わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

TPP推進するみんなの党の屁理屈

今日の国会代表質問でTPPについてみんなの党渡辺喜美氏が「参加表明を」と迫ったとニュースにありました。
そういえば先日、みんなの党の区議会議員の新聞折込ちらしに大きく「TPP交渉には速やかに参加すべき!」とありました。「反対する議員は農協、医師会といった組織から献金などの支援を受け、そのしがらみから反対している」と断じています。
TPPは、当初「農業の問題」といわれ、2010年当時の民主党政権・前原氏は「GDPの1.5%の農業のために98.5%が犠牲になる」などといいましたが、「農業だけじゃないらしい」とばれてきたら、今度は「医師会」ですか。
区議会議員のちらしは
「交渉の結果、国益を害するとなれば参加しないこともできる」
「TPP、FTAで閉鎖的な規制、制度を改革、経済成長につながる」
「中国との関係を有利に進められる」
などと並べていますが、どれもツッコミどころ満載。
彼は本当にこう思っているのかもしれませんが(それはそれで困ったことですが)、このような屁理屈で国民を欺き、真実を覆い隠すやりかたは許しがたいです。
上記に対する反論のかわりに、以下、東京大学・鈴木宣弘先生の講演より抜粋します。みんなの党がいう「国益」とは名ばかりでアメリカの利益のために日本の国益を供するものでしかないとよくわかります。
〔第10回全国地方議員交流会(2012年10月29日)における講演より抜粋。日本の進路・地方議員版57号(2012年12月)掲載。見出し、( )内は引用者〕
★ゼロ関税の例外はない
・ゼロ関税について、コメは例外になるというのはウソです。7年間の猶予があるだけです。1俵(60kg)はアメリカは2000円でできます。 日本はどうしても14000円はかかります。
★ISD条項(毒素条項)
・実際にカナダとメキシコは、北米自由貿易協定の中にISD条項を入れられて、米企業から社会のセーフティーネット制度や環境基準、安全基準をつぶされ、損害賠償をさせられました。
・例えば学校給食に地元の食材を使う奨励策があるとしたら、これが参入障壁だ、非関税障壁だと訴えることができます。
★領土、国土の問題にまで
・例えば砂糖がゼロ関税になって、沖縄で砂糖キビが作れなくなったら島々に人が住めなくなって、尖閣諸島みたいな無人島がいっぱい出てくるということをどう考えるのか。
・いま山では大変なことが起きています。林業、木材を昭和30年代、ゼロ関税にした結果、二束三文の山となり、お隣の国の方々が高く買ってくれるという。気がついたら水源の山がどんどん外国のものになっている。こういうことについて考える必要があります。
★国民に隠して持参金の交渉
アメリカは日本が(TPPに)入りたいなら、事前に交渉するための条件「頭金・入場料」として3つ――自動車の規制緩和郵政民営化・保険、BSE狂牛病問題でアメリカの要求をのめば入れてやると言っています。(交渉参加できないのは、反対運動もあるが)真の理由はこの「頭金」を払ってアメリカの承認をもらっていなかったことです。このことについて国民は全く本当のことを知らされていません。
・(国会の議員会館で100人もの議員が説明させようとしたが)10人くらいの政府の当該役人が出ていながら、説明用ペーパーを1枚も持ってこない。「説明できることはひとつもありません」と1時間も言い続けました。
★なぜここまでアメリカのいいなりに?
・とにかく冷静な判断をしないと大変なことになります。TPPで食料自給率は13%にまでなるといっています。これは農業の問題をはるかに越えて、国民が生きていけるかどうかの正念場です。医療も崩壊、雇用も崩壊、社会の制度もガタガタ、そして利益は一番少ないのに、なぜここまでアメリカのいいなり、一緒にやらないといけないのでしょうか。これから伸びるアジアの国々との関係は非常に難しい部分もありますが、共通点も多い。このアジアを中心にもっと柔軟で互恵的な経済連携をやっていくこと、足場を固めることが、アメリカとも対等な友好関係を築けるのじゃないでしょうか。