わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

教科書みました/ゆり

さて、誹謗中傷ではいけないと思って、「つくる会」の歴史教科書の現物を、やっと、見に行きました。
けっこうまともになってましたよ。ここだけの話(?)。判型やページ数、章立てなども他社とめだって違うということはなく、ノーマルな感じにしあがっています。内容も、前回のようなめちゃくちゃな記述ではなくなって、けっこう抑えているなあという感じ。ともすると「これはこれでいいのかなあ」と思ってしまいそう。
が。やっぱり変なんですよ。まず、特徴としては、本文には書かない「言いたいこと」を1ページとか2ページのコラムにしていること。
うち、神話が2ページと1ページで計3ページあります。1ページのほうは「神武天皇の東征」。それから「武士道」のページには「武士道とは死ぬことと見つけたり」の記述のあとに「公のためにつくす」みたいな見出しがあります。明治維新の見開きコラムでは「武士が犠牲になって維新をやった」みたいな見出しがあった。
それから「伊藤博文」と「朝鮮半島と日本」というそれぞれ1ページのコラムが見開きになっていて、やはりこれは意図的なんだろうなあと思いました。「伊藤」のほうにはハルピンで暗殺されたことは書かれていなくて、「貧しい子どもが出世して、憲法つくるためにがんばった」みたいな感じ。「朝鮮」のほうは前回問題になった「日本にむかって朝鮮半島が腕のように突き出している。元寇の基地になったり、日本はつねに朝鮮半島からの脅威に注意をはらわなければならなかった」という記述がまるまるのこっています。
この見開きを見ただけで、韓国・朝鮮の人たちは激怒するでしょうね。それから、たとえば「白村江の戦い」の記述ひとつとっても、「はげしい戦闘が行われて、日本の船400隻が炎をあげて真っ赤に燃え上がった」みたいな(すみません。うろ覚えです)ことが書いてあるし。その手の、情緒的な記述はたくさんあります。
侵略についての記述の問題点はいろんなところで指摘されていますが、「琉球処分」は、沖縄側の抵抗なんてまるで無視しているし(他社は尚泰王を強制的に移住させたことが書いてある)「韓国併合」はそこに至る流れが自然のものであったかのような描き方で、やはりこういう教え方をしてしまうと、日本史は違ってしまうなあという感じです。
時間がなかったので、十五年戦争&戦後編は次回。
※このメールは「杉並の教育を考えるみんなの会」HPにも送りました。http://suginaminnanokai.web.infoseek.co.jp/voice/voice.htm