わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

杉並病健康相談/ゆり

本日、杉並病をなくす市民連絡会の「健康相談」が開かれました。先月につづき2度目の開催ですが、両日あわせてのべ22名の方が相談に見えました。ちらしを見てきた女性は生後4ヶ月の赤ちゃんをつれて「私は何ともないけど、この子のことが心配で」と相談に来られました。
問診をした大谷郁夫医師のお話では、
・杉並中継所ができてから、あるいはここ数年で具合が悪くなったという方たちであり、中継所のせいではないかと思われる症状も多いが、断定することはできない。
・症状は多彩で、皮膚がチクチクと刺されるようだという人もいれば(杉並病の特徴)、糖尿とか肝臓、白内障の人もいる。すべてが杉並中継所のせいではないだろうが、ごみ圧縮の中から出てくる排気が、どのような影響をもたらすかは、まったく予測のつかないことであり、影響がないとはいえない。
・開設当初はフィルターもなく垂れ流しだったので、劇症の患者が出たが、今はそうではない。時間がたってかなり広がってしまっているのでわかりにくくなっている。
・初めのころは、杉並を離れるとよくなり、戻ってくるとまた症状が出ることで、あきらかに中継所のせいだとわかる人が多かった。しかし、今は、東京都内にも同じような施設がいくつもできており、まわりの汚染も進んでいること、また患者さんも化学物質過敏症などになって、どこへ行っても反応してしまったりするので、見分けがつかなくなっている。 というようなことでした。
大谷先生は80歳を超えておられながら、鵠沼からはるばる診察に出てきてくださったのです。「役に立つなら何でもしますよ」と言ってくださり、しかし、行政が多くの人たちを、継続的に健康診断していかなくては、この公害を全体として把握することはとうてい難しいだろう、とおっしゃっていました。ご高齢にもかかわらず、公害の病像を明らかにしようと真摯に取り組んでくださる科学者の姿勢にうたれました。一方、杉並病の被害がどんどんわかりにくくなっているということに危機感も覚えました。今後11月からアンケート調査をします。
帰り道、Sさんが「保健所には、相談に来た人が2人しかいなかったそうだけど、私たちがよびかけたことには20人も来たっていうことは、杉並病をみんなが心配しているっていうことになるじゃない」とおっしゃって、ほんとうにそうだなと思いました。保健所では「心配ありません」「お年のせいでしょ」といわれるだけなのだから。