わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

介護保険制度の見直しにあたり制度の充実を求める要望書

介護保険の見直しにあたって「福祉フォーラムすぎなみ(FFS)」が厚生労働省に提出した要望書です。
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私たちは、杉並区内で、介護保険事業や配食・デイサービス事業活動を続けてきた団体と個人の連合体です。介護保険制度発足前から制度に関する学習を積み重ね、当時の厚生省および杉並区・杉並区議会に繰り返し要望や提言を行ってきました。
私たちは、あくまで人権尊重の立場に立ち、高齢者がいつまでも人間らしい生活を営めるように、介護保険制度の充実を求めてきました。
ところが、介護保険制度の見直しにあたり、高齢者ばかりではなく、若年層から障害者を含めて、不安を抱かずを得ないかずかずの情報が洩れてまいります。
さきに年金法が改定され、高負担・支給減に対し、7割におよぶ国民が異議を唱えております。重ねて、介護保険制度の負担増・サービス低下が提言されることに、私たちは格段の不安をもっております。介護保険制度の充実により自立生活を保つことが、むしろ医療費の削減にもつながり、社会保障全体での財政削減にもつながるものと考えております。
少なくとも、以下の数点に関し、弱者の立場にたって、格別の配慮がなされますよう、要望いたします。
 記
1)介護サービス利用料の自己負担割合をあげないでください。
既に10%の利用料も低所得者には負担が重く、必要なサービスを辞退する例がめだっています。これにより、食事・清掃など健康の維持に事欠く事態もおこっています。
2)要支援・介護度1のヘルプサービスを継続してください。
介護保険制度において、介護予防のためのメニューを新設し、単純な家事援助をサービス対象から外すということは納得できません。介護度が軽く認定された人々にとっては、家事援助、通院、外出介助、通所送迎、散歩などが生命・生活の維持に必要不可欠です。また、これらの援助こそが重度化への予防につながります。
3)20歳から39歳までの介護保険料徴収は行わないでください。
20歳から39歳までの介護保険料については、40歳以上の保険料の50%徴収案がでていると報道もされていますが、若年層の未就職状況は中高年層を上回り、年金・医療保険・その他の社会保障費負担も既に限界となっています。
4)現行の高齢者保険料の5段階に、高額所得者の負担を求める第6・第7段階を追加し、低所得者の保険料の負担を軽くしてください。
5)障害者支援費制度と介護保険制度を統合しないでください。
多様な障害者に関する支援を介護保険制度に組み入れることは、既に手薄になっている障害者支援・高齢者支援を劣悪化するものです。障害者支援費制度は改善・充実の方向で維持すべきです。
6)介護予防制度は介護保険サービスからはずし、自治体の責任により充実させることを明記してください。
既に自治体が実施している介護予防事業は、自治体の責任において更に充実させるべきです。介護保険制度の見直しで検討されている新しい介護予防サービスと、従来の介護予防事業の関係がどうなるのか、内容についてもまだ曖昧で、課題が多すぎます。
介護予防の新システムについては、有効に機能し、わかりやすく利用しやすいものとなるよう、更に時間をかけて審議してください。