わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

高円寺の工事延期の理由は「妨害」ではありえない(補正予算にたいする反対意見)

 2017年12月6日本会議補正予算に反対する意見を述べました。理由は、成田西児童館、下井草児童館の廃止・再編の費用が含まれていることです。また、補正予算に関連して、高円寺小中一貫校の工事延期の理由を区が「住民の妨害行為があったから」と述べていることについて新たな情報も含めてあらためて指摘しました。
(以下、原稿です。実際の発言とは一部異なるところがあります。)
 議案第83号杉並区一般会計補正予算(第5号)について反対の立場から意見を述べます。反対の理由は、児童館の廃止と児童館事業の再編の費用が含まれていることです。成田西児童館および学童クラブについては、保健福祉委員会において廃止に対する反対意見を述べましたので詳しくは述べませんが、区内児童館をすべて廃止していくという区の計画が区の子ども政策として致命的な誤りであることについてはあらためて強調しておきます。
 保健福祉委員会では、成田西児童館では中高生の利用が少ないので「ゆう杉並」に利用を収斂するという答弁がありました。中高生の利用が少ないことは中高生のニーズにこたえきれていないということであり、区政が真剣に取り組まなくてはならない大きな課題です。もともと利用が少ないのだからなくしてもいいというのは職務怠慢であり、無責任かつ不見識な答弁としかいいようのないものです。あらためて真剣な対策を求めます。
 下井草学童クラブの移転整備は、下井草児童館の廃止にむけてのものであり、廃止には断固反対します。昨年、向井公園を一部廃止しての保育園建設に対し、地域の皆さんが公園をつぶさなくてもすむようにと提案したのが、下井草自転車集積場を他に集約することで保育園建設用地とする案でした。当時、区はこの案を一顧だにせず向井公園の廃止にこだわりました。その後、公園の代替地および学童クラブの移転用地として同集積場が示されたことに対し、提案した区民の皆さんは呆然としました。保育園と共存していこうとする住民の前向きな提案を逆手にとり、公園を廃止したばかりか、今度は隣接する児童館まで廃止し、子どもたちの居場所をさらに奪おうとする区のやりかたは、公園つぶしに反対した地域への報復とすら受け止められています。
 さらに、学童クラブの移転計画そのものにも疑問があります。公園の代替としてボールネットが先に建設されたために、学童クラブが間にネットをはさむ形で2つに分断されること、学童クラブが1か所で200名と巨大な規模になること、これまで学区の東西2か所にあった学童が1か所になってしまい、学区の東側の児童は自宅から遠くなることなどです。これらの理由により下井草学童クラブの移転には反対します。
 次に、債務負担行為の変更について述べます。高円寺小中一貫校建設工事の債務負担行為の期間が31年度まで延長されたことについては、反対はいたしませんが、その理由には大きな疑問があります。それについてはすでに一般質問でとりあげたところですが、新しい事実が判明しましたので、あわせて述べたいと思います。
 同建設工事工期延長の理由を、区が「工事妨害があった」と述べていることについて、私は一般質問で、延長の真の理由は東京都建築安全条例および建築確認(計画通知)の手続きに時間がかかったこと、さらに天候不順や地下水、オリンピックの影響による竣工検査のスケジュール延長などがあるのではないかと指摘しました。その後、文教委員会、総務財政委員会でこれらについての詳しい質疑が行われました。委員の皆さんの質疑のなかで明らかになったことは、住民の抗議行動による工事の遅れと称するものはあったとしてもほんのわずかであり、3か月とか4か月とかいうほどのものではなかったということです。担当課長は「妨害により車両が入れなかった日は4日」と答弁しており、いくら再調整に時間がかかるとはいえ、4日のことが4か月にまで拡大されているのは無理があります。また、天候による遅れが何日あったのかとの委員の質問に対してはその日数を把握すらしていないこともわかりました。それに対し、建築確認は予定よりも3か月も遅れたとの答弁があり、どう考えてもこちらが真の理由と考えるべきです。
 さらに、最近になって区民に対して開示された書類では、6月時点ですでに工事業者、設計業者と区の間で工期の検討がなされていたことがわかりました。この書類を検討してみましたところ、既成杭の発注が5月時点で3か月余り延期されていたことがわかりました。杭ができあがらなくてはそもそも工事にかかれません。他方、発注は住民が妨害しようのない行為であり、住民の行動は全く影響を及ぼしていません。もっと早く発注することもできたのに、杭の発注が5月初めまで延期された理由としては、計画通知が4月18日まで下りなかったそのことによるとしか考えられません。すなわち、計画通知の遅れが杭の製作の遅れに、そして工事全体の遅れに導いたと考えるのが妥当です。その他、歩道の切り下げの申請もやはり5月に延期されています。
 なぜこのような遅れが生じたのか。第一に考えられるのは土質調査の不十分さなど設計者の問題です。そうでないとすれば、杉並区側のスケジューリングの甘さ、そもそもの計画に無理があったことなどが考えられます。いずれにしても、責任は住民にはないということがわかりました。しかし、住民の抗議行動が行われたことをこれ幸いと「地元の神様」として利用して、区は責任を回避しています。きわめて不当、不公正な行為といわざるをえません。
 杉並区は「工事妨害による工事の遅延」という説明を即刻撤回し、区民、保護者に対して正確な説明をあらためて行うべきです。このことを強く求めておきます。以上議案に対する反対意見といたします。

区長は不動産ブローカーなのか(一般質問を行いました)

 2017年11月21日、杉並区議会本会議にて一般質問を行いました。(区議会HPから録画配信も視聴できます)
【1.保育】
・世田谷区の例と比べてみましたが、杉並区は(1)保育行政をどうしたいのかわからない(2)民営化のいいところ(財政効果)しか書いてない、ので、これからの保育行政がとても心配です。区民と議論をしようという姿勢が全く見られず隠蔽体質です。
・昨年公園の一部を転用した保育園で開園半年にしてすでに7人やめた園があります。事業者選定が問題です。なので、新設保育園の審査について「建設予定地と業者の既存園を必ず視察してほしい」と提案しました。「予定地を委員が確認できるようにする。必要と認めれば既存園も視察する」との答弁でした。期待したいです。
【2.あんさんぶる荻窪
・あんさんぶる荻窪は、「併設施設ではなく複合施設」としてつくられました。「複合施設」は利用する人たち相互が交流、影響しあい、成長しあうという意味です。でも、いま予定されている複合施設は「併設施設」にすぎないのではないかと思います。
・あんさんぶるが税務署になっても2階の児童館だけは残せないか?という質問がこの間私も含む議員から何度も出ました。「国に聞いたが、セキュリティ上無理といわれた」という答弁と、他方「国には要望してない」という答弁もあり、どっちが本当なのか聞きました。「国の施設になるのに区が注文つけられない」という婉曲な答弁でしたが、要は「国に聞いたけど」というのが虚偽答弁だったということです。区議会ですら平気でウソをつく区幹部がいることに唖然とします。
・あんさんぶるが代表例ですが、田中区長は区民の財産である公共施設で取引をしたり玉突きで改築させたりに熱中していて、まるで不動産のブローカーみたい、と指摘しました。
【3.高円寺小中一貫校】
・一貫校の開校が1年のびました。区はその理由を「工事妨害」といっています。でも質問に対して、オリンピックの影響とかその他の理由があることも認めました。なら、そのように訂正すべきと思います。
・今後、工事業者が「工事妨害だ」として住民を訴えるようなことのないよう求めました。万が一賠償請求訴訟が起こされたりしたら、区は「言論の自由」「表現の自由」を抑圧する立場で憲法裁判を闘うことになるでしょう。そんなみっともないことにならないようにしていただきたいです。
(以下原稿です。実際の発言とは一部異なります)
1.保育について
 一般質問を行います。最初に保育についてうかがいます。
 先日、さいたま市のある私立保育園を視察する機会を得ました。ゆとりのある開放的な木造園舎で活発に遊び、もりもりと食べる子どもたち。公園や野原で毎日思い切り遊んでいるとのこと、わが子の通った園も、同じような保育だったとなつかしく思いました。園庭のない保育園や、ビルの中の保育施設があたりまえになっている昨今ですが、保育本来の姿にふれて、あらためてここに立ち戻らなければと感じた次第です。
 しかし区はいま逆に区立保育園民営化の方針を大きく打ち出し、保育のさらなる劣化が心配されます。そこでまず、「保育のあり方検討部会報告」を検討します。その際、おとなり世田谷区の「今後の保育施策推進のための保育施設再整備方針」を参照したいと思います。これはやはり民営化を検討した文書ですが、杉並区とは大きな違いがあります。
 第一に保育行政全体の方向性、めざすべき保育内容が明示されていることです。「待機児童解消」「子どもの視点に立った保育の質向上」などが明確に示されています。
 第二に、民営化の検証内容です。財政の節減等を評価する一方、「保護者や子どもの不安」などが書かれており、問題点を直視しています。
 第三に、民営化について慎重な結論が出されていることです。
 杉並区の「検討部会報告」と比較したときにずいぶん立派な報告書だと思ったのですが、考えてみれば行政の仕事としてはこれがあたりまえの姿であって、杉並区の検討があまりにお粗末なのです。
 そこで「検討部会報告」について質問します。第一に、「保育のありかた」検討部会なのに、あるべき保育、めざすべき保育について一言も語られていないことです。私は、昨年の第4回定例会で「行革本部会の中でも保育所管の立場から、方向性が出されるべき」との質問をしたところ、当時の子ども家庭担当部長から「保育課も入って、また必要に応じて職員の意見も聞く。現場の思いも踏まえつつ、行財政の視点とあわせて、結論を出していく」との答弁を得ました。それではいったい、「ありかた検討部会」で保育所管部署の意見は、具体的に報告書のどの部分にどのように反映されたのか、説明してください。(Q1−1)
 次に、「民営化の検証」についてうかがいます。「検討部会報告」では財政効果など民営化のプラス面しか書かれていません。しかし、世田谷区で指摘されている問題点は杉並区も同様のはずです。それらには全く言及されていません。検証結果はいかがだったのかお聞きします。(Q1−2)
 次に、関連して「外部監査報告書」についてうかがいます。同報告書の29ページ「区立ならではの強み」という表現についてです。区はこれまで民営化してもサービスは変わらないと説明していますが、この表現は「区立でなければできない」ことがあると認めたものと思います。決算特別委員会では外部監査人の意見という答弁でしたが、区としては、監査人の意見に賛同するのか、しないのか。見解を伺います。(Q1−3)
 2点目ですが、同29ページに「弾力的な調整機能」とあります。素直に読むと保育需要がピークアウトしていく際、区立園を調整弁とし、区立から先に廃止していくと読めますが、そうなのか。見解をうかがいます。(Q1−4)
 世田谷区の検討の結論は、区立園を民営化するのではなく、老朽園の改築時に統合し、跡地に民間園を誘致する、というものです。民営移行に伴う問題を回避しながらも財政負担を減らす考えが示されています。このほかにも他区の動向は様々です。北区が区立園の増設を行っていることは、他の議員が紹介されましたが、文京区では、1園を民営化した時点で区民からの反対意見があがり、その後民営化を行わない方針に転じています。江戸川区では民営化園の運営はすべて、区内の実績ある幼稚園・保育園が共同で設立した社会福祉法人が担っています。それぞれの区が事情に合わせて財政の効率化と良質な保育の両立を模索していますが、区はこれらの方針について、承知しているでしょうか。また、それぞれに対する杉並区としての所見を求めます。(Q1−5)
 「検討部会報告」の総括として、最後にうかがいます。区が保育行政を進めていく上で果たすべき役割とは何でしょうか。とりわけ、「保育の質」について、その具体的内容は何であると考えているでしょうか。(Q1−6)
 また、杉並区で区立園の果たすべき役割は何でしょうか。区立園の役割が「中核園」「障害児指定園」だけだとすると区立は最終的に14〜15園しか残さないという考えなのでしょうか。見解を求めます。(Q1−7)
 さて、私は、区立園の民営化には反対ですが、民営化のなかで、少しでも保育の質を保つための提案をしたいと思います。ひとつは、民営化にあたっての選定基準のありかたです。先の第三回定例会では、上井草保育園の選定がきわめて不透明で公正さを欠く、作為に満ちたものだったことを追及しました。しかしその一方、選定委員会では、当初保護者4名が委員に入り、応募事業者は人件費比率7割程度、園長の経験年数7年以上、直近の離職率を明示すること、など、事業者の質を担保するための厳しい条件がついたことは高く評価できると思います。この上井草の応募条件を他園の選定でも適用していくべきと考えますがいかがか、所見をうかがいます。(Q1−8)
 次に、民間認可保育園や小規模保育等にかかわる問題です。たとえば、来年4月開園が延期となった和泉3丁目の認可保育園は、住宅密集地の100坪に満たない狭小な敷地に定員60名の保育園です。近隣の皆さんは「保育園は歓迎するけれど、この計画では子どもたちの環境が悪すぎて可愛そう」とおっしゃっています。また、昨年区有地をつかって公募した保育園の一つでは、今年4月開園以来わずか半年にして、すでに保育士7名の離職が相次いだとのことです。個人情報の紛失も起きています。今後これらの問題を未然に防ぐために提案したいのは、プロポーザル選定委員会において、事業者の既存園の保育のようす、及び建設予定地を必ず視察して評価することです。いかがか、所見をうかがいます。(Q1−9)
 さて保育の項目の最後に、保育料についてうかがいます。まず、そもそも保育料とはなにかということです。保育は児童福祉であり、おあずかりサービスではありません。したがってサービス購入の対価、という考え方は間違いです。費用負担は一義的に国と自治体の責任であり、保育料は応能負担が原則です。区の考え方と法的根拠をうかがいます。(Q1−10)
 また、今回保育料の値上げにより、区は年間総額いくらの増収になるのかをうかがいます。(Q1−11)
 保育料値上げの効果は年間数億円でしょうし、民営化での経費節減は5年間で14億円だそうですから、杉並区の一般会計の0.5%にも届くかどうかです。そのお金を惜しんで、保育環境を悪化させたり、子育て世帯に経済的な重荷を負わせてはならないと指摘します。
2.あんさんぶる荻窪の財産交換について
 2つめの項目としてあんさんぶる荻窪の財産交換についてうかがいます。先ごろ東京地裁ではいわゆる「7つのハンコ事件」裁判の法廷が開かれ、多くの区民が傍聴しました。来年にはいよいよ証人尋問が行われるとのことで、大詰めを迎えています。また先日は、区内の市民グループが、あんさんぶる荻窪のフィールドワークを企画、私も参加しましたが、外階段から屋上に上がった皆さんは「屋上がこんなにいい場所とはしらなかった」「こんないい施設、絶対になくしてはいけない」と口々に感想を述べておられました。あんさんぶる荻窪の廃止に反対する署名活動も続いており、あんさんぶるへの区民の関心はひとまわり広がっているようです。
 あらためて「あんさんぶる荻窪」がつくられた時の「複合施設をつくる会」のメンバーに当時の書類を見せていただきました。「ちび体育館」を中心として、階段は自然を感じられる屋外プレーパーク、そして屋上にはお花畑、前面は大きな吹き抜けのガラス窓など、現在のあんさんぶるに多くの意見が生かされています。また、当時区がつくった立派な「あんさんぶる荻窪」というパンフレットが区政資料室にありました。そこには名称の由来として「あんさんぶるとは少人数の合奏団を意味します。複合を構成する各事務所等を合奏団にたとえ、調和のとれた美しい建物と施設運営を期待して名付けられました。」と書かれています。
 当時の議論のなかに、「併設施設ではなく複合施設」という言葉がでてきます。同じ建物のなかにただ別の施設が存在しているのでなく、それぞれの施設を利用する人たちが交流し育ち合う場と位置づけ、条例上も「複合的利用を推進するもの」と定めました。地域の方々の夢を、行政の人たちが知恵を絞って形にしていった、そういう誇りがそこにはこめられています。
 翻っていま、天沼3丁目をはじめとして多くの複合施設が予定されていますが、区はそもそも「複合施設」の意味をどのように考えているかうかがいます。(Q2−1)
 次に、あんさんぶる荻窪の中核である児童館についてうかがいます。一昨年第二回定例会で、私は、仮に税務署になるとしても、2階の児童館だけは存続できないかと質問しました。これに対して「国からはセキュリティー上の問題などから困難であると聞いている」との答弁がありました。また、議事録をさかのぼると、平成27年の予算特別委員会で「児童館の存置については、協議の場でもお伺いしているが、なかなかそれは難しいという回答である」という答弁が見られます。ところが、荻窪の方が当時財務省に直接話を聞きに行ったところ、担当者は「児童館のことは全く聞いていない。議事録を見ても区はウソばかり言っている」と憤慨しておられたそうです。そうしたところ、昨年3月の予算特別委員会で他会派の質問に対して「国には求めていない」との答弁があり、案の定と思ったところでした。
 「国にお願いしたがセキュリティ上無理といわれた」という答弁と、他方「国に求めていない」という答弁のどちらかが虚偽答弁ということになりますが、いったいどうなのかうかがいます。(Q2−2)
 区は児童館機能を桃二小に移転し「学校という広いフィールドを使って」「校庭、体育館、図書室、音楽室などを活用して、より充実した活動ができる」旨説明を繰り返してきましたが、それでは放課後等居場所事業の実態はどうか。和泉学園の本事業において、校庭、体育館は週何回程度使えているでしょうか。また、図書室、音楽室、図工室は使えているのでしょうか。お示しください。また事業に対する評価はいかがでしょうか。所見をうかがいます。(Q2−3)
 次に、あんさんぶるの財産交換と再開発の関係です。以前にも申しましたように、荻窪の一部の地主さんからは「児童館が開発のじゃまだからどかしてくれ」と区に対し再三要望があったと聞いています。なぜなら児童館などの児童福祉施設、学校などがあると、そのまわりには、風俗営業の規制はもちろんのこと、東京都の建築安全条例でも車庫の設置についての規制があるからです。この点、制度を確認したいと思いますのでご説明ください。(Q2−4)
 また、児童館があれば児童が多数通行するところから、運用上も一方通行など車両の通行規制の緩和は難しいのではないかと思われます。実際、上荻児童館にほど近い荻窪北口の再開発計画では東急デパートを誘致する話が進んでいたが、通行規制がネックになって成立しなかったということです。あんさんぶるも、結局、補助131号線の相互通行化など再開発の邪魔ということなのか。そのためにあんさんぶるが廃止されてしまうことに地元では怒りの声が聞かれます。
 これは荻窪だけでなく阿佐ヶ谷の駅前一等地にある杉一小が普通の老朽建て替えではなく、やれ複合施設だ、土地交換だと振り回され、開発のタネ地扱いされていることも同様です。公共の用地・建物は政策目的に供されるものであるのに、区長の主導する施設再編は目的と手段が逆転しているとしか思えません。自分の所有でもない公共の土地や建物を取引の材料にしたり、右から左への玉突きで動かしたりすることにひたすら熱意を燃やす区長は、不動産のブローカーなのかと言いたくなります。
 さて、国はあんさんぶるへの移転を歓迎しているわけではなく早期に再移転する可能性が高いことは先にも指摘しましたが、荻窪駅北口の再開発ビルにデパートの代わりに税務署が再移転するのではとも、地元ではささやかれているそうです。税務署の再移転の可能性について区はどのように認識しているのか、また、仮に税務署が数年で再移転すれば、再度区が買い戻すこともできるのではないかと思いますが、その可能性はあるのかうかがいます。(Q2−5)
 この項の最後に、先の保健福祉委員会で議論になった、財産交換の手続きについてお聞きします。昨年と来年の2回議決をする問題です。委員会のあと、2段階議決の前例について区の担当者に問い合わせたところ、岐阜県飛騨市が国と土地を交換したケースを教えていただきました。このケースは飛騨市側が土地評価額の差額1700万円余を国に支払うという議決をしたのちに、金額が変更となり、「差額金の変更」を議決したものです。しかし、このケースはあんさんぶるのケースとはかなり違っています。単純な土地同士の交換であること、さらに、再度の議決は差額の変更であり、その変更は最初の議決からわずか半年後、変更額もわずか35000円ほどにすぎません。
 あんさんぶるの場合には、交換財産の両方ともが現在使用中の行政財産であり、しかも、土地と建物をあわせての交換であること。そして、実際の交換より2年以上も前に議決を行っており、現実の交換時点の価額はまだわからず、鑑定価格次第では交換が成り立たないことなど、飛騨市のケースとは全く違う異例の要素が多く、前例とするにはかなり無理があります。副区長は2回の議決に関して「他団体でも通例のやりかた」という表現をしていましたが、どうも通例というほど事例数がないようです。区は飛騨市以外のケースを把握しているでしょうか。お答えください。(Q2−6)
 来年提案される予定の財産交換ですが、あまりにも異例の要素が多すぎ、肝心の議決のありかたについてすら、いまだに混乱が続いているところからも、やはり無理筋の話としか言いようがないと申し上げておきます。
3.高円寺小中一貫校について
 最後に高円寺小中一貫校について質問します。8日、関連する3校の保護者に手紙が配られ、工事の遅れと新校の開校延期が告げられました。遅れの理由は「工事妨害」があったことと説明しています。区ホームページにも掲載されました。ここでいう「工事妨害」とは、おそらく住民の抗議活動を指しているものと思いますが、そうだとすると不当ないいがかりとしか言いようがありません。なぜなら、工事の遅れは住民の抗議行動が原因ではなく、他に原因があるからです。
 まず手続きの遅れです。工事用地である高円寺中の敷地は、東京都建築安全条例で求められる接道条件を満たしていません。そのため区は「知事が安全上支障がないと認める」という例外として認可するよう求めました。この審査が通常なら1か月ほどで終わるところ、異例の4か月を要したところからスケジュールの遅れが始まりました。さらに建築確認、この場合は計画通知、のおりるのも、通常より2か月程度遅れました。
 しかし、区と施工業者はスケジュールの見直しをしませんでした。このくらいの遅れは取り戻せるとの認識だったのでしょう。ところが、この期間は例年になく雨が多く、台風も何度も襲来しました。また、工事現場でかなり地下水が出ており、これも工事の難航の一因だったと思われます。さらに、区議会に対しては「オリンピックの工事が集中しているため完了検査が順番まちになって間に合わない」という説明もありました。これらの様々な事情を全て隠して、ありもしない「工事妨害」のみで片付けるなど、責任転嫁もはなはだしいといえます。
 建設業界の方に言わせるとこういうのを「地元の神様」というのだそうです。地元で反対があれば、自分たちのミスで工期が遅れても「地元の人が邪魔をしたから」という言いのがれができるから、神様、仏様だという意味だそうです。今回のケースはその典型です。ホームページ上、また保護者に対しての「工事妨害」との説明は訂正し、区と施工業者の責任を明らかにするよう求めます。(Q3−1)
 さらに、住民が大変危惧していることがあります。今回、区が「工事妨害」などと公言したことで、さきに東京地裁に仮処分を申し立てた工事業者がさらに調子づいて、賠償請求訴訟を起こすのではないか、ということです。しかし、仮にそのような事態に陥れば、まさに泥沼化します。
 先の仮処分申し立ては新聞、テレビにも取り上げられ「言論の自由」「表現の自由」との関係で大きな問題になりました。これが多額の金銭を要求するようなスラップ裁判となれば、公共の、学校の工事です。区は当事者性をまぬかれません。区が事業者といっしょになって、住民の言論に圧迫を加えるケースとして、全国の注目のなかで憲法裁判として進行していくことになるでしょう。区としては全国区で大変みっともないことになります。区はこれ以上、地元で紛争が起こらないよう、事業者と住民に対して配慮していくべきと考えますが、いかがか、所見を求めます。(Q3−2)
 最後に、さきほども触れた建築安全条例に関して述べます。安全条例上の認可については住民が異議申し立てを行い、この手続きはまだ続いています。住民の皆さんは、この学校の建築の危険性を指摘しています。
 まず完成後の建物について、巨大な建物におおぜいの児童生徒がおり、避難に手間がかかることです。例えば発災時に、6階のプールで小学校低学年が授業を行っている場合だってありえるのです。また、消防活動の点からも不安があります。この学校は環七通りの接道が8.7mしかなく、胴の長いはしご車が来ても簡単には入場できません。模型で確認してみると、片側車線の通行をすべて止めて誘導し、90度以上の角度で大きく回り込まないと入場できません。消防が迅速に活動できるか不安です。ほかにもたくさんの問題がありますが、特に工事中の3年間は校庭が使えず、校庭への避難が全く不可能です。今回、スケジュールが延期になりましたが、少なくとも中学生はその3年間ずっと工事現場の隣にいるわけです。
 これらの問題点について、住民の方々は杉並消防署、および高円寺中学管理職に対応をききにいったそうです。すると消防署は、はしご車の件では答えることができずに口をつぐんだとのこと。また、学校の先生たちは、「苦渋の選択で、教室内で点呼を行い、校舎前の狭く危険な空間に避難する訓練をしている」また「そこが危険になり第二避難所に向かうとしても、木密地域という特性からかえって危険である」と懸念をのべておられたそうです。これらの消防の問題、子どもの避難の問題について、区はどのように認識しているでしょうか。また、特に避難に関しては解決を求めたいと思いますが、いかがか、所見を求めます。(Q3−3)
 今更ですが、子どもの数が少なくて統合するというのですから、和泉学園で行ったように、工事中はいったん小学校の校舎に中学生を移すという方法はとれないのでしょうか。安全面を考えれば、いまからでも検討していただきたいと思います。これは意見として申し上げます。
 今回も区政の問題点について様々に指摘せざるを得ませんでした。区政はますます住民との対立を深めているように思えます。しかし、私たち杉並区の歴史をたどれば、あんさんぶる荻窪のように、住民と行政が協力していい街をつくるための作業ができていたのはつい十数年前であり、そう遠い昔ではありません。私たち区民、そして心ある区職員の皆さんはその力をもっています。
 住民自治にもとづく区政転換への希望を皆さんと共有したいと心より願うものです。

代替運動場に1億3千万円は不当な利益供与(決算特別委員会の質疑まとめ)

 2017年9月29日から10月12日まで開催された杉並区議会決算特別委員会で行った質疑のまとめです。質問のテーマは以下のとおりです。★印はさらに下に要旨を掲載しました。一人会派の私は各回5〜6分の持ち時間(発言時間のみ)でこれらの項目をこなすので大変です。なお、杉並区議会ホームページより録画配信がありますので、あわせてご参照ください(こちらが動画リストです)。
1回目(10月2日)
●待機児童対策(公園をつぶさなければ500人の待機児童が出ていた、と区が言っている数字のトリック)
●持続可能な行財政運営(大規模工事のムダづかいを見直すべき)
2回目(10月3日)
★●地域区民センター(運営委託業者の労働法令違反発生)
●プロポーザル選定(上井草保育園民営化の事業者選定に疑問があること)
★●議事録(プロポーザル選定委員会の議事が全く記録されていない問題。公文書管理条例制定を求める)
3回目(10月5日)
★●保育料値上げ(0歳児を中心にすべての利用者1〜3割値上げに反対)
★●区立保育園の民営化(平成36年までに6〜13園を民営化する計画に反対)
4回目(10月10日)
★●杉一小改築計画(全く使わない代替運動場に1億3千万円払った件)
★●学校エアコン(同じ金額の1億3千万円をけちった話)
●阿佐ヶ谷のまちづくり
★【地域区民センター】
 ある地域区民センターで運営委託事業者が常勤者に対して残業代を払っていない問題が発生しました。この質問をした時点では未払い分の賃金がすでに支払われて解決されていましたが、事業者との契約では、不正行為があれば契約解除の条件ともなります。区としては改善されたので処分は考えていないとの答弁でした。
 杉並区では委託・指定管理事業者に対して社労士による「労働環境モニタリング」で労働法令違反がないかのチェックを行っています。問題の事業者に対しては昨年実施したものの、今年度法令違反が発生していたことを区は把握できていませんでした。モニタリングの回数、頻度を増やす必要があります。
★【議事録】
 上井草保育園民営化の事業者選定におけるプロポーザルでは異例の「標準偏差」の手法が用いられました(この件の詳細はこちら)。この選定についての議事録を情報公開請求したところ1枚ピラで、議題しか書いてないようなものでした(画像参照)。
 これに対し例えば港区ではちゃんと議論の経過がわかる議事録になっていますが、杉並区は他の分野でも議事録がまともに残っていないことが多々あります。
 公文書管理法では34条に地方公共団体の責務、4条に行政文書の作成が定められており(※)、国の機関は意思決定の過程がきちんとあとづけられるようにしなくてはならないというルールがあります。区もこうした条例、公文書管理条例を定める必要があります。区の答弁は「34条は公文書管理条例の努力規定ではあるが、条例を施行している自治体もある。歴史的文書の保存、公文書管理館をどうするかなどさまざまな課題がある。必要性も含めて検討している」とのことでした。
※公文書管理法 第34条 地方公共団体は、この法律の趣旨にのっとり、その保有する文書の適正な管理に関して必要な施策を策定し、及びこれを実施するよう努めなければならない。
第4条 行政機関の職員は、第1条の目的の達成に資するため、当該行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程並びに当該行政機関の事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができるよう、処理に係る事案が軽微なものである場合を除き、次に掲げる事項その他の事項について、文書を作成しなければならない。
★【保育料値上げ】
 保育料は上がるし、民営化はするし、保育園の利用者はふんだりけったりです。広報すぎなみの10月1日号は保育園の特集でしたが、民営化、保育料については、一番小さい字で見つからないように書いてあります。具体的には
・引き上げ率:0歳児については2割程度、1〜3歳児については1割程度、4・5歳児については1〜3割程度の見直しとなる。
・住民税非課税世帯:これまで負担0だったが今後負担を求めていく方針。23区内での前例は6区にすぎない。
★【区立保育園の民営化】
 区立保育園の民営化方針(「今後の区立保育園の役割と民営化の方針について 保育のあり方検討部会報告」)が発表されましたが、これも報告書を見ても審議の経緯が全くわかりません。杉並区は意思形成過程が本当にブラックボックスです。以下報告書の内容にもとづき質疑で確認しました。
・7地域ごとの2園は区立保育園として存続する(計14園=現在の区立園の約1/3のみ)
平成36年までに6園を民営化する。具体的には、上井草、杉並のほかに新たに中瀬、井荻保育園が指名された。
・これまでは保育園の老朽建て替え時に民営化していたが、今後は園舎の新しい園も民営化する。その場合、土地建物は区有のまま賃貸する。
・指定管理の7園もさらに民営化する。これは上記6園とは別枠(つまり36年までに最大13園を民営化)。
 ちなみに、公立と私立では人件費(賃金)が全く違うといわれますが、杉並区は公設民営園の人件費すらつかんでいません。今回報告書に経費の概略が出たので推計してみました。
 区立保育園運営費のうち人件費は82億3200万円(平成28年度)。事務職の人件費を除いて約80億円余り。一方、私立保育園は補助金総額が53億円と書かれています。私立の場合人件費が7割を切るのが普通と言われるので、30数億円と推定。園児数を勘案(区立:私立=5:4)して、人件費(賃金)が約2倍と推計できました。保育の質と保育士の待遇改善のためにも公立園(公務員保育士)の存続・拡大は必要です。
★【杉一小改築計画】
 河北病院の移転改築経過に伴い(という動きもヘンな話なのですが)杉一小改築計画が抜本的に変更されました。しかし、すでに変更前の案に従って2億円が執行されていました。うち1億3千万円が代替運動場の賃貸料でした(月880万円、平成28年度1億500万円、29年度(3か月)2600万円)。当初計画で仮設校舎の運用は30年4月からの予定でしたが、使用予定の2年も前から借りており、しかも使用された実績はゼロで完全にムダな出費となりました。
 区は駐車場管理会社に転貸し月340〜360万円の賃貸料を得ていましたが、区が借りる前から同地は駐車場であり地主さんは同額程度の賃貸料を得ていたと思われます。それなのに、区が借りた際には1か月当たり550万円も上積みされています。
 そもそも学校建て替え時に代替運動場を借りた例はなく、現在工事中の桃二小も他の学校の校庭などを借りています。杉一小の場合だけわざわざ代替運動場を確保するのは不自然です。
 さらに、仮設校舎予定地のけやき公園からは馬橋小学校・馬橋公園グラウンドが至近であり、借りていた民間駐車場と距離は変わりません。ますます必要がなかったと考えられ、不当な利益供与と見られても仕方がありません。
★【学校エアコン】
 28年度の小中学校特別教室エアコン設置は小学校14校、中学校9校、金額は1億3700万円余。理科室はすべて設置済みですが、家庭科室、図工室は約半数。中学校の美術室はまだ相当数が残っています。そこで今年度残りを行う計画だったのですが、途中で変更が生じました。今年度は小学校2校、中学校1校のみ、金額では2800万円のみ実施でした。
 教育委員会からは「教育の機会均等のため29年度で小学校の家庭科室、図工室、中学校の家庭科室をつけたかったが、実行計画改定の中で計画外となった経過がある。今年度小中学校PTA協議会や保護者から強いご要望をいただいているので、来年度にむけては十分検討していきたい」との答弁でした。
 この質問をしたのは、学校の図工の先生から、今年エアコンがつくと思っていたのにつかず、非常に困ったという話を聞いたことがきっかけでした。図工室が暑くて授業ができず、毎時間重たい教材をかかえて冷房の入っている普通教室に移動しており非常に大変とのことでした。
 前項の駐車場賃貸と変わらない金額です。優先順位が間違っています。

「無理が通れば道理が引っ込む」(決算に対する意見を述べました)

2017年10月12日、決算に対する意見開陳を行いました。主に保育のことから情報公開、説明責任について言及し、すべての決算の認定に反対しました。(賛成多数で認定に決定)
(以下は質問原稿です。実際の発言とは一部異なるところがあります。)
 杉並わくわく会議として、決算に対する意見を述べます。
認定第1号平成28年度杉並区一般会計歳入歳出決算ほか5件の認定に対しては反対とし、以下その立場から意見を述べます。
【1】当該28年度の問題点
 当該平成28年度はなんといっても待機児童緊急事態宣言が大きな問題となった年でした。子どもたちが多く利用し愛着を持っている公園をつぶして保育園をつくるという暴挙は、地域に深い傷と不信感を残しました。これだけとっても決算を認定しない理由になるほどで、断じて認めることはできません。
 さらに問題は公園ばかりではなく、区内各地でことごとく住民の意思をないがしろにして政策が進められ、田中区長の独断的な区政運営がきわまった年でありました。
 大義なき「あんさんぶる荻窪」の財産交換は、地元地域をはじめとして多くの区民の反対の声をうけながら準備のための新しい複合施設が着工されました。
 高円寺小中一貫校をめぐっては、近隣住民との合意のないままに住民を出し抜いてボーリング調査を強行、さらには工事に至る経過も強い反対を押し切り進行していきました。住民に対し虚偽の暴行事件を工事業者がでっちあげた件は区の強硬姿勢の象徴といえます。
 保育園の民営化をめぐっては、対象とされた上井草、杉並両保育園の保護者に対して民営化計画が知らされることもないままパブコメが始まる始末。反対の声は一顧だにされません。
 まさに「無理が通れば道理が引っ込む」のことわざ通り。「問答無用」を絵に描いたような区政となりはてています。
【2】委員会で追及したこと
 こうした経緯をふまえて、以下何点か述べます。
(1)保育待機児
 まず今年度もひきつづき厳しい状況にある保育の問題です。何度も言っていることですが、元々、国の待機児童の定義は認可保育園に入れなかった人という基準でした。杉並区でいえば1800人にものぼり到底1年で解決できるものではありません。それを1年で解消するかのような「緊急事態宣言」は区長の政治的なパフォーマンスにすぎず、地域住民、子どもの生活環境はその犠牲にされました。
(2)保育料
 そして、今後は保育料の値上げと区立保育園の民営化がダブルで利用者を襲います。
 保育料は20年間値上げをしていないと説明されていますが、この20年はデフレの時期であり、消費者物価の上昇はほとんどゼロです。それに対して1〜3割の大幅な値上げは容認できません。
 しかも所管の保健福祉委員会にすら方針が示されただけで、具体的な保育料表はいまだ提案されていません。まして区民に対しては、全く周知がされていません。「広報すぎなみ」では保育料値上げの文章は最も小さい文字で表記されており、よほど気を付けないと読み過ごしてしまいます。
 保育園入園希望者に対しては、保育料と民営化についての手紙が保育園利用案内に差し込まれましたが、在園の保護者からはそのような手紙は届いていないと聞いています。当事者が知らないうちに決定してしまう、杉並区お得意のやりかたでしょうか。
 住民税非課税世帯に新たに負担を課す、また0歳児に対する利用料を2割引き上げるとの方針は特に問題です。
 そもそも保育とは就労支援でもなければ救貧対策でもありません。あくまでも、児童福祉法にもとづき、保育に欠ける子どもの生活と健やかな成長を保障することを目的とします。就労支援なのだから対価を払うのが当たり前とか、あるいは逆に救貧対策だから生活に困っている人だけ助ければいいというのはどちらも間違いです。
 区は応益負担と応能負担を併記して説明していますが、このような趣旨から応能負担を原則としてきました。なかでも23区はとんでもなく高すぎる国基準保育料を大幅に軽減する政策を長年にわたってとってきました。それに対し、今回の値上げ案はコスト論に偏っており福祉の視点から大きくはずれています。
(3)保育民営化
 次に、区立保育園の民営化について述べます。区は平成36年までに6園を民営化し、かつ指定管理の7園も並行して民営化していくとのことです。7年間にすべての指定管理園が更新期を迎えるので、計画期間内にほぼ全園が民営化される可能性がありいっきに13園の民営化が行われることになります。
 質疑では区の進め方が問題を引き起こしている上井草保育園民営化について質しました。
 保護者説明会で出たあまたの疑問が解決されず、そして保護者の皆さんが話し合って対応を模索しているさなか、区は見切り発車で事業者選定委員会を発足しました。その選定委員会の結果、不調に終わったことを、区長や区幹部の皆さんは、保健福祉委員会でも当委員会でも口々に選定委員個々人の責任であるかのように非難しました。区長に至っては「政治的な意図をもって反対している人が0点をつけた」という趣旨のことを何度も述べています。しかし、こうした結果に帰したことは、全体として、区長や区担当者が結果責任を負うべきものではないでしょうか。
 そのあげく「標準偏差」による選定です。何度も言ったことなので細かくは申しませんが、常識外れのやりかたに唖然とします。結果として1位2位が逆転するに至ったこと、また選定された法人が上井草園に法人本部を設置する計画であることを考えあわせると、この選定には大いなる疑問があると言わざるをえません。このような選定をまのあたりにしたとき、今後の区立保育園の民営化にあたって、公平公正に、質の高い保育事業者を選べるかどうか極めて疑わしいものです。
 保育園の大量増設の中で、ハード的にも問題のある保育園が増えています。このかん敷地が100坪に満たないにもかかわらず60名、70名といった最低基準ぎりぎりの保育園の提案が目立ちます。区は定員さえ確保できればいいとの姿勢でこれらを次々に認めていますが、保育園は荷物のように子どもを預かればよいわけではありません。数だけを追いかける区の保育園増設はもう限界です。
 23区には人材確保の面からも、むしろ区立保育園を増設している区や、民営化は行わないと決めている区もあります。これらの区に学んで方向転換をはかるべきです。
(4)児童館
 児童館について、質疑の時間が足りなかったので補足します。杉並区は児童館すべてを廃止する計画で、当該28年度には和泉児童館が初めて廃止され、子ども子育てプラザ和泉が発足、児童館の代替措置ということで学校内の放課後等居場所事業が始まり、今年度から本格実施されています。
 区はこのかん、児童館事業は「継承・発展」させていくとして、あたかも児童館で行われていたことが小学校でもそのままできるかのような説明をしてきました。
 たとえば一昨年の決算特別委員会において「学校の図書館、音楽室などが児童館のように自由に使えるのか」との私の質問に対して「学校にも当然ながら図工室、音楽室があり、そうした特別教室の使い方なども学校と協議をしていく」との答弁がありました。
 しかし、和泉学園における放課後等居場所事業の実績を調べますと、図工室、音楽室、図書室などの特別教室の利用実績は全くありません。やはり学校側が容易には使わせてくれないのだと思います。また、和泉学園の場合には校庭、体育館も週1回程度しか使えていないこともわかりました。
 放課後等居場所事業では児童館よりも参加人数が増えたとの報告もありました。しかし、その裏で、学校で行う事業だから来られなくなった子もいるのではないでしょうか。また、中高生委員会が最も盛んな館だったのに、中高生対象の事業は段階的に縮小されていくようです。
 放課後等居場所事業で学校施設を活用すること自体は悪いことではないと思いますが、区が説明するような児童館の代替にはなりえないことがはっきりしたと思います。児童館とは全く別物なのです。
(5)財政規律
 これら子どもの施設にかかわる負担の引き上げや民営化、再編などは財政健全化をかかげて行われています。しかし、その一方で、大型の建設事業や政策目的にふさわしくない支出があることも指摘しました。
 高円寺小中一貫校建設に80億円の予算が投入されます。施設一体型小中一貫校ではなく住民が提案してきたように分離型小中一貫校にすれば、まだ新しい杉四小の校舎は今後30〜40年は建て替えの必要がなく、高円寺中の建て替えのみ、半額以下ですんだはずです。あえて巨大で使いにくい区者と狭い校庭の一体型にしたのはなぜか。教育よりも建設利権が優先されています。
 あんさんぶる荻窪の財産交換にいたっては、全く必要のない交換をするために新しい複合施設建設と桃二小の改築であわせて70億円もの予算が投入されます。30億円かけたあんさんぶるの建設費も無駄になります。保育園や児童館にかけるお金は少しでも削っていこうとする一方で、これら大規模工事の巨額予算がドンブリではどうしようもありません。
 杉一小の改築計画変更にともない不要となった駐車場の賃貸契約についても質しました。賃借料が不当に高く、期間も不必要に長いこと、また、仮設校舎の予定地であったけやき公園からは馬橋小学校、馬橋公園も間近であり、代替運動場は必要なかったことも指摘しました。現在建て替え中の桃二小の例を見ても近隣の学校の運動場などを利用しており独自の仮設校庭などありません。杉一小についてだけこの駐車場をわざわざ借りて、総額1億3千万円。地主さんはハンコひとつでこれだけの賃料を得たわけです。
 持続可能な行財政とか、財政規律とか、経常収支比率とか、委員会で議論されましたが、そういうコツコツの積み重ねがいっきに吹っ飛んでしまうようなこの1億3千万円です。これも区民が負担しているのかと思うと怒りを通り越して悲しくなります。
【3】姑息で卑怯な区政
 平成28年度を振り返るとき、この区政がいかに区民をないがしろにし、独善的に政策を進めてきたかを改めて痛感します。あんさんぶる荻窪、科学館、けやきプールなど、廃止する施設に関しては説明会すら行わず、多くの利用者が知らない間にこっそりと廃止する姿勢も、つくづく姑息で卑怯な区政だと思いますし、反対する住民はすべて政治的意図を持っている反対派だときめつける区長の態度は、さまざまな立場、考えをもつ多様な住民をまとめる立場にある自治体の首長としてあるまじきものです。
 区民に対する説明責任も果たされません。質疑の中では上井草保育園のプロポーザル選定委員会の議事録を例に示しましたが、議事録と呼べるような代物ではありません。これは、この委員会だけではなく、あんさんぶる荻窪の財産交換に関連してまちづくり連絡会議の議事録を情報公開請求した人は、議題と席順だけしか記録されていない文書を見て唖然としていました。杉並区ではどこでどのような議論を経て決まったのか、どんな分野においても、それをあとづけることが不可能といっていい状態です。政府の情報公開のひどさを国会では「のり弁」と揶揄されますが、杉並区のはもとから記載がないので「から弁」とでも言えばいいのでしょうか。
 国の公文書管理法では行政機関について「意思決定に至る過程、事務・事業の実績を合理的に跡付け、検証することができるよう文書を作成しなければならない」との定めがあり、また、地方公共団体についてもこの法律の趣旨にのっとり文書管理を行うようにとも定められています。区政の基本となる説明責任を放棄している区政を改め、逃げずに説明する区政に転換するためには法的整備が欠かせません。公文書管理条例の制定を求めます。
 以上をもちまして反対意見とします。最後になりましたが、審議にあたり、多数の資料を作成して下さり、さまざまな問題についてご教示くださり、また連日丁寧に答弁してくださった職員の皆様に御礼申し上げます。ありがとうございました。

あんさんぶる荻窪の児童館廃止など可決(9月19日保健福祉委員会)

 2017年9月19日保健福祉委員会で、あんさんぶる荻窪に関する3議案が審議されました。
 あんさんぶる荻窪の廃止(予定は2018年3月)にむけて、あらかじめ施設の移転・廃止・新設を決めておくものです。議案第68号(福祉事務所の移転)、第70号(荻窪北児童館の廃止)、第71号(子ども・子育てプラザの新設)の3議案です。私は「あんさんぶるの財産交換は来年3月まで決定されないのだから、それまで継続審議すべき」と動議を提案しましたが、賛成少数で否決。その後採決が行われ、賛成多数で原案可決されました。
 あんさんぶる荻窪荻窪税務署の双方が現在使われている施設であるところから、土地・建物の財産交換は複雑な手続きになっています。現在使っている施設どうしの交換というのは前例もありません(そもそもあんさんぶる荻窪のように新しい施設を交換に供するような愚かな自治体はないということです)。そのため、手順も手探りのようで、委員会質疑にも混乱が見られました。
 私の述べた反対意見、つづいて質疑の主な内容を紹介します。
<議案70号(荻窪北児童館の廃止)に対する反対意見>
 議案第70号について意見を述べる。荻窪北児童館の廃止については反対とする。
【あんさんぶるは「子どもの城」】
 まず、あんさんぶるの財産交換については別の議案への意見で述べたとおり、財産交換自体に反対である。あんさんぶるは地域住民、町会、保護者らが7年間かけて話し合い、遊び場のない子どもたちのために広い体育室やお花畑のある屋上、外階段を中心につくられた杉並区の子どもの城。児童館は年間7万人の子どもが利用している。乳幼児から中高生まで大勢の子どもたちの居場所がなくなることは許されない。そのなかには荻窪駅前の小さな保育施設の子どもたちの園庭機能も含まれている。保育施設建設には熱心な区だが子どもの育ちの環境が悪化することを危惧する。
【財産交換の目的は再開発】
 そもそも財産交換の目的は特養と説明されてきたが、区長の平成22年の要望書により、目的はまちづくりであったことが明らかになった。国の担当者も歴代そのように認識している。あんさんぶるの廃止は児童館を廃止して荻窪の再開発、ビル建設をやりやすくする目的がある。私たちは高齢者か子どもかで悩んできたが、実態は子どもを犠牲にしての再開発が目的と認識した。
【慣れ親しんだ子どもの居場所の大切さ】
 児童館事業についても、杉並区は児童館のすべてを廃止するという計画をもっており、その一環であるところからも反対。児童館事業の重要さはあんさんぶるがいかに活用されているかを見ればわかる。乳幼児から高校生までが利用することの意味、これは時間を経て、一貫して関わってくださる職員さんがいること、また、年齢差のある人間関係が育っていくこと、こうした大変有意義な事業がこれまで展開されてきている。小さいときから慣れ親しんだ自分たちのホーム、居場所だと子どもたちは言っている。児童館廃止の計画の中でも、施設そのものがなくなってしまうのは、この荻窪北児童館が最初となるところから認められない。以上をもって反対とする。
<質疑から>
【あんさんぶる荻窪財産交換の議決について】
 こんなところで1時間ももめるとは思わなかったのですが、説明があいまいで混乱しました(言葉の行き違いもありました)。副区長が「通例」とかいって「他団体ではみんなこうやってますよっ」的な説明をしているんですが、後日「その例は?」と問い合わせたところ、1件出てきただけ。しかも本件とは違って単純な土地交換で価額が変更になったケースにすぎません。
(松尾)来年3月に国と契約しない限りはこの財産交換は成らない。昨年の議決は、財産交換を前提に事業を進めていいよということを承認したものと思っているが、決して、国との契約が結ばれたわけではなく、契約じたいは来年にならないと結べない。それが議会で議決されるまではこの財産交換に関しては議会の意思は定まらない。さきほどの副区長の説明だと、財産交換をやることは議会が決めた、決めたけれど値段がちょっと違うから値段だけ変更するというように聞こえるが、それは間違っていると思う。
(宇賀神副区長)契約は最終的な評価額が決まらないと国との契約はできない。ただ、昨年の1定の財産の交換についての議決は、これを前提に財産交換を判断いただかないと区として進められないので、判断いただいた。最終的には5月の直近の価格で議決をいただく。その価額をもって契約する。
(松尾)そういうことなので「区議会決めたでしょ」と言われても困る。価額を修正しますみたいな発言については間違っているので、訂正していただきたい。
(宇賀神)これまで他自治体の財産交換を見ても、議会の判断を得た上で、議決いただいた価額を変更するのが通例。
【説明会で発言妨害】
(松尾)あんさんぶるを廃止することについての説明会がいまだに行われていないことは、地元の皆さんにとってはまったく納得がいかないこと。議案が出ている最中で、本当に遅きに失しているが、説明会を行うべきと指摘しておきたい。
 先ほど「説明会は単体では行っていないが、施設再編だとか桃二小建て替えなどの際に行ってきた」という説明があった。しかし、実態はどうだったか。私も説明会などに参加させていただいたが「今日はあんさんぶるのことは発言しないでください」とか、これは甚だしいケースだが、あんさんぶるのことで発言しようとした地元の人を、司会がその人だけ1分で遮って、マイクで声をかぶせて他の人に聞こえないように妨害行為のようなことも行われたことを目撃した。実態としてはこういうことだった。話そうとした人を司会が途中で止めたりとか、考えられない行為が行われた。
 だいたいあんさんぶるの話をどうして桃二小でやらないの、若杉小でやるの、ということも指摘されていた。そのように区は説明を逃げてきている。だからこそ、いろんな場で、あんさんぶるのことを聞きたいといって発言されるのは、天沼3丁目の説明会の場などで私も見てきた。だって、前提となっているあんさんぶるの財産交換の話が説明されていないじゃない、と思うのは当然のこと。
 町会に対して説明してほしいということが、町会長と区との間でやりとりがずっとされてきた。私はそれを小耳にはさんでいて、こんど何日ごろにやるらしいよとか、それがのびて今度は議会があるから議会が終わってからやるらしいよとか、何度かあって、結局やられないで終わってしまっているという実態がある。
【一番被害をうけるのが児童館】
(松尾)あんさんぶるの財産交換で一番被害を受けるのは児童館。他の施設、福祉事務所とか消費者センターとかは天沼3丁目の新しい複合施設に移転する。だけれども児童館だけは移転せずに廃止されてしまう。子どもたちにとった大切な施設がなくなってしまうことを確認しておきたい。
 あんさんぶるがどのように使われているかについて確認しておきたい。児童館がどのように子どもたちに活用されているか。
(藤山児童青少年課長)利用の実態としては平日は1日200名以上の利用がある。学童クラブ100人と一般利用の子。乳幼児親子も多い。一方、中高生の利用は非常に少ない。1日平均3名くらいの状況。
(松尾)全区の児童館の中でも最も利用人数の多い児童館。地域の方たちは、荻窪の駅前なので学区の中に大きな公園がない、本当に小さな公園しかないので子供達が走り回れるような場所をということで200平米の体育館をつくられたと聞いている。
 また、屋上、階段も含めて子どもたちが使ったりできる状況にあるときいているが。
(福原施設再編整備担当課長)詳細は手元にないが、自由に出入りができるので親子で利用したりという現状はあったのでは。
【子どもたちを思ってつくられた屋上庭園】
(松尾)この階段や屋上庭園も近所の人たちがこの施設をつくる際に荻窪の駅前は自然がないので植物や虫に触れさせてあげたいということでつくられたもの。これが税務署になってしまったときに、屋上、階段の庭園は区民が使えるものなのか。
(福原)現在税務署の設計を進めているところなので、どういった利用ができるかは状況をふまえて。
(松尾)言いたいことは、この荻窪児童館は、児童館単体でもすばらしい児童館ではあるが、あんさんぶるという施設の中にあって、屋上や階段の庭園であるとか、3階のフリースペース(情報資料コーナー)を勉強に使うお子さんとか、あるいは親子で児童館で待ち合わせとか3階のスペースを使ったりとか、いろんな使い方のなかで、子どもたちが大人とも接しながら、児童館の活動や自分たちの遊び、趣味の活動を活発に展開していけるという非常に理想的な条件のあるところだということ。そういう意味からもユニークな場所であって、あんさんぶるを廃止することは大きな損失になると思う。
【小さいときからの居場所】
(松尾)次に中高生の話をしたい。中高生の利用が少ないということだったが、ゆう杉並の利用と地域の児童館の中高生の利用のしかたの違いは把握しているか。
(藤山)一般的な児童館では非常に利用状況が低調になっている。きわめて限定的な利用。ゆう杉並は中高生専用施設なので、非常に活発に活動してきた状況。
(松尾)担当課長でいらっしゃるので、もう少し実態を詳細にというか、現場に接近したところで認識していただきたいとあえて申し上げる。私は中高生にも意見をきいたが、ゆう杉は非常にアクティブな場所であって、なにか、たとえば、バスケやりたいとかバンドやりたいとかいう子が遠くからでも行こう!という場所なので、そういう趣味を展開するのにいい場所。仲間で頑張ろうぜ、という場所。地域の児童館とどう違うかというと、地域の児童館は、小さいときから行っていた場所、なじみの場所、乳幼児から行っていた子もいれば、小学生で行き始めた子もいるが、昔から行っていて年下の知っている子がいるとか、知っている職員さんが昔からいるとかで人間関係もあるし場所にもなじみがあるのですごく落ち着ける場所だというんですよ。ゆう杉はゆう杉でいいが、地域の児童館の意味はそういうところにある。
 ひところ中学生が事件にまきこまれることが、大変な事件が相次いだころに、みなさんが「中学生の居場所をつくってあげなきゃ」と口々におっしゃっていたが、幸いにして杉並区でそういう事件が起こらないというのは児童館という、悩みがあったときに児童館の先生にしゃべれる、年下の子の面倒をみることで有用感を感じたり、そういう場所があったことが杉並の中高生のセイフティネットになってきたのでは。何かをやりに行く場所ではなくて自分の居場所がここにあるという意味で大事であり廃止することには疑義がある。
【保育園の子も使っている】
(松尾)次に、先ほどの屋上庭園のこととも関係するが、保育園の皆さんがこの施設をどのように使っているか。
(有坂保健福祉部長)私は平成16年に児童青少年課長、18年は環境の課長だった。周辺の保育園がお散歩に来ていた。
(松尾)多分そのころよりもたくさんの保育園、保育室が荻窪の駅前にできている。南口の場合は区立の保育園ですら園庭がない。保育室はビルの3階、4階に入っていて、公園が少ないなかで、あんさんぶるは大変人気。毎日どこかしらの保育園の子がカートできたり、手をつないで来ていて、児童館で遊んだり、庭園で遊んでいたりという光景が見られる。あんさんぶるは保育園の園庭としての機能を果たしてきたんだということを確認したい。今後小学校に小学生の居場所等を移転するというが、そういった子どもたちの受け皿がなくなってしまうのではないか。
【公園は児童館の代わりにならない】
(松尾)次に、先ほどからお話しの出ている4丁目公園の話ですが、場所的に駅前からは遠い。広い通りを渡って行かなければいけないということで、あんさんぶるの代替だと言われても納得できない。
(藤山)児童館の機能がそのままそこに移転するということではないが、荻窪北児童館の機能を移転するがまだ足りないというご意見も聞かれたなかで子どもの居場所の機能を充実していこうと考えた。地域の環境を整えていくうえで大きな機能を果たせる。
(松尾)他では利用率の高い公園をつぶしたりしているので公園を増やすことはけっこうだと思うが、児童館のかわりにはならないですよね。露天であって屋根があるところじゃないから雨の日は使えないとか、児童館は専門の職員さんがいるが公園にはいないとか、そういうことをいうまでもなく、公園が児童館の代わりにはならないですよね。公園もつくるから、というのはいいわけかなと思います。

上井草保育園の廃止について(9月19日保健福祉委員会の議案審議)

 2017年9月19日、杉並区議会保健福祉委員会が開催されました。4つの議案と12の報告案件という膨大な中身で、朝10時から夜8時近くまで行われ、続開となりました。
 まずは本会議でも取り上げた上井草保育園について報告します。(上井草保育園廃止の議案審議。議案には反対しましたが、賛成多数で可決されました。)
 上井草保育園の運営事業者選定では「標準偏差」という数値を用いて、特に高い/低い点数は除外して評価する計算が行われ、結果が歪められたのではないかとの疑惑があります。区側は特定の委員が国立保育会に不利な点数をつけたことを具体的に非難しました。「空気を読んで」区側の望むような点数をつけるのが委員の仕事といわんばかりです。
【具体的な点数表は末尾に掲載しています】*「標準偏差」の算出方法はネット検索すれば出てきます。
<概要>
 上井草保育園の民営化については9月13日の本会議で質問しました。
詳細はこちら「上井草保育園民営化、点数2位の法人をなぜか選定」
 その要旨は
(1)1回目の選定が該当者なしに終わったので新たな選定委員会が組織され選定を行った。
(2)採点方法に「標準偏差」が導入された。これは前代未聞。
(3)「標準偏差」によって選定結果が歪められた可能性がある。
(4)選定された社会福祉法人国立保育会の提案では、園舎内に法人事務所設置が予定されており不当。(5)選定過程の議事録公開を求める。他区ではHP上に公開されている例がある。
(以下、委員会発言より)
標準偏差で計算、恥ずかしくて外に言えない〉
(松尾)はっきり言って、こんな数字で標準偏差を使うこと自体が恥ずかしくて外に言えない、ということだと思います。私はこの議会を前に23区の保育課に電話をして選定の方法をききました。どういう方法で計算しているかというと、当たり前ですが、委員がつけた点数を合計して平均で順位をつけている。標準偏差をつかっていますかと聞こうとしたのですが、こんなこと恥ずかしくて聞けない、と思って聞けませんでした。使っているという話を向こうからしたところは一つもありません。
 標準偏差というのは、正規分布をしていないと意味がない、サンプル数が多いときの統計処理につかうものだ、っていう常識はあると思います。正規分布もしようのない10人くらいの話で標準偏差を使うことじたいがそもそも不適切。区は適切と認識して委員会の議論を看過したのでしょうか。
(森保育施設担当課長)この点数をみて標準偏差を導入したわけではない。標準偏差を使うのがいちがいに不適切とはいえない。国立保育会に1位をつけた方が10人のうち半数以上いた。また、オリンピックのような(最高点、最低点を除外する)方式で計算してみたが、それでも国立保育会が1位。適正に選定された。
(松尾)常識はずれだと思うんですよ。標準偏差というんだけど、要は平均値からの乖離がどのくらいあるかを計算していくわけじゃないですか。信頼区間を設けて信頼区間外は落とすということでしょ。統計の、サンプルが膨大にあるときに誤差が生じる、そういうものを落とすためのものじゃないんですか。全然、こんなプロポーザルの点数をつけるのに適切じゃないですよ。
〈あたかも特定の意図を持っているかのように〉
(田中区長)ある意図、事業者を選定させないという意図をもって選定委員会のメンバーがのぞんだときに事業者が選定されないというケースがありうる。1回目の不調はそれを疑うに十分な結果。選定されないことを回避するひとつの手法。
(松尾)先ほどから区長はあたかも一定の業者を落としたいとか、この選定じたいを不調におとしいれたいとか、そういう人がいた、反対派が入ってしまったという言い方をされているんですが、それをどうやって証明するんですか。また、それを区長は他人事のように、こういう困った人がいたというが、委嘱したのは区長ですよ。区長の任命責任はないんですか。
(森)1回目の選定結果は0点から96点の乖離があった。標準偏差の採用は不適切というが、前回の選定を踏まえたこと。事後に分析の専門家に確認したが、特に数が少ないとかは問題ない。
(松尾)すごい専門家をどこかで見つけてきたみたいですけど、こういう選定に標準偏差、信頼区間を用いることが非常識ですよ。それを23区の保育課長会とかに行って「うちはこの間、こういうふうに選定をやりましたよ、皆さんもどうぞ」みたい胸を張って言えるようなことですか、これ。
<最大5人の評価が除外された>
 そもそもこんなふうな数字に標準偏差だ信頼区間だをもちこんで一定の委員の評点を除外することじたいが、委員さんの評点に対しても大変失礼なことだと思いますし、場合によっては5名が除外されている事業者もある。半数の人の点数が意味がない、最終的に評点に反映されない。こういうやりかたをとっていると満天下に言えますか。言えない話だと思いますよ。これは。
(田中区長)1回目の不調になったやりかたを2回目にやってまた不調になれば、何考えてんだと言われかねないですよね。私が委嘱しているというが、私が都合いい人を任命しろというんですか。客観性の中で委嘱をうけた方は責任もって事業者選定をやってもらいたい。ところが1回目は0点をつけた。ありえないでしょ。決まったかぎりは民営化を前提に責任もって事業者を選ぶのが紳士協定。その信頼が壊された。
(松尾)先ほどから区長が、0点つけた人がいる、ひどい、反対派だとおっしゃるから、そうはいったって委嘱したのは区長なんでしょと。じゃあ、先方の方と選定にあたって、こういう考え方でやってくださいねと担当課がすればいいいことであって、こういう結果が出たということについては、この事業者は、という気持ちがあっておつけになっているものだから、それを、こいつは反対派だー、とか、反対派が0点つけたから成立しなかったみたいに言うのは間違っていると思いますよ。
〈区事務局はなぜ非常識と言わないか〉
 それで標準偏差の話をしてたんですが、ちょっと脇へいっちゃったんですが、私はさっきから標準偏差の話をしているんだけど、区長があれこれおっしゃるからその話をするんで、そっちの話をしたいのじゃないのね。
 それで、標準偏差ですが、先ほども、誰が提案したかは言えないということでしたが、議事録は開示されるということですね。
(森)情報公開で開示する。
(松尾)後日検証したいと思いますが、どういう方が提案されたかわかりませんが、保護者の方はあまりこういうことを考えつくと思えないし、それから学識はもう少し常識的だと思うので職員かな、半数いるしと思うんですけど、それはいいとしましょう。それにしても委員の中からそういう提案が出たときに「気持ちはわかるけど、こういうところで使うのは非常識ですよ」となんで事務局が言わないのか。言わないっていういうこと自体が、そもそも区のほうから提案したんじゃないかと思わせるフシがあるんですがいかがか。
(森)選定委員会のなかでも標準偏差の提案することが非常識とは考えない。適正に選定された。
(松尾)具体的な点数をみせていただいて、先ほど他の委員からD事業者は標準偏差の値が小さいという指摘があってなるほどと思いました。3つの審査にあたってどれもこの事業者は標準偏差が小さいですね。標準偏差が小さい、ということにはどういう意味があると考えますか。
(森)標準の数値が他と比べて低かったということ。
(松尾)わかってないで言っているわけね。平均からのばらつきが小さいということじゃないんですか。違います?
(宇賀神副区長)私も0点というのは初めて。他区でも0点などということはないだろうから標準偏差を入れる必要がないということでしょう。
〈副区長「2人の委員が国立に不利な点数を」〉
 I委員とJ委員が国立保育会とD事業者の点数をこのようにつけている。だから総合点では若干逆転しているが、それをのぞけば、大多数の8人の合計はそんなことはない。この2人で、たとえば現地視察では53点の差がある。ただ、Dだけで見れば平均からの差がないから標準偏差が低くなる。
(松尾)いま副区長がいみじくもおっしゃったことなんですが、D事業者は皆さんからコンスタントにいい評価が出ていると見えるんじゃないかと思うんですよ。そのなかで、あえて、標準偏差という形をとって切り落としているので、D事業者は第一次審査において高得点の3人の点を削られています。第二次審査の現地視察においても高得点のほうが3つ削られているんですよ。ヒアリングにおいては3人削られているんですが、そのうちの2人が高得点のほうなんですよ。
標準偏差の操作で国立保育会はきわめて有利に〉
 ですから、先ほど他の委員がおっしゃった、合計で見るとこの事業者が1位だよねっていうところが、普通に考えたらそのまま判定にいくと思うんですけど、この標準偏差の操作をいれたことによってD事業者は高得点をつけてくれた委員の評点が最終結果から除かれてしまったという結果が出ているんですよ。それに対して今回選ばれた国立保育会は、第一次審査で除かれたのは低い方の点数3人、それから第二次の現地視察において低い方の2人、ヒアリングでも3人除かれたうちの2人は低い方なんです。
 こういうふうに見ていきますと、意図的かどうか知りませんよ。意図的だったら大変なんですけど、この標準偏差のやりかたが国立保育会にきわめて有利に働いたということはいえるんじゃないですか。結果からみたらそういうことになったということですよね。素点で見たときと完全に1位2位がどの段階も逆転している、これは素点で見ればD事業者が受託をしている、そういうものですよね。
(有坂保健福祉部長)今回もある委員がある事業者については最高点をつけながらある事業者については最低点をつける。いままでの経験ではハロー効果とよばれるもの。こうしたことは残念な結果。
(2巡目の質疑)
〈1位2位が逆転した〉
(松尾)なかなかこの標準偏差の沼から抜けられないんですけど、先ほどの質問の最後に指摘した部分なんですが、事業者Dにおいては除外されたほとんどが点数の高い評価、それに対して国立保育会は除外された部分のほとんどは点数の低い部分がほとんどであると。結果として1位2位の評価が逆転していることを申し上げたんですが、そのへんを認識しているかどうか。それから素点で見たときには事業者Dが1位になっているのに国立保育会が選ばれたことについて、評価が高いのにプロポーザルで選ばれなかったことは説明がつかないのではないか、標準偏差を用いたことも大変疑問があるということは申し上げたんですが、結果として標準偏差を用いたために逆転現象が起きている。1位であるべき人が2位になって、2位であるべき人が1位になった。これは公平公正だというふうに見られにくいですよね。そのへんどう思いますか。
(田中区長)標準偏差を用いること、手法を否定するわけですね。そこは見解の相違。これを用いた背景には1回やって不調になった。そこには一定の考え方が反映されている疑いが濃い。この特定の事業者にという思いで望む可能性も否定できない。
(松尾)前例がないですよ、こんな方法は。前例がなきゃやっちゃいけないということじゃございませんが、こういった選定には適さない方法ですよ。しかも、先ほど述べたように、一方には有利、一方には不利に働いて、そういう結果が出ちゃったわけですよ。そういう結果が出てしまったことについて、これで公平公正だというふうに説明がつくのかというところはいかがですか。それから先ほどから申し上げている一方の事業者には有利に、一方には不利に働いたということを認識されていますかということに答えていただきたいです。
(森)標準偏差を用いればこういうこともある。どこを有利にしようとかそういう目的で行ったのではない。1回目の選定が前代未聞というなかで標準偏差を用いることを決めたもの。別の側面から見れば国立保育会が1位という委員も過半数
(松尾)繰り返したくないんですけど、この方法を用いて1位2位が逆転したという結果が出ちゃったわけですよ。ある時には有利に、ある時には不利にとおっしゃいますけどね、ふつうに素直に素点でやっていたらD事業者になってるんですよ。そこのところ説明がつかないでしょって言ってるの。
 標準偏差なんてわけのわからない数字を持ち出してくるから、皆がケムにまかれて、なんだかよくわからないけど、そんなに間違ってはいないのかなあとなってしまうが、全然間違っています。これは世の中に出たときにすごく恥ずかしいということを指摘しておきますよ。
〈法人本部、事務所が広すぎる〉
 法人本部の件なんですけれども、説明会で出た平面図を私も見せていただきましたら、法人本部とは書いてないんですけど、事務所が非常に広いんですよ、この建物は。ざっと見て保育室2つ分くらいより広い事務室がとってあるんです。かつそのほかに会議室があり、もう一つ1階にも小さい事務所があるんですね。非常に事務部門に関する面積が大きくとられている。なんでかな、と思ったときに法人本部が来るらしいよという話を聞いて、ああ、なるほどと思ったんですけども、本来であれば保育に使われる面積、あるいは園庭になったかもしれないところを法人本部に使うというのはいかがなものかと思いますね。
 それでこの広さというのはなんでこんなに広いのか。たまたま今回別の委員会に阿佐谷北保育園の改築がかかっておりますが、この見取り図を見ましたけれど、こんなに広い事務所はもっていないですよ。なんでここはこんなに広いんですか。
(森)保育の質を確保する保育園とは別の本部の事務を行うとところ。200人の規模の保育園。保育のスペースが狭くなったわけではない。
〈区立保育園に会議室はない
(松尾)お聞きしたいんですけど、区立保育園で会議室ってもうけているんですか。
(森)会議室はない。
(松尾)それではこの園だけなんで会議室があるんですか。
(森)民設民営の園なので、園の方針にもとづいて運営に必要なスペースとしてもうけている。保育スペースが狭いということはない。
(松尾)保育スペースが狭くなってるわけじゃないというけど、逆にいえばこのスペースを使えばもっと広い保育室がつくれて、もっと広い園庭がつくれて、それは子どもたちの処遇を改善することができるんですよ。だけれども、あえてこの法人の提案は、事務所を広くとり、会議室をつくり、その部分を保育にまわさずに事務部門、管理部門、あるいは法人の仕事に回している。それで、先ほど法人事務所が50平米とお聞きしたんだけれども、見取り図でみるとそんなに小さく見えない。それは法人にご確認の上ということでいいんですよね。これ、でき上ってすごく広かったということはないですよね。
(森)事務スペースの中には保育園自体のスペースも含まれている。
(松尾)先ほどから他の委員がおっしゃっている、この法人のスペースにはきちんと地代を取りなさいよという話とも関係してくる。50平米と100平米では家賃も変わってきますよね。そこのところはきちんとしていただきたい。
 それから、先ほどから説明されている保育の質にかかわる業務ということなんですが、具体的には何をするのか教えてください。
(森)上井草保育園の保育士の研修、宮前にも保育園があるのでそこの保育士の研修。具体的には開園までに法人のほうも詳細をつめていくとのこと。
〈別なところでやってもらえませんか〉
(松尾)先ほど区長のほうからも、これが上井草の保育とどう関係あるのかなども精査しなければというお話があったわけで、ここに設置すること自体、どういう意味があるのかなと思うんですが、保育の質にかかわることだからここでやっていただいて意味があると答弁がありましたので、中身がわかってて言っているのかと思うと、どうもよくわかっていないですよね。
 国立に本部がおありということなんですけども、例えばそこの本部が手狭になったのでここに一部業務を移したいとか、あるいは、三多摩の法人だから23区にこれから進出していきたい、その足がかかりにはこの上井草がちょうどいいいなとか、そういう思いでやってもしおられるんなら、ちょっと別なとこでやっていただけませんかというふうに思うんですが。なので、保育の質ということについて、もう一度、この法人事務所で何をやるのか、もう少し明確にお答えいただけませんか。
(森)新しく法人全体の保育の質を担当する部長職をおくと聞いている。法人のなかで保育の質を高める研修を行っていく。
(松尾)その研修だとか保育の質担当部長だとかは国立におけないんですか。なんで上井草におくんですか。法人本部に置けばいいと思うんですけど。なぜ持ってこなくちゃいけないいんですか。
(有坂)200名規模の保育園。いままでの杉並区立の規模とちがい事務スペースも広くなる。その規模の実体験で上がってくるもの含めてどうフィードバックしていくのか、練る場所として一定の面積が必要。ただ、上井草に必要な保育のスペースでなければ、私どもは補助金から除外、また、土地のほうの賃料からものぞいていきたい。
(松尾)もう一度、この法人さんからどのようなお話をきいているかお聞きしたいんですが、なぜ本部では同じ業務ができないんですか。なぜ上井草の園内でなければならないのかということの説明を聞いて終わりにしたいと思います。
(森)新たな部長職をおくと聞いているので、新たなスペースが必要と聞いている。
(松尾)お聞きになっていないんだなということだと思うんですけど、それは、法人のほうで場所を探していただけばいいので、国立でも杉並でもどこかビルを借りてやればいいのであって、なんでわざわざ上井草保育園のなかに事務所を設けられるのかということについては、納得がいかないということを最後に申し上げます。
【選定結果:点数表】
合計点・平均点の1位はすべてDですが、選定されませんでした。標準偏差を用いた計算の結果、表中黄色マーカーをつけた部分が除外され、残った点数(マーカーなし)の合計が「範囲内該当者の合計点」(F1、F2、N2)に参入されています。たとえばJ委員は計11回の評価のうち2回しか採用されていません。


(10月1日画像を少しましなものに差し替えました。)

上井草保育園民営化、点数2位の法人をなぜか選定(一般質問を行いました)

 2017年9月13日、杉並区議会本会議にて一般質問を行いました。(区議会HPから録画配信も視聴できます)
 区立上井草保育園の民営化について、事業者選定の疑問がふくらんでいます。昨年民営化が判明して以降、保護者から懸念する声が上がっており、私も何度も質問してきました。
【関連記事】
2017-02-17 子どもを軽視したまちづくりにはしっぺ返しがくる
2016-11-24 上井草保育園民営化、向井公園、高円寺小中一貫校について
 事業者選定では、応募事業者がすべて既定の得点に達せず失格、該当者なしとなったあと、6月に新たな選定委員会で選定が行われました。この選定委員会で「標準偏差」を用いた計算方法が導入されたことから1位と2位が逆転したことがわかりました。逆転勝利した法人は園舎の中に法人事務所を設置するなど、異例の選定。なぜこの法人が選ばれたのか、不透明なものを感じます。
(以下は質問原稿です。実際の発言とは一部異なるところがあります。)
1.区立施設再編整備計画について
〈森友・加計問題とそっくりな杉並区〉
 最初に区立施設再編整備計画について質問します。
 今年、国会では森友学園加計学園問題、そして自衛隊の日報問題などが取り上げられ、安倍政権の隠蔽体質、お友達への便宜供与がさんざん問題にされました。 安倍首相と閣僚は説明責任を果たさず、また、省庁が記録を残していなかったり、自衛隊の日報がないといったり、ないといったものが出てきたり、公文書管理、情報公開でも問題が指摘されました。これをみると、つくづく杉並区政も同じ、国とそっくりだと思います。意思決定過程に関する説明責任、情報公開が果たされていません。
(1)あんさんぶる荻窪の財産交換について
〈財産交換の目的は福祉ではなく再開発〉
 その極めつけが、あんさんぶる荻窪の財産交換です。
 平成22年12月に荻窪税務署に関する要望書が区長から国に提出されたことがこの問題の発端でしたが、昨年住民の方が財務省から情報公開で受け取るまでは区議会、区職員、区民に対して文書は長いこと完全に秘匿されていました。この文書によって、そもそもの目的は福祉ではなく「まちづくり」即ち荻窪再開発であったことがわかりました。
 荻窪の一部の地主さんは前山田区長の時代から「児童館が開発のじゃまだからどかしてくれ」と要望し続けてきたとお聞きします。学校や児童福祉施設の周囲には建築規制があり、風俗営業ができないことはもちろん、道路の通行規制を緩和することも難しく、大きな車庫の必要な大規模なビルも建てることができません。しかし、子どもの施設を排除すれば、ビルが建てやすくなり、また、あんさんぶるの児童館が廃止されれば、再開発にむけての懸案である131号線相互通行化も視野に入ります。
 住民は「高齢者か子どもか」で悩まされましたが、実はそうではなく、「再開発か子どもか」もっというと「お金か子どもか」だったのです。財産交換の真の目的は、再開発による少数の人の利益なのであって、そこに大義はありません。
〈町会長さんが起こした裁判〉
 まず裁判に関連して伺います。当初よりあんさんぶる廃止に反対してきた町会長さんが、区長を相手どって起こした損害賠償請求訴訟を、私はずっと傍聴してきましたが、そのなかで気になったことを何点か質問します。
 平成22年の区長要望書は「平成26年までに移転先を用意する」という内容でしたが、区はその後移転先を見つけることができないままにこれを放置し、24年、25年の2度にわたり財務省から督促を受け、その結果、25年9月にあんさんぶるを交換対象として提案しました。この裁判の区側準備書面にもこの2回の督促が記載されています。そのことをまず確認します。(Q1-1-1)
〈重大な文書の隠蔽〉
 なお、昨年6月の国有財産関東地方審議会の議事録でも関東財務局が交換の経緯は22年から始まったとの説明をしていることが確認出来ます。即ち、区が平成25年以前と以後では別の話だとしてきた説明は通用するものではなく、したがって、平成26年3月に当時の区議会議員の情報公開請求に対して当該文書を秘匿したことは刑法上の公用文書毀棄罪にあたる重大な隠蔽だということです。そして、この文書から、あんさんぶるの財産交換に至る意思決定過程はいまだに闇の中です。
〈町会の要望書を区が作成〉
 次に、同じく裁判に関連して「桃二小早期建て替え要望書」についてお聞きします。区は職員がこの要望書を作成したことを認めていますが、内容は当時の連合町会会長と打ち合わせたものだとして、同氏が「荻窪北児童館の機能のうち桃二小に入る学童クラブがそれでは狭い」ので「学童クラブを入れるために改修して、さらに学校を建て替えるよりも、建て替え工事に合わせて学童クラブを入れたほうがよい」との趣旨を述べたとしています。連合町会会長の発言とされるこの文章には何度も「学童クラブ」が出てきますが、原告はじめ地域の方は非常に違和感があるとおっしゃっています。なぜなら連合町会会長は「学童クラブ」ではなく「児童館」を残したいと奔走されていたこと、またそもそも「学童クラブ」についてはよくご存知ではなかったので「学童クラブ」と表現されたとは考えられないとのことです。
 そこでお聞きしますが、このように具体的に文書にされたからには記録をお持ちだと思います。記録の存在を確認します。(Q1-1-2)
〈児童館の「分散移転」を隠して説明〉
 さらにこの裁判において、区が児童館について「分散移転」であるむね区民に説明してきたと何度も述べていることは以前にも指摘しましたが、他方、区立施設再編整備計画には「分散移転」の言葉は全くなく、「児童館の継承・発展、拡充」の表現が繰り返し出てきます。この表現から児童館がなくなり機能が分散するとは普通想像がつきません。多くの区民はいまでも児童館が廃止され機能が分散することを知りません。区が気づかれないように説明してきたからこそです。
 そこでお聞きしますが、この裁判以前、公式に「分散移転」と説明した例はあるでしょうか。あればお示しいただきたいと思います。(Q1-1-3)
〈税務署移転のため7億円かけ補強〉
 さて、最近荻窪税務署があんさんぶるに移転するための改修経費が国交省ホームページ上に公開されました。来年度予算の概算要求ベースで7億2千万円余りと意外にも高額です。その理由は、あんさんぶるが税務署の業務に向かない建物だということにつきます。おしゃれな円形のガラスの窓、子どもが駆け回る吹き抜けの広い体育室は税務署には不要。事務に不向きな変形の部屋も多く、また、建物は全体に軽量です。他方、税務署は大量の書類と金庫などが置かれ、相当の重量を支えられる建物でなくてはなりません。そのため簡単な内装工事などではなく、相当の補強を要し、工事期間も10か月かかる大工事です。
 区はこの間、税務署は建て替え費用を負担することなく老朽化の問題を解決できるメリットがあるという説明をしてきましたが、当初計上された現地改築案の予算は11億4千万円余でしたから、この程度の節約なら、税務署にしてみれば、初めから税務署の用途に適した建物を設計して、現地に建て替え、新築の建物で新たに執務できるほうがどれだけよかったかわかりません。区長はこれでも国側のメリットがあると考えるのでしょうか。見解を伺います。(Q1-1-4)
〈「あんさんぶる荻窪は税務署には不向き」と担当者〉
 実際、財務省の担当者と話した住民によれば、財務省側からは、あんさんぶるは税務署には不向きであり、数年で移転したいとの意向も聞かれたそうです。そうなったらあんさんぶるの土地・建物は結局、民間に転売されることになるのではないでしょうか。
 また、改修に長期間を要することから、特養の建設の時期もさらに延びました。スケジュールはどうなるのかを確認します。(Q1-1-5)
 税務署の建て替えに横やりを入れず、残地に特養を建てる交渉をしていれば、26年には新税務署が竣工し、今年29年にはとっくに特養の入居が始まっていたことでしょう。こうしたことからも交換の主目的が特養ではないことがわかります。
〈耐震Cランクの荻窪税務署〉
 その上、建て替え予定が5年も延びた税務署は危険な状態です。荻窪税務署は平成14年の耐震診断ですでに一部Cランク(補強が必要)とされ建て替えを計画したわけですが、区長がストップしたことから、耐震改修しないままの利用が続いています。いまのところ幸い大きな地震が起きなかったものの、区長の提案により区民の生命が危険にさらされていることについて、区長はどう考えるのでしょうか。見解をうかがいます。(Q1-1-6)
〈地元説明会を行わず「あんさんぶる」を廃止〉
 区はあんさんぶる荻窪廃止の計画について地元への説明会を今日に至るまで結局行っていません。町会からも何度も何度も説明会を要求されながら、言を左右にして今日まで逃げ回ってきました。
 昨年2月24日の総務財政委員会において、私は荻窪北児童館廃止についての説明会を求めたところ「今後説明会等は行っていく予定でございます」との答弁を得ました。ところが今般、説明会のないまま提案がなされました。議会の場で約束したことを平気で破るのは区議会に対する侮辱ですし、何よりも住民に対してまたも不意打ちを行うこととなります。今回の児童館廃止の提案は早計であり考え直すべきです。この項の最後に所見を求めます。(Q1-1-7)
(2)図書館と複合施設について
 次に、図書館と複合施設について、今回は永福図書館の移転改築を例として質問します。今後高円寺図書館も同様の計画が予定されており、永福はモデルケースでもあります。複合施設の設置がふさわしいのか、慎重に検討する必要があると考えます。
〈永福図書館を移転改築、複合施設にするのはなぜ〉
 まず、永福図書館をあえて移転改築し複合施設としなければならない必然性がわかりません。
 一般的にいって、複合施設はできるだけ避けた方がよいと思います。利用目的の違う施設は、改修のスパンも違います。たとえば保育園と図書館では配管の消耗の度合いが全く違います。複合施設は他の施設の都合にスケジュールを縛られることで、個々の施設のメンテナンスが不自由になります。なんでも複合施設にする進め方は、施設の運営を度外視し、単にできるだけ大きな建物を建てたいという、ハコ物行政、建設利権にすぎないのではないでしょうか。私は永福図書館は現地でそのまま建て替えることが最も望ましいと考えます。
〈複合施設の図書館面積〉
 永福3丁目複合施設に関しては、先日説明会が行われました。以下、当日の説明をふまえて何点かうかがいます。
 1点目は永福図書館の面積の比較です。この複合施設の中で図書館の占める面積と、現在の図書館の面積を確認します。(Q1-2-1)
 次に、永福図書館を現地で建て替えない理由をうかがいます。また、永福図書館の跡地はどのように利用されるのかをうかがいます。(Q1-2-2,3)
 工事中図書館を休館すべきでないという意見もあるかもしれませんが、中央図書館ですら改修のため1年間休館する予定なのですから、永福図書館が改築で休むことに問題はありません。
 4点目として、書庫の問題です。杉並区の図書館は書庫の不足が課題となっています。したがって、永福に限らず、図書館の改築・新築の場合には書庫をできるだけ確保すべきではないでしょうか。見解を伺います。(Q1-2-4)
 例えば、今回の計画予定地では地下を掘って書庫とすることはできないのかお聞きします。(Q1-2-5)
 まとめとして、区が考える、図書館を複合施設とすることのメリット、デメリットとは何でしょうか。見解を伺います。(Q1-2-6)
〈図書館そのものがコミュニティ施設〉
 次に図書館と地域コミュニティ施設の関係です。先日、都内で最近オープンした他区の区立図書館を見学に行きました。広々としたフロアの随所にテーブルとイスが配置され、読書、勉強はもちろん、数人での話し合いも可能となっていました。図書館ですからもちろん無料で自由に利用することができます。職員さんに聞くと「図書館というとしーんとしていなければいけないというのが一般的だが、この図書館はコミュニティの拠点をめざしているので、よほど大声でない限りは話し声はOK」、また、館内での飲食もかなりの範囲で許可されているとのことでした。図書館そのものがコミュニティ施設としての役割を果たせることをこの図書館は教えてくれました。杉並区がめざしているのもこういう施設ではないでしょうか。
 永福の計画では2階の図書館と3階の地域コミュニティ施設を連携して運営するとのことですが、それならば、あえて別施設とせずとも、運営効率の点からも、また図書館事業の充実の面からも2〜3階を一体で図書館として設置運営するほうがスムーズではないでしょうか。見解を伺います。(Q1-2-7)
ICタグの導入は〉
 説明では、3階の地域コミュニティ施設には、図書館の本を貸し出し手続きなしで持ち込みできるようにするとのことでしたが、別々の施設として運営するのであれば、ICタグとゲートによる管理が必要ではないかと思われますが、いかがか。また、ICタグを導入する場合には全図書館で導入することが必要となると思いますが、その予定はあるのでしょうか。(Q1-2-8)
〈中高生の居場所は「優先時間」だけ〉
 地域コミュニティ施設については、中高生の居場所をつくるとのことでした。しかしフタをあけてみるとラウンジなどで中高生優先の時間をつくるというだけで、専用施設ではないことに大変失望しました。
 杉並区には全国の先進モデルとして、開館から20年たったいまも注目されている「ゆう杉並」があります。図書館や地域コミュニティ施設での中高生の居場所もいいのですが、専用施設として評価の高い「ゆう杉」をさらに増やす必要があります。
 先日の説明会では、中高生のたまり場になるのが心配という声がありました。そのようにならないためにも、子どもの対応ができる専門職の職員を配置する必要があると考えますが、その予定はあるのか、うかがいます。(Q1-2-9)
〈大宮児童館の廃止〉
 この中高生の居場所は、大宮児童館の廃止の受け皿として設置されるものですが、大宮児童館利用者への廃止の説明会はいつ行うのか伺います。(Q1-2-10)
 施設再編整備計画素案のなかで廃止される児童館として名指しされた最初の3館は計画策定よりも前にそれぞれの児童館で説明会が行われました。しかし、その後対象となった館については、あんさんぶるの荻北児童館をはじめとして、廃止の説明会は全く開かれないままです。区は正々堂々と説明会を催し、区民と意見交換して、計画を柔軟に変更していくべきです。
〈廃止する施設の説明を逃げる区役所〉
 この項の最後に来年度予定されている施設再編整備計画第二次プランの策定について一言述べます。この計画ほど多くの批判が寄せられ、また、その批判や意見がこれほど見事に無視され「決まったこと」として進められていった計画もないのではないでしょうか。
 しかも、かけ声とは裏腹に、財政効果があがるどころか、実際は、あんさんぶるの機能移転先の複合施設に象徴されるように、余分なハコ物ばかりが目立つものとなりました。また、科学館の廃止、児童館の廃止、あんさんぶるの財産交換など、杉並区の最もすぐれた事業を破壊することで、区のかたちを大きく変えてしまう一歩となってしまいました。次の第二次プランの策定にあたっては、同じ過ちをくりかえさずに計画を全面的に見直すべきです。
 広く区民から第一次プランについての評価、修正点などをつのること、性急に決めてしまうのではなく、時間をかけて区民が十分議論し、納得できる場を設けるることが必要であると考えます。策定作業の考え方を伺います。(Q1-2-11)
2.高円寺小中一貫校について
〈住民との話し合いを拒否する担当者〉
 次の質問は高円寺小中一貫校についてです。近隣住民と区役所の話し合いは4月25日を最後に全く行われなくなってしまいました。住民側は何度となく、文書やメールで話し合いの継続を求めてきましたが、教育委員会はこれまでには全くなかった「人数の制限」「事前に名簿の提出」「会場は区役所」などの条件を一方的に提示、住民側が「その条件では話し合いができない」と反発するようにし向け、誠意が全くみられません。議会では何度も「ていねいに話し合いを続けていく」と答弁しておきながら、工事が始まったらもう住民には用はないといわんばかりです。
 その間にいよいよ杭打ちが始まりました。地質調査が不十分との疑問は区議会でも出され、また、6月議会には住民からはボーリング調査の追加を求める陳情も区議会に提出されましたが、審査されることすらなく、工事は始まりました。
 この杭打ちに先立ち、地質調査が行われました。昨年のボーリングが2か所しか行われておらず、この規模の工事としては本数が少なすぎると指摘してきたところです。この調査の内容と、調査結果についての説明を求めます。(Q2-1)
〈暴行事件のでっち上げ〉
 この工事をめぐる住民の反対を抑え込むために、4月末に提起されたスラップ訴訟は白石建設等債権者側の請求のとおりの決定が出されました。これに対し、住民側は7月に保全異議申し立てを行ったところです。
 スラップ裁判の中でも証拠として提出されたのが、白石建設社員による暴行事件のねつ造でした。今年2月3日、住民との話し合いの最中に白石建設の部長がいきなり自分で倒れておきながら「住民に押されて倒れた」と告訴した件です。事件は受理され送検されたと聞きました。無実の住民は相手の体に触れてすらいないのに突然暴行事件の犯人と呼ばれ、長期間精神的苦痛を被っています。区は白石建設に対して、このようなでっち上げを即刻取り下げ、住民に謝罪するよう指導すべきではありませんか。この事件についての所見を求めます。(Q2-2)
3.上井草保育園民営化について
〈事業者選定に「標準偏差」を導入〉
 最後に上井草保育園の民営化について質問します。4月に行われた選定では応募事業者のうち6割に達した者がなく不調に終わりました。区は選定委員会をいったん解散させたうえで、再度公募を開始、その後、新たな選定委員会を委嘱するという前例のない方法で選定作業を行いました。その後の経緯について質問します。
 この選定では、2つの選定委員会が組織されました。その2つの選定委員会の違い、委員構成、採点方法、その他の変更点についてまず説明を求めます。(Q3-1)
 特に採点方法について詳しく説明してください。標準偏差を用いる方法で行われたとのことですが、具体的な計算方法を説明してください。(Q3-2)
 標準偏差を用いたのは、極端な点数を排除するという名目ですが、これにより、最終的な評点の計算から除外された委員は何人いたでしょうか。一次・二次審査、また法人ごとにご説明ください。(Q3-3)
 そもそも選定委員の評点は統計サンプルではありませんので、信頼区間で処理をするのは不適切です。そこでうかがいますが、区内外問わず、プロポーザル選定に際して今回のような標準偏差を用いた選定の例は果たしてあるのでしょうか。確認します。(Q3-4)
〈選定結果が歪められたのでは〉
 重大な問題は、区が標準偏差という通常ありえない計算方式を導入したことにより、選定結果が歪められた可能性があることです。結果が出たあと、保護者の方が計算してみると、素点の場合と標準偏差を用いた場合では結果が逆転した部分があったとのことです。それをお聞きして、私も試しに、不調に終わった前回の審査の評点を今回の方法で計算してみますと二次審査結果の1位、2位が入れ替わる結果になりました。
 仮に、あらかじめ特定の法人を選定したいとの意図のもとにこうしたイレギュラーな算定方式を導入すればいかようにも結果を左右できるということになります。今回も前回同様資料を提供いただいた上で検証したいと思います。
〈園舎内に法人事務所設置を予定〉 
 さて、選定された法人は社会福祉法人国立保育会です。法人の理事長はかつて社会党代議士だった方です。法人の理事には理事長の息子さんはじめ、社会党の後身である社民党の現・元市議会議員の名前も散見されます。
 この法人の提案に疑問があるのは、第一に園内に法人本部の事務所が設置されていることです。保育園の規模に対してかなり広い事務所が確保されています。保育のためならばともかく、仮にこの法人の私的な業務の部分まで含めて無料または大幅減額で土地を貸し、補助金を支出するならば不当な便宜供与となります。
 また、法人本部に要する面積の分だけ保育の面積は狭くなること、もう一点、現在の園にはあるプールが新園の提案では設置されないことは保育の質の点で他よりも劣位になるだろうと思うのに、この法人が選定されました。理解に苦しみます。この法人が選定された理由はなにか。お尋ねします。(Q3-5)
〈選定委員会の議事録公開〉
 これら一連の過程に関して、今後明確な解明が求められます。そのためには、選定過程の透明化、情報公開が必要です。
調べてみたところ、他区においては選定過程を議事録に残しホームページ上に公開している例もあることがわかりました。杉並区においても同様に議事録の保存と公開を求めるがいかがか。見解を伺います。(Q3-6)
 さらに民営化の事業者選定にあたっては、もとの区立園の保育を引き継ぐため、23区内でも多くの区で、応募事業者が民営化する当該保育園の現状を見学できます。しかし杉並区では行っていません。なぜ行っていないのか、理由をお聞きします。また、今後は見学を行うべきと考えるがいかがか。見解を伺います。(Q3-7)
〈区長、区政は逃げずに説明を〉
 保育園化民営は各地で問題になっていますが、ネットなどでそんな情報を見ていると、どこも首長が説明会に出ています。重大な案件については首長が直接住民に説明するのは当たり前のことですが、田中区長は、昨年の公園の問題でも、何度要求されても決して公の説明会に出てこようとしませんでした。区長、区政はいつまで区民と向き合うことから逃げ続けるのでしょうか。耳の痛い意見を聞きたくないという子どもじみた態度はあらため、住民と真摯に向き合い、説明責任を果たしていただきたい。このことを要望しまして質問を終わります。