わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

誰も知らないうちに区長が土地を処分(一般質問しました)

 2019年11月22日、杉並区議会第四回定例会において一般質問しました。

 誰も知らないうちに杉一小と河北病院の土地の権利交換(土地区画整理事業の「仮換地」指定)が終わっていました。私たち区民の土地である学校の土地処分なのに、区議会には一切の説明がなく、終わったあとの報告もいまだにありません。

 区有地を区長が勝手に処分してしまったわけです。森友学園も真っ青です。

 区議会もなめられたものです。ここで怒らなくてどこで怒るんでしょうか。

 (以下質問原稿です。(1)はややこしい話なので、ご用とお急ぎの方は(2)からどうぞ!)

<一般質問 阿佐ヶ谷北東地区のまちづくりについて>

【誰も知らない間に仮換地指定】

 一般質問をいたします。阿佐ヶ谷北東地区のまちづくりについてです。

 土地区画整理事業が8月末に施行認可されたと思ったら、誰も知らない間に仮換地指定が終わっていました。例えれば、親の土地を、自分が知らない間に兄弟が勝手に売ってしまったようなもので、とんでもない話です。

【区議会に一切の情報提供なし】 

 これが売買であれば、財産鑑定が行われ、財産価格審議会の審査を受け、かつ、区議会の議決を経なければ取引できないところ、それらすべて法的な義務でないとしてノーチェック。しかも、区議会に対しては一切の情報提供のないままに、杉一小、阿佐ヶ谷児童館の土地は、実質的な所有権の移転である仮換地の指定まで終わっていました。公共用地の処分としてあってはならないことと厳しく指弾します。

(1)施行認可

【けやき屋敷とツミの保護計画はいまだに】

 最初に、8月末の施行認可について述べます。果たして認可は適切であったかをあらためて検証します。

 阿佐ヶ谷では歴史ある屋敷林の消滅を許すのかということが大きな焦点になっています。「東京における自然の保護と回復に関する条例」(以下、都条例)は、「何人も開発に当たっては……損なわれる自然を最小限にとどめ、自然が損なわれた場合は、その回復を図らなければならない」としており、樹林地等の自然地を含む3000平米以上の開発に際して「既存樹木等の保護の検討に必要な調査が行われ、当該調査に基づき、当該既存樹木等をそのまま残し、又は行為地内において移植することについて適正な検討が行われていること」を許可の条件としています。

  阿佐ヶ谷の計画の場合はどうか。都条例の定めにより、昨年秋、今年春の2回、自然環境調査が行われ、さらに、猛禽類ツミの生息が確認されたため6月に追加でツミの調査が行われました。環境省猛禽類保護の進め方」には更に来年の営巣期まで調査を行うことが求められており、必要な調査はまだ終わっていません。

【自然保護の協議待たず認可した杉並区】

 都条例の求める「保全計画書」どころか、その前提とされる調査が未了、当然、開発許可の条件となる都との協議も未了です。にもかかわらず、区は土地区画整理事業の施行認可を行いました。

 土地区画整理法運用指針では「事業化のあり方」の項で、環境の保全における留意事項として、施行規則を引用して、施行地区及びその周辺における環境保全のため、樹木の保存、表土の保全その他の必要な措置を求め、また、関係法規が定められている場合はこれに準拠すべきとしています。これらに照らせば、都条例協議未了の状態は施行認可にあたっての条件を満たしたとはいえず認可は尚早であったと考えますがいかがか。

 また、仮に今後、同様の民間事例が出てきたときにもやはり、協議未了でも認可してしまうことになるのでしょうか。それを考えると行政自らが悪しき前例をつくることは許されないと考えますがいかがか。見解を求めます。(Q1)

【土地区画整理は開発行為】

 都市計画法によれば、開発行為、即ち建物を建てるなどの目的のために土地の区画形質の変更をしようとするものは、開発許可を得なくてはなりません。

 阿佐ヶ谷の計画の場合も開発行為ですが、土地区画整理事業都市計画法29条但し書きで開発許可を必要としないとされています。しかし、それは許可でないからいいかげんでいいとか、条件がゆるいとかいう話ではありません。

 区は土地区画整理事業が開発行為でありながら開発許可を要しない理由をどのように考えているのでしょうか。見解を伺います。(Q2)

 そもそも、戦前の都市計画法が生きていた1954年に土地区画整理法はつくられました。1968年にやっと現在の都市計画法がつくられ、開発行為は開発許可によってコントロールされることとなりましたが、土地区画整理事業についてはすでに存在する土地区画整理法により審査が担保されるということが前提で除外されたと理解できます(注)。ネットで見た埼玉県の解説によれば「都市計画上十分な監督のもとに行われることから開発許可不要とされたものです」とされています。

【基準を満たしていない計画を認可した】 

 区のいいぶんは、土地区画整理事業の場合には開発許可でなく施行認可だから違法でなければ認可しなければならないというものです。しかし、それは違います。 

 開発行為は各基準をクリアしないと許可されません。土地区画整理法9条は関係法令違反のないことが認可の要件としています。当然、都条例についても許可が必要です。土地区画整理事業の場合には施行認可が開発行為の計画審査でもあります。従って施行認可とはいえ、内容的には許可と同等の審査が前提となっているものです。東京都もこの認識は共有しているとききました。

【協議未了で安直に認可してはならない】 

 さらに区は、都条例についても、同様に許可ではなく協議なので、着工までに整えばいいといいます。しかし、都条例の「開発許可の手引き」には協議をもって許可にかえるとし、「協議にあたっては、許可等の基準要件を準用して行います」とあるので、審査の内容は同等です。

  仮に協議が不調となり、保全計画が受理されない場合を考えてみましょう。その場合には認可された事業そのものが成り立たなくなります。そのような認可を安直に出してはならないということです。ちなみに、不調となる可能性はおおいにあります。なぜなら、条例をそのまま読めば木は切れない、特にツミの営巣地から半径350m以内は切れないので、簡単に都と事業者が折り合うとは考えにくいからです。

【施行認可の撤回を求める】

 都条例協議が整うどころか、調査も未了の現段階での施行認可は時期尚早であり、撤回すべきですが、いかがか見解を求めます。(Q3)

 今回の土地区画整理事業では、区が行うものなのに個人共同施行だったり、区長が申請して区長自身が認可する一人二役、そして施行認可についても、いま述べてきたような問題があります。

 この計画は、公共減歩がわずか4%と公共性が極めて薄く、公共施設整備のためというよりは、土地区画整理事業という仕組みを利用して、公共の土地を不当に安く、民間の土地を不当に高く権利交換する、豊洲市場と全く同じ構造の汚染地のロンダリングだと指摘してきました。

 違法でなければ何をしてもよいというのは、民間ならともかく行政の姿勢としてありえないことです。法の網の目をかいくぐるようなやり方は、まるでディベロッパーがやっているかのようで、きわめて問題です。

(2)換地設計

【区議会へ一切事前の報告なく】

 さて、施行認可を得た事業者3者は足早に次の段階に進みました。冒頭言ったように、我々区議会が何も知らないうちに、仮換地指定まで行われていたのです。

 ここで、田町で行われた土地区画整理事業について、港区の対応を紹介しましょう。JR田町駅東口開発のケースは、小学校などのある区有地を東京ガスの土地と交換するものでした。阿佐ヶ谷と同じく、区と民間との個人共同施行で行われた土地区画整理事業で、駅前の小学校を移転させ、その用地と東京ガスの汚染地を交換した汚染地のロンダリングの手法まで阿佐ヶ谷とそっくりです。

 ところでこのケースでの港区の対応にはいくつか学ぶべき点があります。

 1点目は、仮換地指定の1年前から仮換地計画をちゃんと議会に説明していること。

 2点目は、施行者まかせにせず、不動産鑑定機関による検証を行っていること。

 3点目は、東京ガス跡地への小学校移転をやめたことです。

【港区の姿勢に学ぶ】

 まず1点目。港区ではこの計画の仮換地指定への同意を2012年3月23日に行いましたが、その前日に、区議会の特別委員会で、仮換地の詳細を報告し、議会の審議に付しています。そのことにまず驚きました。杉並区と全く違うのです。

 港区は詳細な資料を議員に配布して委員会審議を行っています。売買ではないといっても、公有財産を処分するのだから、当然のことです。ところが、杉並区からは今に至るまで全く情報提供がなく、私は、情報公開により、杉並区にかかわる換地規定等の書類を入手しました。しかも、それはあくまで仮換地指定後のことです。

【仮換地の1年も前に区議会に説明】

 さらに驚いたのは、港区議会では仮換地指定からさかのぼることなんと1年も前の2011年の3月にも仮換地に関して実際に決定されたのとほぼ同じ内容の説明がなされていたことです。通常、換地計画は1年くらい前にはできているというのが常識だそうですから当然可能だったのでしょう。

 阿佐ヶ谷のことを考えれば、昨年11月には3者協定を結んでおり、この段階では換地計画はできていたと考えるのが自然です。仮換地同意の時点はもちろんですが、もっと前の段階で、杉並区議会に対しては情報を明らかにして説明すべきだったのです。

【議会の委員会開催を待った港区】

 田町の場合、仮換地指定通知と同意依頼が2012年2月10日に出されたのに対し、1カ月以上後の3月22日に議会報告、翌日の3月23日に区の同意回答しました。議会の特別委員会開催を待っての同意となっています。

【区議会休会中を狙った?杉並区】

 これに対し、阿佐ヶ谷の場合は、本年10月10日の指定通知と同意依頼に対して、約10日後の同月21日にさっさと同意の回答を行い、事前の議会報告なし。議会に報告するため日程を待つどころか、逆に、閉会中を狙ったかのようなスケジュールで同意を行いました。事後もいまのところ書面での情報提供すら一切ありません。 

 私は前回定例会において、仮換地の情報は事前に議会に報告されるべきと追及しましたが、区側は行わないと答弁しました。しかし、それが行政としてまったく非常識なふるまいだったことは、港区の例をみればよくわかることでしょう。

 港区でできたことがなぜ杉並区でできないのか。あるいはしないのか。同じ23区の行政として、また区長として、恥じるべきだし、こんな議会軽視、区民軽視のやり方を認めるわけにはいきません。区議会へのひとことの説明もなく行われた区有財産処分には正当性がなく、区は仮換地指定への同意を撤回すべきと考えますがいかがか、見解を求めます。(Q4)

 【不動産鑑定機関による検証】

 田町のケースの2点目は、不動産鑑定です。これについても私は、先の一般質問で「不動産鑑定を行うのか」と質問しましたが、区の答弁は鑑定は行わないというものでした。

 しかし、港区は区議会で仮換地指定の1年も前に計画について説明し、「日本不動産研究所に検証を依頼して妥当なものであると保証されている」旨、述べています。

 同じ個人施行の土地区画整理事業でありながら、港区は公有財産の処分において、不動産鑑定機関に評価を依頼して正当性の保証としています。わが杉並区は闇の中の取引です。

 そこで改めて不動産鑑定を行い、河北の土壌汚染の可能性も視野に入れた正当な価格を公表することを前提として仮換地指定をやりなおすよう区に求めますがいかがか。うかがいます。(Q5)

【土壌汚染地の学校建設をやめた港区】

 港区のケースでもうひとつ指摘すべきは、東京ガス跡地の汚染を調査した結果、小学校の用地としては使わない決断をしたことです。浄化に時間がかかり、小学校の移転の時期が見通せないというのがその理由でした。普通の行政なら、少なくともこの程度の見識はもっていてしかるべきです。

 ひるがえって杉並区はどうか。すでに築60年を超えた杉一小は本計画のために建て替えが10年延びました。「今すぐ建て替えないと子どもたちの命が危ない」かのように煽っていた区の説明はなんだったのかと、地域では不信の声がうずまいています。

 土壌汚染に至っては、法令上土壌汚染対策を求められる施設であるにもかかわらず、いっこうに汚染の実態を把握しようともしません。意図的にサボタージュして書類上の調査すら進めようとしていません。

 港区の決断と比べるとき、杉並区の学校の扱いのぞんざいさを痛感します。

【土地の価値は広さだけではない】

 しかも、杉一小じたいには移転する理由がない。現地で建て替えれば今すぐにでも着手できるのです。区は広くなる、広くなるといいますが、いまの杉一小のスペースの中で、長年十分に充実した教育活動が行われてきました。10月には運動会が行われ、私も拝見しましたが大変盛り上がって挙行されておりました。

 浸水地、汚染地ということを無視して、少しくらい広くなるからいいだろうというのはおかしいと素人でもわかります。「あんさんぶる荻窪」の時もそうでしたが、区長は、土地の価値は広さだけじゃないということが、どうしてもわからないらしいので、誰か教えてあげてください。

【杉並区が損する換地】

 さて仮換地です。ざっくり言って、区はずいぶんと損をする計画になっていると思います。

 区はこれまで杉一小の土地に3割の区の権利が残るといっていました。しかし、仮換地指定では杉一に残る区の土地は1433平米であり、面積は4分の1たらずです。しかも中杉通り側ではなく裏側なので相対的に安く、さらに権利は小さいのです。

 正面路線価では倍以上の差があるのに、仮換地の従前従後の面積で比較すると約1.3倍にとどまっています。

 仮換地指定通知記載の地積を参照して改めて路線価で計算してみると、現在の杉一小敷地のうち4割近く、2000平米くらいの価値が残るはずです。1433平米とはかなり安く評価されたと見ることができます。

【欅興産、河北財団の換地情報も公開を】

 それにしても、今回開示された情報は、区の従前従後の土地に関する情報だけで、欅興産と河北病院に関する情報がないため、その当否を正確に判断しようがないという面もあります。他の地権者はともかくとして、事業主体である欅興産と河北の仮換地指定通知や換地図など換地に関する情報は公開すべきと考えますが、いかがか。うかがいます。(Q6)

【売買なら平米200万円にも】

 その上、これが売買だったらこんなものではありません。「あんさんぶる荻窪」は財産交換の際の鑑定で、開発法で平米当たり200万円と評価されました。荻窪駅阿佐ヶ谷駅の違いを差し引いても、阿佐ヶ谷駅から1分のこの場所であれば、同程度の評価になるでしょう。マンション用地として購入すれば総額100億円以上の土地ということです。換地した先の土地にはたして100億円の価値があるでしょうか。

 そこでお尋ねしますが、仮換地の計算では、杉一小と河北河北病院の土地はどのくらいの格差がついて評価されたのでしょうか。価格では出していないということなので、平米あたり指数でお答えください。また、容積率や環境条件の修正係数はどのように設定されたのでしょうか。(Q7)

 また、区の計画では今後、地区計画をかけ、容積率の変更が行われる予定です。特に杉一の土地は現在の200%、300%の土地がすべて500%に変更されます。つまり利用価値が上がるのでこれを反映して換地計画を行うべきと考えるがいかがか、見解を求めます。(Q8) 

【田町で港区は土地を大安売り】

 先に述べた田町のケースを再度参照します。区議会への対応では評価しましたが、計画自体は大変問題があるものでした。議事録を見ると換地の説明に対して「実は再開発等促進区をかけて容積を大幅に引き上げるのではないか」との質問が出ていましたが、その時点では区はだんまり。ところが、仮換地後、容積率の引き上げは現実となって、なんと940%にまで引き上げられ、結果としてみると、港区は土地を大安売りしたことになってしまいました。

【杉一小跡地にできるのはマンションでは?】

 さて、阿佐ヶ谷で同じことが起きない保証が果たしてあるでしょうか。田町では業務用の巨大なビルが建てられました。阿佐ヶ谷はどうなのか。大規模商業施設が入るのではと心配する向きもあるようですが、収益性を考えれば、あえて大型商業ビルを作るよりはむしろマンションではないかと思います。

【駅近だけが売れるマンション】

 11月19日付日本経済新聞に「マンション高値 駅近人気が支え 首都圏新築、売れ行きは鈍く」という記事が出ていました。マンションの販売価格が過去最高に近づく一方、売れ行きは鈍っているという内容です。NHKも10月のマンション販売が1973年以来最低に落ち込んだと報道しました。

 他方、「駅近」物件は人気で、日経の記事によれば今年1月~6月の販売戸数のうち、最寄り駅5分以内の物件が5割に迫る勢い、これらが需要を支えているのだそうです。

 このような市場の構造にあって、とりわけ住宅販売に力を入れている不動産ディベロッパー各社は、駅前好立地の土地を安く購入できないかと、血眼で探しているはずです。杉一小5600平米の土地は、ディベロッパー垂涎の土地でしょう。

野村不動産の分析】

 区役所の目の前にいま「プラウ南阿佐ヶ谷」を建設中の野村不動産は、ご存じのように、以前、阿佐ヶ谷住宅の再開発で再開発等促進区の制度を利用して第一種低層住宅専用地域に6階建て575戸のマンション群を建設しました。阿佐ヶ谷駅の南口駅前にも「プラウド」ブランドの13階建てのマンションがあり、阿佐ヶ谷と縁の深い会社です。主要不動産会社のなかでは、特に住宅販売の比重が大きいという特徴があるといい、この野村不動産が「用地の仕入れ環境の悪化」「長期的な用地ストックが足りていない状況」などと述べていることは参考になりそうです。

【小学校跡地を「割安」売却でマンションに】

 小学校跡地のマンションという前例として、中野区の東中野小学校跡地のマンションがあります。こちらは東京建物と三菱地所の共同開発ということですが、ブログ記事の取材に答えて会社側は「区からの土地取得価格が容積率100%当たり坪73万円と割安だった」と述べています。

 相対的に安値で取引されたと考えられる今回の杉一小の土地が、10年後、東中野のようにマンション開発に利用される可能性はきわめて高いと考えます。即ち、河北病院移転に始まったこの計画が、究極、不動産会社、建設会社、金融機関などの都心の大企業のもうけのために阿佐ヶ谷の一等地を安く売り渡したという結果に終わるということです。

【仮換地後の土地を売却できる】 

 ところで注意しなければならないのは、仮換地後、登記上は変更されなくても、欅興産は杉一の土地を実質的に売ることができるようになったということです。区役所も知らない間に売られてしまった等ということがないか心配です。

 もとの持ち主の了解なしに売れば違法だという判例もあるそうです。特に、不動産ディベロッパーに売却されるようなことがないようにしていただきたい。仮に欅興産が売却するなどというときには、当然区には情報が入るものと思いますが、大丈夫でしょうか。確認します。(Q9)

(3)防災

【軟弱地盤の河北病院用地に避難所?】

 最後に防災です。すでに複数の議員から指摘があったので簡単にしますが、杉一小の移転先である河北病院の地質は私も心配です。

 J-SHISのハザードカルテによると、河北病院は谷底低地、軟弱地盤、地盤増幅率は1.65で揺れやすさは全国の上位7%以内でDランク。それに対して現在の杉一は、ローム台地、地盤増幅率1.45、揺れやすさは全国の上位9%以内でCランク。震災救援所としてどちらが適切かは明らかです。

 また、水害ハザードマップでも河北病院は浸水域です。両者は標高で3~4m違うので、大雨のときには杉一から河北へ向かって道路を雨水が滝のように流れます。他の議員に対して、河北の土地は水害の避難所として問題ないかのような答弁がありましたが、あの水量を見たら、ちょっと信じられないことです。

 震災救援所として、水害避難所として、果たして河北病院の場所に移転した杉一小は利用が可能なのでしょうか。また、内閣府の避難所運営ガイドラインには避難所の掲示が求められているが、水害避難所、震災救援所の掲示はなされるのでしょうか。(Q10

 そうでなくても、阿佐ヶ谷北口は木密地域と言われます。ただでも避難所の受け入れ人数が足りない地域です。先ほど述べたように駅前に巨大なマンションでもできて数百人からもしかして1000人もの人口が増えたら防災上も大変な問題になりかねません。将来にわたる安全なまちづくりの観点からも、杉一小の病院用地への移転は間違っていると言わざるをえません。

 本計画は立ち止まって抜本的に見直すべきと改めて指摘して質問を終わります。

注:後日、以下の記述を専門家からご教示いただきました。「それぞれの根拠法により都市計画上必要な規制が行われるので、開発許可については適用除外とされている」(「都市計画法規概説」p.75,荒 秀,小高 剛編,信山社出版,1998)