わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

東京電力の電気料金値上げに抗議する緊急集会

標記の集会に参加しました。主催は消費者団体14団体。東京電力お客様本部副本部長という人と、資源エネルギー庁消費者庁から職員も参加。
東京電力の説明を受けたあと、各団体からの意見表明・質問、東電・省庁からの回答が交互に行われました。また、消費者委員会の山口広弁護士がコメンテーターとして発言。
主な意見として、
○破綻した企業、加害企業としての自覚が全く感じられない。人件費、事業報酬など高すぎる。公的資金も投入し、国民にとっては二重の負担だ。
○事故の賠償、福島第一の安定化などの経費は料金の原価に算入すべきでない。
○福島の残った6機の再稼働を前提として計算されているが、再稼働はすべきでないし、許せない。
○消費者は電力会社を選べない。値上げを一方的に押し付けられることに怒りを感じる。また、選べるように制度を変えてほしい。
○利益の9割を家庭用から上げていたというが、是正されているのか。
○電気料金の計算ルールに従っているというが、他の9電力と東電は立場が違う。全く違う考え方をする必要がある。
○値上げ認可のプロセスから消費者が排除されている。「審査基準」を決めた人たちがそのまま横滑りで審査をしている。消費者代表は一人も入っていない。
など、各団体が疑問を投げかけたのですが、東京電力の人は(態度だけはとても低姿勢。慇懃無礼?)ひとつもまともに答えず「国で審議しているので、その結果をまつ」と、まるで他人事。司会者が思わず「東電はいつもそうですよね。私たちが質問しても、国が、国がと言って答えない」とコメントしてしまうほど。
集会の最後には、山口弁護士が「この申請のままでいいとはとても思えない。出し直しになるんでは?」と疑問を呈し「他の9電力も固唾を呑んで見ている。この値上げが認可されれば、他も値上げに動くだろう」とコメント。
集会後にお話しした主催者は「値上げは今回だけではすまない。これを許せば、東電はさらに何度も値上げをしますよ」とおっしゃっていました。
原発問題にとりくむ上で、東電の責任を糺していく意味からも、電力料金について厳しい追及をしていくことは、大事だと思いました。
消費者庁に対しては、司会者から「このまますんなり認可することはありませんよね?」と確認、「拙速な形で了解することはありません」と回答していましたが、しかし、今朝の新聞みると「今月中には認可」って書いてありますよね…?
☆値上げの根拠とされている数字に対する疑問
人件費:1000人規模の大企業の平均水準は高すぎる。
・福利厚生費にいたっては3000人規模企業の水準!
社会保険料は法定が半額負担なのに、60%負担で計算されている。
・破綻した会社なのに、なぜボーナスが出るのか?
(山口氏:「社員もローンを抱えていてボーナスが出ないと大変なんです」といわれて一瞬納得してしまったが、会社が破綻して生活に困る人たちは世間にもたくさんいる。企業としてやりたいというのは自由だが、そのことと、値上げの根拠として出してくるのは違う。)
事業報酬:ルールに従って算出しているというが? もうけを上乗せするのは違うのでは。
減価償却費:再稼働の見込みのない福島第二原発、第一の5,6号機を減価償却費に計上して経費をふくらませている。値上げの根拠からは除くべき。
・県は廃炉にしてくれといっているのに、再稼働を前提としていることは、事故に対する姿勢としても許せない。
電力購入料:当面動く見込みのない日本原電東海第二原発に対し1003億円の支払いが計上されている。発電していないのに消費者負担とするのはおかしい。
消費者庁、消費者委員会、日本消費者連盟の資料が当日配布されましたが、どれもわかりやすく論点を整理しています。
消費者庁「チェックポイント(詳細版)」
http://www.caa.go.jp/seikatsu/koukyou/data/point/120628_point.pdf
消費者委員会「東京電力の家庭用電気料金値上げ認可申請に関する消費者委員会としての現時点の考え方」
http://www.cao.go.jp/consumer/iinkaikouhyou/2012/0620_kangaekata.html
日本消費者連盟「2012年6月28日 審査専門委員会 意見聴取意見」
http://nishoren.net/energy/nuclear/2461