わくわくの日々

杉並区議会議員・松尾ゆりのブログ

住基ネット訴訟敗訴

29日東京高裁における杉並区の敗訴を受けて、今日は「住基ネット訴訟」についての総務財政・区民生活両委員会の合同審査会がありました。
当然のことながら、一審地裁判決以上に区にとっては厳しい結果になりました。
「市町村長は、住民が通知を希望しているか否かを問わず、都道府県知事に対し、もれなく本人確認情報を送る義務がある」「個人の権利を侵害するか否かの判断は、プライバシー権を侵害されたと主張する国民が、法的救済を求めた場合に判断されるべき。地方公共団体が独自に違憲性を判断して、法に定められた事務処理を行わないことは許されない」
そもそも思い出していただきたいのですが、杉並区の態度はすごくネジれています。
○まず、住基ネット発足前には山田区長が「住基ネットはプライバシーの問題があるから離脱」と宣言。(ここまではよかった)
○4年前、2期目の当選を果たしたとたんに区長が「横浜方式=選択制で接続」(将来的には全員接続)と宣言。
○その後「非通知申し出」をした人(区民の16%)以外はネットに接続するよう都に要請したが拒否される。それをうけて提訴。
という経過をたどっているので、いったい杉並区が接続したいのかしたくないのか、多くの人にはわからない状態です。今回の裁判も「離脱を認めさせるための裁判」と思っている人が多いと思います。
ひとことで言ってしまえば、この裁判は初めから「杉並区はこんなにがんばったのに都が選択制を認めず、裁判所も認めてくれなかった。だから仕方ない」と幕引きするためのアリバイづくりでしかありません。
きょうの審議の中でも委員から「中途半端な裁判をやるから、かえってひどい判決を引き出した」「なぜ提訴する必要があったのかわからない。ヤブヘビになったんじゃないか」という意見が口々に出されました。先行した裁判でのすぐれた判決(大阪高裁、金沢地裁)の成果を無に帰するようなヒドい判決を出させてしまった杉並区の「アリバイ訴訟」の罪は重いです。
しかも、区民の血税4000万円以上つぎこんで、当然の敗訴。しかも、区長は「上告する」と発言しました。絶対負ける訴訟を。っていうか負けるための訴訟を。
おまけですが、この発言の中で区長は「共産党の市長だって離脱できない」といって共産党の議員を怒らせました。「わが党を侮辱する発言だ」という共産党議員の抗議に対して「事実を指摘したまでだ。事実じゃないのか」と不規則発言。みっともない。区報やマスコミに登場する区長しか知らない人には、こういう姿をぜひ見てほしいなあと思います。