わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

卒業式・入学式の「日の丸・君が代」/ゆり

「杉並の教育を考えるみんなの会」の杉並区教育委員会・松岡指導室長との話し合いに参加しました。要望書の各項目と松岡さんの回答は、
1)日の丸・君が代を強制しないで:
生徒(児童)は指導される立場、教員は指導する立場、保護者はそれとは別の立場である。私は「強制する」とは考えていない。「強制」は、例えば立たない子がいれば、教員が腕をつかんでも立たせるといったイメージがある。これは強制ではなくてあくまで「指導事項」である。教員については、仕事としてやってもらわないと困る。個人としての内心の自由を侵すものではない。教育公務員としての使命がある。
2)会場の設営など、子どもや教員の意向を尊重してほしい:
杉並区としては「儀式的行事」という趣旨にもとづき「実施指針」を出している。「指針」では国旗・区旗を正面壇上に掲揚と決めているので、それが見えにくいような形で子どもの作品などが展示されると問題になる。儀式的な部分でなく、卒業生と在校生が対面の体形をとることについて、禁止していない。
3)職務命令を出して教員を処分することはやめて:
職務命令は国旗・国歌にかぎらない。また文書でなく口頭でも上司から言われたことはすべて職務命令になる。たとえば「コピーとって」というのも職務命令。一般的に職務命令違反があれば、処分対象となりうる。
この回答をうけて、私たちと松岡さんとで議論をしました(といっても、話はどうもかみあっていないのですが)。そのなかで松岡さんが言ったこと。
・儀式的行事の実施指針を出したのは平成15(2003)年11月。都が都立学校について同様の指針を出したのが同年10月なのでその影響がないわけではない。
・杉並区と都の指針の違いは「演壇は壇上にあげること」と杉並区のほうが具体的なこと(!)など。
国旗掲揚・国歌斉唱については学習指導要領に定められていて、教育の中で実施しなければならないと決まっている。しかし教科についてもそうだが、具体的な実施の仕方は明文化されていないので、杉並区としてはより具体的な実施指針をもうけたという趣旨である。
・教員については、職務であるので、指導するのが義務。たとえば算数の九九をその人の思想信条で「私は教えない」ということはできないでしょう?
(以下略)
一番印象的だったのは最後に書いた「九九」でした。日の丸・君が代と九九をあえていっしょの問題として論じる松岡氏。九九を教える教えないの問題と、日の丸・君が代に従う子どもをつくるということの間にある、大きな違いを、あえて見ないふりをする、こういう態度こそが最も問題だと思いました。
「私はこれが仕事ですから。算数も国語も君が代も仕事として同等に粛々とやっていくだけですよ」とでもいいたげな彼。きっと、びらまきの人を逮捕させた都立高校の校長も同じことを考えているんでしょうね。「仕事ってそういうものだ」って。こういう人たちこそが実は、思想統制をよびこむ、もっとも有力な協力者なのだと思います。