わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

向井公園がなくなった。今度は児童館も…?(わくわくレポート号外)

下井草児童館が乳幼児専用施設に変わる
 杉並区は下井草児童館を廃止し、乳幼児専用施設(子ども子育てプラザ★注)に転換する計画を進めています。
 一昨年には、となりの向井公園(じゃり公)が突然廃止され、長年にわたって下井草の子どもが慣れ親しんだ遊び場が奪われたばかりです。
 「桃五小の校庭は芝生の養生優先で、体育の授業も十分にできない」
 「サッカーをするため、子どもたちが中野区の公園まで行っている」
など、子どもたちが運動しにくくなっているとのお声を、最近うかがうようになりました。
 このままだと、今度は児童館も小学生が遊べない場所になってしまいます。
 下井草地域の子どもたちが、安全にのびのびと遊べる場所を確保するためどうしたらよいか。どうぞ皆様のお知恵、ご意見をお寄せください。
★「子ども子育てプラザ」とは
 乳幼児親子の支援を行う杉並区独自の施設です。児童館(18歳までの子どもが誰でも利用できる)とは違い、小学生以上の子どもは対象としていません。
 第1号の「プラザ和泉」(元・和泉児童館)は、赤ちゃん対象のかわいらしい施設に生まれ変わりました。小学生も来ていいことになっていますが、使える時間・スペースは制限され、児童館のようにどこでも遊べるわけではありません。小学生の利用はだんだん減っているそうです。
★下井草学童クラブはどうなるの?
 (右図参照:杉並区作成)
 桃五小の隣にあった自転車集積所の跡地に、桃五学童クラブが増設され、下井草学童と統合されます(現在の定員60名→増設後は150名→200名に)。
(1)増設棟:2階建と書いてありますが、2階部分は職員の更衣室と倉庫など。子どもが使えるのは1階だけです。
(2)防球ネット:学童クラブの子は自由に使えません。
(3)別敷地:用途は未定とのこと。子どもたちが遊べるよう公園や学童クラブの庭にすればいいのではないでしょうか。

わくわくレポートNo.186 杉並区長の「お友だち政治」「公私混同」

【安倍政権そっくり〜杉並区長の「お友だち政治」「公私混同」】
 2018年第1回区議会定例会で、何よりも注目されたのは、田中良区長の「お友だち政治」と「公私混同」でした。
 杉並区の公共事業を受注する建設会社、造園会社、保育園運営会社等々を招いたゴルフコンペを区長が長年にわたって行い「親交を深め」ていることが、本会議で暴露されました(国家公務員や大臣なら違法行為ですが、杉並区には残念ながら倫理規定がありません)。
 また区長は昨年、他区の都議選候補者の決起集会に公用車で乗りつけていたことも明らかになりました。
 この区長を8年間全面的に支持してきた自民党公明党、さらに立憲民主党社民党生活者ネットなどの区議会「相乗り与党」会派・議員の責任は重大です。
 田中区長は民主党出身のため、野党政治家と思っている人もいますが、自民党石原伸晃代議士の出陣式に駆けつけたり、「まともな政党は自民党だけ」と公言する仲。また、3年前大問題となった「安保法制」を「安全保障の根幹をなす政策との与党の判断でつくられた」と評価しています。国政の野党に属する区議がこの区長を同時に支持しているのは矛盾です。
 20年ぶりの保育料値上げや、国保料・介護保険料の大幅引き上げで区民には負担を強いる一方、区長・区議報酬は引き上げ、「お友だち」と利権を分け合っている区政です。
 6月24日には区長選挙が行われます。利権と開発の区政をストップできるのは私たち住民の自治の力だけです。
 みなさん、ご一緒にがんばりましょう!
【杉並版国有財産問題〜あんさんぶる荻窪と税務署の交換】
「あんさんぶる荻窪」と荻窪税務署の財産交換は3月16日、区議会本会議で可決されました(松尾ゆりは反対しました)。
 この問題は「森友問題にそっくり」とネットメディアで紹介されました。(森友問題と酷似! 麻生財務相が絡む荻窪税務署建て替え問題で文書改ざんや不当な不動産鑑定が
<そっくりポイント>
★公文書隠蔽・廃棄

 森友問題では公文書改竄、自衛隊は日報隠蔽が問題になっていますが、区でも公文書隠しが…。
 田中区長が荻窪税務署について国宛てに出した公式の要望書は区議の請求にも「不存在」と回答されましたが、後日、存在が明らかになりました。なんと、「区政への意見・要望」ファイルに分類されており、しかも3年で廃棄されていたのです。「ミスでした。これからは気をつけます」と説明されましたが、単純ミスのはずがありません。
★ここにも麻生さん
 2013年11月麻生財務大臣と田中区長の会談で、あんさんぶるの交換が決まったと突然新聞報道されました。麻生さんとの会見を取り持ったのは地元の自民党代議士?
★お友だち政治
 あんさんぶるの交換を口実として2つの大規模施設(ウェルファーム、桃二小)を新築した杉並区。総額70億円の工事を請け負ったのは、区長のゴルフコンペにも参加する「お友だち」の建設会社。
★不動産鑑定
 5年前の不動産鑑定では税務署よりも10億円も高かったあんさんぶる荻窪の土地建物が、今回の評価では、いっきに4000万円差まで圧縮。国が払う差金4000万円(総額の1%以下)の結論ありきです。
 あんさんぶるはばっさり2割引き。口実を作っての大幅値引きは森友学園にそっくりです。
<あんさんぶる荻窪めぐる裁判>
 2016年7人の町会長が押印して区に提出された要望書の文面は実は区職員が作ったものでした。「財産交換には一定の理解を示す」と、あたかもあんさんぶるの財産交換を認めたかのように利用されたと町会長さんが区長を訴えました。
 3月19日に区職員2名が出廷して証人尋問が行われ「財産交換に反対の人がいるのはわかっていたのに、区に都合のいい要望書をつくったのではないか」などが追及されました。次回は7月5日に裁判が行われます。
<春休みなのに遊べない!>
 あんさんぶるの荻窪北児童館は、年度末を待たずに3月17日に閉鎖されました。春休みの子どもたちは遊びに行くところがありません。なぜ2週間も早く? あんさんぶるの他の施設はそれぞれ週末2日で引っ越しを済ませており、児童館だけが2週間かかるわけはありません。
 児童館廃止に住民が反対しているので有無をいわせずさっさと閉館してしまったのです。同じく廃止となる成田西児童館は説明会が2回も開かれたのに、あんさんぶるでは結局一度も説明会が開かれませんでした。
 3月31日土曜日、閉館したあんさんぶるに行くと知らずに訪れる人が次々に。6年生の男の子は「閉館は知らなかった。学校からも聞いていない」と残念そうでした。
阿佐ヶ谷駅北東地区再開発】
★阿佐ヶ谷けやき屋敷の森は全面伐採!
 杉並区は河北病院の移転・新築のために、
・河北病院→けやき屋敷に新築、移転
・杉一小→河北病院が引っ越した跡地に移転
・杉一小敷地→河北病院土地と交換
と計画を定めました。
 計画には「森に囲まれた病院」などと書かれていますが、現在の森が残るのは南西のL字部分のみで、残りの木はすべて伐採されます。点線部分に新たな木を植え直し、他はすべて建物が建ちます。
★河北病院敷地に陥没!
 河北病院の北側、旧桃園川に面した部分が大きく陥没しています。議会で質問すると、区はこのことを把握していませんでした。災害マップでも浸水地とされているこの地盤の悪い土地と駅前一等地の杉一小を交換(上記参照)し、学校の移転先とするのは危険ですし、しかも区にとって損な取引です。(関連記事:杉一小移転先の河北病院に大穴
 田中区長、あんさんぶるに続いて、またも区民の財産を大安売りするのでしょうか。
【杉並区が「平和憲法」削除〜区長は答弁回避】
 昨年11月、区主催のイベント(男女共同参画都市宣言20周年)のプログラムをめぐり「平和憲法」の文字を削除するという「検閲」事件が起きました。
 削除を余儀なくされた当事者の方は「プログラムの印刷前日になっていきなり担当者から電話で『平和憲法のくだりは政治的。書き直してほしい』と言われました」と述べています(「杉並の問題をみんなで考える会」ブログより)。
 この事件について、松尾ゆりは、本会議一般質問及び予算特別委員会で「憲法の禁じた『検閲』であり重大な人権侵害」と追及しました。区(区民生活部長)は「男女共同参画についてわかりやすくするため修正した」との答弁に終始、「政治的だから削除」については触れず。区長は答弁でこの問題には一切触れませんでした。

公文書隠蔽…財務省と杉並区の財産交換で

 財務省と杉並区の財産交換において、発端となった杉並区・田中区長の要望書が隠蔽・廃棄され、結果として「あんさんぶる荻窪」を安値で国に渡すことになった件は、公用文書毀棄罪で刑事訴追されてもおかしくない事件でしたが、区役所は「まちがったファイルにうっかり保存してしまった」のだから「責任問題とか非違行為とかは考えていない」とひたすら逃げの答弁。
 2016年2月24日区議会総務財政委員会での私の質疑を再掲しておきます。(杉並区議会議事録より引用)
◆松尾ゆり 議員  (中略)さて、最初に述べました22年の文書の件に戻りますけれども、この件について、先ほどから、公文書の管理としていかがだったのかというような御質問があり、不適切な部分もあったのではないか、今後は気をつけますという御答弁がありました。しかし私は、そんな話で済むことではない。このあんさんぶるの交換という大変な計画を始めた発端が、そこにあったわけですよ。しかし、そのことが当時の区議会議員の請求によっても出てこない、そして区議会のやりとりの中でも、不存在であるという答弁をされているわけです。このことは大変重大な問題であって、これはこのスキーム全体を揺るがすような、隠蔽と言って言葉がきつければ、情報提供が不十分であったと言わざるを得ません。
 また先ほど、その文書の分類ファイルの入れ方がちょっとまずかったのではないか、年限がどうだったんだろうかというお話がございました。これからは気をつけますとおっしゃるのはいいんですけれども、では、その責任は誰がどのようにおとりになるのか。つまり3年過ぎて廃棄をされて、もう区民に供されない。国のほうは5年保存で今年度末まではあるということですが、区民には区の文書としては供しないということでございまして、そこのファイルに入れたという責任はどなたがどのようにおとりになるのか、お聞きします。
◎企画課長 まず、隠蔽していないということは断言させていただきたいと思います。先ほどの情報公開請求に基づきまして請求内容を精査した上で、それは公開情報ではないという判断のもとで、それ以外のものはちゃんと公開したところでございます。
 責任という話でございますが、実際に我々としてはその当時、文書管理、フォルダー自体の間違いはあったということはございましたが、国、都への予算要望等につきましても、同じように3年保存という取り扱いをしていたところでございます。そういった中での管理ということで我々は考えておりました。
 実際のそういった文書保存、廃棄等の責任ということになりますと、文書等管理規程に基づくと、課長権限で行うという形でございますので、課長が一応権限を握っているというふうに考えております。
◆松尾ゆり 議員  そうしますと、当時の課長さんの責任ということで、どのように責任はおとりになるんですかね。
◎副区長 担当のほうから何度も申し上げていますけれども、今になって振り返ってみれば多少配慮がなかったということは認めておりますけれども、当時は当時の規定に基づいて処理をしたということで、別に責任問題とか誰が非行為をしたとかというふうには受けとめてございません。
◆松尾ゆり 議員  これは重大な問題だと思うんです。だって、一番最初の一番大事な文書が区民の目に触れないという結果になったわけですよ。今はもう廃棄したということですから、区民は見られないわけですよね。それで当時の区議会議員がこの文書を開示請求したところ、先ほどおっしゃった開示の対象に当たらないということで不存在というふうになったということでしたけれども、それでは、そのときあんさんぶるに関する全ての文書みたいな形でお出しになっていると思うんですけれども、そのときどう言って請求すればよかったんですか。だってその文書の存在を知らないんですよ。今だから何年何号とわかって請求ができるけれども、そもそも知らない文書を請求するのに、そうしか請求のしようがないじゃないですか。そしたら、今までいろいろな情報公開請求を私もやりましたけれども、こういった形でのアバウトな請求というのはやっても出てこないということになりませんか。
◎企画課長 アバウトというお話がありましたが、まずこちらといたしましては、請求者本人からの請求内容につきまして確認いたしました。済みません、今手元にないんですけれども、あんさんぶる荻窪荻窪税務署用地の財産交換のやりとりに係るものといった内容であったと思いますが、そういった内容につきまして、情報公開担当と、その内容について該当するかどうか確認した上でやっているものでございます。
◆松尾ゆり 議員  大規模用地に係ることということなので、なぜ出てこなかったのか、これは私は全く理解できません。今はもう廃棄してしまったということですけれども、当時は存在していた文書ですから、これが出せなかったというのは、意図的にそこには当たらないという判断を狭く解釈したとしか思えません。

教育長の任命同意に反対しました

 2018年3月15日杉並区議会本会議において、教育長の任命同意に反対しました。以下原稿です(実際の発言と異なる場合もあります)。
<反対意見>
 議案第39号教育委員会教育長の任命の同意について、について意見を述べます。
 井出隆安氏は、2006年に教育長に就任されて以来、12年にわたって勤めてこられました。その間、多くの業績もあったかとは思いますが、杉並区の教育をめぐっては、見過ごせない大きな問題が、それも主に区行政、教育委員会の側から引き起こされてきました。
 一例をあげれば、区民、地域の意向を無視した強引な学校統廃合、小中一貫校の推進です。神明中の廃校問題では地域ぐるみ区政の大問題となり、計画が撤回されました。和田中民間人校長による夜間塾いわゆる「夜スペ」の開講と同校PTA廃止、地域本部の不明朗会計の問題では、教育委員会は問題点の糾明どころか、10年間にわたり同校で民間人校長を存続させ、利権を擁護しました。教科書問題では、井出氏就任以降も2009年採択において、いわゆる「つくる会」歴史教科書が採択され、その際には井出氏自ら賛成意見を表明しています。最近でも、学校をめぐっては、高円寺小中一貫校問題、また、杉一小改築をめぐる朝令暮改、あんさんぶる荻窪財産交換にまきこまれた桃二小の前倒し改築などの問題が起きています。
 さらに、社会教育分野に対する認識が薄く、政策の後退が目立ちます。教育ビジョン等をみてもそれは明らかです。
 原水禁運動発祥の地という輝かしい杉並区の歴史は、杉並区立公民館での主婦たちの学びが原点でした。住民自らが学ぶことにより、自ら社会問題解決の道を見いだしていく、社会教育活動は自治の基板となるものですが、とりわけ昨今の杉並区は社会教育部門の縮小が目立ちます。日本一の科学教育施設として、国際的にも高い評価を受けていた科学館の突然の廃止はいうまでもなく、公立図書館では指定管理化が推進され、また、今年度から中央図書館長が生涯学習担当部長兼任となり、実際上の格下げとなったことは由々しいことです。スポーツ関連部門が区民生活部に移されたことも、事業の位置づけを全く変えてしまうもので問題です。
 これらの問題は、ひとり教育長の責任というわけではなく、むしろ区長および区長部局の意向を強く反映した結果でもあると思います。しかし、そのことこそが問題です。教育長は本来、政治の不当な支配に屈することなく、教育の独立を守る責務があります。井出氏はその任を十分に果たしておらず、区長および区長部局にとって都合の良い教育長になってしまっているのではないでしょうか。
 年齢の問題も言わなくてはなりません。井出氏は71歳とのことで、教育委員のおひとりであればまだしも、教育行政全体の実務を先頭に立って牽引していくべき教育長としては高齢といわざるをえません。後進に道を譲るべきときではないでしょうか。
 以上、井出氏の教育長任命同意に対し反対の意見とします。  

森友問題と同根、文書隠蔽から始まった財産交換(予算に反対しました)

 今議会冒頭で自民党が区長3選支持を表明、6月の区長選は楽勝と思っているのか、議会での田中良区長の慢心ぶりが半端ではありません。本会議では区長のゴルフコンペも暴露されましたが、杉並区政も「お友達政治」のぬるま湯にひたりきっていますね。でもそれ私たちの税金なんですが。
 「あんさんぶる荻窪」の財産交換が議会で可決されました。区長が国に「無料でビルを用意する」と約束したところから始まった問題ですが、その最初の文書は隠蔽されていました(このあたりの事情はこちらに)。国有財産の不明朗な取引という点であり、文書改ざんでは森友問題と同根と指摘しました。
 交換財産の鑑定も行われず(鑑定ではなく「価格等調査」を行った)、あんさんぶるは不当に安売りされる結果となりますが、このことを問題にする議員があまりにも少なすぎます。そもそも価格調査報告書を読んでいるのか…? 民営化大好き、行革をうるさくいう人たちがなぜこんな損な取引をだまって受け入れるのか、不明朗なものを感じます。
(以下原稿です。実際の発言とは異なる場合があります。)
<予算案に対する意見>
【田中区長自身の公私混同等】

 杉並わくわく会議として、予算特別委員会付託議案についての意見を述べます。その前提として、田中区長の区政運営について、どう見るかが問われます。
 今議会ほど、区長自身の問題が様々に議論されたことはありませんでした。他会派の発言の中で、政治資金パーティー、ゴルフコンペ、公用車の使用などについて、公私混同および、区補助団体や委託事業者との癒着を疑わせるとの指摘が数多くなされました。
 区長という重い職責を担い、総額3000億円にも及ぼうかという巨額の予算の決裁権者として、疑いを持たれることだけでも、深く恥じ入るべきところ、違法ではないと開き直る区長の態度には、区民のひとりとして大きな失望を禁じえません。
【文書隠蔽から始まった財産交換】
 さて、最初に議案第21号あんさんぶる荻窪の財産交換について述べます。多くの問題点のなかでも、いまの田中区政の問題点をもっともよく表しているものと考えるからです。
 いま国会では森友問題の文書改ざんが大きな問題となっていますが、あんさんぶるの問題も振り返れば2010年の区長文書の隠蔽、廃棄から始まったのであり、同様の病根の深さを感じます。
【区長が言い出せばどんなことをしても遂行】
 財産交換については、これまで何度となく、かつさまざまな視点から問題点を述べてきたところですが、
・区民全体には不利益であっても、区長が言い出したことだから、どんなことをしても絶対に完遂する。
・そのためには予算もつぎこむ。建てなくてもよい施設を建て、まだまだ使える施設を解体、廃止する。
・行きがけの駄賃で、それらの工事は、一部の建設会社の利益につながる。
・区民の疑問の声には「反対派」とレッテル貼りしてシャットアウトする。町会からどんなに要求されても必要な説明会を開催しない。パブコメでどんなに反対の声が出ても「55万区民からみれば少数」と無視する。
などの特徴は、公園を強引につぶしての保育園建設、高円寺3校の統廃合と一貫校建設などにも共通しています。
財務省も経験したことのない非常識な交換】
 あんさんぶるの財産交換は、現に使っている施設どうしの交換という財務省の担当者も経験したことがないと言っている、前例のないきわめて非常識な交換であること、また、区にとっては築後13年の区民施設を不当に安く手放す不利益な交換であるばかりか新たなビル建設、学校改築に70億円もの費用を余分に費やしたこと、さらに、児童館がはじめて物理的にも廃止され、地域の子どもたちを犠牲にするものであること、区が喫緊の課題と述べた特養については他の整備手段があり、かつ、喫緊のわりに計画発表後8年も整備されないことなど、簡単に述べてもこれだけ多岐にわたる大きな問題があり、仮に交換が行われたとしても、これらの問題は決して消えないことを指摘します。
【町会から苦言、3000筆の署名が】
 先に紹介したように地元の町会からは「この財産交換に対して地元は取り返しのつかない犠牲を払った。区は不手際を深く反省し、二度と繰り返さないように」との要望書が区長あてに提出されました。
 また、昨日は「荻窪 子どもの居場所を守る会」から、「税務署来るな。無慈悲にこどもからあんさんぶるを取り上げるな」とのメッセージを添えて3000筆余の署名が田中区長に提出されました。財務省理財局にも持参したとお聞きしました。これだけ根強く、区民、とりわけ荻窪地域の方々が今もあんさんぶるの存続を願っているという重みを区長、感じてください。
【不動産「鑑定」ではない】
 委員会質疑では、いくつかの点に絞って質問しました。まず、財産評価にかかわる問題です。今回は不動産鑑定ではなく、評価基準に則らない「価格等調査」の手法が使われました。報告書には「鑑定評価を行った際には異なった結果が出る可能性がある」との注意書きがあります。
【あんさんぶるは4分の1に割り引き】
 評価それ自体にも多くの疑問があります。
 市場性修正率8割の根拠は、あんさんぶるが容積率を使い切っていないこと、事務所には適さないスペースがあることなどを理由に44%と大幅に割り引かれたことでした。それに加えてあんさんぶるの建物は減価償却を見込んでさらに53%に減額されました。築浅にもかかわらず、あんさんぶるの評価がなんと23%、4分の1以下に減額されていることは、全く不当な評価というほかありません。
【工事費上昇を反映せず】
 次に、建物評価の根拠となる再調達価格について、建設工事費の上昇が考慮されず、一昨年と全く同じ単価をもって積算されていることも、価格を押し下げる要因となっていることを指摘しました。
 また、土地価額の算出にあたり、参考としたマンション価額が税務署とあんさんぶるのどちらも南荻窪や高井戸など同じ地域であり、税務署の価額が高く算出されている可能性があることも指摘しておきます。
 以上、あんさんぶる荻窪の土地建物と税務署土地との差額4000万円では不当な安売りです。
【単純な価格変更ではないのに】
 また、他の委員の質疑において、一昨年の財産交換の議決は、それ単独で交換を成立させるものではなかったとの指摘があり、再度これを質したところ否定する答弁は得られず、今回の議案が単なる価額の変更であるとの区の説明は誤りであると考えます。このような2段階議決のやりかたも、議会と区民を無用に混乱させるものです。
【児童館廃止の説明会、成田西では二度も開催】
 荻窪北児童館の廃止に際しては、一昨年の議決の際には「今後説明会等は行っていく」と答弁したのに、説明会を、結局一度も開いていません。地元町会も再三にわたって説明会を要求してきましたが、区は言を左右にして逃げ回りました。
 施設再編計画の中でやったとか、学校改築の説明会をしたとか言っていますが、成田西児童館では、廃止・再編を前に、当該小学校の全校生徒に案内が配られた上で、ちゃんと児童館で説明会が行われたことを知りました。成田西では2013年、施設再編整備計画策定以前にも説明会が行われており、二度にわたり説明会が行われたことになります。
【反対の声を封じるため児童館を閉鎖】 
 同じ児童館の廃止・再編でありながら、成田西と荻窪北の違いは何なのか。要は会を開けば反対の声が上がるから、開けないという、区長の姑息かつ卑怯な判断ということです。
 荻窪北児童館が条例上では31日まで存続しているのに17日で閉鎖してしまうという運用の不当も、同様に、利用者の声を封じてしまいたいということなのでしょう。
【落成式に町会長招かず】
 荻窪地域の施設であるにもかかわらず、ウェルファーム杉並の落成式には荻窪南口の町会長さんたちが招待されなかったことを確認しました。これも区が批判的な声をいかに嫌っているかの証左です。
 耳の痛い批判の声は一切シャットアウトして、仲間内だけで都合のいい政策を進めていくやりかたは、冒頭指摘した田中区政の問題点と重なります。
 以上の理由、またこれまで指摘してきた多くの問題点をふまえ、あんさんぶる荻窪の財産交換については不当、かつ区にとって不利益なものと判断し、断固として反対いたします。
【広報にあんさんぶる廃止の説明なし】
 なお、あんさんぶるの児童館を除く諸機関の引っ越し先であるウェルファーム杉並の落成にあたり、区は広報すぎなみ臨時号まで発行して宣伝しました。その紙面には「あんさんぶる荻窪」から移転する説明は一言もありません。全く新しい福祉の拠点ができるかのような宣伝は誇大広告です。
「これまで縦割りだった相談を1か所でできる」というPRがなされていますが、あんさんぶるも1か所で、生活、就労、福祉、子ども、さまざまな相談が可能です。区の窓口ではこれまでも、複数の問題を抱える人について異なる部署間の必要な連携は十分行われてきました。「横串」は今でも機能しています。この施設ではじめて実現するかのような表現は、財産交換をどうしても正当化したいための言い訳としか受け取れません。
【「ゆうキッズ」は廃止?】
 荻窪北児童館の廃止に関連して「ゆうキッズ」はどうなるのか、他の委員からも質疑があったので、あらためて正確なところを所管に確認しました。
 桃二小完成後も保健所4階の乳幼児の居場所は残るが、管理は同所にある子どもセンターが行う予定、また「ゆうキッズ」に相当するプログラムは天沼プラザからのアウトリーチを検討しているが、プラザ職員は常駐せず、荻窪北児童館ほどの回数は見込めない予定。さらに「ゆうキッズ」の名称を引き継ぐかどうかは検討中とのことでした。いずれにせよ荻窪児童館での事業には全く及びません。そもそも保健所という場所が子どもの居場所にはふさわしくないことはこれまでにも指摘してきました。
 議員の皆様にはこれをふまえで、正確な情報提供を行ってくださるようお願いいたします。
【新たな子どもの居場所を南口に】
 あらためて、あんさんぶるの児童館の代替として、子どもたちの居場所になる公共施設を南口駅前に確保することを求めます。
 これは区長自身が区議会の答弁で「あんさんぶるに似たような、類似の資産というものは、今後将来区は取得することは可能性としては大いにあろうかと思う」と答えたものなので責任もって実行するよう求めます。
介護保険国保、保育料の増大】
 あんさんぶる以外の問題について述べます。
 第一に区民負担についてです。議案第16号の介護保険料引き上げ、議案第37号の国保料引き上げなど、区民負担が大幅に増大します。また、昨年第4回定例会では保育料の引き上げも議決されており、これも大きな負担増です。
 さらに、区民センターの利用率について調べていただいたところ、大幅に利用率が下がっていることがわかりました。2015年から3段階の値上げにより、ついに昨年団体割引がなくなりました。1回借りるにも2000円、3000円とお金がかかり、区民活動の大きな阻害要因となっていることは間違いありません。区民に活用されなければ何のための区民施設なのでしょうか。本末転倒です。
【待機児童一服?とんでもない】
 第二に、保育についてです。委員会では「待機児童問題は一服した」かのような表現がたびたび垣間見られました。冗談ではありません。
 この4月に待機児童ゼロとなるかどうかは、国の待機児童の基準が変わることもあり、予断を許しません。また仮に国基準でゼロとなったとしても、法が求めているのは、必要とする人すべてが認可園に入所できることであり、数百人の隠れ待機児童が発生することはこれまでの実績からもほぼ確実とみられます。待機児童問題解決までは長いみちのりです。
【上井草保育園民営化、区立と全く変わらない、のウソ】
 また、質疑では上井草保育園の民営化について質しました。計画施設中の法人部分の面積を十分に精査するとともに、園との共有部分にまで補助金をフルに活用できるものなのか、区財政に損失を与えないよう厳密な算定が必要です。
 上井草保育園民営化のひきつぎでは、「区立と全くかわらない」としてきた区側及び事業者の説明に反し、すでにアレルギー対応が区立のようにはできないことが判明しました。これまでの説明はなんだったのか。運営法人がきちんと対応するよう区の指導を求めます。
【建設工事は一者入札】
 上井草新園の建設工事の入札が一者入札だったことを指摘しました。民間園の入札の中には他にもいくつもの一者入札があることがわかりました。区の入札でないため目にふれないのですが、競争性が働いていないのではとの不信がぬぐえません。法人選定時の「標準偏差」導入、そして建設工事の一者入札と、この園の民営化には不透明さがつきまといます。
 さらに、最近の民間保育園の施設は、最低基準を本当にぎりぎりでクリアしているもの、プレハブ建築のもの、外観が倉庫のようなものなど、子どもたちが家よりも長い時間すごす施設としては疑問のある劣悪な施設が増えています。保育の質に直結することであり、この点についてはあらためて調査したいと考えています。
 民間保育園の運営については、全国的に、人件費の流用も問題とされています。今後も増えていく民間保育園、また民営化について、貴重な財源が浪費されないよう監視が必要です。
【河北病院敷地が陥没】
 第三に、今後問題となりそうな、阿佐ヶ谷北東地区のまちづくりです。
 たまたま区民の方から、河北病院敷地内で土地の陥没が起きていることを知らされたので質疑の中で示しました。区はこの状態を把握していないとのことでした。今後、杉一小を移転する予定の土地であり、駅前一等地の杉一小用地との交換は安全性、また財産価値の面から本当に大丈夫なのでしょうか。
 また、土地の権利交換に関して区議会の議決時期等についてはいまだ検討中とのことであり、区の財産処分なのに果たして区議会が有効に関与できるのかはなはだ心もとないことです。区に不利益な交換となり第二のあんさんぶる問題とならないよう注意喚起します。
【「平和憲法」削除事件】
 このほかにも多数の問題がありますが、最後に、憲法と女性政策について述べます。
 一般質問でも追及し、かつ、予算特別委員会でも質疑してきたところですが、まず第一に区長の憲法観です。
 男女共同参画のイベントをめぐって起きた「平和憲法」削除を求める検閲事件については、区長からも所管からもついに責任ある答弁が得られなかったことは大変遺憾です。
 区の文書に「平和憲法」の言葉がのることを区職員が怖がるほど、いまの日本には言論の自由がなくなってしまったのでしょうか。憲法違反の検閲であるとの自覚を強くもち、厳しく反省してください。
【9条擁護と相いれない区長の憲法観】
 憲法に関連して、区長が以前、安保法制に対して「国民の生命、財産を守る安全保障の根幹をなす政策との与党の判断でつくられた」と評価する発言をしていることを指摘しました。いわゆる9条擁護の立場とは相いれない発言と指摘しましたが、区長は沈黙したままでした。
【男女平等センター事業の後退】
 男女平等センターの区民認知度は目標とする50%に到達するどころか、むしろ下がっています。
 山田前区長時代に男女平等センターの常勤職員がはずされ、受付のみの委託となって事業は大きく後退したわけですが、田中区長のもとで、前区長よりもさらに女性政策を後退させてきたことを指摘します。なにかと前区長を引き合いに出すことがお好きな田中区長ですが、区民負担増と人員削減、民営化などの行革では前区長すらやらなかったことが行われている上に、憲法や男女平等についても前区長と変わらない考え方で区政運営をされていることは大変残念です。
 以上、区政に対する評価を様々述べてまいりました。杉並わくわく会議として、平成30年度杉並区一般会計予算ほか4予算には反対とし、関連議案のうち、第13号、第14号、第15号議案については賛成、他の議案については反対とします。
 終わりにあたり、職員の皆様には、この間多くの資料を調整いただき、また様々な疑問に丁寧にご教示いただきましたことに心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

杉一小移転先の河北病院に大穴(予算特別委員会の質問から)

 2018年3月の予算特別委員会での残りの質問(7日、9日、12日)をまとめて報告します。なお区議会HPから録画配信を見ることができます。
★「平和憲法」削除問題
 2月16日に一般質問した際の答弁で憲法問題への言及が全くなかったので、もう一度やりましたが、やはり区長、区役所は憲法には一切触れずでした。
 まず、当事者が書かれた「ふぇみん」への投稿を事前に渡して該当部分を読み上げてください、と言ったら「読みません」。はぁ? こんなこと言われたら質問できない。委員長(自民党・大和田議員)に「読むように指示してくれ」と言ったのに「質問を続けろ」とかいうので、3往復くらい押し問答しました。「どこがまずくて修正したのか」といっても決して「平和憲法」を削らせたことには触れない。しまいに「男女共同参画とひとことも書いてなかったので」といいますが「書き直したあとの文章にも男女共同参画は入ってないですよね」とトドメ。
 この質疑を傍聴しておられた当事者へのインタビューが「杉並の問題をみんなで考える会」のブログに掲載されています。
「区側の答弁はとんでもないこと。私はプログラムの印刷前日になっていきなり担当者から電話で、『平和憲法のくだりは政治的。書き直してほしい』と言われたました。こんなやりとりがあったのに、区はその事実をひたすら隠し、まるでなかったように見せかけようとしています」
★田中区長の憲法
 関連して区長の憲法観を聞きました。2016年2月すなわち、安保法制が成立したあとの本会議で区長は以下のように答弁しています。
「この法制度は、平和を保持し、国民の生命、財産を守る安全保障の根幹をなす政策であるという与党の判断でつくられたものと受けとめております。」
 どう見ても安保法制支持としか受け取れないので、賛成でいいんですね?と聞いたけど区長は答弁せず。「反論しないということはそういうことと受け止めます」「憲法9条擁護と安保法制支持は両立しない」と指摘しました。
★あんさんぶる荻窪の財産交換
・今回の議決の位置づけがあいまい。
 区は今回「一昨年、財産交換についてはすでに議決しており、今回のは金額変更だけだ」と説明していますが、先に佐々木議員が「前回は交換金額が全く書かれていなかったのであの議決だけでは交換は成立しない(つまり、はじめから2段階議決が前提されている)のではないか」と指摘したものです。区の答弁があいまいだったので再度質したものです。「成立しませんよね」と指摘しましたが「しかし区としての意思決定を行ったもの」と引き続きあいまいな答弁でした。
・児童館の説明会行わず
 他の議員の質問で「成田西児童館の再編についての説明会に参加しました」というのがあり、びっくりしたので質問しました。成田西児童館は「施設再編計画」が確定される前の2013年に児童館で説明会を行い、さらに今回再編の直前にも2度目の説明会が開かれたのです。説明会に際しては杉二小の全校生徒に案内が配布されたそうです。
 ところが、あんさんぶるの荻窪北児童館については、もう今週廃止になるのに、いまだに一度も開かれていません。この点をただすと区は「施設再編計画で説明した」「学校の保護者会で説明した」「そのさい全校生徒に配布した」などと言い訳に終始しました。
荻窪の町会を招待せず
 2月末にあんさんぶるの移転先である「ウェルファーム杉並」の落成式が開かれ、私も出席しました。しかし、荻窪南口の町会長さんに会ったときに「案内なんか来ないよ」とお聞きしたので驚きました。「どこの町会を呼んだんですか」と聞いたら、「天沼地区、上荻地区、清沓地区(清水地域)」との回答で南口の荻窪町会はやはり呼んでいないのでした。あんさんぶるの廃止に反対の人がいると思って、怖くて呼べないらしいです。
★上井草保育園民営化
・法人事務所?
 新園の見取り図をもらったのですが、事務所が2つもあって大きく、会議室も大きく、しかも園長室に副園長室2つもあるという建物です。こんな保育園見たことない。例の「標準偏差」で選ばれたいわくつきの法人で、法人事務所を持ってくるためにこのような仕様になっています。その分の面積は園庭やプールに使えばいいのに。法人優先、子ども後回し。
 副園長室は、法人の理事が使用するということでした。法人部分は53平米と答弁していましたが、もっとありそう。しかも共用部分は算入してないと思います。
・民間へのひきつぎ
 「区立と全く変わらない保育の質」を区役所も事業者も述べていたが、さっそく違いが出てきています。アレルギー対応は区立でやっている「一部除去」ができなくなり「全部除去」のみとなるとの連絡が該当する子の保護者だけに届いたそうです。やはり民営化は保育の質を引き下げることになります。
★河北病院の穴と区画整理事業
・河北病院の穴
 河北病院の北側、旧桃園川にあたる道路に面した部分が大きく陥没しています。

↑花壇部分が陥没し穴は奥へと広がっています。

↑配管(多分排水管)が露出しています。

↑隣接部分では地盤沈下のためフェンスがゆがんで柱から外れたりしています。
 知っていますか?と聞いたら区は把握していませんでした。この地盤の悪い土地と駅前一等地の杉一小を交換し、学校の移転先とするのは危険、かつ損では。
区画整理事業
 手続きを聞きました。来年度の後半くらいまでに法的手続きを終わらせ、「仮換地」=「将来的にこの土地を所有することになる」という権利をきめて工事をするそうです。工事(この場合は、河北、杉一の移転及び道路の拡幅)が完了してはじめて正式の権利交換(移転登記)を行うとのこと。では、区議会はいつ議決するのか? あんさんぶるみたいに「今回のは仮だよね」と思っていたら「あのとき決めたでしょ」と言われるようなバカなことを繰り返すわけにはいきません。
★科学教育と図書館
 最後は少し楽しい話をしたいと思って。
・今年もすぎなみサイエンスフェスタが開かれました。今年は、楽しかった、だけで終わらせずなにかを持ち帰ってほしいと「ブックリスト」をつくりました。来年はぜひ公立図書館が本の展示をやってほしいと要望。今年も一部展示はやっていたそうですが。
荒川区中央図書館「ゆいの森」では科学体験キットの貸し出しをしています。杉並の図書館でも導入しては。と提案しました。

あんさんぶる荻窪の財産交換価格について(予算特別委員会における質問)

 2018年3月5日予算特別委員会1回目の質問を行いました。今議会で議案となっている「あんさんぶる荻窪の財産交換」についてです。本日傍聴されていた方から「難しかった」のお声もあり、説明もかねてご報告します。
 あんさんぶるの財産交換は2016年3月に区議会で議決されましたが、実際に交換されるのは今年5月の予定です。2年もたつと地価が変わってしまうので、新たに議決しなおさなくてはなりません。そのため今回再度の議案が提出されました。
 この手順の疑問や取引が国主導で区にとって不利ではないか、という件については「自民無所属クラブ」の佐々木議員が私の直前で質問してくれ、私は財産価格の鑑定について質問しました。
 概要はこんな感じです。
【財産鑑定ではない】
・財産鑑定というが、今回のは財産鑑定ではない。「価格等調査」という。
・どうして財産鑑定をしないかというと、12月時点で2月の価格を求めたもので「将来時点」のものだから、鑑定の条件を満たさない。
・「価格等調査」なので「鑑定を行った場合には違う価格になるかもしれません」という但し書きがついている。こういう条件で価格を決めてしまっていいのか疑問。
【あんさんぶる荻窪の建物価値がなんと4分の1以下に】
・あんさんぶるの土地建物は「市場性修正率」というものを使って2割引きにされている。
・なぜ2割引きかというと、建物が容積率をめいっぱい使っていないこと、体育館など事務所に適さない施設が入っていることから、なんと44%にディスカウントされた。(元々の建築費から減価償却分を引いてまず53%に減額、その上さらに44%に割り引いたので、築浅のあんさんぶるがなんと、原価の23%!4分の1以下に割り引かれている。)
・さらに、その値段から、理由も示さず、ざっくり1億5千万円が引かれている。(割引率の端数を切り捨てたため)
【建築費用の上昇を無視】
・もうひとつは、建物の計算の前提になる建築費用。2年前の鑑定と今回と、同じ数字を使っているが、実は2年間に建設費用は2%ほど上昇している。ここでもあんさんぶるがディスカウントされている。
・これら全体として、あんさんぶるの価格算定が適切とは思われない。
【地元町会からの要望書】
・最後に、荻窪の2つの町会から出された要望書を紹介。「財産交換に際し、区が十分に説明責任を果たさないため、地元では意見の対立、地域の分断、人間関係の悪化にまで及び取り返しのつかない犠牲を払った」「区がこの不手際を深く反省し、二度とこのようなことを繰り返さないように求める」と厳しい表現で区を批判している。