わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

公務員の夏季一時金カットのもつ意味

5月29日の臨時議会で区職員の夏季一時金の0.2カ月凍結が提案されました。松尾ゆりはこれに反対して意見を述べました。よく「公務員は民間にくらべてもらいすぎているからどんどん削って税金の節約を」と言われるのですが、それは違います。公務員の賃金は民間賃金の模範ともなってきました。それをどんどん削っていけば、民間賃金はもっとひどく削られていくのです。それに公務員の賃金を削っても税金の節約にはなりません。今回の補正予算を見れば明らかなように、家電や車を買わせるための補助金や、大企業・銀行救済のための株式買い取りなど、財界の要望にこたえるために税金は湯水のように使われてしまうのです。公務員賃金とは関係なく。これこそ無駄遣いではありませんか?
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議案第39号(杉並区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例)について、反対の立場から意見をのべます。
第一に、本議案は人事院及び特別区人事委員会の勧告に沿ったものですが、まず、これらの勧告の根拠とされた民間企業調査が全く不十分なものであることです。人事院勧告には通例1万社の調査がおこなわれるとのことですが、これに対し、今回の特別調査は、実質2000社で、しかも、その時点で一時金が決定していたのは340社にすぎません。
さらに、特別区においては独自調査の実施すらしておらず、23区内の民間企業の動向が把握されていないにも関わらず人事院勧告に追随したものです。自治体によっては地元民間企業の状況が把握できないという理由で今回の凍結を見送っているところもあります。そういうなかで特別区の勧告は人事院以上に説得力を欠くものとなっています。
第二に、今回の勧告がこのように異例の形で行われたのは、政府与党側の圧力に屈したきわめて政治的なものであり、公務員給与交渉のルールを逸脱したものであります。これを前例としてはならないということからも反対します。
第三に、今回の勧告にそって凍結が実施されるならば、公務員に追随して民間の一時金、ひいては給与の引き下げ圧力として働くことになります。そもそも、そのことこそが、人件費の削減を熱望する財界の狙いであります。今回の勧告はこれに忠実にこたえるものであって、公務員のみならず、国民全般の生活をますます苦しくするものであります。
今回の経済危機が凍結の口実とされていますが、電機、自動車などの多国籍大企業は、年内には業績の底打ちを予測しており、すでに大胆な海外拠点の拡大すら始めています。労働側に分配する余裕がないとはとうてい考えられません。
むしろ国民生活が大変になっているからこそ、待遇改善、給与引き上げが求められる状況であり、公務員給与はその先導を果たすべきところ、本議案はこれに全く逆行するものであり、反対いたします。
労働組合は妥結しているとのことでありますが、そもそも公務員労働運動には労働基本権の制約があり、選択の余地はきわめて小さいものです。組合としても苦渋の決断であり、決して納得の上のことではありません。公務員労働者の皆さんの声を代弁する意味からも反対します。
(なお、区長、議員などのボーナス0.2カ月凍結には賛成しました)