わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

「消費増税はあくまで一里塚」その心は

消費税増税衆議院で可決された翌日(6月27日)の日経新聞記事「消費増税はあくまで一里塚」(吉川洋東洋大教授)は目からウロコでした。
社会保障と税の一体改革」というお題目を聞かされると「社会保障改革なんてみんな後まわし、増税先行じゃないか」と批判しておりました。つまり、「社会保障改革」は少しは良くするものなんだと思ってたわけですが、違ってたんですねー。
(同記事の引用)
衆議院本会議で可決された社会保障と税の一体改革法案は、正しい方向への重要な一歩として評価したい。消費税ばかりに関心が集まっているが、税率の引き上げはあくまで一里塚にすぎない。社会保障の給付の効率化を含めて、これから改革を進めていかなくてはならない。(中略)社会保障の給付をどう効率化するのか具体的な議論は進んでいない。(以下略)
短い文章の中に二度も「効率化」が出てきます。「効率化」つまり削減。一体改革とは増税プラス社会保障の削減で、国民負担を二重に増やす作戦だったわけです。でも増税とセットなんだから「社会保障充実のためにお金がいるんでしょ?」と思ってしまうのが人情。なんとも、うまいネーミングです。
と、感心?していたところ、今日7月2日の日経にさらに露骨なインタビューが。(「成長戦略どう構築」日本総研理事・高橋進氏)
この人は、あの「経済財政諮問会議」支えた官僚であったと紹介されています。さすがのコメントです。
(以下引用)
「強い岩盤のある分野の規制改革に本気で取り組んで欲しい。環境・エネルギー、医療・介護、農業の3分野に重点を置くべきだ」(中略)
ーー社会保障の抜本改革は手つかずです。
高齢化社会なので国民が医療や健康維持に使うお金が増えるのは当たり前だ。良質な民間サービスを呼び込めば、そこが成長戦略分野になる。公的な医療・介護保険はカバーする分野を狭め、民間企業に参入を促す。混合診療や混合介護を進めるべきだ。(以下略)
「岩盤」って?彼らのいう「抵抗勢力」のことでしょうね。この人も、短いインタビューの中に、規制改革、規制緩和構造改革と、繰り返してます。小泉時代に跋扈した、自由競争万能主義の蒸し返しです(いや、蒸し返しというか、今の政権も本質は同じですね。やれないだけで)。「社会保障の抜本改革」は、私たちがうっかり思いこまされていたように「増税はするけど、そのかわりみんなが安心できる年金とか医療の制度を整備する」のでは全くなく、「いかに社会保障費を削減するか」であり、消費税の増税が決まれば、次はコレということがよくわかりました。大変勉強になりました。