わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

杉並区の「つくる会」シフト/ゆり

Yさん、信じられないけど、ほんとうに「つくる会」の教科書が杉並で使われることになってしまいました! 山田区長が就任以来執念を燃やしていた、採択がとうとう通ってしまったのです。
傍聴に行ったけど900人を超す希望者が集まったので抽選。当然はずれて「別室で音声のみ」の傍聴をしました。こんな宝くじのような抽選にもかかわらず、著者である藤岡信勝氏が傍聴席に入ったのは、ものすごく不自然ですし、不正であるとの意見も出ています。
それはさておき、来年中学に入るうちの三男はこの教科書をいただいて帰ってくることになります。全く頭をかかえてしまいます。先生達も困っているんではないでしょうか。第一、都立高校の受験科目に社会が入っているのに、あの教科書では受験でも困ってしまいます。歴史教科書を買い集めて、しっかり勉強して自衛するしかないかなと思っています。
ところで、もっと大変なのは、あの教科書が使われるということは「ちゃんと教科書を使って授業しているか??」と厳しくチェックが入ることが予想されることです。丸田教育委員会委員長(つくる会には反対意見)は、「教科書を全く使わない授業をすることも可能だ。杉並区ではこの教科書を使って授業を行うためのガイドラインをつくることを検討する」と声明しましたが、先生達がこの教科書から逸脱することを、ほんとうに区役所が許容するとは思えません。
すでに杉並区では「ゆびとま」という制度があり、校長が「こういう能力のある先生がほしい」と募集をかけてスカウトできるということになりましたが、そのかわり、「あんたは出て行ってね」ということにもなっています。「つくる会」教科書でちゃんと授業しない教師はどんどん杉並区から出されてしまうでしょう。
もっとすごいのは、杉並区は「師範館」という講座を来春から開きますが、この課程を修了した人は杉並区内の小中学校に優先的に採用されることになっています。そしてこの「師範館」こそ「教育勅語の精神」で教師を育てる、つまり「つくる会」教科書にそった教師の供給源になるだろうと思われることです。すでに杉並区はこれだけの用意を採択前からしていました。山田区長の意向を受けて、教育委員会事務局が教育長以下一体となって「つくる会」シフトをしいていたことがここからも明らかです。
今後の杉並区の教育がいかなるものになっていくのか、暗澹たる思いですが、しかし、我が子を守るためには立ち止まっていられません。少しずつ準備はしていきたいと思っています。
教科書のみにとどまらず、杉並区の教育全般がこのような危機にあること、そしてその元凶は一見リベラル、実はものすごく頑迷な右翼である山田区長にあることを、多くの方に知って頂きたいと思います。