わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

秘密保全法のヒミツ

6月2日、阿佐ヶ谷で開かれた学習会「先送りで安心?秘密保全法のヒミツ」(上智大学・田島泰彦先生講演)は、大変中身の濃いものでした。残念ながら、反原発杉並集会と思いっきりだぶってしまい(開始時間が5分単位までいっしょ)、参加者が少なかったことが、大変もったいなかったです。
「秘密保全法」は今のところ国会上程見送りとなっていますが、今回中国大使館職員の問題でまたぞろ「秘密保全法をつくらなければ日本はスパイ天国」的な論調が出ているようですね。
はい。昨日勉強してきた私がお答えしましょう。日本には国家秘密を漏洩しないための法律はすでにたーくさんあります。なので「スパイ天国」なんかではありません。そのうえに「秘密保全法」でやろうとしていることは、
・防衛、安全保障だけでなく、外交、公共の安全と秩序の維持の3分野を対象とすることで、つまりは広く(なんでも。たとえば、原発関連の情報も)守られるべき秘密に指定できる。
・秘密を知る立場にある公務員など(関係する仕事をしている民間人も含む)が、「本当に秘密をもらさないかどうか」あらかじめ(つまりは実際に「秘密」を知る前に)審査する「適正評価制度」を法制化する。
・「特定取得」といって、職務的な立場以外(たとえば取材)で秘密を知った人について、「(違法ではないけど)社会通念上是認できない」やり方で知ったことは、処罰される。(沖縄密約事件が想起されます)
「秘密事項の範囲を広げ」「知る立場にある人への監視をいっそう強め」「メディア取材もできなくする」ということです。
なお、これらの内容は昨年8月に出された「有識者懇談会」の報告書をベースにしたものですが、この「懇談会」は非公開で議事録はナシ。関係者のメモも「すべて廃棄された」ことになっているとききびっくり(ありえない)。秘密を守る議論も秘密なんだ。
お話の冒頭に、民主党は野党のとき、この内容に反対していたのに、政権党になったら自民党案とあまり変わらないものを出すようになってしまったとのことでした。この点でも「マニフェスト違反」をしているわけですね。
じゃ、どうしたらいいのか。先生は「現在でも規制の大きい政府の情報について、規制を緩め、情報公開を進めていくように働きかけること」とおっしゃっていました。少なくとも「議事録はつくっていません」なんて許されない仕組みにしなくては。