わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

第2回「杉並病」健康調査報告

本日、報告集会を終了しました。ご参加の皆様お疲れ様でした。町田・相模原の廃プラ施設反対運動の皆様がはるばる来てくださったのが感激でした。
町田市廃プラ対策協議会のHP
http://www.k5.dion.ne.jp/~plastic/
さて、「杉並病」健康調査アンケートでは、今回、がんや心臓病、喘息で重症の方が多いこと、また、若い人にも新しく転入してきた人の中にも症状が出ていることがわかりました。がんで近所の人が何人も亡くなっているという声もショッキングでした。被害者の斉藤さんは、植物が窒息したように枯れている様子、中継所の排気が白い煙のように写真に写っているところなど、写真を展示してくれました。同じ空気を吸っている私たちの体も、あのツタのように黒くしぼんで枯れていくのだろうか。報告書は1部100円で「杉並病をなくす市民連絡会」から頒布しています。近くHPにも掲載されますが、とりあえず概要は以下です。
第2回「杉並病」健康調査報告(概要)
①回答者のすがた
 なんらかの症状に○をつけた人(有症者とよぶ)は232名中195名。年齢分布は高齢者に偏っているということはなく、むしろ30歳代の人の回答が多いことが特徴で、「高齢による病気」というだけでは説明がつかない。
 回答地域では、上井草2丁目、井草3、4、5丁目の順に多い。上井草2丁目の回答が多いことがきわだっている。
 有症者の在住期間は10年以上(中継所開所前から)が94名、9年以内(開所以降)が77名で、公害等調整委員会の裁定において被害が認定されている期間よりもあとからの健康不調者が45%を占める。
②おもな症状
回答の多いもの:40名以上の回答があったものは、多い順に、肩こり(88名)、目が疲れやすい(81)、疲れやすい(72)、のどの痛み・渇き(69)、視力減退(56)、首のこわばり(55)、皮膚のかゆみ(53)、目がかゆい(50)、集中力低下(48)、目がかすむ(48)、皮膚がかさつく(46)、背中の痛み(44)、手足がつる(42)となっている。回答が多い症状は前回調査と共通するものが多く、2回の調査結果が偶然ではないことを示す。のどや鼻の不調、皮膚の症状、疲労感、また化学物質(環境ホルモン)の影響を示唆する症状が多い。
③発症時期
 居住期間にかかわらず、中継所開所の9年前(当時)以降の発症が圧倒的に多い。
④発症からの経過
 有症者の中では、「だんだんよくなっている」という人は圧倒的に少なく、5名に対して、「だんだんひどくなっている」34名、「変わらない」76名で計110名となっている。
⑤症状についての記述(「 」内は引用)
 鼻水やたん、風邪のような症状=「家族全員せき・たんがよく出る」「せきの出る日が多い」「家族中が鼻炎」「毎朝血たんが出る」「7、8年前から、いつも鼻水をかんでいる」…など、「いつもおかしい」「家じゅうがおかしい」の記述が複数。
 湿疹やアトピー=引っ越してきてから皮膚の症状が出た子ども、引っ越してきてすぐ60年ぶりに吹き出物ができたという男性など。
 慢性的な疲労感=「今の住所に変わってからは体の調子が全くよくならない」(50代の男性)「疲れが頻繁に出てきた」(60代の女性)。…という声に加え、「不思議なほど疲れるし疲れがとれない」(30代の女性)「ゆっくりだけどひどくなった気がする。食欲があまりなくなった」(20代の男性)…と、若い人にはありえないほどの疲労感がみられる。
内分泌への影響=女性の「不正出血」「生理前後の体調が悪い」「体毛が濃い」「鼻毛がのびた」、男性の「左のお乳から分泌物」「体毛が薄い」…など。
 がん・心臓・肺=・胃がん・肺がん・乳がん・脳腫瘍がそれぞれ複数。「まわりにがんが多発。中継所が原因ではないか」。喘息の人も多い。「1歳の息子が現在7回目の入院をしている。7回共に気管支炎または喘息。医師からは杉並の中継所あたりに住んでいれば…と言われた」…など。
そのほか=「腕がチクチク(針で刺すように)したことがある」「視野が狭くなった」「二重に見える」「物が2つに見える」「歯の治療を受けたあとアレルギー症状」「空気に関しては以前より敏感になり、工作用接着剤も使えない」
⑥亡くなった方について
 「(母は)上井草に住む前は一度もなかった喘息を発症、2004年に85歳で死亡。死を招いたのはこの異様な空気であったように思えてならない。杉並に引っ越さなければもう少し長生きしたように思う」
 「友人が2004年6月間質性肺炎になって亡くなった。公園によく一緒に出かけていた。今は私ものどから肺にかけて乾燥したように症状が出ていてとても不安」
 「団地内の人が4人急に病気の悪化(大腸がん、間質性肺炎脳梗塞)で亡くなった」…など。
⑦環境・植物について
 「空気がよどんだような感じで末恐ろしい」「なにしろ空気がくさい。何ともいえぬ重苦しい空気…路地に入ったとき化学物質の臭いで胸が苦しくなる時がある」「家の前の下水口から悪臭」
 「庭木の葉が黒っぽく斑点ができる」「近くにある木も変な枯れ方をしている」「樹のツゲが枯れていく。何年も前から」「夜中にナゾの白い霧が発生してベランダ中が白くなり植物が弱った」「庭木が中継所側から枯れてしまった」…など。