わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

岩国問題で申し入れ

12月12日、超党派の各地の地方議員で、「岩国の市庁舎に補助金を出せ!」という要望書を防衛省(省なんだよね。庁と間違えてしまう。ちなみに、「防衛省はこんなことばっかりやってんだったら、また防衛庁に降格して出直せ」と発言した人もいました)に提出しました。全国361名の地方議員が賛同した要望書をたずさえて、議員会館防衛省の担当者と話し合い。参加したのは、地方議員が十数名。もちろん主に東京の議員ですが、千葉、静岡、そして愛知県瀬戸市からもかけつけて下さった方が。
某区議は岩国出身。「岩国の人間はおとなしい。これまで国策に忠実に協力してきたのに、今度という今度は許せない。国からの補助金を前提に市庁舎建設を始めたのに、3年目ではしごをはずすのか。これからもこういうことが起こるのではないかと市民は不安に思っている」
地元の衆参両院の議員(民主党)もかけつけて活発に発言してくれました。「岩国で学校ひとつ建てるにも、防衛庁が入って、どういう仕様にするかを相談している。市庁舎だって当然防衛省との相談の上にたてたはずで、岩国市が勝手に建てたわけではない。国の補助金がなければ、それなりの建物にしているはずだ」
地元の人は、みんな「岩国の人間はおとなしいんだ。これまでは国策に従順に協力してきたんだ。それなのにっ!」と口をそろえていうのでした。
いわゆる米軍再編交付金をもらえない自治体は、岩国のほかにも座間、名護など。しかし、この市庁舎の補助金は、もっと前のSACO合意受け入れへの見返りだったのです。もう済んだ話。それを「新しい案件に反対だから」という理由でストップしている。市庁舎は建設が始まっているのに。「こんなことがまかりとおるなら、自治体は予算がたてられない!」という地方議員の怒りの行動でした。
中国新聞の記事
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200712130072.html
神奈川新聞の記事
http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryxiidec0712152/
以下要望書です。
<岩国市の新市庁舎建設補助金の交付を求める緊急要望書>
岩国市は、新市庁舎建設に対する今年度の国庫補助金が交付されないため、財政的窮地に陥っています。岩国市は2001年の芸予地震で耐震性が下がった現在の市庁舎に代わる新市庁舎の建設を計画し、総事業費約90億円に対して総額約49億円の国庫補助金を3ケ年にわたり交付する約束の下に建設工事に着手しました。
ところが、05、06年度は予定通り計14億円の建設補助金が交付されたにもかかわらず、国は完成予定にあたる今年度の補助金35億円の交付を見送りました。岩国市長は予算編成のため、やむを得ず『合併特例債』を充当する予算を提案しましたが可決に至らず、申請期限を控えて『再議』を検討していたところ、国は「再議はできない」との見解を示し、その道も断たれることになりました。
なぜこのような事態がおきているのか。それは、1996年のSAC0合意による沖縄県普天間基地の空中給油機移転を岩国市が受け入れた事に基づいて補助金が交付決定されたにもかかわらず、国がその根拠を一方的に『米軍再編特別措置法』に基づくものに変更したことが原因です。 岩国市長は昨年3月、米軍再編計画の一環である厚木基地の空母艦載機受け入れの是非を問う住民投票の意思に従って「受け入れは容認できない」と表明し、昨年4月の市長選挙では広範な市民の支持を得て再選されています。
私たち地方議員は、米軍再編をすすめる国が、異議を唱える地方自治体に対して、このような恣意的なやり方で財政締め付けを行い、存立を脅かす行為は極めて不適切であると考えます。よって、国の真意を問い、以下の点について強く要請致します。

一、 岩国市に対して、直ちに今年度分の市庁舎建設補助金を全額交付すること。
一、 「予算の再議はできない」とした見解の根拠を明らかにすること。