わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

「日米関係『試練の時』」

2月17日一般質問でとりあげた、標題の文章について補足をします。
この提言は山田宏・杉並区長が座長をつとめる、松下政経塾の「日米次世代会議プロジェクト」のものです。
http://www.mskj.or.jp/lab/index.html
↑このページの下のほうにパンフレットが掲載されています。
山田座長の下に、前原誠司中田宏横浜市長)、松沢成文(神奈川県知事)など、いかにもな面々が。ちょっと長いですが、山田区長の考え方がよくわかるので紹介します。
「日米同盟を『広範でバランスのとれた同盟』に進化させる」というのがこの提言の主張ですが、その中身は、
○東アジアも大事だが、アメリカなしにアジアの繁栄はない。アジア共同体ではなく、アメリカの入った「太平洋共同体」を日本はひきつづき追求すべき。
○「日米を核にした多国間の安全保障の枠組みを構築」具体的には「米国の同盟・友好国」である「豪州、韓国、インド、シンガポールNATO諸国など」とあり、「最大の懸念材料」である北朝鮮はもちろんのこと、中国は「明示的な敵対国ではないが…」(仮想敵と言っているのと同じでは…)、さらにはASEAN諸国すら(シンガポール以外は)枠組みに入ってこない。
○「世界の平和と安定に積極的に関与する決意を持ち」そのためには「当面の障害は集団的自衛権の行使を違憲とする政府解釈にある」(!)として政府解釈の変更と海外派兵恒久法の整備を求めています。さらに「憲法9条2項の書き換えが望ましい」(!)
○日米の軍事的役割分担の見直し。「グアム防衛に日本が貢献するなど、日米がお互いを守るという側面を強化すべきである」
在日米軍基地再編などを推進。在日米軍司令部は、太平洋司令部並に格上げすべき。
○「普遍的価値の追求」。「安倍政権は『価値観外交』という方針を打ち出した」と、今さら安倍政権を紹介(いうまでもないが価値観外交とは「市場経済と議会制民主主義」を絶対価値とするものです)。
○こうした提言の背景にあるのは、「日本のパートナーは、やはり米国」「米国の軍事力は圧倒的であり、その優位が揺らぐことは考えにくい」という判断です。今回のアメリカ直撃の経済危機で、状況は大きく変わり、アメリカの国力、軍事力がそのまま維持されるという判断は、非常に硬直的であり現実的ではないですね。
○「同盟内での発言力の向上」とも言っています。つまり「アメリカとの同盟をひきつづき基軸にしながら、そのもとでの、対外的膨張、軍事力の強化を着々と進める」「そしていつかはアジアの盟主に!!」というもくろみがきっとあるのでしょうね。これは「いつか来た道」となり、それこそ「亡国の道」でしかないと思いますが。
○これらを「本気で推進していく政治勢力が存在しなければ」とも言っています。山田氏は新党でも作って国会に返り咲くつもりかもしれない。