わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

国民保護計画

本日国民保護計画の集会にいってまいりました。ちょうど今日の広報にカラフルな「国民保護計画への意見募集」という記事が入りましたね。あの記事では「区民の安心・安全を守る」などと書いてありますが、区の計画の本文はもっとロコツに区の体制、国・都との連携、命令系統などが延々と書いてあり、区民の安全などはつけたしだということがよ〜くわかる文章です。
弁護士の長澤彰さんが国民保護計画にいたる有事法制の歴史と問題点などについてくわしく説明したあと、会のまとめ役の安田さんが杉並区の計画の特徴について話してくれました。
国は8つの類型を提示しているのに、杉並区はわざわざそれに加えて、4つをプラスして12の類型をたてている。その中には、「荻窪駅弾道ミサイルが着弾」「南荻窪のガソリンスタンドに爆弾テロ」「桃二小にテロリストがたてこもり」など、ありえない想定ばかりです。会場からは、「わざわざ杉並区に危険をよびこむような想定」という声も。なおかつ、そんなに具体的に想定しているのに避難計画としては「家の中から外へ出ない」とか「建物の中に避難する」など、計画ともいえないようなことしか出されていません。
パネラーとしては長澤さんのほかに、被爆者の吉田一人さんと私が保護者の立場からということで話しました。吉田さんの話もすごかったです。
「国は核攻撃をうけた場合の避難方法として、風下は危ないから風上へ逃げろ、ということを閣議決定している。しかし、風上というのはまさに爆心ではないか。さらにカッパや手袋、タオルなどで体をおおって逃げろと書いてあるが、被爆者はもちろん、一般の国民でもこれを見たら笑ってしまうほど現実性がない」ということです。
さらに、被爆者として戦後補償を求めてきた経験から「国は、軍人・軍属は国との契約で負傷・死亡したから補償するが、一般人の被害は国としての戦争被害だからがまんしろという理屈。国民保護法でも、国などに協力した人は補償されるが、そうでない人のことは書かれていない。過去のことではなく、これからの戦争の問題だ」
私は、防災訓練の実情などについて話しました。「震災避難所」となっている学校は、この「国民保護計画」でも「避難所」に横滑りしています。区民に対しては「震災のときのための防災訓練」といいながら、軍事訓練の一部である「国民保護計画」に知らないうちに組み込まれていると言う構図ができています。レスキュー隊など、中学生までこの訓練に組み込まれているのはとても心配です。
また先日の防災訓練では「桃井原っぱ広場」で自衛隊が参加した訓練がありました。近所の桃一小では子どもをひきとると親子全員がそのまま原っぱ広場まで誘導されて見学。会場には自衛隊ジープがおいてあり、親子で乗ったりできるようになっている(自衛隊に親しめということでしょうか)。そしてハイライトは、中学生4人が担架にケガ人(人形)をのせて学校からはるばる運んできたのを、飛来した自衛隊のヘリが積んで搬送するというシーンだったそうです。
「国民保護計画」なんてほとんどの区民は知りませんよね。知らない間に、勝手に、「戦争になったらどうする」という計画が作られ、いざとなれば、私たちの権利など一顧だにされないという状況になるのです。
みなさまも、保護計画へのご意見をお願いします。