わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

レジ袋有料化条例

2月25日の都市環境委員会でレジ袋有料化条例(正式には「杉並区レジ袋有料化等の取組の推進に関する条例」)が審議され、私は反対しました。杉並区では、かつて「レジ袋税」と大騒ぎになった「環境目的税」が結局商店などの反対で実行できず失敗した経緯があります。今回の条例はその後始末にすぎず、また、こうした経緯から零細商店には強制できないため、スーパーとコンビニだけに強制される(他の事業者、たとえばドラッグなど似た業態でも有料化は任意とされる)のもおかしな点です。以下の観点から反対意見を表明しました(委員会の採決結果は賛成多数で可決)。
1.条例にふさわしくないこと
○レジ袋をもらわないという習慣じたいは資源を大切にする点から、またごみをなるべく出さないという点からよいことではある。しかし、それは個人の判断に待つべきであって、行政が条例というかたちで強制すべき性格のものではない。
○杉並区はなにかというと条例化するという悪いくせがついているが、条例は自治体の法律というべきものであり、必然性のない条例を乱発するのは、単なるパフォーマンスで効果にはとぼしく、一方、区民にとっては、余分な強制が加わる点でのぞましくない。
○レジ袋有料化は、すでに行っている事業者、行っていない事業者がある。個々に経営に有利、不利を判断した結果であり、尊重されるべき。
2.目的が明らかでないこと。
○レジ袋は4月から容器包装として回収される。容リプラ回収の実効性の問題はあるが、少なくとも区の理屈でいくと、リサイクルされるわけで、レジ袋削減はごみを減らすという目的に直結しなくなる。条例案にも「象徴的」と書いてあり、必ずしも実際の削減が目的とされていない。
○ 区民の意思としての条例は、明確な目的を持たなければならず、その点でこの条例案は不十分。レジ袋削減がひとりあるきし、自己目的化してしまっている。レジ袋だけに焦点をあてることは、結果として、環境問題、公害問題を矮小化し、論点をそらすことになる。
3.杉並病を黙殺していること
○区長は「レジ袋税」構想の当初「杉並病を念頭に、健康被害を抱える区の義務として、資源循環型社会への転換を目指す動きへの先鞭をつけたい」と表明した。レジ袋税導入にあたっては、これをふまえて、レジ袋を減らすことが、不燃ゴミをへらし、杉並中継を止めるためにどう役にたつのか、立たないのかという議論がされた。
しかし、今回の議論では全くこの視点がぬけおちている。杉並病は全く行政から黙殺されている。地域環境の改善という視点がぬけおちたレジ袋論議は、まったく空疎なものになっている。
4.レジ袋税失敗の尻ぬぐい
○山田区長は杉並病の解決を棚上げし、不燃ゴミ問題をレジ袋削減にすりかえた。鳴り物入りのパフォーマンスで全国にむけた区長の宣伝となった。
しかるに、当時、レジ袋税導入をめぐって、激しい反対にあったことにより、レジ袋税は制度は導入されたものの、結局実施できなかった。
今回の条例が成立すれば、レジ袋税条例は廃止することになっている。要するに一度も実施されることのなかったレジ袋税の、区長の失政の尻ぬぐいをするために、必要のない条例をわざわざ作ろうとしているにすぎず、お金と時間の無駄である。