わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

科学館の廃止を可決 文教委員会

 11月30日に開かれた杉並区議会文教委員会では、科学館の廃止、区立6図書館の指定管理、および高円寺地域小中一貫校(高円寺中、杉四小、杉八小統合)反対の陳情などが審議されました。
 私は科学館の廃止、図書館の指定管理などに反対、陳情は採択すべきとの意見を述べました。関連する質疑とともに掲載します。
<杉並区立科学館について>
◎科学館の業績について
(松尾)各学会からやめないでくれという声が上がるくらい高い評価を受けている科学館の業績、功績についてはどう評価しているのか。また、新しい事業、出前型・ネットワーク型については、楽しかった、アンケートでも好評という結果だが、問題点もあると思う。どちらもいい面もあり悪い面もある。変えていかなければいけない面もある。いま質疑を聞いていると、科学館はいろいろ問題点があったということばかりが強調され、新しい事業はとてもすばらしかった、うまくいっているということばかりが聞こえる。両面を見て評価をしていただけるとよいと思うが、どのような認識か。
生涯学習推進課長)科学館は科学教育センターとしての45年以上の歴史を刻んできた。多くの小中学生の教育、区民の科学的関心を支えてきた。科学館がなくなっておしまいということではなく、継承・発展させていくのが今の取り組みであり、今後の新たな拠点づくりと考えている。
◎次世代型科学拠点の内容検討が不足
(松尾)次世代型科学の拠点についての報告書について質問する。事業者「丹青社」(報告書を作成)はどういう会社か。
生涯学習推進課長)同社は国や自治体の科学教育についての計画策定、調査研究、施設の活用業務についての実績があり、豊富な経験を有する。
(松尾)丹青社のホームページを見たが、「商業空間、パブリック空間、ホスピタリティ空間」など空間デザインや調査研究をする会社。たしかに博物館なども手掛けてはいるが、博物館の内容というよりは、施設のありかたや展示の仕方などの専門家。この報告書を見ても、専門家にヒアリングをしたという記述はあるが、どういった内容、最新の科学の知見として何が必要、といった言及がない。今後、区として専門家、学校現場の先生方、公募区民なども交えた形での検討が必要と感じた。
 報告書の中で、3名の専門家に意見を聞いたことになっているが、3名がそれぞれの立場から、専門家としての責任ある発言を提示されているとは受け取れない。それから洪さんという東京大学の方は丹青社の社員であるようだが。
生涯学習推進課長)現在籍をおいている場所が東京大学の総合研究博物館。国内初の産業連携ミュージアムシンクタンク
◎科学館と今年の事業の比較
(松尾)展示の内容、科学の分野については検討されておらず、施設のありかたに重点をおいた報告書となっている。学識の方の意見が不足している。また、学校分野についても、何人に聴取したのか、系統的なアンケートなどが不足しているので、今後調査を継続していただきたい。関連して、これまでの科学館と、今年の新しい事業の回数、日数が書かれているが、現時点での参加者の人数等がわかればお聞きする。
生涯学習推進課長)科学博覧会2328人、移動式プラネタリウム2600人、観望会1300人、ワークショップ170人、中学生フューチャーサイエンスクラブ95人、すぎなみサイエンスフェスタ1000人、科学講演会60人、杉並名寄中継講演会250人。合計7803名。
(松尾)一昨年25年度の数字で、生涯学習のうち子どもたちの理科教室をのぞいて約1万人、回数にして168回が行われている。今年と比べて遜色のない事業を拠点型の科学館でもやっていたと認識している。また、当時、科学館から派遣、出張というかたちで19回、1800名近くの方が参加という実績がある。必ずしも拠点型で身近な地域に出向いていなかったかというとそうではない。次に、子どもたちのフューチャーサイエンスクラブに対し、これまで小中学生の夏休みの科学教室、通年の科学教室がさまざまな分野にわたって行われていた。これらの受講人数は。
◎子どもたちの科学教室、小柴博士の展示
生涯学習推進課長)フューチャーサイエンスクラブ95名。26年度は小中学生288名。
(松尾)フューチャーサイエンスクラブはのべ人数で400人。一昨年の科学館の実績では、夏休み小学生科学教室358人、中学生が245人。全期通したものを合わせて2000人以上が参加したという実績がある。今後とも、科学館と遜色ないものにしてほしい。
 小柴さんの展示。カミオカンデの部品があることは素晴らしいことで、今朝も東京新聞で梶田先生がカミオカンデの部品をスウェーデンに寄付するという記事があった。雑誌(一般向けの天文雑誌「星ナビ」12月号)にも杉並区の科学館に部品があるということが紹介されている。せっかく展示があるので、来館は自由ということになっているが、あれだけみてもなかなかわからないので、説明員をつけて宣伝するなどを希望する。
生涯学習推進課長)小柴さんの展示については、移動式にリニューアルして、新たな研究成果や梶田先生の研究なども加えてリニューアルするため相談を進めている。ニュートリノの世界は難解な部分があるので、このような展示にあわせて展示解説もやっていきたい。
(松尾)新たな拠点がどこにできるのか、跡地がどうなるのか。井荻のまちづくり協議会で意見として、井草の中継所跡地が使われていない、比較的新しい施設、機械もあり「工場萌え」で見に来る人もいるのではないか、科学の拠点に利用してはどうかという意見がある。報告書にも「駅近」という表現があるが、駅は中央線ばかりではない。井荻の駅から近いので、検討していただきたい。
教育委員会事務局次長)区全体の再編の中で検討する。
◎◎科学館廃止に反対する意見◎◎
 科学館は1969年に開館。もともと小中学校の先生たちが、子どもたちの科学教室を行っていたことがベースとなってつくられたというふうにうかがっています。地域の方は「あそこはうちの土地だった。親父は売りたくなかったが、杉並区の方が、子どもたちのためだからと何度も熱心に訪ねてこられたので土地を提供したんだ」と発言しておられました。私はそれを説明会でききました。50年ほど前に断腸の思いで、しかし、子どもたちのためだからと土地を提供してくださった方のおかげで科学教育センターをつくることができました。それが区の財産になったからということで一方的に処分されるのは残念なことだと思います。
 例えば日本天文学会からも、廃止は思いとどまることができないかという要望が出されています。その中では「地域住民と児童生徒のための科学教育施設の嚆矢である。」「よい意味で保守的な学校支援を続ける一方で学究的な講座なども展開をし、他の施設とは一線を画しているもの」と高く評価をいただいておりました。こうした外部の声、専門家の皆さんには、私たちが思っている以上に評価されてきたんだということがわかりました。多くの研究者を輩出した施設でもありまして、杉並区民としての誇りある施設であると思っておりますので、私はこの施設の廃止には反対いたします。
 また、これまでの杉並区の方針である、2007年に出された科学館の構想懇談会の提言というのがございます。その中で、今後とも社会教育の部門を充実させていくとともに、科学館の建て替え、充実について言及されていますが、こうした方針と、現在の方針との転換がどこで行われたのか、私にはよくわかりません。これは、これまで一般質問等で申し上げましたので、今日は質問しませんでしたが、そういった問題点もあると思います。
 また、区民の中にも根強い反対の声がございます。施設再編のパブコメでは280人・団体の中で60件の方が科学館の廃止に反対という意見を書きこまれています。議会にも現在陳情が出ています。署名は1600人余りということです。その一方、科学館の利用者、地域への公開の説明会というのはまだ行われていないという現実があります。区民の理解は不十分、周知も不十分というふうに思っております。また、科学館廃止の理由として老朽化、バリアフリーの問題ということがあげられていますが、現地で縮小建て替えなども考えられ、科学館そのものを条例上廃止することにはつながらないと考えます。
 最後に、質疑の中で解明したことでございますが、新しい科学の拠点についての報告書も、外形的な部分、展示の内容、施設のありかたについては一定の見解が示されていますが、その科学的内容については検討はこれからだというふうに思いますので、今後専門家、区民をまじえた検討が必要になっていくと思います。こうしたことを踏まえて、本議案に対しては反対の意見を表明します。

区立図書館6館の指定管理に反対しました

<図書館の指定管理について>
◎指定管理の図書館の割合は
(松尾)現在指定管理者を導入している図書館がどれくらいあるか。今朝も新聞に見開きで図書館の指定管理の記事が出ており、それによると全国3200館のうち400館以上が指定管理になっているという記事があった。23区の場合には、どのくらいの区が導入しているか。
(中央図書館次長)228館のうち直営が91、委託が35、指定管理が100。
(松尾)けっこう指定管理が多い。全国でみると15%くらいだが東京では半分くらい。都市部は受託者のメリットもあるのかと思う。ところで、今回の選定に関して、今回2社ずつの応札だったということだが、受託した3社以外にも応札した会社はあるか。
(中央図書館次長)全部で6社でうち3社に決定。
◎図書の選定、購入は
(松尾)選書のありかた、購入のありかたはどうなているか。指定管理で違っているところがあるのか。
(中央図書館次長)選書は、毎週中央図書館で選定会を開き、どういう図書を収集するか、指定管理館の担当者も含めて決定している。
(松尾)購入先等は、特殊な本に関しては、とか、組合に対してとか、配慮、これまでの経緯などもあると思うが。
(中央図書館次長)東京都書店商業組合杉並支部、図書流通センターほか。
(松尾)購入先によっての分担などはどうか。
(中央図書館次長)みはからい本は書店組合杉並支部から購入している。
◎指定管理の待遇、時給は
(松尾)雇用の問題、待遇の問題について。働いている人の待遇、時給、給料などは把握しているか。いくらぐらいか。
(中央図書館次長)個別には把握していない。労働法令順守、最低賃金以上であるかはチェックしている。
(松尾)ネットで調べて、今回の3つの企業についての求人情報を見たところ、910円、920円、930円と出ていた。最低賃金が907円で、もちろん法令は守っているわけだが、専門性の必要な業務でもあり、人材確保という面からすると安い。知り合いの息子さんが、指定管理の会社に入り杉並の図書館で働いていたが、業務が多いわりに賃金が安く、自立して生活することが難しい。会社のほうから雇用を切らなくても、もうちょっと待遇のいい職場に変わるとか、せっかくの人材が流出してしまうということもあるのではないか。そういった点について、選定にあたって事業者との間にコミュニケーションがあったのか。
(中央図書館次長)提案のなかで、雇用状況についても、長期的雇用の提案内容をいただいている。
◎◎図書館の指定管理に反対する意見◎◎
 これまでにもいろんなところで述べてまいりましたが、図書館の民間委託、指定管理は本来望ましくないと考えています。また、本来専門職として遇されるべき、図書館の職員が先ほど申しましたような低賃金で図書館が官製ワーキングプアを生み出しているという点にも大変大きな問題があると考えます。
 今回議題として提出された6館について指定管理を導入された際には図書館協議会、区民、利用者、および職員組合から強い懸念が示されたことを覚えていらっしゃると思います。
 国においては、かつて文科大臣が国会において、「公立図書館への指定管理者の導入は長期的視野にたった運営が難しくなり、なじまない」と答弁をして、また、国会の付帯決議において「指定管理者の導入による弊害について十分に配慮して適切な管理運営体制の構築をめざすこと」などと述べられた経緯もあります。また、2010年には、当時の片山総務相が指定管理についての通達を出しまして、このことについて「公共図書館学校図書館は指定管理にはなじまない」という発言をされています。片山さんは鳥取県知事として先進的な図書館改革を行ってきた方です。
 他の自治体においても、東京都は例外として、全国的に見れば、指定管理というのはまだ少数派であって直営が圧倒的に多いと思います。23区においても、直営非常勤という形で司書採用を行ってきた荒川区の例ですとか、また、私どもが視察でうかがった、たとえば福山市の図書館も直営ということで多数の司書採用を行っているとうかがいました。杉並区も、私は非常勤が望ましいとは思いませんが、なんらかの形で司書採用を行って図書館のエキスパートを採用するように望みます。
 図書館は無料の貸本屋になってはいけないといわれます。経済的に現在、大変厳しく格差と貧困が問題になっている中で、市民の情報の拠点としての図書館をどう構築していくか、自治体の鼎の軽重が問われます。
 現在の指定管理の館、どの館も大変がんばっておられ、好評であるということについては、私も把握しております。しかし、今後、図書館サービス基本方針にそって、進化する図書館、図書館の進化を目指して新たな地平に、ワンランク上の杉並の図書館を築いていくためには、やはり公共の事業としての図書館が軸になっていくと思いますし、そのためには、民間の事業者さんにゆだねるのではなく、区が直営で行っていくことが望ましいと考え、今回の3議案には反対とさせていただきます。

高円寺地域小中一貫校(高円寺中・杉四小・杉八小の統合)計画について

<高円寺地域小中一貫校計画の廃止を求める陳情>
(松尾)杉八小はたしか単学級ということで再編の対象になったはずだが、杉四小より杉八小のほうが未就学の子どもが多いということで、今後、希望制が廃止されたことにより、そもそもの杉八の子どもが増えていき単学級でなくなるということがあるのか。
(学務課長)現時点では単学級がすぐに解消するとは考えていない。
(松尾)杉八小を統合していくこと自体がゆらいでくるのかと思う。設計について、陳情者も狭いとおっしゃっていたが、すでに小中一貫で出発した和泉学園と比べて敷地面積、校庭面積は。
(学校整備課長)敷地面積は、和泉学園が17800平米余、高円寺中学は11284平米。高円寺の校庭は現在の設計では4000平米くらい。和泉学園の校庭の有効面積は約5300平米。
(松尾)高円寺中はもともと狭いという印象の学校だが、それが3校統合でさらに校庭が狭くなるとうかがっているが、無理がある感じがする。たしか、懇談会の中でも一定の時期までは杉四小の校地も活用していくという議論があったように思うが、現在の案は高中の校地の中ですべてを完結する案。どうしてそういう考え方になったのか。小学校の校地もあるので、第二運動場として活用するなど考えられたのではないかと思うが。
(学校整備課長)懇談会を開いていくなかで、杉四小は子どもたちのために活用できないかという意見があった。しかし、新しい学校は高円寺中の中で完結するという考え方。
(松尾)もともとがそんなに広くない学校なので、そこに3校の機能を盛り込んでいくのは無理がある。環七を挟んでいるという問題があるが、距離的には近いので、杉四の活用は、統合を前提にすればだが、考えていく必要があるのではないか。
 陳情者の資料の中で、トラックがいっぱいいっぱいで、運動会のときに親や子どもたちの席がとれないんじゃないかという心配が書かれているが、どう考えるか。
済美教育センター指導主事)運動会だけでなく、各行事には狙いがある。小中いっしょに取り組んだほうが効果があると考えれば学校がとりくみ、そうでなければ、無理はしない。小中一貫教育は小中がいっしょに行事をすればいいというわけではない。分けた方が効果が高いという場合は、別に行動する。ただし、ある学年、たとえば高学年が中学のほうに参加する。中学生が小学校の運動会に参加するという工夫はされていくと考える。
(松尾)お聞きしているのは面積のこと。校庭が狭くなるという中で、拝見した図面ではトラックがいっぱいいっぱいに引かれている。これで運動会をやると観覧席はどこになるのか、という素朴な疑問。地域の方もおっしゃっていた。
(学校整備課長)設計図の案にトラックが書いてある。150mで書いてあるが、学校の校長先生、体育の教員のお話も聞いてこういった形でいいんじゃないかという話があった。それから、運動会のときに保護者の皆様がどうかということは学校のほうで考えて進めていただきたい。
(松尾)校舎についてうかがう。和泉学園の場合は、小中の校舎が別だが、この高円寺の場合はいっしょ。小中の動線の分離をどうするかという話で、小中の昇降口が隣り合っているが、そこでごちゃまぜになったりしないのか。
(学校整備課長)昇降口は分けてある。そこから分かれてそれぞれの教室へいく。
(松尾)隣り合った昇降口で、昇降口は別々だが、中に入るとホールでいっしょになる設計になっている。そこで小学生と中学生が混ざってしまうのでは。それから子どもたちは階段利用で上に上がると思うが、階段は別々の階段を使うことになっているのか。
(学校整備課長)それは実施設計の段階で決めていく。小学校の教員、中学校の教員に細かく話をききながら進めていく。設計思想としては、小学校と中学校が分かれたほうがいい部分はわかれる、交流したほうがいい部分は交流すると考えている。
(松尾)6階建てという提案で、上下動が大きいと思う。小学校低学年は2階に配置されている。プールは6階。その場合は、2階から6階まで徒歩で上がるんですね。
(学校整備課長)そのとおりです。
(松尾)その途中に中学校の階があるが、そこで小中が混ざったりしないか。逆に中学生が移動する場合にも低層階を利用するケースもあるかと思われる。
(学校整備課長)実施設計を進めていくなかで、一番安全な設計を進めていく。
(松尾)現在提案されているのは南側校舎、北側校庭となっている。校庭の日影が長いのではないか。
(学校整備課長)校舎が北側となると北側斜線の影響でグラウンド面積がさらに狭くなってしまうため、南側に配置し、なるべく広い校庭を確保した。
(松尾)北側の住宅への影響であまり高いものが建てられないということは理解する。だとすると、これだけのボリュームのものをこの敷地の中にいれるのが無理がある。
 統合校の中に学童クラブの部屋が設置されるが、高円寺北児童館、杉八小の児童館にも関係してくるのかと思うが。
(子どもの居場所づくり担当副参事)高円寺北学童、高円寺中央学童を学校内に入れる。
(松尾)児童館のほうはどういう形になるのか。
(子どもの居場所づくり担当副参事)今後、施設再編整備計画の次の再編にむけて考えていく。
(松尾)もうひとつ、高円寺北子ども園があると思うが、杉四小が統合校になってしまったあとも幼稚園は残っていくのか。
(学校整備課長)当該子ども園については、杉四小にのこる。
(松尾)いまは杉四小があるのでその中に複合で子供園があるが、そこが空っぽになって子ども園だけが残る形になるのか、なんらかの複合施設、あるいは子供園の移転を考えているのか。
(学校整備担当部長)子供園も、残置施設をどうするかも今後の検討。
◎◎陳情の採択を主張します◎◎
 質疑の中で、ひとつは施設の問題についていろいろとお尋ねしました。3校の統合ですけれども、高円寺中の敷地に3校の施設、児童生徒が一括して集合するという計画になっています。いろいろとご説明いただきましたが納得いくものではないと感じました。子どもたちの運動のスペース、あるいは小中学生の動線の分離などまだまだ大変課題の大きい計画であると思います。子どもの利益が第一にというふうにどうもなっていないと思われます。
 それに関連して第二に、これをどうしても3校を統合して小中一貫の学校にしなくてはならないという意義が認められないということです。施設的な面もそうですけれども、教育的な効果も、まだまだ小中一貫校は検証が不足していると思いますし、メリットもあるかとは思いますが、デメリットも部分も逆にあるかと思われます。中でも小学校の5、6年生、高学年の責任感や成長感はどうなのかというお話はこの委員会の中でも出てまいりましたけれども、そういった点からも危惧もございます。また、統廃合の根拠となっている、そもそも杉八小が単学級であるというところから始まったということでしたけれども、その点についても、今後の希望制の廃止という中では動向が変わってくる可能性もあることも勘案しますと拙速に進めない方がよいと考えます。
 第三に地域の方たちの意見が十分には聞かれていないように思います。今回署名が1000あまり出され、前期までにも署名は何度も提出されているとのことでした。また、陳情者のご説明ではパブリックコメントが70くらい出されまして、多くの方が反対、あるいは疑問があるというご意見だったこと。また、説明会でも参加された方の多くが疑問や反対の声を示されたということがありました。同じく陳情者のご発言の中で、地域の近隣の人も最近までこの計画を知らなかったなど、周知も不足しているのかなと。学校の関係者などにはたびたびお話をされていると思うが、近隣に対してはまだまだ周知も不足しているように思われ、改めて、重ねて拙速に進めないほうがよいと思いまして、私は陳情者の主張に共感するところから採択を主張いたします。