わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

夜間塾は公益的活動?(教育委員会傍聴記)

教育委員会が開催されました。傍聴のみなさま、お疲れ様でした。傍聴はくじびきになるかと思いきや、20席に満たない人数だったので、拍子抜け。それに対してマスコミばかりが多いこと…。
事務局の報告は、学校支援本部(和田中は「地域本部」)がやることだから、学校教育外であり、公平性の点や料金をとることも問題ないとわかったので、支援していくとの見解。しかし、実態が「地域の自主的な取り組み」などでなく、学校長が発案し、塾と交渉し、マスコミに対しても情報リークしたことは、事務局は百も承知のはず。それでも、自分たちに火の粉がかからないようにか。「学校教育外だからかまわない」と責任転嫁。
「学校の施設を使うのはどうなのか」という委員の質問に対し、「公益性のある活動で、公益的な団体が使うのだから、かまわない。減免(無料で使わせるということ)も行う」との答弁。
え?? サピックスが公益的活動なの??? ぶっとびました。
こんな答弁をしゃあしゃあとして、自分でおかしいと思わないのか。教育長以下、彼らは教育行政にたずさわる資格なしです。少しでも教育行政をかじった人なら、今回のことがどう逆立ちしても通る話ではないことは即わかるはず。それなのに、右へならえで「問題ない」とは。あなた方には、教育行政に携わる者としてのプライドというものがないのか、恥を知れ、と言いたいです。
とまあ、私は憤っていますが、もうひとつのポイント。
今日の報告の中では、「2 学校支援本部の位置づけ」として以下新たに規定がされました。
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(1)「学校支援本部支援要綱」を定め、……地域社会が学校を支援する新たな仕組と規定しました。
(2)学校支援本部は、……「杉並区学校支援本部の活動に関する協定」を学校との間に結びます。
(3)学校支援本部の責任体制を明確にするために……規約をさらに整備します。
(4、5略)
(6)教育委員会は、学校支援本部設立時に学校を通じて規約、協定書等の提出を学校支援本部に求め、この内容を確認し必要な支援を行います。……
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閉会後、担当課長に「要綱」「協定」「地域本部規約」などはいつ作ったのか? とたずねたところ、「すべて制作中であり、とにかく26日の開講に間に合わせるように整備する」とのことでした。
つまり、区側の判断としても、さすがに、法的根拠がなく、制度的にクリアできなかったのでしょう。だからルールをあとからつくって「OKですよ」ということにするわけです。そんなのアリか?
どうせ、今回の塾に間に合わせるために即席でつくったのだろうと思ってはいましたが、なんと、まだ作っていないとは。しかも(1)は「規定しました」と過去形なので、これだけはもう作ったのかなと思いきや要綱すらもまだでした。(だからこの表記はウソということになりますね。都教委はウソを報告されてもシンプルに信じてしまうのでしょうか。)
ちなみに規則や要綱は役所が勝手に作れるので、議会の議決を必要としません。だから今回のように2、3日で泥縄をやれてしまうのです。「泥棒をみて縄をなう」ならまだいいんですけど。こういうのは盗人に追銭と言ったほうがいいでしょう。