わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

職場体験5日間つづき/ゆり

職場体験について、あるMLでたくさんのご意見を拝見しました。そこへの返信です。
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職場体験そのものが悪いとは全然思わないし、奈良の例のようなすてきな体験もあるんだろうと思います。
多分問題は、私の場合、職場体験そのものの是非というよりは、そのうしろに横たわっている思想というか発想に、どうも信用できないものを感じる(それも濃厚に、露骨に)ということのようです。
国が子どもたちを教育する熱意を失っていることは確かです。高度成長期のように、「優秀な労働力こそがわが国の礎」といった考え方は陰をひそめています。
http://d.hatena.ne.jp/waku2/20041010
これは私のブログですが、ここに紹介した財界の文書には「学校は週3日ぐらいにして、あとはオプションでとりたい授業をお金をはらってとればよい」というような趣旨のことが書かれています。つまり公立学校を軽量化していこうという方向性です。
そして、特に優秀な子どもたちだけを選別してエリート教育する一方で、一般の子どもたちは、というと、三浦朱門さんいわく「能力のないものはせめて実直であれ」ですから。こういう発想からくる職場体験は、多分、職業人としての誇りとか、社会を支えている喜びのようなものとはほど遠いものになってしまうような気がするんです。もちろん、各地の先生方が、そういう中でも努力して子どもたちの人生に残るだけの活動をしてくださるとすれば、それは決して無ではないとは思うのですが。
Mさんが書かれた問題点が、そのまま私の懸念でもあります。授業時間の確保をどうするのか、学習権の侵害ではないのか。学校が土曜もやっていて時間がたっぷりあるならば、あるいは長期休暇などを利用して行われるならともかく、通常の授業を削ってまでやらなくてはならないのは疑問です。子どもは教室だけで学ぶのではない、それは確かです。でも、学校は教室で教えることがあくまで基本ではないのでしょうか。職場体験5日間のためにそれがないがしろにされることに疑問を感じます。