わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

杉並病に対する杉並区の公式見解/ゆり

杉並病をなくす市民連絡会」は2月にまとめた会の健康調査報告書を区長および担当課に提出して回答を求めていました。その回答が先日8/12付で出たのですが、ひどいものです。
下記の回答書を解説して、環境課・玉山課長の回答は「現在新たな発症はないと考えている」ということだと明言していました。
会の調査によれば、この2、3年でも新たな発症者は多く、またすでに発症した人は重度化しているという結果が出ているのですが。
http://www.geocities.co.jp/NatureLand-Sky/5131/
この健康調査結果に対する反論は何ひとつなく、ただ「区ではこのような数字を持っているが、それによれば新たな発症はない」というのみでした。
「担当者のみなさんは私たちの報告書を読んでどのように感じたのか。これは嘘だとでも思っているのか」との問いかけに対しては「私たちはチームとして回答しており、区長・助役も目通ししている文書なので個々にはお答えしない」という玉山課長の返事でした。
地方自治体の環境課・保健予防課の担当者が住民から「こんな健康被害がある、なんとかしてほしい!」と訴えていることに対して「そんな被害はありませんよ」と門前払いするわけです。
会はこれから対応を協議することになっています。
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(以下区の回答)
杉並中継所周辺住民の健康調査に関する報告書への見解について、下記のとおりお答えいたします。
1.「杉並病」の発症は、いまも続いている。
→平成8年4月に杉並中継所が操業を開始後、周辺地域で生じた健康不調の被害については、健康不調の訴えの発生状況、井草地域と他の3つの対象地域から無作為抽出した住民に対し区が平成11年に実施したアンケート調査(井草森公園周辺環境問題に係る健康調査)の結果、中継所設備の状況、排気や排水の測定結果等を踏まえて、平成14年6月に公害等調整委員会による裁定が出されたものと認識しております。
その後も、現在まで保健センターでの健康相談を行ってきましたが、相談件数は非常に少なく、一時的な症状又は、一般的な疾患として治療されている状況と認識しております。
2.公的機関による本格的な調査が必要。
→杉並区では、平成12年度に杉並中継所が区に移管になって依頼、12年度に2回、13年度4回、14年度4回、15年度7回、16年度6回(予定)のベンゼン等の化学物質に関するモニタリング調査を実施し、杉並中継所の排気・換気・排水および周辺環境の状況把握に努めております。その結果からは、杉並中継所の排気および排水から規制基準を超える化学物質は検出されておりませんし、規制基準の定められていない物質の調査結果についても大きな変化が見られせん。
また、健康面については、前述のアンケート調査において、調査時以前1〜3年間の症状発現が他地域より井草地域で有意に多いが、調査時以前1年未満の症状発現には差が無い、という結果でした。
さらに、このたび貴会の調査報告書に対する区の見解を求められましたので、改めて、保健所において現時点で把握でき、かつ中継所周辺地域と区全体との比較が可能な健康データを分析したところ、以下のような結果でした。
・全年齢の年齢調整死亡率は中継所周辺地域の方が低く、40歳未満に限って比べると区全体の死亡率と有意な差はない。
・乳幼児のアレルギー症状の傾向は中継所周辺地域と区全体で違いはなく、アレルギーに関する相談を希望する保護者も、中継所周辺地域のほうが少ない。
・小中学校の児童生徒の視力1.0未満の割合や喘息の割合は、中継所周辺地域の学校の平均と区全体で差が無い。
・人口あたりの大気汚染医療費助成認定者数は平成7年度から15年度まで調べたが、中継所周辺地域と区全体で差はない。
また、区保健センターで実施している健康相談の相談件数は非常に少なく、これらのことからは、中継所周辺地域が他の地域に比べて健康上特記すべきことは無いと考えています。
 これまでも、必要な調査については実施してまいりました。従いまして、現時点で新たな調査の必要性はないと考えております。
3.杉並中継所の即時停止、被害者の救済、再発防止を!
杉並中継所は、杉並区、練馬区、中野区の不燃ごみの中継施設として操業しており、10年後を目途に不要なものにするため、ごみの減量に努めております。
しかし、現在はごみの半減計画の策定途中にあり、現時点で杉並中継所の操業を停止することによって、不燃ごみの取り残しや新たな自動車公害を発生させると考えられます。
したがいまして、杉並中継所を即時操業停止することは、困難であると考えます。