日本経済新聞7月21日付コラム:聞き耳、そば耳『首相の「やりたいこと」 安保や外交 保守色じわり』
(以下引用)
「集団的自衛権の行使を禁じた憲法解釈を変更すべきだ」「A級戦犯は戦争犯罪人ではない」。野党時代の野田佳彦首相の主張だ。
1996年の衆院選で落選した後、同じく浪人中だった長浜博行官房副長官ら松下政経塾出身者とともに勉強会をつくったことがある。座長として税制のあり方などの議論を主導する一方で「いずれ政権を取ったらやりたい」ことをまとめた政策集には「自主防衛力の強化」を盛り込んだ。
昨年9月の政権発足後、勉強会の参加者は首相に「集団的自衛権の解釈変更など安全保障の課題にいつ取り組むのか」と尋ねた。答えは「ちょっと待ってくれ。いまは、まだ手が付けられない」だった。
そんな首相に変化の兆しがある。集団的自衛権に関しては当初「現時点で解釈を変えることはない」と答弁していたが、今月に入って「政府内での議論も詰めていきたい」と前向きに変わった。
6日、首相が議長を務める国家戦略会議の部会の報告書には「集団的自衛権に関する解釈など旧来の制度慣行を見直すことも検討すべきだ」という文言が入った。(中略)
国連平和維持活動(PKO)の強化にも動き出した。「憲法との関係をきちんと整理してほしい」という首相の指示を受け、自衛隊に活動現場周辺の「駆けつけ警護」などを認めるPKO法改正案の検討が進む。
(中略)「政治生命を懸ける」と言ってきた消費増税関連法案は8月中にも成立する見通しになった。「やらなければいけないこと」への対応に追われた10カ月が過ぎ「やりたいこと」に目が向いてきたようだ。
(引用終わり)
文中言及されている「国家戦略会議の部会」(フロンティア部会)は大変問題ですね。安全保障だけでなく、雇用関係の部会では「雇用は原則期限付き。定年は40歳」という過激な新自由主義提言もなされたそうです。