わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

あんさんぶる荻窪の財産交換価格について(予算特別委員会における質問)

 2018年3月5日予算特別委員会1回目の質問を行いました。今議会で議案となっている「あんさんぶる荻窪の財産交換」についてです。本日傍聴されていた方から「難しかった」のお声もあり、説明もかねてご報告します。
 あんさんぶるの財産交換は2016年3月に区議会で議決されましたが、実際に交換されるのは今年5月の予定です。2年もたつと地価が変わってしまうので、新たに議決しなおさなくてはなりません。そのため今回再度の議案が提出されました。
 この手順の疑問や取引が国主導で区にとって不利ではないか、という件については「自民無所属クラブ」の佐々木議員が私の直前で質問してくれ、私は財産価格の鑑定について質問しました。
 概要はこんな感じです。
【財産鑑定ではない】
・財産鑑定というが、今回のは財産鑑定ではない。「価格等調査」という。
・どうして財産鑑定をしないかというと、12月時点で2月の価格を求めたもので「将来時点」のものだから、鑑定の条件を満たさない。
・「価格等調査」なので「鑑定を行った場合には違う価格になるかもしれません」という但し書きがついている。こういう条件で価格を決めてしまっていいのか疑問。
【あんさんぶる荻窪の建物価値がなんと4分の1以下に】
・あんさんぶるの土地建物は「市場性修正率」というものを使って2割引きにされている。
・なぜ2割引きかというと、建物が容積率をめいっぱい使っていないこと、体育館など事務所に適さない施設が入っていることから、なんと44%にディスカウントされた。(元々の建築費から減価償却分を引いてまず53%に減額、その上さらに44%に割り引いたので、築浅のあんさんぶるがなんと、原価の23%!4分の1以下に割り引かれている。)
・さらに、その値段から、理由も示さず、ざっくり1億5千万円が引かれている。(割引率の端数を切り捨てたため)
【建築費用の上昇を無視】
・もうひとつは、建物の計算の前提になる建築費用。2年前の鑑定と今回と、同じ数字を使っているが、実は2年間に建設費用は2%ほど上昇している。ここでもあんさんぶるがディスカウントされている。
・これら全体として、あんさんぶるの価格算定が適切とは思われない。
【地元町会からの要望書】
・最後に、荻窪の2つの町会から出された要望書を紹介。「財産交換に際し、区が十分に説明責任を果たさないため、地元では意見の対立、地域の分断、人間関係の悪化にまで及び取り返しのつかない犠牲を払った」「区がこの不手際を深く反省し、二度とこのようなことを繰り返さないように求める」と厳しい表現で区を批判している。