わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

和田中夜間塾、対象拡大で問題も拡大

問題の和田中夜間塾(夜スペ)が希望者全員に対象を広げると報道されました。
都教委が指摘していた「教育の機会均等」に配慮したものでしょうが、ウラ返せば、これまで「「夜スペ」に入れない子は「ドテラ」でフォローしているから機会均等に反しない」と強弁(校長も区教委も)してきたのは、言い逃れに過ぎなかったことを自ら認めたともいえます。
見直すとはきいていましたが、より成績の低い子たちまでサピックスは面倒みないだろうと予測していました。やっぱりそうでした。
結局のところ、子どもたちの中にいよいよ厳然たる差別をつけていくということ。
サピックス→トライ→ドテラの3階級になるわけですね。
対象を拡大したからといって、夜間塾の違法状態が是正されたわけではありません。業者選択の公正性、特定の企業の事業のために公共施設を使うことの公共性など全く解決されていません。
だいたい、杉並区として学校教育に塾の力を借りるのかどうかという点についての議論は、一貫して回避されたままです。昨日の文教委員会でも「学力向上は教員の仕事のはず」という意見が出ていました。塾の力を借りないとできないようなことなのか、学校や教員がどうやって学力向上にとりくむかということが、一度も真剣に議論されないまま、塾を学校によびこむことが既成事実化していこうとしていいます。この「ズルズル」の状態こそ、最も危険ではないでしょうか。
私は安易に塾を利用するべきではないと思いますが、どうしても必要だと思う人もいるのでしょうから、塾との連携の是非をまず俎上にあげ、きちんと議論するのが先決です。すでに塾を取り入れている区はいくつもありますが、学校や地域に責任転嫁などせず教育委員会が責任もってやっています。「地域本部がやっていることだから応援しますよ」などと言って他人事のような顔をしている杉並の教育委員会は全く最悪です。だって、実態は学校と教育委員会がいっしょになって進めていることなんだから。裏口から企業を呼び込むようなマネはやめて、議論は正々堂々とやりましょうよ。