わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

あんさんぶる荻窪と荻窪開発

あんさんぶると税務署の交換が、荻窪開発と結びついているのだろうと、直感的に考えていたのですが、この間いろいろと情報をいただいて、かなりわかってきたので、報告したいと思います。この話は、どこからはじめていいか迷うところでもありますが、とにかく、あんさんぶる荻窪をこのまま交換させてしまってはいけない、ということだけはわかります。
(1)目的その1 荻窪再開発
まず、交換の目的です。多くの人は年に1回いけばいい税務署を駅前の一等地に持ってくる理由、そしてそのために、福祉事務所などをわざわざ駅から離れた場所に移転する、しかも、30億かけてたてた新しい建物を手放しわざわざ新築する、ということには相当の理由がなければ財政負担の面からも利便性の面からも納得が得られるものではありません。「特養をつくるために必要」とのいいわけは成り立たない(税務署が存続しても、公務員住宅跡地だけを買うか借りれば十分建てられる、他にも学校跡地などがある)ということは書きました。(参照:「あんさんぶる荻窪」交換の根拠はない http://d.hatena.ne.jp/waku2/20140220#p1
では、真の目的はなにか。その1は、荻窪南口開発です。なんといっても、開発のタネをまくためにあんさんぶるを売り渡すのです。
「風が吹けば桶屋がもうかる」みたいな話なのですが、
(1)あんさんぶるに国の施設が入る
→(2)遠くから車で来る人がふえる
→(3)荻窪南口駅前バス通り(補助131号線)が一方通行で不便
→(4)一方通行規制を解除し、相互通行にする
→(5)駅前・周辺の用途地域を変更、容積率を緩和できる
→(6)駅前の開発および後背地域も開発できる
……という図式を描いているのが開発推進派。この人たちは、(2)の段階で(本当に増えるのかは関係なく)「国の施設なのに不便だから相互通行にしろ」という署名をやって区に大義名分を与える計画だそうです。(6)からさかのぼるとよくわかります。
(6)荻窪南口駅前の開発および後背地域の開発をしたい
→(5)そのためには駅前・周辺の用途地域変更、容積率緩和が必要
→(4)そのためには駅前バス通り(131号線)一方通行規制解除が必要
→(3)解除させるために、駅前バス通り(補助131号線)が「一方通行で不便」と区に訴える
→(2)そのためには「遠くから車で来る人が不便」との名分が必要
→(1)そのためにあんさんぶる荻窪に国の施設を入れる
荻窪南口駅前にもっと大きなビルを建てたい」「地価が上がってほしい」「家賃収入をふやしたい」という大地主さんや建設会社のもくろみ。しかし、そんな営利のためにあの狭いバス通りが相互通行になり、ビルが林立して環境が破壊されることを、ほとんどの住民は望んでいません。
(2)目的その2 新庁舎建設
税務署と交換後、税務署敷地に福祉事務所など「福祉の総合的拠点」をつくると区は言っています。施設再編の説明会の段階ではまだ出ていなかった言葉ですが、最近、荻窪の人たちへの説明では「新庁舎」と称しているそうです。区役所建てかえの際の代替施設としても使用することを想定しているらしいです。「福祉の総合的拠点」はすでにあんさんぶる荻窪にあり、私も相談を受けたときに利用しましたが、生活保護は1F、生活資金の相談は5F、多重債務の相談は3Fと一カ所ですむので、今の状態でも大変便利です。30億のむだな出費をしてまで、今より不便なところに新築するのはかなり無理があります。
(3)目的は「特養」ではなかった
先日、財務省に申し入れに行った方たちが聞いてきたというのでびっくりしましたが、国との交渉にあたって最初に区が言ったことは「まちづくりのために必要な土地」ということであり、国としては「特養」とはひとことも聞いていないとのことです。特養は区民に文句を言わせないためのあとづけの理由なのです。