わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

一番ケ瀬康子さんを偲ぶ会

1月27日、上井草園(社会福祉法人サンフレンズが運営する特養ホーム)で会がありました。
一番ケ瀬康子さんといえば、名前を知らない人はないという大家ですが、つねに福祉の現場、生活の実際を大切にした研究者だったということです。「老後を良くする会」が最初から一番ケ瀬さんの教えを受けて40年間運動を続けてきたという思い出の数々にも打たれ、また、研究業績と理念をお聞きして大変勉強になりました。
驚いたことは、サンフレンズの前理事長・大友信勝先生のお話でした。なんと、いま、社会福祉士の必修科目からも「社会福祉」という言葉が消えてしまった!(じゃあ、社会福祉士になれないじゃん?)「社会福祉原論」は「現代社会と福祉」とかいう科目になっているのだそうです。大学のシラバスにも「社会福祉」の言葉がなくなっている…。それに対して学会の中でも反対の声が出ないとおっしゃっていました。
介護保険が始まったとき「介護の社会化」と言われました。たしかに社会化された面もありましたが、その後進んできたことは、福祉が個人化され、「社会」性がなくなっていく(つまり自己責任)ということでした。それを象徴するようなことです。
それともうひとつ。
上井草園がスタートしたときに入社した人たちが、思い出を語るコーナーがありました。あとで、ベテランのケアマネさんとの立ち話。「当時いた人たちが随分いなくなってしまいました」その理由はいろいろあるとしても「当時は、大勢応募してきて。だって公務員並の給与だったんですよね」
そうだ! ほんの15年ほど前のことですが、当時は東京都の「公私格差是正措置」で社会福祉法人は公務員並みの待遇が保障されていたのでした。いま、低賃金で人が集まらない。入っても辞めていく。なんという変わりようでしょう。福祉の世界のなんという深刻さでしょう。
そう言っているあいだにも、生活保護の削減が行われようとしています。