わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

「ごみ半減プラン」への意見/ゆり

1目標と削減計画
○杉並中継所を不要なものにするというが、その理由を明記すべきである。「公害の発生源としなっている」からなくすことを区の態度として示すべき。そうでなくてはなぜ不要なのかわからない。
○家庭ごみの40%減を目標というが、区の計画は区役所の努力目標をたてるべきであって、区民の達成すべき目標を区がかかげるのは、おこがましいというべきである。それこそ規制緩和、自由化に逆行するものではないだろうか。
○ごみの発生抑制についての認識が遅れている。区民が「ごみ」になってからの発生抑制以前に、そもそも「商品として」ごみになるものは作らないことが第一である。ごみになるものを買ってきてしまえば、ごみを出さないことは難しい。区は国・都とともに、企業に対してごみになるものを作らないよう、またむだな包装をしないようまずはたらきかけるよう要望する。
3リサイクルを進めます
○廃プラスチックのリサイクル…ケミカルリサイクルというが、実際は鉄鋼所の高炉で熱処理しているわけで要するに燃やしているという実態である。区内で燃やさなければそれでいいのか、君津地域の環境破壊につながっているのではないかが明らかでない現在、この新日鐵君津でのケミカルリサイクルは凍結すべき。
○廃プラスチックのリサイクルに向けて圧縮施設を増設するとあるが、杉並中継所の例にみるように、プラスチックの圧縮の影響は科学的に解明されていない部分も大きい。現状では安易な増設には反対。
5収集サービス拡充に向けて
○民間委託の拡大…公務員の清掃事務所だからできる仕事がある。ふれあい収集など。安易に民間委託を拡大すべきではない。
6清掃事業をとりまく環境変化と……
○サーマルリサイクルの可能性を検討するとされるが、プラスチックを中心とするごみを焼却あるいは溶融したときにおこる環境への影響を充分に精査すべき。プラスチックには金属など有毒物質が添加されており、高温で処理したときにダイオキシンのほかにも大気中へ有毒物質が放出される可能性は否定できない。また溶融炉は技術的に安全が確保されていないことは、各地で続発する爆発事故などに明らかである。現在の技術レベルでは区内で行うべきではないと考える。
○杉並中継所不要化にむけた各区との調整…杉並病被害を認め、その解決を訴えない限り、関係各区が動いてくれることはありえない。杉並病にほおかむりしたままで隣接区などに協力を求めるという区の方針は、欺瞞である。杉並病解決に真摯に取り組むべきである。
○家庭ごみの有料化…すでにごみを削減する意識のある人は削減していて、有料になってもごみが減るわけではない。有料化の効果は限定的であることはわかっていて、ここでは「ごみ減量」を口実とする区民への負担増が目的と思われるので、この観点からの有料化には反対。
 なお、ごみ減量に取り組む意識の高い人と低い人で「不公平だ」というが、何が不公平なのであろうか。ごみ減量、環境への意識は全く個人の価値観に基づくもので、区役所からどっちが良いとか言われる筋合いのものではない。
 さらに、ごみを減量したくてもできない人もいる。赤ちゃんや寝たきりのお年寄りのいる家庭では山のように紙オムツが出る。この人たちを意識が低いとは言えないであろう。
 
 繰り返しになるが、区がごみ減量の目標をたてたとて、区民にそれを実行しろと命令することはできない。住民自治とは、区が上で区民が下という組織ではないからだ。区が区民に対してできることは、それでは何かといえば、環境問題や、ごみ処理の問題について問題提起をし、理解を求めることではないだろうか。それはどんどんおやりになればよい。しかし、「40%減の目標」などとあたかもノルマのように区民に課するのは、区が「勘違い」しているとしか思えない。
 区役所の責務を再考されてはいかがだろうか。