げ、それに対し、財務省の中にもいろいろ意見があった。建て替えたいといってきた財務省の人もいた。それに対して、あなたの立場もわかるが、消費増税等国民に負担を求める立場の財務省が、自分のところの建て替えについて、単に自分のところの利害で進めるのは違和感を持つよといって帰したこともある。
そういういろんなやりとりの中で、採取的に財務省本体としては、区長のいうことも一理あると理解していただいて、協力しましょうという判断を示していただいた。そういうやりとりの中で、形として区から建て替えを止めてほしいという要望を示してほしいということがあった。それに基づいて作成したのがあの文書。私も当然目を通したはず。それで出した。それが最終的にはこの財産交換につながってきているが、当時は、とりあえず建て替えをやめるという手続きの中で出した文書であって、それは当時の位置づけとしては国に対する要望というカテゴリーにおさまるもの。
そこに何か意図があって、3年であえて廃棄をしたとか、何か裏があるんじゃないかとか、某党のせんさく好きの人たちの書いているストーリーのような感覚で受け止めてやりとりしてもかみ合わないのは無理もない。そういうことで、財産交換なんていう具体的なことがあったわけじゃない。だから、3年の期限でファイルしてそれが3年たったら廃棄をされたという、単純な事務処理の話だと思う。そこは、ウソでも、隠すでもなんでもなく、事務処理でそうなったにすぎない。
私だって本会議で誰かが言って初めて3年で廃棄してたんだということを知ったくらいで、もし隠すということであれば、私が、廃棄しとけということを言って組織的に廃棄してたということになっていれば、何か意図があって隠したということになるが、全然そういう意図はない。そこは素直に私の言っていることを信頼していただきたい。