わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

9月議会一般質問〜杉並病について〜

waku22007-10-01

(写真は、杉九小校庭の彼岸花
一般質問がおわりました。傍聴に来てくださった皆様ありがとうございました。今回は杉並病被害者の方も来てくださいました。
私は、1.杉並病について 2.清掃行政について(家庭ごみ有料化など) 3.教育行政について(学校適正配置、学校支援本部について)の3つを質問しました。
杉並病については、「杉並病がいまだに解決していないのは、区長の公約違反ではないか? 区長個人の問題だから、本人が答弁してください。答弁しないということは、私の見解に反論しないとうけとりますよ」とまで言ったのですが、区長は黙殺。かわりに答弁にたった部長は「役所は区長の意を呈して答弁しているのですから、その点誤解のないように」だって。言ってて情けないでしょうね。選挙公約を翻すのはどこかの知事とも似ていますが、区民、なかでも被害者の切実な願いをふみにじり、答弁では部下を矢面に立てて恥ずかしくないのか。52万区民を守るべき区長の資格なしです。ちゃんと本人に伝えてあるわけですから、今後「公約違反」として皆様に広くお知らせさせていただきます。
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(以下、質問草稿です。実際の発言とは一部異なる部分があります)
 杉並わくわく会議・松尾ゆりです。今回一般質問では、杉並病について、清掃行政について、教育行政についての大きく3項目について質問いたします。
 前回6月の第二回定例会以来、参議院選挙における与党の歴史的大敗、そして安倍首相辞任、福田内閣発足と、日本の政治は激動しました。小泉内閣から安倍内閣と続いた「改革政治」の限界が示され、与党の中からも、方向転換が求められています。杉並区においても、「行革優先」で「官から民へ」のかけ声のもと進められてきた「改革政治」の見直しが、今、迫られているのではないでしょうか。政策の軸を変更し、区民の生活を最優先する区政に転換するべき時であると感じております。そのような情勢をふまえて、以下おたずねしてまいります。
1.杉並病について
 1点目は杉並病についてです。去る9月12日、東京地裁杉並病被害者の女性が東京都を訴えた裁判の判決が出ました。原告の主張を退け、東京都の「当初排水中に硫化水素が出ていたが改善された」という主張を全面的に支持したものです。不当判決というほかありません。2002年に国の「公害等調整委員会」が杉並中継所周辺の健康不調の原因を「杉並中継所の操業に伴って排出された化学物質によるもの」と認定したことを思い起こす必要があります。あらためて、杉並病について区長のお考えを伺います。
 山田区長は初当選の8年前、選挙公約として「杉並病の原因糾明と健康被害調査を実施しよう」を掲げました。ここにそのちらしのコピーがありますが、この公約は「5つの緊急出動」の1つとして大きく掲げられています。当時地元被害者の方々が、杉並病の解決を切実に願い、山田候補の支持を熱く訴えておられたことを私は見聞きしました。本日もその方々は傍聴に来ておられます。
 ところが、今日に至るまで、杉並病公害は解決されていません。市民団体の調査によれば、依然として地域の多くの方々が、健康不調を訴えています。「井草に来てから突然具合が悪くなった、調査票をみて、初めて、健康不調の理由がわかった」という方もいます。被害は広がりつづけているのです。
 8年前の山田候補の公約が8年たった今なお果たされていないのは、公約違反以外の何物でもないと考えますが、いかがでしょうか。区長は何か反論がおありでしょうか。公約に関わることですので、政治家としての区長ご本人の答弁をお願いします。
 さて、先日区長は「遅くとも平成21年までに中継所を廃止する」と答弁されました。中継所の操業停止は大変けっこうなことです。しかし、廃止すればいいというものではありません。公害等調整委員会は裁定文で次のように述べています。少し長いですが、引用いたします。
「化学物質の数は2千数百万にも達し、その圧倒的多数の物質については、毒性をはじめとする特性は未知の状態にあるといわれている。このような状態のもとにおいて、健康被害が特定の化学物質によるものとの主張、立証を厳格に求めようとすれば、それは不可能を強いることになると言わざるを得ない。本裁定は、原因物質の特定が出来ないケースにおいても、因果関係を肯定することができる場合があるとしたものであるが、今後、化学物質の解明が進展しこれが被害の救済につながることを強く期待するものである。」
 このように、公調委は、原因物質が特定できないもとでも、中継所を原因施設として認め、なおかつ、今後の原因の解明と被害救済を関係者に求めております。また、立証責任を被害者に帰することは、不可能を強いることであると表明しています。原因物質が特定されないのをいいことに、住民のいのちの問題を棚上げしている、いまの杉並区、区長および行政の態度は許されるものではありません。
 現在、全国各地でプラスチックの再資源化のための圧縮施設が建設され、それに対し「杉並のようになるな」と反対運動が行われています。その原点である杉並病に対して、区長の言葉をかりると「原因糾明と健康被害調査の実施」、さらに被害者の救済を行うことは、杉並区に課せられた歴史的責務といえると思いますがいかがでしょうか。
 次に中継所の廃止後のことですが、「スマートすぎなみ」計画改定案では「杉並中継所の廃止にともなうその後の施設利用」と書かれています。他方、環境清掃審議会による「一般廃棄物処理基本計画」改定にむけた提言では、「プラスチック再資源化施設の区内立地が望ましい」と書かれています。この提言の文言から、容器包装プラの圧縮梱包にふたたび、この中継所が利用されるのではないかという不安が広がります。各地で反対されているプラ圧縮施設を、その原点である杉並区が、まさか中継所跡に設置するとは思いたくありませんが、念のためです。公害を出すような施設は二度と作らないということを言明してください。(以下別項)