遅くなりましたが、「杉並病」の会の学習会報告です。清掃労組の皆さんのお話をききました。以下お話の中身。
○「ごみ半減プラン」について……廃棄物処理計画の中期計画。８月下旬からまた例の「区民意見募集」があり、１０月以降環境清掃審議会で審議されるそうです。
・家庭ごみの有料化！ ・リサイクルの拡大（後述） など
○新潟県三条市への水害支援。これは面白かったです。
・２３区の清掃事務所がいっしょに支援にいった（杉並からは清掃車２台＆ワゴン車１台と人員９名）
・三条市は、清掃事業が業者委託になっていて、市役所の職員が清掃のノウハウを全く知らない。そのために「え〜と、今度は○○町○番地へ行ってください」みたいな指示をいちいち出していて、ものすごく非効率だった。それでこっちから行った人たちは１日目に航空地図をゲットして線引きし、各区ごとに分担を決めて、次の日から清掃車がばりばり動いた。・そしたら三条市が１６０日かかると行っていた作業が３日で終わっちゃった！
・三条市は今回の清掃運搬を業者に頼んでいたんだが、この連中が４ｔトラックとかでくるから狭いところは入れないし効率が悪い。しかもあえて積み残していた冷蔵庫やエアコンを業者が積んできてしまって、ユンボでがしがし潰すのでフロンが発散されてしまった。
・お年寄りの家庭だと、壊れた家具などを家から出せずにいたけど、そういうのを手伝って出してあげた。
などというわけで公務員の清掃労働者の能力のすごさを見せつけてきたようでした。
○廃プラスチックの処分について
東京都の答申が出たわけですが一言でいうとこの答申は「プラスチックは燃えるごみにする」ということです。環境庁も今「プラスチックは焼却」という方針を出しています。このことについてお聞きしました。
とりあえず「都がそういう答申を出したからといって何の拘束力もない。今は東京都の事業じゃなくて、２３区の共同事業になっているので」というのがお答えでした。杉並単独でも決められないし２３区で検討をして決めることだということです。でも、国も都もそうなら、２３区も焼却の方向に動くことは間違いない
ですね。プラの焼却については組合も今のところ検討中とのことでした。
なお、今杉並区では「プラスチックのサーマルリサイクル」のモデル事業をやっています。馬橋町会と三谷町会の２カ所で３年目だそうです。これは「容器包装リサイクル法」にもとづく事業で費用の９割はメーカー負担になっています。※サーマルリサイクルっていうのは熱を回収するということで、要するに燃しちゃうっていうことです。こんなの「リサイクル」とよんでいいのでしょうか。
「プラスチック容器」を分別してもらって収拾し、板橋まで運び板橋から船で新日鐵君津の溶鉱炉に運び、溶鉱炉の助剤とする、ということですが、要するに溶鉱炉で燃しているわけです。プラスチックは容器・包装に使われているものがほとんどだから、これを分別するとものすごくごみが減るそうです。
しかし。いいんでしょうかねえ。プラスチックを溶鉱炉で燃すって大丈夫なのでしょうか。
「安全なんでしょうかねえ」と聞いたら「住民のほうからぜひ意見を出してほしい」とのことでした。
○さて「ガス化溶融炉」「灰溶融炉」についてですが、日程にのぼっているわけでもないので、今回はほとんど話には出ませんでしたが、杉並とのかかわりでまとめてみると、
・「２３区清掃一部事務組合」は焼却炉の灰を全量灰溶融処理してスラグ（融かしたごみのかたまり）にし、建材の再利用などにまわして埋め立てをゼロにする、という方針をかかげています。なので、今建て替えている焼却施設には灰溶融炉が併設されるようになっています。すでに稼働しているところもあります。ということは、杉並工場も建て替えになると灰溶融施設が併設されることになります。（計画は未定です）
・「ガス化溶融炉」は灰溶融炉とちがい、ごみをダイレクトにガスにしてしまい（ガスは燃料として利用しつつ）燃え残りを溶融していくというものですが、いま臨海部に１つ建設中なのと、世田谷に建設が始まろうとしています。山田区長は世田谷区民との懇談の席で「中継所をなくすかわりにガス化溶融炉をつくる」と言ったそうですが。プラスチックを全量区内で処理することになるとやはりそれしかないのか？？
○杉並病とのかかわりで、私が思ったことは
中継所の廃止について、区はごみの量を減らすという一本槍なんだけど、そういう問題じゃない。江東区から「ごみ戦争は終わってないぞ」とスゴまれたという話とか練馬区からの搬入は一部事務組合の関係で拒めないとかいう話がありましたが、そういう他区との関係をきちんと調整しつつ「被害者がいるんだから」と廃止していくのは政治の役割ですね。その政治責任をとらない区長（＆議会）に最も問題があるように思います。
